Net4u レンタル掲示板を作る
ゆとり
ここでは自由にドリメのプロローグを投下しても構いません
2011/08/26 Fri 21:37 [No.582]
海の神竜ラプラス
テキストファイルで失礼。
スイレンプロローグ
http://pokemonfiles.web.fc2.com/dream_makers/prologue_suiren.txt
ラプージャプロローグ
http://pokemonfiles.web.fc2.com/dream_makers/prologue_laplas.txt
2011/08/26 Fri 21:40 [No.583]
ゆとり
そこは多くの家が並ぶ住宅街だった。道路が真っ白で、3階建ての家がずらりと並ぶその町を初めて見る人にとっては綺麗だなと感じるかもしれない。
そしてその町の中の噴水がある広場に一匹の眼鏡をかけた生き物がいた--
(ここは・・・・・・どこ?)
その生き物はこう疑問に感じていた。
(一体どこなんだろここ・・・・・・。さっきまで電車の座席に座って携帯の画面を眺めてたのに・・・・・・)
彼女はこのような事態に焦っていた。しかし、ふとこんなことを考えた。
(もしかしたら・・・・・・あのURLにクリックしたのがいけなかったのかなぁ)
その生き物は、思い返していた。少し前にやった行動全てを----
------------
(さてと、どんなことが書かれてるんだろうか)
一人の眼鏡をかけた制服姿の少女は下りの電車の座席に座りながら、携帯でポケボードというサイトを開いた。
そのサイトは彼女が毎日欠かさず訪れているサイトの一つである。
そこで彼女は【ゆとり】というHNで言葉遊びをしたり、キャラを作って投稿したりするのだった。
彼女の携帯からでは残念ながら投稿は出来ないものの、毎日そのサイトを見ていた。
しかし早速小説運営・感想専用の板--ラティオス部屋を開いたものの、一番上に【助けてください】の題名のスレッドが。
(【助けてください】? 変なタイトルだなぁ・・・・・・)
彼女はそう思いつつそのスレッドを開いた。が、一つのURLが貼ってあるだけ。
何処にも作品の大まかな内容や、キャラ募集用のテンプレなんて書いてなかった。
(なんだ、ただの荒らしか)
そう思いつつクリアボタンを押そうとした。しかし、このURLをクリックすると何処に繋がるんだろうという疑問と好奇心が次第に高まっていった。
(まあウイルスをばらまくようなあくどいサイトだとしても、これ携帯だから大丈夫だろう。まあ、これがグリーン姉さんやモタ男みたいなグロ画像に繋がってたら泣くが)
そしてグロ画像対策として薄目になってから、迷うことなくすんなりとそれをクリックした。しかし数秒後、彼女の姿は電車の座席から消えていた----
------------
----そして今に至る。
(やっぱあのスレッドをクリックしたのがいけなかったんだ・・・・・・)
ゆとりは深く後悔していた。軽々しくURLをクリックした事に。
(まあ、とりあえず歩こう。歩けば何とかなる)
2011/08/26 Fri 23:46 [No.588]
ゆとり
そしてゆとりは歩き出した。が、すぐに違和感を感じた。
彼女がそう感じた理由としてひとつは、普通に立っているのに目線がありえないぐらい低いこと。そしてもうひとつは、歩き方が何だかいつも歩いているときと違うこと。
(いったいどういうことなの。もしや、もしかしたら・・・・・・)
ゆとりは大きな不安を抱えながら顔を下に向けた。すると黄色の小さな鳥のような足が見えた。
そして一つの疑問が彼女の心の中から思い浮かびあがった。
彼女は俄かには信じたく無いものの、その広場にある小さな池で彼女自身の姿を確認してみた。
水面に映っていたものは、手と呼べるものがなく、かわりにふさふさとした黄色い羽毛、朱色の体、頭のてっぺんについていた朱と黄のトサカ・・・・・・。
(そ、そんな・・・・・・さすがにありえない・・・・・・)
その姿は彼女が全てのポケモンの中で一番大好きだった----
(私、アチャモになったんだ・・・・・・)
2011/08/27 Sat 23:27 [No.598]
Makoto
そよ風が優しくなびき、川も穏やかに流れている青空の下… 森の手前に立っている立て看板には人間が書いたと思われるような字で『〜6ばんどうろ〜』と書かれている。
一匹の“ラッコポケモン”がパタパタと川沿いに走りながら、周りをしきりに見渡していた。その小さな右手には青く丸いきのみを抱えている。
「おーい、こっちだよー! この先に進めばホドモエシティへ出られるはず!」
白と青、水色の服のような体毛を持つ、その“ラッコポケモン”――ミジュマルは、一旦立ち止まると後ろに向かって手を振りながら大きく呼びかけた。
「今行くよー! ちょっと待っててー!」
ここで、後ろからもう一匹の青の体毛に覆われた風船のような“みずねずみポケモン”――マリルが返事を返しながら手を振って合図しているミジュマルの下へ駆けつける。
右肩に収穫したきのみを入れるためのバッグを掛け、両手に黄色い梨みたいなきのみとサクランボのように葉っぱが付いたきのみ、それぞれを抱えながら。
彼らは、奇跡的に出会った交錯するはずのないポケモンたちだった。一方はこの世界に元々住んでいるポケモン、もう一方は別次元からやってきたイレギュラー――“元人間”なのである。
事の発端は…… 今から少し前の時間に遡る。
――――――――――――――――――――
「今日も更新されてない、か……」
いつものように、PC画面の中の《ポケボード》の部屋を見回して、メガネの少年はゆっくりとため息をついた。
「まぁ別にいっか。人にもそれぞれ予定があるんだろうし」
左腕にピカチュウとピチューが描かれている黄色のリストバンドをつけた少年は、マウスを持って、カチカチと別々の掲示板を切り替えていく。
この少年――マコトもまた、ポケモン二次創作サイト《ポケ書》に通っているユーザーなのだ。ちなみに、本来のハンドルネームはMakotoである。
元々、可愛いポケモンが好きな彼は、その多彩に描かれているイラストやアイコン、小説等に感銘を受けて以来、暇な時間を見つけては、よくここに通っているのだ。
「また変なスレッドが立ってるなぁ……。これで6つ目だぞ?」
しばらく切り替えをしていた所で、マコトは、ふと一つのスレッドに目を止めた。
『助けてください』
タイトルにはそれだけしか書かれていない。何となく怪しい。
実はポケボードを見て回っている際に、何とこのタイトルのスレッドが一部屋ごとに立てられていたのだ。これでは住人たちが迷惑するばかりだというのに。
しかし……普通はこういった荒らしまがいの物に立ち入ることは好ましくないとは分かっていながらも、生まれつきの好奇心の前には、理性は何かと簡単に打ち負かされてしまうものだ。
マコトは、確かめてみたいという心の声に身を任せ、そのスレッドをクリックして中を調べてみることにした。
「本文も“助けてください”か…… それにしても、短絡的にも程があるでしょ」
訝しげにそのスレッドの表示されている画面とにらめっこしているマコト。
わからない、一体何をどう助ければいいのだろうか。言いたい事があるのなら、本文をそのまま書けばいいのに。
考えていても埒が明かないので、とりあえず左上に目を向けて細かく見てみた。
「あれ? アドレスだけ小さく書かれてる……。dreammakers……『ドリームメーカーズ』……。夢の作り手?」
試しに、幾つか呟く形で読み返してみた。しかし、特に何も起こらない。
「ふぅむ… ちょっと見てみよっかな?」
ゆっくりと深呼吸を重ね、マウスのカーソルをURLの上にそろそろと持ってくる。
一回リンクをクリックしてみて、もし変なサイトに行きついたらそのブラウザを閉じればいい……マコトはそう思うようにしていた。
しかし、この決断が危険な道しるべを辿る事になろうとは。そして――
「1、2の… 3! それっ!」
カチッ! 問題のURLを―― 押してしまった。
「あ、あれ? 何か、体中の…力が……抜け…て……?」
マコトは、目の前が寸断されたかのように暗くなるのを感じた。
そして、少しずつ意識が遠ざかって行き…… やがて完全なる闇へと落ちて行った――
2011/08/27 Sat 22:13 [No.594]
Makoto
――――――――――――――――――――
遠い意識の中…… どこからともかく、声が聞こえた……。
その最中、聞き取れたのは確か、こんな言葉だった。
『あなたをポケモンだけの世界へ導きます』
『ドリームメーカーズが、人間の世界へ干渉してくる前に』
『あなたたちがそれを阻止して、世界を救ってください』
『お願いします……助けてください……』
僕は、その話を少しずつまとめようとする間もなく、自分の体がどこかへ飛ばされているのを感じていた……
2011/08/27 Sat 22:15 [No.595]
Makoto
――――――――――――――――――――
「ねぇ、キミ? 大丈夫?」
「…………」
誰かが僕を呼びかけてる。鈴のように高い声……子どもの声みたいだ。
「ねぇ… 起きてよ、起きてってば」
「…………うぅ……」
今度は体を揺さぶっているようだ。それも、強く力を込めてユサユサと。
うるさいなぁ……。もうちょっと……寝かせてよ……
「……起きろー! <みずでっぽう>!」
「わああぁっ!?」
バシャッ!! 水の冷たさを真っ向から感じた僕は、慌てて飛び起きた。
「ケホッ、ケホッ!?」
「あ、気が付いた! よかったぁ〜!」
水をかけられてまだ驚いている僕をよそに、ラッコのような体をした小っちゃな子どもは歓喜の声を上げていた。
いきなり浴びせられた方はたまったものではない。水打ちにはいいかもしれないけど。
「ちょ、いきなりひどいじゃないか! 何も悪いことしてないのに」
「う…だ、だって……。目の前で倒れてるキミを放っておけなかったんだもん……」
「……ゴメン、今のは僕が言い過ぎたよ」
思わず声を大きく上げてしまった僕。と、さっきまでの元気が萎れて、泣きそうな顔をしてうなだれる男の子を見て、自分の大人気なさに気づいて反省、何とかなだめすかした。その際に、泣いてる子どもの顔も可愛いなと思ってしまったのは、さておき……。
とりあえず、一先ず落ち着こう。それに、ここは見慣れた風景じゃないことには間違いは無さそうだ。
「僕、一体どうしてたの? ここは、どこ……?」
「キミ、ここで倒れてたんだよ? “でんきいしのほらあな”に通じる、6ばんどうろの一軒家の前で」
「そうなの…か……」
「大丈夫? ごめんね、もしかしてぼくの<みずでっぼう>の打ち所が悪かった?」
「ううん、そんな事ないよ。大丈夫だ、ちょっと眩暈がしただけ…」
ようやく目の前の視覚が戻ってきた。しかし手を伸ばそうとすると、妙な違和感を感じる。
いや、それ以前に…… 僕って、こんなに目線が低かったっけ?
2011/08/27 Sat 22:19 [No.596]
Makoto
「そうだ、自己紹介がまだだったね。ぼくの名前はシェイクスっていうの。よろしくね!」
「僕はマコトだよ。えっと… シェイクスくん、さっきは起こしてくれてありがとね」
「へへ、どういたしまして。それと、ぼくのことは呼び捨てでいいよ? “よぉ、シェイクス”って感じでさ」
「それだったら、僕のことも同じくでいいよ。その方がお互い呼びやすいでしょ」
自己紹介してから打ち解けるまで、それほど時間はかからなかったようだ。なんだろう、こうやって話してると自然と温かくなってくる。そんな気がした。
「ここら辺じゃ見かけないポケモンだから、ぼく友達になれてうれしいよ!」
「ハハ、それは僕も同じ――ポ、ポケモン!?」
「どうしたの? キミ、どこから見てもマリルの姿だよ?」
シェイクスの何気ない一言に、突然現実に引き戻された僕。
ちょっと待て… じゃあ、これってもしかして!? 僕は川の方へ無意識に走っていた。今思えば、慌てふためいていて気が動転していたのは覚えている。
そして水面の映る自分の姿を見て――確信した。
「本当だ…… 僕、みずねずみポケモンの、マリルになってる……」
夢なのかと思って一度頬をつねってみたが、その考えは痛みが伝わったことから打ち消した。一度深呼吸をすると、もう一度水面を覗き込む。
全体的にボールのように丸まった体に、くりっとつぶらな黒い瞳、ちょこんと青く丸い形で立っている耳、白くふっくらしたお腹、風船みたいに青い先端が付いた黒くギザギザに伸びきった尻尾……
「夢、じゃない。僕ポケモンになれたんだ! それに、今僕と一緒にいるのって……」
「ねぇ、マコトー? さっきから川の方ばかり見つめてどうしたの?」
しきりに水面を見つめる僕を見て、不安そうに声をかけるシェイクス。
まさかとは思っていたが、ポケモンでよくパートナーとして使っている可愛いポケモンと会えるなんて、夢にも思わなかった。それも、今僕の現実に……
「君、もしかしてだけど… “ラッコポケモン”のミジュマルなの? イッシュ地方の御三家ポケモンの一匹の……」
「そ、そうだけど?」
「やっぱりそうだったんだー! 可愛いよミジュマル、僕の大好きなポケモン! きゃあー、抱かせてぇー!!」
「わわっ、ちょ…! こ、こんな所で恥ずかしいよ……!」
「あぁ、何て幸せナリかぁーッ!!」
可愛いポケモンを前に我慢できず、気が付くと僕はシェイクスを抱き上げて空の方へ高く掲げていた。今思えば、僕は何てバカな事をしたのだろうか。
無論、突然の“たかいたかい”に驚いてしまったシェイクスが、もう一度僕に<みずでっぽう>をお見舞いしたのは言うまでもない。
と、マコトとシェイクスの出会いの場面は、一先ずここまでにしよう……
――――――――――――――――――――
そして、今に至るという訳だ。
合流したマリルとミジュマル――マコトとシェイクスは、ふと手に持っているきのみを互いに見つめ合い、クスッと微笑む。それからバッグの中に、収穫されたきのみを次々に入れていった。
「シェイクス、そんなにせかせかしなくても。折角ポケモンになれたんだからさ、もう少し自然を堪能してこうよー」
「何言ってるの、マコトってば。ちょっとでも目を離すと、きのみ取りの事ばかり考えてるんだからなぁ… それに、一度にきのみたっくさん持ってきすぎだよ」
「体が小さいって、結構大変ナリな……。知らないきのみが無いかなーって夢中で探してたら、いつの間にか手元にはこんな風に」
「こういうの“ケンキュウネッシン”っていうんだよね……。まぁ、いつものマコトらしいから別にいいけど」
「他人事みたいに言うなよ、こっちはいっぱい拾いまくっててそれ所じゃないってのに……」
きのみ拾いをしながらのんびり構えているマコトと、ライモンシティに向けて早く行こうとせっかちになっているシェイクスは互いにそう言って顔をふくらます。言葉ではじゃれ合いながらも、怒ってる様子はみじんもない。
「まぁ、数ではキミには負けてないし、それにスピードだって本気を出せばキミなんかあっという間に追い付けるさ」
「あ、言ったな!? じゃあ、今度かけ橋を越えてく時にどっちが足が早いか競争だ! これでもぼくはいつでも本気なんだから!」
「よし、受けて立とうじゃない! それでこそ僕の良きライバルナリ!」
「絶対に負けないからね…! それじゃあ、よーい、ドン!」
2匹は互いに顔を合わせてうなずき、走り込みの態勢を作ったかと思うとさっと駆け出して行った。そう、ライモンシティの方へ一斉に。
2011/08/27 Sat 22:20 [No.597]
あんびしゃん(氷河期の賢者
音楽が好きだ。
俺の周りには常に音楽が流れていた。親父も、母親も音楽家というわけじゃない。でも音楽が好きや。おそらく遺伝子やろ。最初は子どものための歌。次はポップス。洋楽、ロックと来て今はR&B。音楽を聞いている時の俺は普段とは何か違うものがあった。なぜか、それを考えたことはないんやけど。
音楽を聞いている時の俺が自然体。そして歌っている時の俺は進化形。自分に酔っていると言われればそうなんやろうか。
俺は歌手になる――歌手になって音楽を届けるんや。多くの人に。
「ヒィイーア!」
ラップを歌っている俺は、周りが見えない。家ではかなり迷惑なようだが、気にしない。
「静かにしなさい!」
たとえ母親の怒号が鳴り響こうと。
「黙らんか! 演歌が至高だ!」
父親がラップを否定しようが。
俺は音楽を聴き続ける。歌い、奏で。これほど楽しいことが他にあるか。――ないやろ。
「いいよな……歌って」
一人の部屋で浸っているだけなら誰も文句は言うまい。
高層マンションの五十三階。大阪市一帯を見渡せるような高さ。ベランダに出る。手元にはスマートフォン。うちの家自体が金持ちだから買ってもらえたもの
。
これすごいで。ネットもできるし。マスコミが持ち上げるだけあるわ。
「ポケボードっと」
音楽サイトをめぐっていたら、ポケモンの主題歌に出会い、おおなかなかいいやんと思ってネットサーフィンしていたらであったサイト、ポケ書。
俺はポケモンについてはせいぜいルビーサファイヤくらいまでしか知らないにわかやし、このサイトのコンテンツはあまり楽しめるもんではない。
しかし、このポケ書の掲示板、ポケボード。一般的に雑談やらワイファイやらアンケートやら言葉遊びやらという部屋があるのだが、その中で小説を書く為の部屋というのがある。俺はそこに興味を持ってから、このサイトに通うようになった。今思えばな。
素人が小説書いて、評価貰えるなんて素敵やん?
でも、俺は小説を書けない。いや、俺は歌で勝負するし、どうせなら歌の部屋もできたらええのにとか思いながら眺めてるけど、ここ二年でできたことはあらへん。
「歌いたいわ。久々にカラオケ行きたい」
通天閣は節電中。光らへん。阪神買ったやろうか……
「ん、なんやこれ」
小説部屋に、タイトルなしのスレッドが立てられている。
「またたちの悪いあの荒らしやろうか。でも、小説部屋に来るのは珍しいなあ」
そのスレッドは、それ以外の部屋にも。
「なんや、スレッド見てみるか」
そこには、URLが一行だけ。
「あれ、あの荒らし違うやん」
俺は画面を下にスクロールしようとして、タッチパネルに触れる。そしてスクロール――やばい。URL押してもうた。これウイルス来るかもしれんで。
あれ、おかしい眠い。なんでや――
眠気と呼ぶには穏やかではない指示が彼の脳から出された――
「なんやもう……スマフォ壊れるんちゃうか思うたわ……」
彼はまず、晴れているということに疑問を持った。彼はさっきまで闇に空間を包まれた夜という世界で生活をしていた。なのにどうして日差しが届いているのだろうと思う。
「あれ、ビルやんこれ」
彼はベランダにいたはず――なのに道路に横たわっている。
「俺、浮くねんけど」
彼は浮いている――
「足ないねんけど」
彼は尖ったもので全身を支えていた。
「腕が氷なんやけど」
以下省略である――
「これって……どういうことや!」
彼は近くの窓へと走る。自分の姿を映す。するとそこには――
「アイスやないか……」
バニラアイスがいた――
2011/08/27 Sat 23:42 [No.599]
椎名
助けてください
簡単な文章、開けば青い文字、もといURS。
………………カチッとな。
暗転、ならぬ白転。
* * *
優しい風が吹く。さわさわと木の葉がすれ合う音。心地よいぬくもりの日差し。
まどろむ目をこすり、上を見る。青い空に白い雲、なるほど、自然は素晴らしい。
空に手を伸ばしてみる。なんか茶色い。そう、夏なの紫外線なの日焼けしたの……あれれーおかしいぞー。
間。
さて、いっつしんきんぐたいむ。
つまるところ、私はすごくもふもふしているようだ。つまりなんか違うものになっている、と。
……どうしてこうなった。
「おしおきしちゃうぞっ」
自分で言って恥ずかしくなったので周りを見渡す。たぶんきづかれてない……?
そんな冗談はさておき、本当にどうしてこうなったんだろう。思い当たることなん、て……あれ、ある? もしかして、あの変なアドレス?
「……まっさかねー。たかがアドレスでまさかまさか」
つぶやくと同時に空腹感。そういえばご飯食べてない。
まあ、どーせひとりなんだから、辺りを偵察してみようか。
「ぃよっしゃ!」
さて、ここで問題がひとつおこった。
どうやら、私は木の上にいたらしい。
しかしそんなことには気づけず、勢いよく立ちあがってしまった。
……わぁい。
数秒後、謎の奇声がこの森――ホワイトフォレストに響いたという。
○○○
おおまかにぽちぽち。おっこちたって自前の綿毛で無事なのです。
2011/08/28 Sun 21:27 [No.601]
サントアンヌ号
「…………さてと、そろそろ思考を現実に戻そうかな」
そんな事を呟きながら私はゆっくりと閉じていた目を開き、もう一度周囲に視線を向けた。
相も変わらずどこかの百貨店内の映像が目から入り込み、脳内で『これが今見ている光景だ』という情報が嫌でも正確に処理されていく。
テンションに流されずにじっくり思案する性格ゆえか、友人から良く『お前の思考はプログラムみたいだな』などと冗談に例えられていた事もあったのだが、今の自分がポリゴン2の姿に変わっている事を知ってからは、更に脳内がプログラム化されてしまったのかもしれないと思ってしまう。
そんな非現実的な出来事に遭遇してしまった事を幸運と呼ぶべきか不幸と呼ぶべきかのボーダーラインも分からぬまま、私はもう一度“あの時”の出来事を回想してみた。
* * *
「……ん?」
仕事から帰った後、マイパソがあるプライベートルームでネトゲでの作業が一段落してからビールとツマミで休憩中(オヤジ臭いとか言ったヤツ表出ろ!)、良く行くサイトのページの一つであるポケボードに奇妙なスレが立っていたのを見付けてしまった。
“奇妙”と言っても、タイトルはシンプルに「助けてください」という新規スレで、中身はURLだけという意味不明なモノだったが。
しかしそれが全ての部屋にあるというのだから、ある意味“奇妙”という表現がしっくりしてしまう。
HN『サントアンヌ号』としてそれなりの間このサイトに通っていた自分としては多少気になるものの、“その手の人間”に対してはスルースキルを発動させる事を決め込んでいる性格ゆえに、その問題に対しては放っておく事にした。
というより運営掲示板があるプクリン部屋では削除依頼がわんさか来ているのだから、わざわざ自分も同じ依頼を出してまで削除要請スレに無駄なレスを増やす必要性が無い、というのが本音であるが。
あれこれ考えたが、とりあえずもう一度、さっきの奇妙なスレに行ってみる事にした。
何かしらの変化があるかもしれないという考えもあったが、例のURLをもうちょっと見てみたいという好奇心も多少なりともあったのだ。
そして例のスレに入ってみたが、未だに存在しているそのURLは、全く変わった様子も無くただそこにあり続けている。
これが新喜劇のコントだったら『押すなよ、絶対押すなよ!』と言いながらも普通にURLを押してしまうのがお約束であるのだが、あいにくリアルの私にはそんなお約束など無い(というよりそんな疑わしいモノには触れるつもりは無い)ので端から押す気などはゼロだ。
だがまぁ、世の中には『ケアレスミス』という言葉があったもので……
本当に自分は押す気などは無かったのだが、マウスの読み込み間違いと言えば良いのかもしれない。
『戻る』にポインタを合わせようとマウスを左上に動かそうとしたら何故か例のURLの所で止まってしまい、更に運悪く視線は部屋にある液晶テレビの方に向けていた為に気付かなかったのだ。
後は……説明するまでも無く、そのままクリックしてしまったのである。
2011/08/31 Wed 00:50 [No.605]
サントアンヌ号
そんなとんでもない失態をやらかしてしまった自分の不甲斐なさに呆れたものの、今更あがいてもどうしようもないと判断するや否や、すぐにこれからどうするかと切り替えていける自分は、確かに脳がプログラムの人間かもしれない。
余談だが、最初に鏡を見て自分の姿がポリゴン2になっていた事に驚愕した時に思考を数分間だけ二次元世界へ飛ばして(正確には『現実逃避』である)いた事は、墓場まで持って行こうと考えている。
その後の店内の探索によって判明した事は、今いる場所がどこの百貨店なのかという事。
その場所なのだが、店の規模と窓の外から見える右手側の鋼鉄製の橋(おそらくシリンダーブリッジだろう)と、左手側に見える古めかしい町(ホワイトバージョンのソウリュウシティだと思う)から推測すると、一つだけ心当たりがあった。
イッシュ地方の9番道路にあるショッピングモール、『アールナイン』である。
ただ気になるのはここには店員がいない事なのだが、自分は特に気にしていない。
むしろ商品が獲り放題な事に喜んでいたりしている。
まあそんな万引きまがいな事をしていて心が痛まないのか、という意見はもっともだ。
だが『悪い事をしてもバレなきゃ問題無い』という思考を子供のころから確立していた私にとっては、残念ながら“馬に耳に念仏”レベルのノーダメージである。
とりあえず某白黒魔法使いの『一生借りるZE!』という言葉で誤魔化しておこうと思う。
それからリュック(店内で見つけた物)の中に傷薬やら技マシンやらを詰め込み、更にはPCやらライブキャスターも失敬していると、ふと一階で何かの気配の様な物を感じた。
視線を向けてみた先には、奥の部屋へと続く道がある。
確か自分の記憶が正しければ、ゲーム版の場合のそこには段ボールしかない部屋だった筈だ。
しかし今確実に、何者かがいる様な雰囲気を感じたのである。
本来なら怪しい場所に足を運ぶなどという、そんな死亡フラグまがいの行動などは絶対取らない主義なのだが、今の自分は少し気分が高揚していたのかもしれない。
加えて手元にはアイテムを大量に所持していた事もあってか、私は迷わず向かう事にした。
奥の部屋に入ってみたが、やはりゲームで見た様に段ボールだらけの場所である。
しかしその内の一つから、先程の気配を感じる事が出来た。
いや、正確には何かの音がする、といった方が適切かもしれない。
というよりも、この睡眠の障害となりえる様ないびきの音しか聞こえないのだが。
とはいえ気になるので、その音の発生源である段ボール箱の一つを開けてみた。
中に入っていたのは……
ひょっとしたら、という予想もあったかもしれない。
けど確かに、その段ボールの中にいたのだ。
一匹の(なんか小さそうな)ロトムが。
2011/08/31 Wed 00:51 [No.606]
ゆな
とある一室。ゆらりゆらりと頭と手の炎を燃やし、部下が持ってきた情報に彼女は半目気味に尋ねる。
「……各地に元人間が多数出没、ねぇ。それってマジ?」
「はい。彼らの行動を観察していった結果、まず間違いなくあなた様方とは異なる元人間でしょう」
「うち等に関する情報は?」
「いえ、ほとんど知らない状況のようです。……どうします?」
部下の言葉を聞き、彼女はふむと一言呟いてから考え込む。“自分達”の前例を考えてみれば、今回の事態は異例である。何故各地に何も知らない元人間が現れたのか。何故今日唐突に始まったのか。
これは間違いなく“自分達”とは異なる手段で、こっちに来てしまったと考えるべきだろう。どんな目的で呼び出したのか、何をする為に彼等が来たのかは分からない。ならばそれを調べるのも一興。
深い考察部分は仲間の専門家に任せるとして、その前の下調べはこちらの仕事。最近出ていなかったし、彼らの実力も測りたい。そして表面上でもいいから粗方分かったところで、一気に行動に移すのみ。
だとすれば、彼女がこれから動く事はたった一つ。誰よりも早く先手を取る事だ。
「……一回正面激突だ、そしてちょっと脅しをかける」
「脅し……と言いますと?」
「簡単だよ。“うちに殺されたくなかったら、ドリームメイカーズに入れ”って言うだけ。これで相手の反応を見る、その反応次第じゃドリームメイカーズの敵対勢力と判断。他の部隊にも潰せって連絡する」
「それはあまりにも急速では……?」
「相手が何者か分からないからこそ、先手を仕掛けるだけさ。雑魚の軍団だったら、うち一人で十分だ」
慎重になりすぎると相手に先手を許し続けるという事になる。それでは本末転倒、意味が無い。
だからこそトラウマを植えつけるが勢いで、最初をつかみとってこちらのペースに持ってくるだけだ。それでも尚、ドリームメイカーズに反抗する敵であるとするならば……容赦は一切しない。してあげる義理も無い。
単純ながらも分かりやすい作戦ではあるが、自分は細かい事を考えるのが得意ではない。だからこそとっとと動くまでだ。
「連中は何処にいる」
「この様子ならばライモンシティに集合すると思います」
「オーケー、都合が良い」
「……部下は?」
「一応潜ませるけど、最初はうちだけでいくさ。……蹂躙っていうのはね、一人でやる方が効果抜群なんだよ」
後頭部にくくったオレンジ色のリボンを揺らしながら、右目につけたモノクルのずれを器用に直す。モノクルについた紐飾りにはDと書かれた歯車のストラップがついてあった。
頭に大きな青色の炎、両手には四つの炎を宿したシャンデリア――シャンデラと呼ばれるゴーストポケモンの姿をした女は笑う。
これから己が相手をすると決めた獲物達に対する期待か、それとも蹂躙できるという獣のような闘争心か、それともドリームメイカーズという組織に所属する者としての強さから来るものか、それとも全てか。様々な意味を含めた笑みを彼女は浮かべていた。
「さぁて、うちをどんな気分にさせてくれる子達か……楽しみだよ」
「出動要請確かめなくていいんですか?」
「アホ。お前が止めないって事は出てるってことだろ。違う?」
「いいえ、ボスからしっかり出てますよ。……しかし相変わらずあなたは好戦的ですね。無駄な争いで無駄な傷だけは無駄に作らないでほしいのですが」
「そこは努力するよ、セバスチャン。でもうちの強さは良く知ってるだろ?」
「えぇ、とても」
不敵な笑みを浮かべながらセバスチャンと呼ばれるポケモンへと振り返り、シャンデラは幼さを残した声で言う。けれども見せ付ける空気は少女のものではなく、ドリームメイカーズ幹部としての強さを誇るもの。
数字にすると短く、けれども確かに長い時をこの地で生きてきたから得た強さ。それを誇りとし、己とする彼女はセバスチャンの肯定に満足そうに笑った。
「なら何も気にする事は無いさ。お前は最悪の事態に備えて動けばいい」
「承知いたしました、ゆな様」
さぁ、思い知らせてあげようじゃないか。ドリームメイカーズ幹部の強さを。
さて、教えてもらおうじゃないか。お前達がどんな目的をもって、この世界に現れたのかを。
2011/09/01 Thu 23:01 [No.610]
椎名
時計を見れば、すでに日付は変わっている。そうか深夜か。
ただ、眠りについて『今日』を終わらせることがなんとなく惜しいので、コーヒーを一口。ぬるくなってしまった。
立ち上げたばかりのディスプレイに視線を向け、メールボックスを起動させると、受信箱に三件。
一件目、まあおなじみの通販会社。なんらかのキャンペーンが始まったらしい。削除。
二件目、同窓会のお誘い。『会社の予定と被ったので欠席する』と送ったはずなのだが。返信。
三件目、……?
――――――――――――――――――――――――――――――
[No title]
From:xxxxxxx_xxx@xxxxxxx.xx.xx
To:xxxxxxxxxx@xxxxx.xx.xx
これは、ポケットモンスターが暮らす世界に繋がる扉です。
http://dreammakers.pbw
――――――――――――――――――――――――――――――
いたずらだろうか。だとしても、こういうメールは受信箱には入らないようにしているのだが。
***
できたとこまであげてみる
2011/09/02 Fri 20:50 [No.613]
ジャグラー
「本当に俺はポケモン世界に来たのか・・・?夢じゃないのか・・・?」
イッシュ地方、ライモンシティ。
遊園地にミュージカルにスポーツ場にジムと言った、テーマパークのような街。
そんな街に、ある一匹のルカリオ。
彼―――ジャグラーは、ライモンシティを見て呆然とする。
何故なら彼は元人間。このポケモン世界の住人でも何でもないのだ。
そんな彼が、何故このポケモン世界に来たのか・・・それは少し前の事に遡る。
* * *
「さーて、今日も元気に小説を書きますか!」
学校規定の制服を付けたまま、パソコンを起動する少年。
片手には『小説用』と書かれたノートを持ちながら、ポケボードのページを開く。
そして、彼が一番訪れている『ラティアス部屋』にたどり着いた時、あるひとつの違和感を感じた。
「これは・・・?」
特に本文もなく、ただURLが貼られてるだけのスレッド。
内容は『助けてください』というだけのスレだった。
このポケボードには、暴言などで削除されることはあるが、こんな堂々と宣伝をしに来るのはまずない。
そのあと別の部屋も調べてみたが、どこの部屋にも同じスレッドがあることに、少年はため息をついた。
「なんだこれ・・・新手のウイルスか?こういうのはクリックしない方がいいよな・・・・」
しかし、少年の言葉とは裏腹に指は自然にURLに向かっていた。
彼の心の中でもどうやら押すか押さないかの争いが終わったらしく、指は自然とマウスを動かしていく。
「・・・ウイルスバスターあるし、大丈夫だよな?」
そして彼はそのURLをクリックし、それと同時に意識が遠のいていく感覚を味わう。
2011/09/03 Sat 00:24 [No.620]
ジャグラー
「じょ、冗談だろ・・・。こんなの聞いてねえぞ・・・」
やがて、彼の体から意識は消えていき・・・彼の目の前は真っ暗な闇に包まれていった――――
『あなたをポケモンだけの世界へと導きます……』
――は?ちょっと待ってくれよ。何を唐突に・・・。
『ドリーム・メーカーズを……彼らの暴走を……』
――ドリーム・・・メーカーズ・・・?暴走・・・?何を言ってるのか分かんねえよ・・・。
『あなたたちが止めてください……現実世界に影響が出る前に……』
――おい・・・だったらもっと説明しろよ。意味わからんぞ。
『お願いします……助けてください……』
――お、おい待てよ!もうちょっと説明をしろよ、おい・・・!
―――――――――――――
「・・・うーん・・・ここは・・・?」
ジャグラーが目を覚ますと、まず最初に一つの疑問が浮かんだ。
何で俺外にいるんだ、と呟く。
先ほどまで彼は部屋にいて、しかも外は雨が降っていた。
突然場所が代わり、この空の快晴模様にジャグラーは疑問ばかり思い浮かんだ。
「一体何なんだここは・・・謎すぎるな」
そう言い、彼が立ち上がった瞬間に疑問がさらに増える。
一つ目は、体が軽く、しかも格好が人間とはかけ離れている。
二つ目、今彼がいる場所が見覚えのある場所だということ。
まさか、と彼は辺りを見回す。
「観覧車、ポケモンセンター、ミュージカル・・・!?まさか・・・ポケモン世界なのかここは!?」
彼は近くにある看板を見つけ、その看板の字を見る。
そこには、
『ここはライモンシティ 稲妻きらめく輝きの街』
と書かれてあった。
「マジでライモンシティなのか・・・それに、この格好は・・・もしかして・・・俺、ルカリオになってる!?」
ジャグラーは自分の腕を見る。
手の甲にはトゲがついており、体も青色の毛で覆われている。
さらに体もルカリオの姿そのものだった。
「・・・こいつは驚いた。あのポケモンになれるとはな・・・そうだ!ポケモンになったのなら、あれをしてみるか!」
そう言うと、彼はある場所へ向かった。
「いらっしゃいませ!ようこそミュージカルへ!」
彼が向かったのはミュージカルだった。
入口を開けた途端、一匹のサーナイトが笑顔でジャグラーを迎える。
一瞬、その笑顔に心を惹かれたがすぐに理性が取り払う。
「あ、あのー・・・ここって道具のレンタルとか出来ますか?」
「はい!低価格でレンタル出来ますよ!」
「あ、はい。えーと・・・・それじゃあ・・・・」
* * *
「そして、今に至るわけか・・・」
ジャグラーの格好はテンガロンハットにマント。
荒野や砂漠では違和感はないだろうが、街、ましてやライモンのような街では違和感しかない。
彼はカバンも借りており、そのなかにはミュージアムで使うおもちゃの剣と盾、予備のマントとテンガロンハットしかない。
余談だが、レンタル料は後払いで払うことにしている。
「まあ、せっかく憧れのポケモン世界にきたんだ。楽しませてもらおうか!」
そう言うと、ジャグラーはライモンの街を駆け回り始めた。
2011/09/03 Sat 00:25 [No.621]
あきはばら博士
・ヤグルマが謎の人物アルビノからの依頼を受けてポケモン世界に設立した組織。その目的はポケモンのいる世界を現実にする。
・正式名は「DreamMakers」 計画名は「ドリームメイカーズ計画(proj.DreamMakers)」
・目的を実現する手段は、アルセウスかジラーチに願うためプレートやうたごえのいしを集めることだろうが、そこは本編では一切触れない。
・ヤグルマがオンの知り合いに声を掛けて有志を募り、メールで異世界アクセスプログラムを伝えた。
・DM設立及びメンバーがその世界に来た時期は未定、少なくとも1ヶ月前には出来ていると思われる。
・運営資金はアルビノからのバックアップとその他もろもろで成り立っている。給料も出る、割と高報酬。
・DMはポケモン世界に害を及ぼすわけではないので、その世界の住民と戦っているわけではなく知名度は低い。
・ただしその世界に反対者(ex:レナ)は存在して、彼らとは衝突がある。
・元々戦うための組織ではないため最低限の武力しか持たず、雑兵はすべて傭兵、その雇用はほとんどセクトに一任されている。大人数で圧倒する戦術はとれない。
・異世界間移動のためにはネットワークリンク環境とアクセスプログラムが必要。
・DM本部には帰るための転送マシンがある、そのためDM関係者ならいつでも人間世界に戻ることができる。
・一応、物語中盤からはサントアンヌ号達の力で帰れるので要望がある人は帰ってしまってもいい(自主離脱)。もちろんその場合は帰って戻ることは出来なくする予定。
・ポケモン世界に来ている間は人間世界の時間はあまり流れてないことにする。
・生きたままだと送り返せないが、死んで魂の状態になればヨノワールパワーで元の世界に送り返すことができる、殺しを容認したのはこのため。
・やってきた元人間達はこの世界で死んだらリアル死になると思っている。これ大事。
・機密保持のため死を介して離脱した場合、ポケモン世界での記憶を失う設定は欲しいけれど、まずいかなー?と思ったので保留。
・バトルが日常的な存在であるポケモン世界では決闘の決まりがあり、お互いに名乗りあうことで決闘成立する。要するに戦う前に名乗るのは礼儀であり、名乗れば故意に殺されるようなことは無い。
・ポケボードに謎のスレッドを立てたのはアルビノ。
・ヤグルマを倒したところでエンディングとなる。アルビノをこらしめるところまでかもしれないが、多分そのときの執筆者にそんな気力は無いだろう。
おまけ
ソラ 「あ、すごいですね、その服と帽子。私の貯金じゃとても買えなそう」
ジャグ「え… 高いの?これ」
ソラ 「ミュージカル用ですからそこそこの値はしますよ」
ゆな 「金なら貸すよー ただし」
ジャグ「やめて、それ以上言わないで」
フィリ「で、でも レンタルだし」
ゆな 「いや、これはさすがに弁償っしょ」
フィリ「ですよねー」
ジャグ「うわあああ」
フィリ(借金生活か…… あれ、これどこかで見たような)
2011/09/03 Sat 22:47 [No.626]
あきはばら博士
ドリームメイカーズ。
とあるきっかけからヤグルマが人間世界でオンの知り合いに声を掛けて有志を募り、彼らにメールで異世界アクセスプログラムを伝えることで構成メンバーを集めて、ポケモンのいる世界を現実に変えるべくポケモン世界を拠点として活動をする組織である。そのため元人間のポケモンが中心となっている。
ポケモン世界にどうこうして害を及ぼす組織ではないため知名度は低い謎の組織で、戦うための組織ではないためそんなに武力を持たないが、この世界にも反対者はわずかに存在して彼らとは少し衝突がある。
Makeを示す歯車のマークの中にDreamのDの文字、それがヨノワールのヤグルマ率いるドリームメイカーズのシンボルマークだ。
各地で身元不明のポケモン達の目撃情報がある中、DMのマークが記されたパソコンでヤグルマは“ある人”から送られてきたメールを見ていた。
「まずは元の世界に戻ってここのページを見て下さい」
その一文の上に書かれたURLはヤグルマが知っているウェブページのアドレスだった、ポケボードのアドレスである。
戻ってURLを確認してみたところ、そこには今そこで何が起こっているかはおおまかに把握できた。たすけてくださいと書かれたスレッドに、謎のアドレスが一つ。調べたところ自分達の仲間しか知らないはずのポケモン世界へと繋ぐものだった。幸いなことに利用者の大半はクリックしていないようで記事の編集・削除要望スレッドにも要請が届いている。だが既に何人かクリックしてポケモン世界に来たのだろう。
一体誰が?何のために?と疑問を持ちつつ、そのメールの続きを読み進める。
「誰がやったのかは分からないけれどやる動機のある者はいるだろうね、DMの計画を知って止めようとする存在は出てくる、そこでも青薔薇の子とかいるでしょう? まあ、誰が書き逃げしたかは後々判明することだろうから置いておくとして、今来ている人間達――今はポケモンになっているから元人間達って呼ぼっか? 元人間達はどうするか」
ヤグルマは考える。放っておくには駄目だろう、なんらかの接触はするべきだ。
「やってきた人たちは何も知らないままに来ただろうけど、あのスレッドではDMを悪く言ってるし来た人達はDMのことを好ましく思っていないのは確かだろう。詳しく説明をしても分かって貰えるとは信じがたいし、理解して人間世界に戻って貰うのは今後の計画に支障がある、ほっとくのも避けるべき。
だから、いっそ殺して排除しても私は構わないよ」
理想は何も知らせず彼らを人間世界に送り返すこと、その理想に近い手を打つべきだ、できるならば捕縛したいがそうも言っていられない、何も知らせず彼らを殺して自分の力で強制送還するのが良いだろう。
“ある人”もそれを容認しているようだ。
あいにくメンバーの何人かは遠くに行ってこの近くにいないが十分だろう、散らばっているメンバー達に連絡を入れて、なんとかするように伝えるとした。
賽は投げられた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
DMリーダー、ヤグルマさんのプロローグです。“ある人”の正体は後々判明させるので、触れないでおいてください。
戦闘フラグを入れました。
2011/09/03 Sat 23:05 [No.627]
あきはばら博士
「見事だ」
DM本拠地、最後の部屋、そこにヨノワールのヤグルマはたった独りで静かに佇んでいた。
「よくぞここまで来たものだ。ここまでの道筋は艱難辛苦の道だっただろう、ゲームの中でしか無かったポケモンバトルもお前達にとっては未だに慣れないものだと思う。ゲームみたいにたった4つのワザから1つだけ選んで指示を出すという甘いものじゃない、一秒一秒を争う剥き出しのポケモンバトルというものを君はその肌でしっかりと感じたものだろう、それをいくつも乗り越えた上でお前達はこの場に立っている。その事実に私は祝福しよう、その頑張りを私は誉めよう。見事だ。
だがここまでだ。君たちは私の全てを奪ってしまった、これは許されざる反逆行為といえよう。安心したまえお前はもう勝つ必要は無いのだ、あとはこの場で敗北し、ただただ死ぬのみ。無慈悲で無為な無残に散ってそっと静かにクロニクルに刻まれる。この冥界の導き手と言われるヨノワールの手によって君たちの罪に私自らが処罰を与える。その魂を名誉に死立てあげてみせようか」
濃含なプレッシャーを以って彼は――ずい と一歩踏み出して、スイレンに――
「しぬがよい」
――言い放った。
「……なんて」
態度を一変しておどけてわらう。
「冗談だ。仮にも敵の組織のボスだそうだから、一度くらいはこういうクサい台詞を言ってみたかっただけだよ、もっとも最近では悪の組織のボスってこんな感じの台詞は言うものじゃなくて、もっと強大な黒幕がいたり戦わずして終わっていることが多いそうだがな。
事情はもう全部聞いているだろう? そう、ならば私から新しく伝えることなど無い。決着をつけよう」
「ヤグルマ、さん。私は貴方と――」
スイレンは言いかける、貴方とお話がしたい、だが。
「最後の戦いというものを始めようか。すべてが分かった今この戦いには意味は無くなっているかもしれないが。これは私なりのけじめだよ、すべてを巻き込んだ戦いの最後は戦いで終わるのが相応しい、すべてを賭けてかかって来たまえ」
ヤグルマは戦闘の構えを取る。
「ドリームメイカーズ総統、ヤグルマです。よろしくおねがいします」
彼はゆっくりと頭を下げて決闘の挨拶をした。ここでこちらが名乗らなければ、この戦いはしないで済むかもしれない、だが
「スイレンです。よろしくおねがいします」
スイレンも頭を下げて挨拶をして、すばやく後ろに下がり、補助ワザの射程範囲から離脱する。
そして、今の状況を冷静に分析する。
(ヨノワールがどのくらい強いのかはよく知らないけど、防御がすごく堅いことは分かってる。至近距離から殴り合いになったならば私が明らかに不利…、だから勝つためには高い素早さを武器に攻める、もしくはやどりぎのたねを使って持久戦に持ち込むか…)
サントアンヌ号はヨノワールを重戦車と喩えていたことを思い出す、スイレンは自分を奮い立てて戦闘の準備をする、ヤグルマは漆黒の眼差しを向けてじーっとスイレンの出方を観察している。
(…いや、お互いに決定打の技を持ってないのだから長期戦は覚悟している。ならば私がすることは一つ…!)
スイレンは目の前に黒い塊を作り出しヤグルマに向けて発射する、シャドーボール。
遠距離から特殊技を撃ちつつ、隙を見て速攻を仕掛けてやどりぎのたねを相手に仕掛ける、特別な方法をいまさら考えても仕方が無い、いつもの戦法こそが一番!
ヤグルマがシャドーボールをシャドーパンチで弾いたところで、距離を置きつつ横に走りながら次のシャドーボールを角度を変えて放つ、そうやって攻撃を与えるうちヤグルマに隙が見えてくる。
(いまだっ!)
切り返して騙まし討ちを発動させ相手の視界から自分を消して速攻を仕掛ける、その死角からの攻撃はうまくヒットして、ヤグルマとスイレンの影と影がお互いに交錯し合う。
立て続けにやどりぎのたねをヤグルマに命中させる。
2011/09/03 Sat 23:19 [No.628]
あきはばら博士
(これで良しっ)
スイレンは素早く地面を前に蹴ってバックステップをする。
相手の回復手段が限られているからあの時の戦いのようにやどりぎのたねを植えつければ回避と回復に徹していれば良い、例え鬼火と毒々を使われてもアロマセラピーがある。
「あ、れ?」
十分な距離を取るための2回目のバックステップはうまく決まらなかった、まるで着地直前に相手に引き寄せられたかのような……。
「冷凍パンチ――」
ヤグルマの冷気を帯びた拳が正面から目の前に迫っていた。
「っ!」
とっさに足を折り横に転がることで緊急回避を行う。
この感覚はかつて味わったことがある――かげふみ。いや、くろいまなざし――相手の離脱を防いで離れられなくする効果。
スイレンは騙まし討ちを発動させるが、その攻撃に対して炎のパンチで相殺されて少しダメージを受ける。
こんなことになるならばかぎわけるを使うべきだったと後悔した。
近距離での物理攻撃のぶつけ合い。
やどりぎのたねで回復している気がしない。
体重差もあって当たり負けをして、
このままだとじりじりと体力を奪われていく。
しかしこのままじゃいけない、頭を少し下げてツノのハッパを茂らす、そして駆ける。
「ウッドホーンっ!」
その攻撃はヤグルマにしっかりと命中した、これ以上無いクリティカル、文句無しの攻撃だった。
だが何かがおかしい、攻撃が当たった感触はあるのだが、ダメージを与えた感触が無――――。
――立ったまま叩き潰された。
大きく体を捻り地面に押し潰すように繰り出されたヤグルマのしっぺがえしが、クリーンヒットした。
強いダメージで動けないスイレンに非情にも炎のパンチが続けて打ち込まれ、不運にも火傷を負ってしまう。
その後は一方的な試合展開だった。
* *
「もういいか」
きずだらけのボロボロになって床に伏して、スイレンはようやく何をされたのかが把握できた。
やどりぎのたねとウッドホーンを始めとする草技を無効化する手段、彼は最初からこれを狙っていたのだったのだ。
影と影を交錯させるスキルスワップによる特性:そうしょくの奪取。
ただ、いまさら気がついてももう遅かった。
「これで戦いは終わりだ、君と君の仲間達は元の世界に戻すし、ドリームメイカーズも解散して計画は取り止めにしよう。君も健闘してよくやったようだが、結果として私のほうが一枚上手だったようだ、私の勝ちだ。リベンジは受け付けよう。
ああ、そういえば伝え忘れていたことがあったな、アルビノ氏から依頼されてポケモンがいる人間世界を目指しこの企画を推し進めていたが、頼まれただけではなくちゃんと私の意志によるもので計画を進めていたということ勘違いしては欲しくない、私は私の意志でポケモンの世界を実現したいと思っていた。しがいないおっさんの捨てきれない子どもの夢だったがな…」
ヨノワールの表情は分かりにくいが、彼は笑っているようだった。
スイレンは顔に複雑そうな表情を浮かべていた、戦いは終わったけれど、私は勝てなかった……。
「さて」
とヤグルマはスイレンに向かって歩き出す、そのとき。
2011/09/03 Sat 23:20 [No.630]
あきはばら博士
そこに一筋の水流がヤグルマとスイレンの間を貫いた。
「スイレンさん!」
「マコトさんっ!」
スイレンが入り口を見るとそこにはマリルのMakotoが立っていた、スイレンは力を振り絞り立ち上がり、改めてよく見ると、彼はボロボロで先ほどまで繰り広げされていた激戦の跡が見て分かる。
「加勢ですか、ふっ 構いません、いいでしょう掛かって来なさい」
ラストバトルにしては味気無い終わり方だと思いこのままではつまらないと判断したのかヤグルマがそう言うと。
「助けに来たぞ、スイレンさん!」
「待たせたな、スイレンさん!」
「微力ながら助太刀します、スイレンさん!」
「頑張れ、応援してるよ! スイレンさん!」
「ラプラスさんにフィッターさんにフィリットさんに椎名さん!」
「…………なんというか」
その援軍はここまでの激戦の傷は癒えてなく残りHPもわずかだと思われ、特性とタイプによって草・ノーマル・格闘技が無効のヤグルマにとってどれも大した相手では無いかもしれないが。ぼそっと魂が抜けたように呟くのだった。
「……仲間っていいですね」
* * *
「……あっ、ちょい待ち」
戦いが行われている部屋のもう一つの出入り口の陰で、シャンデラがトゲキッスを引き止めた。
「ゆなさん…。 いえでも、これはいくらなんでもあんまりです。さすがに酷すぎますよ……いくらあのみなさんがさっきまでの戦いで弱っていると言っても、これは」
「リンチだな、うん。 空色さんが言いたいことは良く分かる。でも」
「……」
「けじめと言っていたように、この勝負には空気を読んで加勢はじっと我慢するべきだと思うんだ、うちらに出来ることは勝敗が決するまで見守るだけ」
「……はい」
「ありがと、じゃあ 行くか」
「…え?」
「自分で頼んでおきながら遊び心で無関係な人を引き込んですべてを巻き込み戦わせて、遠くで俯瞰してずっと弄んでいたアイツにきつーいお灸を据えてやりに行こう。かなり心強いメンバーも揃ってるしそらさんも一緒に行くー?」
「は、はいっ!」
「めざせっ下克上っ!」
「おーっ!!」
* * *
「合体奥義、ミラクルリーフトルネード・トリプルエクスカリバースペシャル!!!!!!」
「ぐああああ」
THE END
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スイレンとヤグルマの一騎打ちラストバトルです。叩き台なので当然変更はあるでしょうけど、こういう場面に行き着くまで頑張りましょう。
主人公が負けてもヤグルマさんは解散してくれそうですし、たまには敵を勝たせてもいいじゃないかとスイレンが負ける話にしました。
ラプラスさんの種族がライチュウに変更になったので加勢メンバーから抜こうとも思いましたが、彼なら絶対来るのでそのままに。
ジャグリオは直前の戦いでフィリンドをかばって瀕死中。レナさんはジュカッターを送り出してちゃっかりあの心強いメンバーに入っているイメージ。
アルビノ戦をラストにする場合、一騎打ちではなく四人くらいで挑み合体技で「これが絆の力だっ」な戦いになるはず。みんなの力を合わせるってことでそれはMakotoさんが書いたほうが適任でしょう。
2011/09/03 Sat 23:25 [No.631]
池田
「おわったの……全て……やっと」
ヤグルマを屠り、ポケモンの世界にも、人間の世界にも平和をもたらしたスイレンは、ホワイトフォレストのポケモンセンターにて、しばしの休息を得ていた。
「凄まじい……戦いだったの……」
強大な敵を、振り返る。ヤグルマとの死闘は凄まじいものであったが、街を焼き尽くしたゆなや、エアスラッシュの連射でタワーオブヘブンを粉末にした空色、そしてスイレンを凍りづけにしたいぬ……どれも、恐ろしい敵だった。
「私はそれを、乗り越えた……なの」
そんな、数々の危機をこえて、平和を掴むことができた。それは、彼女一人の力では、とうていかなわないことだった。戦いの日々を乗り越えられたのは、仲間たちの助けがあってこそのことだった。
「でも……みんな……」
仲間のことを思い出すと、自然に涙が一筋、流れた。乗り越えた試練の数だけ、スイレンは仲間を失ってきた。散っていった者たちの顔が、浮かんでくる。元人間たちは、たとえこの世界で死んでも、元の世界へ帰ることができる。しかし、元からこの世界で生きていた者たちは、甦ることはない。レナが率いていたレジスタンスなど、壊滅的な被害をうけた。彼女の心中を思うと、胸がいたんで、苦しくなる。
「ううん!だめなの!」
泣きそうになったスイレンは、目を瞑り、頭を振った。そんな悲しい気分に浸っている場合ではない。壊された街を復興する手助けをしなければならないのだ。過去に涙する暇があれば、すこしでも誰かの力になりたい。
「いくの……ライモンシティへ!!」
当面の目標は、焼け野原になったライモンシティである。最も人員を必要としている場所は、そこだった。今は、あんびしゃんがライブを行い、音楽の力で人々のこころを救おうなどという下らないことをやっているはずだ。とりあえず、彼に連絡しておこう。
スイレンがそう思い、電話を使うために一階へ降りようとした時だ。
「「「うわぁーーー!!」」」
「「「助けてくれ!!」」」
外で、悲鳴があがった。
続いて、凄まじい爆発音。
「何がおこったの!?」
スイレンと、ポケモンセンターの中にいたポケモンたちが、慌てて外に飛び出す。
外には、もはや彼らの知る光景は無かった。
生い茂る豊かな緑の木々も、流れる小川も、そしてそこに暮らすポケモンたちも、跡形もなく消えていた。
そして、代わりに、巨大な穴が開いていた。
「なんだ、これ……」
「デケェ……何メートルくらいあるんだ……」
ポケモンたちは、穴をのぞき込みながら、各々で呟く。
穴は、巨大だった。直径は何キロほどあるのか分からない。向こうの端がよく見えないほどだ。そして、穴をのぞけば、その下には驚くことに、建物があった。廃材を積んだような粗末な作りではあるが、かなり巨大で、少なくとも地下の洞窟に自然に出来上がるようなものではないのは確かだ。
即ち、穴の下には、何者かが居るということであり、そしてその何者かが、この爆発を起こした可能性が高い。
「……いくの」
スイレンに、迷いは無かった。放っておけば、また同じことが起こるかもしれない。だれかが傷つくかも知れないのだ。それだけは、絶対に止めなければならない。
「ス、スイレンさん……危険です!!」
「そうだよ、はやくここから離れないと……!」
他のポケモンたちは、スイレンを止めた。当然である。森を消滅させるほどの爆発が起きたのだから、不安にならない方がどうかしている。
スイレンも、それをわかっていた。
「……みんな、ありがとう。でも、ごめんなの……」
スイレンは、彼らの方を振り返った。不安な顔が並んでいる。彼らは、スイレンを心配していた。
そんな彼らに、スイレンは笑顔で応えた。決意を秘めた、笑顔である。
「みんなが心配してくれて、とてもうれしいの。だけど、きっとこの穴の中には、爆発を起こした誰かがいるの。その誰かを止めないと……また、同じことが起こるかも。ボクはそんなの、ゆるせない。だからボクは……」
飛ぶの!!
そう言い残し、スイレンは穴へと飛び込んだ。
上から、自分の名を呼ぶ叫び声が聞こえる。そんな、仲間たちの優しさに感謝しつつ、地獄かもしれないその場所へと、スイレンは突入したのだ。
「なんなの……これ」
スイレンは、建物に着地し、そして降りていった。
そこは、天然の洞窟を改造し、ポケモンが住めるようにした空間だった。だが、住人と思しきものは、誰もいない。
「いったい……誰が……何のために」
廃材で作られた壁や、むき出しの電線。異様な佇まいのその建物を眺めているときだ。
2011/09/16 Fri 21:13 [No.692]
池田
再び、爆発音が響き、白い閃光が瞬いた。
「何!?」
スイレンは、光のほうへと走った。
幸い、洞窟の中の至る所に照明が置かれているので、目指す方向を見失うことはない。
そして、建物からかなり離れたところまで来た時、スイレンの目に飛び込んできたのは、驚くべき光景であった。
そこでは、なんと、戦闘が行われていたのだ。
「うおおお!!よくも!よくもオレの友を!!」
「これ以上の侵入を許すな!基地を守れ!!」
「撃て!!撃てー!!」
様々なポケモンたちが、必死に、わざを放っている。彼らは皆味方同士のようだ。そして、そんなポケモンたちと相対するのは、驚くことに、たった一匹のポケモンであった。
「ぐはぁあああああ!!」
灰色の龍のような姿をしたそのポケモンが、白い霧を吐き出した。
すると、今まで攻撃していたポケモンたちが血相を変えて逃げ出す。
「ま、まずい!アレにふれるな!!」
「総員、退避!!」
「だめだ!!逃げ切れない!!」
しかし、ポケモンたちの逃げ足よりも、霧の広がるスピードが上だった。霧はたちまちポケモンたちを覆い隠す。
やがて霧が晴れると、ポケモンたちは真っ白な氷と化していた。その氷を、龍のようなポケモンが、踏み潰す。
「あっ!!」
今まで立ち尽くしていたスイレンは我に帰り、思わず声をあげた。10ほどのポケモンが、一瞬の内に、殺されたのだ。
「くっ……行かないと……!」
何故こんな事態になっているのかは分からない。龍の正体も、それと戦うポケモンたちが何者なのかも分からない。ただ、先程上で起きた爆発の原因は、間違いなくこの龍にある。根拠はないが、スイレンの勘がそう告げていた。これを、放っておく訳にはいかない。
「うっ……おおおおお!!」
異様な怪物に恐れを感じながらも、スイレンは飛び出した。
そして、とりあえず、一匹のポケモンを霧から救い出した。
背後では、またも一瞬の内に、何匹ものポケモンたちが凍りづけになり、そして砕かれて死んだだろう。しかし、そこに構っている場合ではない。まずは、今助けたこの命を、救わなければならないのだ。
「下ろせ!!私の仲間が……仲間が!!」
背中に乗せたポケモンが、暴れた。仲間が殺されているのだから、当然だろう。
「ダメ……ダメなの!!あなただけでも、逃げて!お願いなの!」
龍から離れながら、スイレンは必死に言い聞かせる。とにかく、ひとりでも救いたかった。
そんな、心の叫びに返ったのは、意外な言葉だった。
「なのって……あなた、スイレン!?」
「え!?」
突然自分の名を呼ばれ、スイレンは驚いた。
そして、先ほどの建物とは逆側、洞窟のさらに奥へと進み、龍から十分に離れたところで、スイレンは背中のポケモンをおろした。
そのポケモンは、青い蜥蜴のような姿をした、美しいポケモンであった。スイレンには、そのポケモンに見覚えがあった。
「レナ……さん、なの」
そう、それは、かつてドリームメーカーに抵抗していたレジスタンス組織のリーダー、レナであった。
「やっぱり……やっぱり、スイレン!!」
思いがけぬ再開に、しかしふたりは喜んでいられない。スイレンがすべきことは、状況の確認である。
「あの……ここ、一体何なの?どうしてレナさんが、ここに……」
「……ここは、レジスタンスの基地。フキヨセの拠点が使い物にならなくなったから、当面はここを使うことにしたの」
「基地……だったの」
ここは、空色の襲撃により一夜にして破壊された拠点の代わりに使われる、基地であった。あれ以後もレジスタンスは元人間と協力していたため、どこを拠点にして活動しているのか謎であったが、こうして仮の住まいを作り出していたのだ。ホワイトフォレストの下にこんな洞窟があることなど、ほとんどのポケモンには知られていなかっただろうから、正に絶好の隠れ家だろう。
しかし、本当に知りたい謎は、これではない。
「じゃあ、あの龍は……何!?」
スイレンは、思わず、語調を強めた。
そんな、誰にも知られぬ基地を襲撃しているあのポケモンは、何者なのか。ドリームメイカーズの残党という可能性もある。放っては置けない。
だが、レナは舌を向き、肩を震わせながら、小さな声で言った。
「……分からない」
「そんな、分からないって……」
「本当に……分からないの!!」
レナは、叫ぶように、言った。彼女らしからぬ、感情的な態度だ。
2011/09/16 Fri 21:14 [No.693]
池田
「本当に分からないのよ……いきなり基地に出てきたと思ったら、皆を殺し始めた。全員で対処しても、全くかなわない……とにかく、デタラメに強い。いまはもう、あの場で戦っていた者しか、残ってはいないの」
「そんな……!!」
スイレンは、言葉を失った。
ドリームメーカーと戦っていたとき、レジスタンスは、かなりの規模を持った組織であった。そして、各々のメンバーは、強かった。ドリームメーカーの兵士などかるく蹴散らすほどに、強かったのだ。
先程見た様子では、もはやあの場に、レジスタンスのポケモンは殆ど残っていなかった。つまり、それほどまでの強さをもつポケモンたちが尽く殺され、レジスタンスはいまや壊滅しようとしているのだ。
「信じられない……」
「私だって、信じられない。信じたくない!でも……でも、現に今、ああやってレジスタンスは壊滅しようとしている。多くの仲間が、殺されたの。だから……私だけが逃げるわけには、いかない」
レナの言葉は、余りにも絶望的であった。
彼女は、嘘などつかない。つまり、その言葉にでてきた信じ難い状況は、全て事実なのだ。それはつまり、ドリームメーカーなどはるかに超えるほどの、強大な敵が居ることを意味している。
二人の間に、しばしの沈黙が訪れた。どちらも、なんというべきか分からなかったのだ。
しかし、再び聞こえた爆発音に、レナは振り向き、そして言った。
「……きっと、また仲間が殺された。私はリーダーとして、行かなければならない……ごめんなさい、スイレン。あなたまで死ぬことは無い。この道を真っ直ぐ行けば、外に繋がる。あなただけでも逃げて……」
「そんな……」
スイレンは、素直に従うことなどできなかった。死にに行こうとしている友を見捨てることなど、彼女に出来るはずがない。
「だめなの……レナさん、だめなの!!ボクも一緒に、戦うの!!」
「スイレン、お願い……お願いだから、あなたは生きて!!」
二人の意見が衝突しようとしていた、その時だった。
二人が逃げてきた方で、白い光が瞬いた。
「スイレン、危ない!!」
直後、レナがスイレンを突き飛ばす。
同時に、白い光線が伸び、レナに直撃した。
「レ、レナさん!」
光線が消えると、そこには、氷漬けになったレナが居た。光線の正体は、れいとうビーム。これは同時に、入り口でスイレンが見た光の正体でもあった。
「レナ……さん……レナさん……!!レナさーん!!!」
スイレンは、涙を流しながら、叫んだ。先ほどまで生きていた、長い戦いを共に乗り越えた仲間が、一瞬にして、死ぬ。そんな理不尽を、受け入れることができなかった。
ひょっとしたら、まだ助けられるかもしれない。もはや、現実逃避の妄想に近い希望にすがり、凍ったレナを運ぼうとした、その時だ。
ドン、と重い音をたて、灰色の龍……キュレムが着地した。
同時に、レナの氷が、砕け散る。
フシュゥ、と白い息を吐き、こちらをみつめるキュレムと、目が合う。その瞬間から、スイレンの胸にあった哀しみは消え、代わりに果てなき怒りがこみ上げてきた。
「お前……お前ぇええええ!!!」
スイレンの声は、ドリームメイカーズとの戦いの中では発せられたことがないほどの、恨みと憎しみに満ちた、恐ろしいものだった。彼女は、今、生まれて初めてと言えるほどの激しい怒りを感じていた。
それほどまでに、「甦ることのない死」は、許せないものだった。
しかし、そんなスイレンに、キュレムは軽い口調で返す。
「はは、すげー。なんでこんなとこに居ンの?」
それは、鈍重な外見に似合わぬ、軽快な少女の声であった。突然のことに、呆気にとられるスイレンに向けて、キュレムは続けた。
「あんた、『スイレン』って名前でここ来てンだよね?いや、こいつらアンタの仲間だから襲いに来たんだけど、正直アンタに会えるとは思ってなかったわ。びっくり。こんなとこで何してんの?あ、やっぱり助けに来たの?コイツらを。はは、うけるー!こっちじゃ、そういうキャラでやってんだ。正義の味方……的な?ま、でもいいや。ここで会ったが百年目……」
「ちょ、ちょっと待って!」
マシンガンのように話すキュレムを、スイレンが制止した。
余りにも突飛なことで、かなり意味不明な事態であるが、其れ以上に、キュレムの言葉には無視できないものがあった。
「あの、ちょっと、質問いい?」
「うん、いいーよ」
2011/09/16 Fri 21:15 [No.694]
池田
快諾したキュレムに、スイレンは、疑問を1つずつ追求していく。
「えっと、あんた、何しにここに来たの?」
「あんたを誘うため。あんたの仲間の残りを襲って回ってるんだけど、なかなか出てこないからさ。ま、こいつら皆殺しにしたから、もう仲間は残ってないんだけど……いやあ、調度良かったよ、あんたが出てきてくれて!これで来なかったら、正直どうしようか考えてなくてさ!!」
今、恐ろしいことを口走ったが、それに関してスイレンは流した。
もうご覧の方々はお気づきだろう。スイレンは、語尾も忘れ、ネット上で作っているキャラから素に戻っているのだ。
今やリアルの人格に戻ったスイレンにとって、仲間が全員殺されようが、知ったことではなかった。
二人は、さらに問答を続ける。
「なんで、私のことを待ち伏せしてたの?」
「そんなもん……恨みを晴らす為じゃん。ぜってーぶっ殺すし!」
相変わらず、明るい調子で恐ろしいことを喋るキュレムに、スイレンは半ば呆れながらも、質問を続ける。まだ、キュレムの行動の核心を掴むことは、できないでいた。
「分かった。じゃあ聞くけど、あなたなんで私のこと知ってるの?ていうか、あんた、誰?」
「は?分かんねーの?うけるー!!あたしだよ、あたし!霧島真白!!同じクラスの!あ、こっちでは『アルビノ』ってなまえでやってるけど……これで、恨みが何かわかったよね」
「え……」
分かったよね?と言われても、何も分からなかった。ただ、キュレムの正体は分かった。霧島真白。同じクラスの、女子。言われて見れば、話し方も、声も、完全に同じだった。しかし、そうなると、益々分からない。スイレンは、霧島真白に恨みを買うようなことをした覚えがないのだ。
「ごめん、わかんない。霧島さんが、何の恨みで、こんな異世界まで追ってくんの?なんかキモいんだけど……」
「え!?」
アルビノという名のキュレムは、心底驚いたような表情をした。
「エ……エ!?わかんないの!?あ、私にしたことで恨まれる筋合いはないってこと?」
「いや……そういうことじゃなくて、マジでわかんないんだけど。私、なんかしたっけ?」
「ウッソ……何こいつ。キモ!!ひくわ……じゃあアンタ、今まで私が何モンかも分からずに、クラスメートのお友達してたってこと?すげー!!馬鹿じゃねーの!!」
いきなり笑い始めた真白に、スイレンはいらついてきた。
「はいはい!!バカで悪かったわね!で、アンタは一体、私にどんな恨みを持ってるってのよ!?」
「あー……あたしさ、アンタの妹なんだよ」
「は……え!?はいぃ!?」
アルビノの口からでた言葉は、余りにも意外、予想の斜め上を行くものだった。にわかには信じられないどころか、何を言っているのか一瞬理解できなかった。
驚いて目を見開き、口をパクパクさせているスイレンを差し置いて、アルビノは続ける。
「あんたとあたしは、腹違いの姉妹なんだよ。アンタのおとーさんってさ、たぶん、アンタの前では誠実なパパを演じてるんでしょ?でも、裏では愛人作って、ヘーキで危険日に生ハメするような奴なんだよ。で、そうやって出来たのがアタシ。ま、愛人にガキが出来たとなったら、めんどくせーから当然……捨てるよね。捨てられたアタシの母親は、自殺しちゃってさ。アタシは親戚たらい回しにされながら大きくなったんだけど、どこでも煙たがられて、今はエンコーしながら一人暮らししてます、と。でまあ、探偵にいろいろ調べてもらって、今のアンタが居る学校とか家を見つけたわけ。それで、アタシの復讐計画が始まったんだね、これが」
ふう、と一息ついて、真白はさらに話す。
「まず、アメリカで『異世界に行けるプログラム』てのが開発されたって訊いてさ。知り合いのエンジニアに頼んで、それを『ポケモンの世界へ行ける』ように改造してもらったわけ。ほら、あんたポケモン好きっていってたでしょ?ぜってー食いつくとおもったからさ。で、アンタと一緒に何人かにメールを送ったんだけどさ、あろうことか、アンタだけがそのメールを迷惑メール扱いで、よみもせずに削除しやがった!!でまあ、作戦変更。メールに食いついた、ヤグルマってバカをそそのかして、世界征服みたいなことをさせることにしたんだよ。で、『助けてください』って掲示板に書いたら、今度はアンタが食いついたってわけ!まあ、他にも余計なのがぞろぞろくっついてきたのは計算外だったけど……最終的に、こうやってアンタだけが残ったんだから、まあ結果オーライだね」
なんと、この瞬間に、全ての真相が語られてしまった。しかし、まだ話は終わらない。
2011/09/16 Fri 21:16 [No.695]
池田
「さて……こうやって、アンタをこっち側に連れてきてる間に、アタシの手下の男がアンタのパパを犯してるよ。アンタのママの目の前でね。ついでに、不倫してる時のいろんな写真とかも、プレゼントしてるはず。これで……アタシの復讐は終わり。後は、アンタを現実に戻してやるからさ。この世界で死んだら、向こうに戻るんでしょ?だったら、後はアンタを殺したら……全部終わり」
「ちょ……ちょっと、待って」
全てを話しきった真白に対し、スイレンは言った。
「アンタ……エンディングで何言ってンの!?」
「あ?」
それは、余りにもごもっともなツッコミであった。
ヤグルマは倒れた。その機を狙い、組織を乗っ取った秋葉と空色も倒した。残党を率いてラスボスとなったゆなをも、ついに打ち倒した。そう、今は、ラスボスも裏ボスも真のラスボスも倒した後の、トゥルーエンドともいうべきエンディング。最後の最後に語られるエピローグなのだ。
どう考えても、全ての真相が明かされたり、真の黒幕が出てきたり、主人公との不快因縁が明らかになったりするタイミングではない。もしそういうのがあったとしても、空気を読んで、『なかったことになった伏線』として闇の中へと去るべきなのである。
そんなところに、このキュレムは、しゃしゃり出てきたのだ。
「アンタ、マジで意味分かんないんだけど。もうこれ、あと数行で終わるよ!?どうやってまとめる気!?」
焦るスイレンに、真白は躊躇わず、言い放つ。
「そんなもん、アンタに決まってんじゃん!主人公なんだから!」
「は……はいぃ!?」
もはや、ムチャぶりどころの話ではない。ここまでの物語と同じだけの分量を割いてもまだ語り切れないかも知れない程の風呂敷を勝手に広げ、それをおしつけられたのではたまったものではない。
しかし、スイレンが主人公であるのは確かだ。その、動かしがたい事実がある異常、この理不尽とも言える要求に答えるしかない。
「仕方ない……」
ため息を付いてから、スイレンは、凛々しい表情に変わった。キャラに入ったのだ。
「アルビノ……私には、あなたの哀しみを理解出来ない。だから、私がそれを受け止めてあげることはできない……けれど、その哀しみを終わらせることはできるの!!」
語尾までばっちり決めながら、スイレンは姿勢を低くした。跳びかかる準備……戦闘態勢に入ったのだ。
「いいね……終わらせてみせてよ、この呪いを!!でも、あなたを待つのは、どの道絶望よ!」
アルビノもまた、先ほどまでとは違う口調で、スイレンに応える。どうやら、普段はこういうキャラで行ってるようだ。
姿勢を低くした二人は、叫ぶ。
「「はっ!!」」
気合の一声と共に、跳び上がった二人は、ツノと頭を衝突させた。
その刹那、同時に叫ぶ。
「「全てを終わらせる!!」」
今……決着の時!!
「「ラストバトルを……踊ろうぜ!!」」
ラストバトルは始まった。この戦いの決着は、神のみぞ知る。そして、この戦いをもって、ドリームメーカーの数奇なる物語は幕を閉じる。
だが、人々は忘れない。己自身を、戦いの中に投じた者たちは、その戦いを見ていた者たちは、決して忘れない。
夢の作り手達の、物語を!
ご愛読ありがとうございました!
先生方の次回作にご期待ください!
.
.
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音声ファイルは、イヤホンを片方だけ入れて訊いてね!
2011/09/16 Fri 21:16 [No.696]
Makoto
前回のスレッドがもうじき埋まる寸前に入りましたので、新しく立てさせていただきましたナリ。基本的なルールはほぼ同じです。
このスレッドはもしもドリメで次回作やるならば、という設定で仮想のキャラ設定を立てます。
最低限決めている事は
・現時点でやっているドリメとはパラレルワールド
・歴代ドリメとの関係はほぼ無しと見てOK
・味方側と敵側の元人間がいる
・ただ決めてるのは対決し合っている事。
という事のみ。細かい設定については各自で決めていき、混ぜていきましょう!
ではテンプレをこちらに。
名前:元人間の方はHNお願いします。
性別:
種族:第五世代OKです。ただし伝説・幻系統は駄目です。
性格:出来る限り詳しく。
口調:喋り方や人称はここに。
参考台詞:最低限三つか四つ。沢山書いていいよ
備考:その他付け加えたい事をこちらに。
役割:元人間(味方)・元人間(敵)・味方ポケモン・敵ポケモン・中立(元人間とポケモン、OK)となっています。
2011/07/28 Thu 01:09 [No.524]
Makoto
これまでの投下キャラ(敬称略)とそのキャラの特性です。
括弧付けはドリメ的解釈で追加されるだろう効果です。
―主人公☆―
☆スイレン(シキジカ♀) ようりょくそ そうしょく てんのめぐみ
Start a spot:ホワイトフォレスト
―味方○―(*は主人公が来た時に既に世界に入ってるキャラたちを指す)
○ゆとり(アチャモ♀) もうか かそく
Start a spot:サンヨウシティ
○フィリット(コジョンド♀) さいせいりょく(戦闘に参加していないと回復していく) せいしんりょく(威圧感や牽制技をモノともしない) すてみ
○まかろん(グレイシア♀) ゆきがくれ アイスボディ
双方Start a spot:ライモンシティ
*Makoto(マリル♂) ちからもち あついしぼう そうしょく
*シェイクス(ミジュマル♂) げきりゅう シェルアーマー(受ける大ダメージを最小限に抑える)
双方Start a spot:6ばんどうろ(ホドモエシティ側)
○由衣(マグマラシ♀) もうか もらいび
*椎名(エルフーン♀) いたずらごころ すりぬけ(ポケダンのように壁抜けはできない) ようりょくそ
Start a spot:ホワイトフォレスト
*海の神竜ラプラス(ピカチュウ♂) せいでんき ひらいしん
Start a spot:ホワイトフォレスト
○サジタリウス(エアームド♂) がんじょう するどいめ(技が命中しやすい) くだけるよろい
*フィッターR(ジュカイン♂) しんりょく かるわざ
*レナ(ジュプトル☆♀) しんりょく かるわざ
双方Start a spot:フキヨセシティ
*ジャグラー(ルカリオ♂) せいしんりょく ふくつのこころ せいぎのこころ
Start a spot:ライモンシティ
*スズネ(キルリア♀) シンクロ トレース テレパシー
○イービス(ガーディ♂) いかく もらいび せいぎのこころ
○Drルイージ(ミミロップ♂) メロメロボディ ぶきよう じゅうなん
*あんびしゃん(バニリッチ♂) アイスボディ くだけるよろい
*あっくん(アーケオス♂) よわき
*レッドバーン(ブースター♂) もらいび こんじょう
三方Start a spot:ヒウンシティ
○saku(コモルー♂) いしあたま ぼうじん
○亜雲AZ(ペンドラー♂) どくのトゲ むしのしらせ はやあし
○ジャッキー(タブンネ♂) いやしのこころ さいせいりょく ぶきよう
○サラ(チラーミィ♀) メロメロボディ テクニシャン スキルリンク
三方Start a spot:ヤグルマのもり
○宙(チョロネコ♂) じゅうなん かるわざ いたずらごころ
○ライライ(シママ♀) ひらいしん でんきエンジン そうしょく
○リーオー(ゴローニャ♂) がんじょう いしあたま すながくれ
2011/07/28 Thu 01:15 [No.525]
Makoto
これまでの投下キャラ(敬称略)とそのキャラの特性です。
括弧付けはドリメ的解釈で追加されるだろう効果です。
―DMリーダー★―
★ヤグルマ(ヨノワール♂) プレッシャー ???
―敵●―
●ゆな(シャンデラ♀) もらいび ほのおのからだ かげふみ(にげあし以外の敵キャラの脱出を防ぐ)
●セバスチャン(アギルダー♂) うるおいボディ ねんちゃく かるわざ
双方Start a spot:DMアジト
●斬(ハッサム♂) テクニシャン むしのしらせ ライトメタル(軽やかに動ける)
●ロサラ(ロコン☆♀) もらいび(自分の技でも貰い火できる) ひでり
●ケイタ(イーブイ♂) てきおうりょく にげあし きけんよち(攻撃を受ける前に自分が倒されそうだと予知できる)
●リュナ(チョロネコ♀) かるわざ じゅうなん いたずらごころ
●空色代吉(トゲキッス♀) はりきり てんのめぐみ きょううん(運が良く感じる)
Start a spot:タワーオブヘブン
●いぬ(ユキメノコ♀) ゆきがくれ のろわれボディ
●ヘンリエッタ(ミルタンク☆♀) きもったま あついしぼう そうしょく
双方Start a spot:DMアジト
●秋葉(ライチュウ♀) せいでんき ひらいしん(自分の技でも避雷針できる)
●クルーザ(フローゼル♂) すいすい みずのベール
●ABA(アバゴーラ♀) がんじょう ハードロック すいすい
●ジェム(ドレディア♀) ようりょくそ マイペース リーフガード
●セクト(ルカリオ☆♂) せいしんりょく ふくつのこころ せいぎのこころ
●アイシス(マニューラ♀) プレッシャー わるいてぐせ
双方Start a spot:DMアジト
●朱鷺(トロピウス♀) ようりょくそ サンパワー しゅうかく
●ルナサ・クリスティ(キルリア♂) シンクロ トレース テレパシー
●ライパ(シュバルゴ♂) むしのしらせ シェルアーマー ぼうじん
●ピンサロ太郎(ゴルーグ‐) てつのこぶし ぶきよう ノーガード
―中立△&▽―(△は味方、▽は敵よりを指す。◎は中立依存)
◎サントアンヌ号(ポリゴン2‐) トレース ダウンロード アナライズ
◎ヒカル(ロトム‐) ふゆう
◎ツカサ(ギギギアル‐) プラス マイナス クリアボディ
三方Start a spot:ショッピングモール『アールナイン』
△亜雲AZ(ペンドラー♂) どくのトゲ むしのしらせ はやあし
△ジャッキー(タブンネ♂) いやしのこころ さいせいりょく ぶきよう
◎サラ(チラーミィ♀) メロメロボディ テクニシャン スキルリンク
三方Start a spot:ヤグルマのもり
▽レオード(ニャース♂) ものひろい テクニシャン きんちょうかん
▽マヨ(ヨマワル♂) ふゆう
◎シュガー(クマシュン♀) ゆきがくれ びびり(実質無意味)
◎めぐる(ブラッキー♀) シンクロ せいしんりょく
2011/07/28 Thu 01:42 [No.526]
Makoto
名前:Makoto(通称:マコト)
性別:♂(男の子)
種族:マリル
性格:
素直でおとなしく、面倒見が良い性格。
かなりマイペースで茶目っ気な所が目立つものの、本来は他人を思いやる責任感が強く、物事には積極的に行う直向きな努力家の一面を持っている。
しかし、ほんの些細な事で心にショックを受けやすいという、子供っぽさがまだ抜けきれていない純粋かつ泣き虫な所もある。
それでいて、ちょっと頑固なところも。かなりのカワイイ物好き。
外見:
見た目は普通のマリル。肩に小さなポシェット型バッグを掛けていて、左腕にピカチュウとピチューの絵が刺繍された黄色いリストバンドを付けているのが特徴。
口調:
初めて会った人には遠慮がちに話すものの、時と共に親しくなった人たちには素直かつフレンドリーな男の子口調を使っていく。しばしば語尾に「〜ナリ」とつけるのが特徴。
普段は後者の方が素の口調。
人称:僕、オイラ(気分で使い分ける。普段は僕)/キミ、あなた(敵には『お前、アイツ』)、相手の名前、〜(くんorちゃんorさん)/あの人
参考台詞:
「えっと…、はじめまして! 僕はマコト、マリルのマコトです」
「大丈夫、怖がらなくてもいいよ…… キミは僕が守ってあげるから」
「このモモンのみとヒメリのみをブレンドさせて…… よしッ、できた! 僕特製の、きのみのメイプルジュースの完成ナリー!」
「待ってて、今助けるからッ!!」
「ここら辺が仕掛け時かなー? 安心してね、いざっていう時にこの力が役に立ってくれるよ!」(<みらいよち>を使用したとき)
「どうして仲間を平気で裏切れるの……? 信頼してるかけがえのない友達なのに……!?」(仲間内での裏切りを目撃したとき)
「あ! ずるーいッ、進化前ポケモン僕も大好きなのに! その… 後で代わってよね」
「いっけーッ!! 最大パワーで<みずのはどう>だッ!!」
「だから僕は持てる全部の力を持って… みんなを守るんだ! これ以上、友達が傷ついてくのを見たくないからッ!!」
「想いと力…… 僕とシェイクスとならば! “ツインビーラッシュ”ッ!!」(バンド技-連携-を使う時)
備考:上記に書いたように、かなりの可愛いポケモン好きで(特にピカチュウ、ピチュー、マリル、ミズゴロウ、ルリリ、プラスル&マイナン、パチリス、ミミロル、リオル、チラーミィ、タブンネなどが例)、一度可愛い物を目にすると感情が高ぶって暴走してしまう事がある。
きのみの知識に関してはゲーム通の影響でかなり詳しく、日頃から実物のきのみに好奇心を寄せている。
尚、彼の十八番のわざはなんと「みらいよち」。時間差で念力弾が襲いかかるといったトリッキーな使い方が主なのだが、彼の場合は、精神力の消費しだいで効果範囲を自在に変化できる特殊能力も持っているせいか、敵サイドからしたらかなり性質が悪いといえるだろう。彼曰く「イッシュ地方に流れ着いたときに自然と覚えていた」とのこと。
戦いが深刻化する中盤以降において、単身で戦っていくやり方に疑問を感じ、味方と協力して繰り出す連携攻撃「バンド技」を思案していく。
役割:元人間(味方)
2011/08/11 Thu 23:51 [No.556]
Makoto
名前:シェイクス
性別:♂(男の子)
種族:ミジュマル
性格:
純粋かつ勇敢な性格。
見かけによらずかなりマイペースで、おちゃめな性格も重ね持っている。また、信頼できる味方の前で甘えたり、子供染みたイタズラを好むといった年相応の子供っぽい所を見せる事も。
第六感が優れていて、危機をすばやく察知できる能力を持っている。マコトと同じくカワイイ物好き。
外見:
見た目は普通のミジュマル。最初はアクセサリーは何も装備していないものの、時が経つにつれて、頭に水色のゴーグルを被って、“しんぴのしずく”をペンダントにして装備するようになる。
ちなみに腰の左側に茶色の巾着袋も付けている。
口調:素直でフレンドリーな男の子口調。
人称:ぼく/キミ、アナタ(敵には『お前、アイツ』)、相手の名前/あの人
参考台詞:
「こちらこそよろしくね! ぼく、シェイクスっていうんだよ」
「ねぇ、少しだけ手をつないでもいい…かな……? どうにも、緊張がとれなくて……」
「お腹をすかせてるんだね。ここに来てぼく達と一緒に食べようよ!」
「何なの、このプレッシャーは…… キミ、やっぱり只者じゃないな……!」
「実は、ぼくも同じなんだ……。何か…悲しいよね……」
「今は戦う…明日のために! ぼく、できる限りの事は何でもするつもりだよ」
「輝く白色の刃…… 今、汚れし大気を断ち切る時! いけっ、<シェルブレード>ッ!!」
「ありがと…! 大切にするよ、キミの心。エヘヘ、みんなだーいすきッ!!」
「剣の稽古付けたいんだけど、どこかいい場所無いかなぁ。ねぇ、何か心当たりはない?」
「今のぼくたちだったら、このバンド技を使いこなせるはず…… やろうよ、マコト!」
備考:イッシュ地方における御三家の一匹で、自称マコトのパートナー。
マコトとは運命的に出会った当初から、親友兼ライバルとして信頼しきっている故か、ほぼ2人一緒の場合が多い。また、彼が可愛いポケモンを見つけて暴走してしまう際に、彼のストッパー役を買って出ている。
どっちかというとシェイクスの方が弟よりであり、精神的にまだ幼く気落ちしやすい所もあって、本調子を上手に引き出せない悩みを抱えている。本人は既に自覚しており、特訓を重ねていく上でマイナス面を克服していく努力を欠かさないようにしている。
他の地方に興味と憧れを持っていて、いつか機会がある時に世界中を旅してみたいと夢見ている。
役割:味方ポケモン
2011/08/12 Fri 00:54 [No.557]
Makoto
名前:スイレン
性別:♀(女の子)
種族:シキジカ(場面によっては、メブキジカに進化も?)
性格:
好奇心旺盛で、わんぱくな性格の女の子。
自分を強く見せようと時に強がって、他人より先にリードを持とうとする男勝りな所も見せる。しかし、根が純粋な性格のせいでイマイチ強気になれないせいか長くは保てず、いつの間にか三枚目に回ってしまうことも。また、どこか引っ込み思案な所があるせいか、皆を苛立たせてしまうこともしばしば。
本来は繊細で恥ずかしがり屋といった、ごく普通の性格な為、未知なる体験で自分を大きく変えていきたいという願望を持っている。
本人はまだ気づいていないものの、周囲への影響力を少なからず持っていて、人心を救うことが多い。
口調:
普段は元気かつ直情的な女の子口調を使っている(その際はタメ口で、目上目下だろうとお構いなし)。しかし落ち込んでいる時では、遠慮がちになって口調も穏やかになるなど、全体的に浮き沈みが激しい。たまに語尾に「〜なの」とつけるのが特徴。
一人称は「ボク、アタシ(気分で使い分けている。普段はアタシ)」、二人称は「君、アナタ」、「相手の名前、〜(くんorちゃんorさん)」。三人称は「あの人」を使う。
参考台詞:
「ヤッホー! アタシはスイレンっていうの。見ての通り可愛いシキジカなんだよー」
「ここからはボクに任せてなの! とっておきの近道を知ってるんだ!」
「自然は大切にしなくちゃね。――って言ってるそばから何草いじりしてんの!」
「ほらそこ、シャンとしなさいな。気持ちが暗くなってたら、楽しい事見つけられないよ?」
「ねぇ、アナタは何のために戦ってるの? こんな戦いを続けて、何の意味があるっていうの!?」
「ホントは、虚勢を張って強がってたの。だって…… 怖がってただ怯えるだけって、ボクそんなの嫌だもん……」
「犠牲を伴う世界平和なんて、そんなのいらない! アタシは… みんなの笑顔の為に戦い続ける……これがアタシの答えなのッ!」
「あぅ〜、思い出させないでよぅ…… は、恥ずかしい……」(その際に丸まってます。)
備考:
最近になってポケ書の掲示板に参加しだしたポケモン好きの一人。年齢は中学2年生あたりと思われる。
例え目上の人が相手でも、友達感覚で対等に接しようとするため、知らないうちに反感を買ってしまうことも。恥ずかしくなると、膝を抱え体を丸くしてボールのようになるクセがある。
基本は物怖じをせずに、とことん目標に向けて突き進む頑張り屋さん。
ちなみにポケモンのゲーム歴はDP(ダイヤモンド世代)からやってきているので、ある程度ポケモンの知識は身についている。
役割:元人間(主人公格)
2011/08/12 Fri 00:58 [No.558]
池田
「何か……遺言とか、あるか?」
老人の額に拳銃を突きつけつつ、少女は言った。
「そうだな……じゃあ、最期にお前の名前を聞かせてくれ」
少し間を開けて、少女はこたえる。
「地獄の門番に……アンタを送った者の名を聞かれたらこう言いな。“Water Lilyが咲いた”……ってね」
「分かったぜ、お嬢ちゃん。じゃ、ごきげんよう。俺を殺す以上、No1の殺し屋になれよ」
老人はまぶたを閉じ、とても満足気に笑った。
「誓うぜ。アンタの命と、アタシの魂に。じゃあ……よい旅を」
そして、少女は引き金を引いた。
殺し屋”Water Lily”は退屈していた。
殺人鬼ホワイト・ムーンを殺す依頼に失敗して以来、すっかり格を落としてしまい、新しい仕事が来なくなってしまったのだ。
たまに仕事が来たと思えば、イベントの警備だったり、SPだったり。それは、殺し屋の仕事ではなく、用心棒の仕事であったし、しかも大勢いる中の一人、映画で言えばエキストラのような仕事だった。
「Ah!やってらんねえ!!アタシはこんなことするために殺し屋やってんじゃねえんだ!!」
Lilyは、机を蹴った。衝撃で、モーテル全体が揺れる。それがまた、我慢ならない。金を貯めて高級マンションに事務所を構えるはずが、未だにこのモーテルで燻っていることが、我慢ならなかった。
「Fuck……」
怒りをぶちまけて、虚しくなったLilyは、壁に懸けた、錆びついたデリンジャーを見た。リンカーンの頭をぶち抜いたその銃は、Lilyにとって、リンカーンよりももっと偉大な男の頭に風穴を開けた銃であり、特別な意味を持っていた。
「……」
あの日のことが、思い出された。降りしきる雨の中、そのデリンジャーの持ち主を殺した日のことを。その男に立てた誓いを。
その時、電話が鳴った。Lilyに電話をかける者など、一人しか居ない。そして、その用途は、依頼を伝えることに限られた。
「やっと来たか……仕事だ!!」
Lilyはソファから立ち上がり、受話器を取った。こちらからなにか言う前に、受話器の向こうの相手が話し始める。
『Hi, Bad girl.調子はいかがかしら?』
「分かってて言ってんだろ……ゴキゲンにしてくれよ、頼むから」
それは、エージェントのお決まりの挨拶だった。景気が良い時でも悪い時でも、彼女は絶対にこう言う。
『フフ……そうね。今日は、最高にゴキゲンな仕事を持ってきたわよ』
「はいはい。なんだ、またまたガードマンか?猫探し、なんてのはカンベンだぜ……」
『報酬は1千万』
「……!?」
突然出てきた言葉は、にわかには信じられなかった。そんな額の仕事は、Lilyの全盛期であっても、来たことは無かった。
「……ハハ、何だよそれ。面白くねえ冗談だ」
『冗談にするのも、現実にするのも、あなたが決めることよ』
そういうエージェントの声からは、常の飄々とした感じが消えていた。つまり、彼女は真剣であるということだった。同時に、この仕事は、とても困難なものだということを示していた。
黙りこんだLilyを無視して、エージェントは仕事の内容を説明する。
『仕事の内容は簡単。今から言うアドレスにアクセスするだけ』
「は!?」
これまた、信じられないような話だった。
「おいおい、サイトにアクセスするだけか?それだけで1千万?」
『ええ、そう。ボロい話でしょ?』
全くその通り。ボロすぎて、怪しすぎる。何かの罠である可能性が高いのは言うまでもないが、果たして、ここまであからさまに怪しい罠を仕掛けるだろうか?
「サイトの内容は?」
『さあ……依頼を受けた人間だけがアクセスをするように、という取決めだから』
そんな訳がないだろう、と思いつつ、しかし詮索をするのは無駄だとわかっていた。何を言ったところで、うまくかわされるだけだ。
Lilyは考える。エージェント達は、きっとこのサイトの内容を把握している。つまり、サイトにアクセスすることで、彼らが不利益を被ることは無いということだ。それは同時に、彼らの下で働く自分にも危害がないことを示している。
「……わかった、やるよ」
Lilyは、承諾した。半信半疑ではあったが、たとえ何か起こっても、自分の腕で切り抜けるだけの自信があったから、というのもある。
『OK. じゃあ、アドレスを一回だけ言うから、メモしてね』
エージェントは英数字の羅列を読み上げた。
Lilyは知らなかった。その時点で、数奇な運命の中に放り込まれたことに。
その仕事の依頼主は、他ならぬ、エージェントだったのだ。
2011/08/20 Sat 01:35 [No.570]
海の神竜ラプラス
新作KSの設定。まだ中身すかすかですけどね;;
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・ポケモンとトレーナーは、互いに心を通い合わせる事で合体できる。
・合体後の強さは、トレーナーとポケモンの信頼関係・ポケモン自身のステータスにより左右される。
・合体後は3つの形態となる事が可能。各フォルム合体したポケモンの技や特殊能力、特性などは使用できる。
T>アウトフィットフォルム(装具形態)
人間寄りのフォルム。トレーナーの服装が合体したポケモンをイメージしたものに変化する。トレーナー自身の体格は変化しない。
また、合体したポケモンの体の一部をモチーフとした武器を使う事が出来る。
技は魔法のような感じで使う事になる。
U>ビーストフォルム(獣人形態)
人間とポケモンを合わせたフォルム。ReBURSTの状態に近い。(いわゆるポケモンの擬人化状態)
V>モンスターフォルム(魔獣形態)
ポケモンよりのフォルム。合体したポケモン自身が、トレーナーの服装やアクセサリーの一部を身につけた状態になる。
姿はポケモンだが、人間との会話は可能。
・合体は体力に限界が近付くと強制的に解除される。(トレーナー、ポケモンの意思で自由に解除は可能)
・合体は1度にトレーナー1人に対してポケモン1匹。一度に2匹以上のポケモンとは合体できない。
2011/08/21 Sun 21:37 [No.571]
ゆとり
【名前】ゆとり
【性別】♀
【種族】アチャモ
【外見】フレームが紫の眼鏡をつけてる
【性格】消極的でおとなしく、人見知りが少し激しい
しかし心を許せば、かなりはっちゃけちゃう
またかなりの心配症で少し嫉妬深いところがある
【口調】とくになんも変哲のない落ち着いた女の子らしい口調
目上の人にはですます調
一人称自分又は私
二人称あなた
三人称○○さん
【台詞】「わ、私の名前はゆとりと申します・・・」
「すみません、べつにあなたのことが嫌いではないですが、その、自分人見知りが激しいもので・・・」
「私がアチャモになったのは、私がアチャモ並にかわいいとか・・・
あ、これ冗談なので気にしないでください」
(こ、これが加速なんだ・・・
なんか気持ちいい・・・)
【備考】消極的であまり、人とは喋らないほうである
しかし、たまに冗談や面白いことなどを言ったりする
が、基本的に声が小さいのでよくもう一度言うように頼まれることもある
眼鏡が嫌いなのにも関わらず、フレームが紫色の眼鏡をかけている
因みに何か物を覚える時以外は独り言を一切言わない
あとたまに何か妄想したりする
【役割】:元人間(味方)
名前:斬(ざん)
性別:♂
種族:ハッサム
性格:感情を表にはださず、そのため何を考えているかわからない
しかしちゃんと喜怒哀楽がある
口調:侍口調(例えば語尾にござるをつけるなど)
一人称拙者
二人称そなた
三人称○○どの
参考台詞:「拙者は斬と申すでござる・・・
早速そなたを再起不能にするでござる!」
「拙者はDMに雇われた傭兵でござる・・・
だから、そなた達が多額の現金を払って頼めばDMを潰すことも可能でござる
しかし、もう既にDCに依頼されてるので、今のところ不可能でござるが・・・」
「まずはそなたから!メタルクローでござるっ!」
備考:裏の世界ではかなり有名な傭兵
1匹500万でちゃんとそのターゲットを殺さないが再起不能にする
基本的に1つの仕事が終わるまで他の仕事はやらない
DMにいるが、べつに依頼されただけで仲間でない
なぜか侍口調である
役割:敵(どちらかと言えば中立寄り)
2011/08/24 Wed 22:04 [No.575]
ジャグラー
【名前】ジャグラー
【性別】男
【種族】ルカリオ
【性格】いつもは冷静。テンションの上がり下がりが激しく、自分よりも他人を常に優先する。周りの状況が変化すると簡単に自分の考えを変えてしまう。普段は怒らないが、怒りが爆発したときは暴力をふるって解消する。自分の好きな異性と話したりすると顔を真っ赤にする。
自分のせいで失敗したりすると、かなり自責してしまう。
意外と涙脆い。そして精神的に脆い。
【外見】茶色のテンガロンハットとマントを着用している。それ以外は普通のルカリオ。
【口調】一人称:俺、 二人称:あんた、お前、○○さん、呼び捨て 三人称:あいつ、あの人
敬語だったりため口だったりとその時によって変わる。
そのため、話の途中で急に敬語からタメ口になることもある。
【台詞】「ああ、俺か?俺はジャグラー。人間世界からやってきたんだ」
「大丈夫さ。俺がいなくたってみんな強いんだ。問題ないよ。」
「俺はリーダーなんて向いてねえよ。どちらかと言えば下っ端だな。」
「・・・あのさあ、いつも黙ってるけど俺がいつまでもそれを許すと思うかよ?いい加減にしろよ。人をなんだと思ってるんだよ!」
「何バカみたいな事言ってるんだ。これは戦いだ。敵は本気で俺たちを倒そうとしてる。相手が死んでしまおうが関係ない。あっちがそうなら俺たちだってその気で戦わないとこの先生き残れないんだよ!!犠牲なしに戦いは終わらないんだよ!!わかってんのかクソッタレ!!」
「やってやろうじゃねえか。そっちがその気なら、こっちも本気でやってやるよ!」
「・・・ごめん。俺のせいで、こうなってさ・・・」
「面倒な作戦考えるぐらいなら、ゴリ押しでやった方が手っ取り早いでしょ?」
「波動を使えるからこそ、出来ることがある!」
「面倒な事になってきたな・・・とにかく、やるしかないか」
「あ、い、いえその・・・な、なんでもないです。」
【備考】元人間のルカリオ。リアルの方では作家を目指して日々小説を書き続けている。
歌を歌ったり、小説を書いたり、ゲームをしたりなど、趣味は多いため場を和ませるムードメーカー的な立場になることもある。
ルカリオであることを活かし、波動の力で仲間をサポートすることもあるが、基本は戦闘面で多用することが多い。
戦いにおいては、「やるなら徹底的にやる」と考え込んでおり、とどめを刺して命を奪おうとすることもある。
彼がこのポケモン世界にたどり着いてからは、「この世界を旅したい」と思うようになる。
得意技は「インファイト」。
【役割】元人間(味方)
2011/08/26 Fri 02:23 [No.579]
ジャグラー
【名前】セクト
【性別】男
【種族】ルカリオ(色違い)
【性格】冷静で哲学的。一度決めた事は徹底にやる完璧主義者。どんな相手でもニコニコ笑顔で相手をする。怒ることはまずない。
多少面倒くさがりなところがあり、簡単なことを部下や他人を使ってやらせることもある。
たまに腹黒い一面も見せる。
【外見】色違いなため、普通のルカリオとは色が違う。マントとメガネを付けており、腰には木の実が入った小さい袋が付けてある。
【口調】イライラしている時は語尾に「〜〜なんですよねぇ」と言う。
敬語使い。
一人称は自分、私、僕、二人称はあなた、○○さん、三人称はあの人。
【台詞】「私はセクト。DMで、哲学者をしております。」
「戦いというのは、いかに頭を使うかです。力で攻めたとしても、すぐに返り討ちにあうだけですよ。」
「これでも私は昔は自らの正義を信じて各地の孤児を救ってました。まあ、信じられないでしょうけどね。」
「さて、優れた戦術家というものは仲間をいかに上手く動かせるかが問われます。・・・何故ここで言うかは分かりますよね?ええ、あなたが予想した通りのことです。今あなたの周辺には、私の部下が待機しています。一歩でも動けば、一斉攻撃を喰らうハメになりますよ」
「降参してくれませんかね?私は殺生は嫌いなんですよ。今なら私がかくまってあげることもできます。毎日栄養の整った物も食べれますよ?」
「正義の反対はまた正義。そう、悪というのはみんなが生み出した、エゴなんですよ。本当はみんながやっていること、考えていることすべてが正義なんです。」
「さて、無駄に体力を減らすのはこれぐらいにして・・・少しばかり、眠っていただきましょうか」
「僕からしてみれば、あなたはただ私の掌の上で踊ってるだけなんですよ。」
「僕はやることを決めたら完璧にやりきらないと気が済まない性格なんですよねぇ。だから、あなたがここで素直に負けを認めてくれたらありがたいんですが。」
「私の望む事はあなたがた人間達とポケモンが“共存”する世界。私がDMにいるのは、一人ではできない事を達成出来るからです。」
「私は、アイシスのような悲劇を生み出したくないのです。ですから、今よりもっと平和な世界を作り上げたい。だからこそ、私は人間との共存を望むのです。」
【備考】DMのメンバーであり、哲学者。
仲間からは『知将』と呼ばれている。その名の通り敵の裏をかくような作戦ばかりを考えるからそう言われるようになったらしい。
本人自身もそのことを認めていて、なんとも思ってない。
ポケモン世界に元人間がやってきたことに深く興味を抱いており、反乱分子の討伐と共に調査も進めている。
戦闘では絶対に相手を殺さず、必ず生かすようにしている。これは彼自身が殺生が嫌いなのと、重要な情報を持っている可能性があるため、その情報を得るために殺さないからである。
戦闘面では“さきどり”や“かげぶんしん”、“どくどく”などを使ってじわじわと相手を追い詰めていき、最後に“はっけい”でマヒさせて動けなくし、捕獲するという戦法をとる。
ちなみに名前の由来は頭脳派を英訳したBrain sect(頭脳派)のsect(読みはセクト)から。
元々は一人で研究をしていた彼だが、DMの目的を聞いてDMに入る。
彼の目的は、『人間とポケモンの共存』であり、部下のアイシスの過去を知ってからアイシスのような悲劇をこれ以上出さないように、『平和な世界』を作り上げるために人間とポケモンの共存を目指している。
【役割】敵ポケモン
2011/08/26 Fri 02:24 [No.580]
ジャグラー
【名前】アイシス
【性別】女
【種族】マニューラ
【性格】セクトに忠誠を誓っており、彼のやることには何の疑いも持たず、彼の命令通りに従う。
戦いでは敵にも味方にも情けをかけず、例え味方が傷ついても手助けもせず、敵には非戦闘員にも容赦なく攻撃する。
感情を表に出さず、常に冷静でいる。
セクトの前だけ感情を出す。
【外見】両手に鋭い爪がついたクローを装着している。
首に赤いスカーフをつけており、セクトの文字で「アイシス」と書かれている。
【口調】一人称:私 二人称:あなた、○○ 三人称:あの方、彼、彼女
敬語を使うことが多い。
セクト以外の相手だと無感情で話すが、セクトの前だと感情が入って話す。
【台詞】「私はアイシス。セクト様の忠実な僕です。」
「セクト様に刃向かう者は、すべて私の爪に血を塗って死んでいくのです・・・」
「戦闘と言うのは、ただ技を使うだけではありません。道具も立派な戦闘の一つです。」
「セクト様!ご無事ですか、セクト様!!」
「セクト様・・・私はこの身が朽ち果てることとなっても、セクト様のことは忘れません。セクト様は、私を救ってくれた恩人ですから。」
「もはや語るべき事はありません。セクト様に傷をつける者は、私が始末します」
「あなたも、自らの血で私の爪を真っ赤に染めながら死んで行きなさい」
「セクト様の邪魔をする者は、ここで滅びる運命なのです」
【備考】セクトの忠実な部下。セクトに忠誠を誓っている。
元々は孤児だったが、セクトに拾われて育てられたために彼に恩返しをしようと自分から戦いに身を投じる。
奇襲やスパイ、ピッキングなど、様々な行動を得意としているため、セクトの率いる部隊では一番強い存在となっている。
さらに逃走用の煙玉や閃光手榴弾などと言った道具も使用できる。
彼女自身は自分の事を「セクト様の忠実なる僕」と言っている。
アイシスの過去はセクトが知っており、彼女の過去がセクトの目的を生み出した。
【役割】敵ポケモン
2011/08/26 Fri 02:28 [No.581]
あんびしゃん(氷河期の賢者
名前:あんびしゃん
性別:男
種族:バニリッチ
性格:明るく、攻撃的。恋病にかかりがち。
口調:関西弁 一俺 二お前 三あいつ
参考台詞:
「聴け...俺のジャズビート!」
「お前、ホンマにそれでいいんか?何も奏でんと、ここから去ってええんか?」
「これが恋なんやろうか。胸が痛い。音が奏でられへん」
備考:もともと中学生ながら音楽が大好きで、よく歌っていた。そんな中イッシュに来てしまい、ヒウンシティでライブを始める。そこであっくんと出会い、ユニットを組む。でも技のうたうは使えないという不便仕様となっている。バトルセンスは当初微妙。晩成型。当初は歌ってばっかりだし。
役割:元人間(味方)
名前:あっくん
性別:男
種族:アーケオス
性格:優しい。がバトルになると豹変する。怖い。
口調:何故か関西弁。一俺 二お前 三あいつ
参考台詞:「お前も歌うたうんか!気合うな!」
「戦え!戦わんか!!!」
「死ぬ時は...笑って...ビートを...奏でて!」
備考:ヒウンシティで「歌うアーケオス」として知られている。ずっと一匹オオカミだったが、あんびしゃんと出会い、ユニットとして音楽活動を始める。バトルの腕前はあんびしゃんをも上回る。
役割:味方ポケモン
2011/08/25 Thu 21:37 [No.578]
海の神竜ラプラス
自キャラ再投下。種族変えただけだけども
【名前】海の神竜ラプラス
【性別】♂
【種族】ツタージャ
【性格】
勇敢。自分が傷つくのはお構いなしだが、仲間が傷つくのを嫌う。基本的に周りが傷つく前に決着をつけようとする。
とっさの時の判断力が強く、その場にあるものでうまく窮地などを切りぬけていく。
洞察力などといったものも優れており、その活躍はかなりのもの。恋愛事に疎い、っていうのはお約束(
口調:ふだんはおだやかな男性口調、基本的に敬語。怒りを感じると乱暴な口調になる。
【外見】首に青いスカーフ巻いてます。ラプラスの刺繍入り。
【人称】俺/君、相手の名前(お前、貴様、呼び捨て)。怒り時、二人称は( )のものになる。/彼ら、あいつら
【台詞】
「はじめまして。俺は海の神竜ラプラスと言います。」
「く……皆さんは先に行ってください! ここは俺が食い止めますから!!」
「これ以上……悲劇を繰り返さないでくれ……頼むから……。」
「もし……勝者に敗者の命を奪うという権利があるのなら……俺は君から生ではなく、死を奪う。」
「戦いでしか決着をつけられないのか……他にいくらでも決着をつける方法はあるはずなのに……。」
「俺は認めない……他人を犠牲にして得られるものなど!!」
【備考】
誰も死なせないという思想が根底にあり、「殺さない覚悟」を胸に戦いを続ける。
【役割】元人間(味方)
テンプレを運営テンプレのものに合わせました。
2011/08/26 Fri 21:46 [No.585]
サントアンヌ号
名前:サントアンヌ号
性別:不明(本人の意思で隠している)
種族:ポリゴン2
性格:実年齢が高い故に、いつも落ち着いていて大抵の事を受け流せるぐらいに飄々としている。
空気は読めるタイプだが、本当に間違ってる事にはハッキリと言うタイプ。
自己のテンションに流されない事を信条としているので熱くはならないが、決して冷めてるわけでもなく、ノリが良くて冗談や嘘を言ったりする事もあったり。
適応能力が高く強固な精神を持っているので、人並以上にネガティブになりにくい。
口調:くだけている中性的な話し方(男女両方が使っても違和感が無い感じ)で、NO敬語。
私/あなた、呼び捨て/あの人、あの子
参考台詞:
「私? サントアンヌ号っていう、ただのポリゴン2。長かったらサントって呼んでも良いから」
「私の性別がどっちかって? うーん……門外不出の機密事項ってことで」
「んー、しょうがない。他人に頼るのは不本意だけど、協力させてくれないかな? 私だってあの連中に邪魔されたくないし」
「この体になってからパソコンとか扱うのが上手くなったからね。電子関係なら任せてちょうだい」
「戦いってのはね、熱くなったら負けなんだ。だから常にクールを心がける必要があるわけ」
「さーって、こっからが勝負どころかな」
「まあ見てなよ。私がちょっと本気を出せば、建物1つのシステムぐらい掌握してみせるから」
「今度会う時は、ひょっとしたら敵同士になってるかもね」
「伊達に旧時代は『ゾンビ』、今は『重戦車』と呼ばれていた種族ってワケね。なかなかの耐久性を持った体だこと」
「光学兵器……漫画やアニメで見ていた空想の産物が、まさか自分で出せるなんて……」
「私はね、どっちが正しいかよりも自分がどうしたいかを選ぶタイプなワケ。だから私にとっては、正義も悪も両方無意味な言葉にしか過ぎないの」
「待ちなよ……それがあなたの正義だっていうんなら、私はそんなモノは認めない。そんなのは単なる独りよがりだ!」
「ヒカル……あなたってマジでアホだね」
「ツカサって結構無口だけど、感情はストレートに顔に出てるじゃん」
備考:
カミツレみたいにコードを垂らしたマイク付きヘッドセットを両耳に着けている。
コードは自分の意思で動かせるので、手の代わりに使用可能。
常に心に壁を張っているので、表面上では愛想が良くても滅多に人の事は信用せずに、心の中では他人や物事からは一定の距離を置いたりする。
ただし好意を抱く相手に対してなら心を開いてくれる。
体がプログラムで構成されている事を利用し、電子機器の扱いが非常に優れているので、電脳戦においてはかなりの強さを持つ。
パソコンを用いてのデータのハッキングだけでなく、ヒカルと協力して通信傍受や合成音声による偽通信を送るなど、直接戦闘よりも情報戦のスキルが高い。
ひみつのちから(RSバージョン)で秘密基地をあちこちに作っている為に決まった拠点は持たず、潜入・潜伏が得意。
戦闘においては躊躇なく殺しはするタイプであり、感情よりも目的を優先する傾向が強い。
戦闘スタイルはビーム系の遠距離攻撃だけでなく、ビームを変形させて剣や槍などの近接戦闘武器に変える事で接近戦にも対応できるようになる。
ちなみに、ヘッドセットのコードの先端部分からもビームを出す事も可能。
基本は正義も悪も関係無い事なかれ主義的な中立行動を主とするが、自己の為や興味の対象の為などの状況次第で協力したりする。
ただし別れるときは後腐れ無く別れるので、心の繋がりとかいうのは基本信じない。
役割:元人間(中立)
2011/08/26 Fri 23:13 [No.586]
サントアンヌ号
名前:ヒカル
性別:不明
種族:ロトム
性格:精神年齢が低くて短気かつ負けず嫌いだが、根は単純。
誰にでも分け隔てなく接し、常に明るく前向き。
口調:言葉使いが悪く、子供っぽい。そしてこいつもNO敬語。
ボク/オメー、呼び捨て/あいつ
参考台詞:
「ボク、ヒカル! つーか、オメー誰?」
「泣いてない! 泣いてないもんね!」
「ピキキキキ! バーカバーカ、引っ掛かってやんの!」
「うっせーオメー、チビって言うなー! いっぺんシバくぞコラ!」
「おいこらサント! この妖精みたいなボクを見てアホとは何だ、アホとは!」
「上等だツカサ! ぜってーオメーを泣かしてやんよ!」
備考:
サントアンヌ号と違っていつも素を出しているので、友達ができやすい。
普通のロトムよりも小柄(高さ0,1m)だが、『チビ』と言われるとキレる。
気が強いけど涙腺がゆるいのですぐに泣いてしまうが、本人は「泣いてない!」と言い張ったり。
朝に弱いので、誰かに起こされないと昼まで寝ていたりする。
生まれつき様々な電波の波長と合いやすい体質のおかげで、無意識の内にあらゆる通信の傍受ができる。
そしてその傍受した通信の電波をポケギアやパソコンに送る事で盗聴が可能になるので、サントアンヌ号と協力して情報収集していく。
イタズラが好きで、一度やられると徹底的に報復してくるほどのガキ大将ぶり。
笑い声は「ピキキ」。
声が鏡音レンに似ている。
役割:中立(ポケモン)
名前:ツカサ
性別:不明
種族:ギギギアル
性格:クールで取っ付きにくくてかなりキツめだが、受けた恩は必ず返す義理堅い所もある。
口調:基本タメ口だが、サントアンヌ号にだけは敬語を使う。ただし誠意はこもってない。
「ウザイ」「キモイ」が口癖で、目障りな相手には「潰すぞ」と脅しをかける。
あたし/お前、呼び捨て、サントアンヌ号にはサントさん/あいつ
参考台詞:
「あたしの名前……? ツカサっていうけど」
「とりあえずサントさん、エネルギーの充電終了しましたので」
「泣きを入れろ、ヒカル」
「あたしが好きなものは静寂。ついでに嫌いな物は干渉だから」
「心配しなくても、普段のあたしは必要最低限のコミュニケーションはとってるんで」
「……まずは喉から潰すぞ?」
「あたしと馴れ合おうと? キモい考え」
備考:
サントアンヌ号が使う電子機器のエネルギー発電担当。
視力が低いのでいつも切れ長の瞳で鋭い眼光をしており、細かい作業をする時は眼鏡をかけるが、外見を気にする為に普段はしていない。
サントアンヌ号よりもはっきりと分かりやすい心の壁を張っており、孤独を好んで友達を作らずにいつも我関せずな態度をとっている。
一応サントアンヌ号には協力的だが、親しく接する気は無い。
ヒカルとは犬猿の仲で何かといがみ合っており、良く喧嘩をしたりする。
声が初音ミクに似ている。
役割:中立(ポケモン)
色々と修正しました
2011/08/26 Fri 23:13 [No.587]
ゆな
とりあえず大雑把にこんな感じで! 部下はありかなしか考え中でございます!
【名前】ゆな
【性別】女
【種族】シャンデラ
【性格】敵対者には容赦はしない自他共に認めるドS。一方で己の決めた事はやり通そうとする頑固者。
自分の考えこそが正しいと思い込み、相手の考えを否定する偏った部分がある。
でも味方は信頼し、実力が合うと判断したらキッチリ任せるなどと仲間思いの一面は持つ。
敵を精神的に苦しめる事を好む一方、数にものを言わせた作戦などを行う指揮官タイプ。乱暴に見えるが頭はキレる。
つまり極端に敵には物凄く厳しい。身内には甘いが、ちゃんと飴と鞭は与えている。
【外見】右目にモノクルを装着。後頭部にオレンジ色の短いリボンを着用。理由は「隊長格と分かりやすくする為」との事。
【口調】女性らしい喋り方はあまりしないが、ちょっと乱暴。普段はわりと穏やかだが、テンション上がると色々と危ない発言しまくる。
【台詞】
「始めまして、うちはゆな。名前で察せられたんなら、分かるかな? そっ、あんた等と同じ元人間だよ」
「そろそろしんどいっしょ? でもそう簡単には終わらせてあげないよ。じわりじわりと苦痛を与えてあげるさ。……そして、うちの目の前で壊れてくれ。そうすれば何もかも楽になるよ」
「あははははははははは!! そうやって地面に這い蹲り、無様なカエルのような姿……見ていて心地が良いよ!! そうさ、その姿だよ、うちが見たかったのはね! お前みたいな幼稚な馬鹿ガキが情けなく泣く姿なんだよ!! さぁ、泣け、喚け、豚のような悲鳴を上げちまえ!!」
「だから? あんた等がどれだけ自分の思いをぶつけようが、うちの決意は変わらない。うちは新世界を見るってとっくに決めてるんだからね、その為には何だって叩き潰す。……さて、あんた等にその覚悟はあるかっ!!」
「弱さを盾に仲間に甘えるか、無謀を矛にうちを倒すか……選びな。どっちにしてもバッドエンドで終わらせてあげるからさ」
「ドンマイドンマイ、次があるからさ。次はやり通してみせな、あんたもドリームメイカーズならバシッとしな!」
「おーっし、頑張ってちょーだいな! うちと同じ幹部なんだし、あんぐらい楽勝でしょ?」
「やってる事を間違いと思うぐらいの覚悟で戦うな!! うちはね、そういう馬鹿が一番嫌いなんだよ!!」
「……さぁ、ラストバトルだ。やってごらんよ、夢の未来をぶっ壊せるかどうか!」
【備考】元人間でありながら、ドリームメイカーズの幹部である。ドリームメイカーズの最終目的を気に入り、それを完全遂行させる為に全力を注いでいる。
ポケモンになった反動でか、かなり嬉々とした様子で戦う等とドリームメイカーズの活動は喜んでやっている。裏切る気はゼロ。
弱肉強食的考えを持っているが見込みのある部下には声をかけていたり、実力のある者に期待するなどと部下からは慕われている。おかげで上や同僚から便利に扱われる事もあるが、彼女自身は敵の殲滅が出来て嬉しい。
これら全ては「人間」という柵から解放された事による「成長」であり、彼女はそれら全てを自覚した上で受け入れている。
ちなみに格好を「可愛い」と評したら敵味方関係なく炎を出すんで要注意。
【役割】元人間(敵)
[どりーむめーかーず]
2011/08/27 Sat 00:01 [No.589]
空色
とりあえず基礎
【名前】空色代吉(そらいろだいきち、略称空色、空orソラ)
【性別】女。
【種族】トゲキッス。
【性格】堅物と大雑把を足して二で割ったような性格。自分に正直でマイペースだが変な所で真面目。
基本的には物静かだが、話すときは自分の思った事をズバズバと遠慮なく言う傾向が強い。
他人の意見は聞いて、柔軟に考える方だが譲れない所は意地でも譲らない頑固。
また、怒ると感情的で、熱くなりやすい一面も持つ。
若干猫かぶりになりがち。思いふける事が多いが、実質何も考えてない事が多い。
ネガティブで自虐的な発言も多い。
ツッコミを積極的に行なっているが天然ボケ多し。ノリはわりと良い方。
【口調】男言葉でも女言葉でもない、中性的な口調。「〜と思う。」という曖昧な言葉をよく使う。適当なですます口調。
滅多にならないがキレるとガサツで乱暴になる。
一人称・自分、私。二人称・貴方、〜さん。お前など。三人称・あの人。
【参考台詞】
「一応初めまして、自分は空色代吉という者です。長ったらしい名前なので気軽に“ソラ”って呼んでください。」
「えっと……例え誰が相手でも、名前を名乗るのが一応礼儀だと思うのですが、変でしょうか?」
「ああコレですか? 必殺技に自分の名前を入れると気合いってヤツです。てなわけでもう一回、喰らえっ――ソラスラッシュ!」
「しょ、正直自信ないのですが、精一杯頑張ってきますっ!」
「ここの前方、○○さんお願いします! 私は回り込んで退路をふさぎます!」
「……すみません。私の判断ミスです。詰めが、甘かった。」
「正義を安々語れるほど、私は利口じゃありません。」
「あのさ、誰かを傷つけている時点で正義もクソもないよ。そのくらい、自覚してる。私はその上でやってんだけど、さ。」
「やっと、やっと見つけられた、私の夢なんだ。邪魔、しないで下さい……!」
【備考】ポケ書住民ではひっそりと暮らしていた方。敵サイドには自分からついていきたいと思い、ついた。裏切る気は皆無。
根本的にはどんくさいくてトロい。
また、リーダーシップは皆無に等しいので、上下関係が苦手。どちらかと言うと誰かをサポートしたり、指示を受けて行動する方が得意。だけど、決して受動的というわけでもない。
陰ながらこっそり行動したいと思っても、図体が大きくてバレバレになってしまうのを気にしている。
空が好きで、よく見上げている。青くて小さなガラス棒の着いた黒紐の首飾りをつけている。
エアスラッシュを放つ時に『ソラスラッシュ』と呼ぶのが、空色のゆずれないポリシー。他の技はそうでもない。
【役割】敵の元人間。
2011/08/27 Sat 01:16 [No.591]
あきはばら博士
名前:クルーザ
性別:♂
種族:フローゼル
性格:
自称『最速の男』、何事にも一番を目指し負けず嫌い、自分の速さにプライドを持ち、速そうな相手には勝負を挑む、義理堅く良い人ではあるが、気が短い荒くれ者。
自尊心が高く自分のことを様付けで呼ぶかっこつけたがり屋、高いタフネスを持ち攻撃を受けても気合と根性で起き上がる。自分が最速で有り続けることへの努力を惜しまない努力家でありアスリート気質、脳筋。
人の名前が覚えられないのか気に入った人に変なあだ名を付ける癖がある。
口調:荒々しい不良口調
台詞:
「俺様はドリームメイカーズの一人、誰もが俺様をこう呼ぶ、最速の男っ! クルーザ様だ!」
「この俺様の最速の礎になることを誇りに思うがいい!」
「オラオラオラオラオラオラッ!! 俺は遅せぇ奴には興味ねぇんだよ!」
「おい、攻撃して来いよ。俺様はそういうびびって何もできねぇ奴は大嫌いなんだよ。 かかってこいやっ! オラァ!」
「うるせぇ! アクアジェェェェェェッット!!」
「うれしいことを言ってくれるじゃねぇか。 気に入ったぜ、おめえの名は何と言うんだ?」
備考:
ある人物との速さ勝負に勝利した後、誘われてDMに加入し戦いに参加した。「俺様より速いと言う奴をブッ倒しに行く」らしい。
神速使いということで空色は仲がいい、レナとは速さで競う好敵手。
名前:あきはばら博士
性別:♀
種族:ライチュウ
性格:
勝負には正々堂々と智謀策略を以って勝ちたがるバトル好き。不意打ちはしないけど騙し討ちはする。人の話を尊重して口数は少ないそうだが、語り出すと止まらない。思考回路は理系的で、やたらと数値にこだわる。
口調:人を喰ったような敬語、冷静と淡々と話す。語尾は「〜ですね」「〜ですよ」
台詞:
「こんにちは ドリームメイカーズの、あきはばら博士です。よろしくお願いします」
「――そう来ると分かってました」
「ふふふ、ありがとうございます。貴女ならばきっとうまくやってくれると信じていましたよ」
「すべて私の計算通りです(キリッ)」
「残念ですがねこだましを防いでしまった時点で、貴方の負けは決まったようなものですよ」
「そうですか、ならば私も少し卑怯な手を使わざるを得ませんね……」
備考:
黄色いコートと眼鏡をかける、白衣を着せてもいい。低いパラメータスペックを策戦でカバーする。したがって小手先の策では対処不能な攻撃をされると簡単にやられてしまう。突破難易度としては比較的簡単。
自分の策でどこまで戦えるかどうかを知りたくて戦っている。悪いことをしたくて戦っているわけではない。
必殺技:
電光の槍…エレキボールを最高威力150出すように電光石火などを併用して相手に叩き付ける技。
2011/09/04 Sun 23:17 [No.640]
仙桃 朱鷺
名前:仙桃 朱鷺
性別:♀
種族:トロピウス
性格:普段は明るい。人見知りをするが慣れればおしゃべりになる。自分が判断したことをやる。できないことはしない。(邪魔になるだけだから)「にゃー」というのは口癖。ちょっとテンポが人いりずれている。
口調:初対面には敬語。ひたすら敬語。年下とかでも関係なし。仲の良い人にのみ友達口調。(年上を除く)「〜です」「〜かな」語尾がつくことも
人称:私/あなた、〜さん、あの人、あれ
参考台詞:「今日は皆さま。私の目指すことのために戦いに来ました。」
「にゃー!」
「行くよ!やるよ!そのために私はこの仲間になったんだから。」
「私のやるべき事は私の判断で決めさせてもらいます。」
「お腹空いてます?じゃあこれどうぞ!」
「連絡持ってきましたお知らせしたいことがあります!」
「私はここに来て良かったって思ってるんだよふふっ。」
「さて、私の力は必要かなーっと。にほんばれは使えるかな?」
「私は私にできることだけやります。それが私の仕事です。」
「よろしくお願いしますです。」
備考:眼鏡はトレードマークです。「○○さん、○○さん」「ねえねえ、ねえねえ。」と、呼びかける時などに同じ言葉を2回繰り返す癖がある。戦闘参加はまちまち。移動に便利。裏切りはする気がない。
役割:元人間(敵)
2011/08/27 Sat 01:43 [No.592]
椎名
ちょいと編集。
【名前】椎名
【性別】女
【種族】エルフーン
【性格】野次馬気質をもち、他人の事情や話を聞くことが好き。無駄にはっちゃける。俗に言うツイッターテンション。
素の性格はビビリで引っ込み思案だが、今回は現実じゃない世界にいるということで調子に乗ること多々。
ただし、素は前述した通りなので、思わぬ地雷もある……かも、しれない。
【外見】普通のエルフーンよりもわたげが一回り大きい。もこもこ率1,2倍。
【口調】本当に最初の最初は、敬語+「えーと」「その」。
すぐタメに崩れてくるので、時々最後に「…です」とつけて無理やり敬語にすることも。
だが、初日が終わるかどうかの頃にはそれすら面倒になり、結局タメ口で落ち着くだろう。
人称 私、しいなさん/あなた、あんた、お前、手前/あの人、あいつ
【台詞】「え、……こんばんわ? …です?」
「私は! いま! 色々と! ……なんかこうなっているっ!!」
「おいおい冗談きついぜブルータス」
「よーししいなさんがんばっちゃうぞー」
「えー……いやぁー…… えぇー……?」
「――ゑろいな」
「こんなのリアル鬱展開じゃないですかー! やだー!!」
「だってさ、ポケモンがリアルにいたら嬉しいけどさ、歴史が変わっちゃったら今の私が今の私じゃなくなっちゃうかもしれないんだよ? ネットにふれなかったかもしれないんだよ? あんなことやこんなことをしれなかったかもしれないんだよ? そうなっちゃうとが少なくとも今のわたしはごめんこうむるわけなのです!!」
【備考】中途半端なネタを使うので突っ込みどころが多かったりする。
そして溜めたかと思いきや、実はどうでもいいことを言い放ったりする。くうきくらっしゅ。確執展開にどうぞ。
弄られると弱いのはお約束。
【役割】味方
【名前】矢車(ヤグルマ)
【性別】男
【種族】ヨノワール
【性格】一度決めたことを最後までやり抜くために最善を尽くす。悪く言えば頑固者。
決意することのスケールが大きいことが多いため、最終的にそこに行きつくためならば、誰が何をしてもされてもかまわない。
ゴールに到達するための意見ならどの意見も分け隔てなく聞くため、個々の野望を叶えるチャンスもあったり。ある意味では柔軟でもある。
【外見】至極普通のヨノワール。
【口調】落ちついた、丁寧というかやわらかいな口調。敬語かタメかはその場次第。
人称:私/貴方or貴女、〜さん、君。
滅多なことでは怒らないが、怒った際は、口調こそ丁寧でも怒っているのがわかる言い方になる。
【台詞】「ああ、自己紹介が遅れましたね。私はヤグルマです」
「『出来ないから』といってあきらめて、途中で投げ出すのはごめんだよ。途中で投げ出すことを柔軟というなら、私は頑固者のままでいい」
「十人十色、その通りだと思うよ。人間もポケモンも、みんなが違う一つ一つの個体だから。意見の食い違いが出るのは、もっともなことだ」
「悪いね、申し訳ないけど、私の意志を全否定して聞き入れようとする努力もせず、真っ向からぶつかってくるような君たちとは、冷静な話し合いをする余地なんてないと思うし、持ちたくもない」
【備考】やると決めたらビシッとやっちゃう。
ただメリハリがあるのかないのか、プライベートな時にはすっぽ抜けたこともするとかなんとか。
元人間であり、人間の世界にポケモンを出現させるという野望のもとにドリームメイカーズを立ち上げた張本人。
【役割】ボス
KWは本番にちゃんとおとせるやら…かぎかっこかぎかっこ
2011/08/28 Sun 17:48 [No.600]
海の神竜ラプラス
次回作の運営スレのテスト版を作ってみました。
これがそのまま本運営になるとは限りませんのでご注意ください。
・・・自分が作らない場合もありますからね。
《ストーリー》
ポケボードに突如として乱立するURL1行だけのスレッド……。荒らしともとれるそのスレッドのURLをクリックしたポケ書住人は突如として意識を失い、目が覚めるとなんとポケモンだけが暮らす世界に迷い込んでしまっていた!
このスレッドを立てた者の目的とは? 迷い込んだ住人の運命は? 今、大いなる物語が動き出す・・・。
《参加する際の注意点》
・このリレー小説はあなた自身がポケモン世界にやってくるという大前提があります。そのため、元人間の役割で参加する場合のキャラクター名はあなた自身のHNでお願いします。別の名前にする事は禁止です。
・元人間以外のキャラクターはポケモン世界に元からいる住人ですので、HNの使用は禁止します。
・参加キャラクターはすべて原型です。伝説・幻ポケモンの選択は禁止します。
・キャラクターの使える技はそのポケモンが使える技であればすべての技を使用可能です。(歴代ソフト別で覚える技すべて・進化前後で習得できる技・タマゴ技・遺伝技・技マシンで覚える技・人から教えてもらえる技)ただし、すべての技をいきなり使えるわけではありません。
・特性を2種類以上持っているポケモンは、すべての特性を持っているものとして扱います。夢特性も含まれます。
・最強設定はできる限りやめましょう。
・参加キャラクターは物語の途中で命を落とす可能性があります。元人間のキャラクターが命を落とした場合はサバイバルゲームと同じで、物語からのリタイヤ扱いとなります。現実世界のリアルのあなたは命を失う事はありませんが、再び参加することはできません。
・元人間のキャラクターは本名を思い出せません。したがって物語の中ではポケボードで使用していたHNを使用しています。
・今回の物語の舞台はイッシュ地方となります。イッシュ地方だからといって必ずしも参加キャラは第5世代のポケモンでなくてはいけないという事はありません。
・物語中、人間は基本的に出てくる事はありません。(建物などの人工物は存在。)ただし、物語の中核につながるような話などで、回想シーンのみ登場する可能性があります。
《敵組織・対抗組織について》
敵組織の名称は『ドリーム・メーカーズ』(DM)。
この組織の目的は“ポケモンを利用した現実世界の浄化”。
ポケボードから迷い込んできた元人間とは別の方法でポケモン世界からやってきた彼らは、ポケモンを現実世界に出現させることで現実世界の環境汚染などの問題を解決しようとしています。目的のためにはどんな手段でも使います。
ただし、彼らは絶対的な悪ではありません。あくまで『現実世界をよくしたい』という強い思いの元で動いています。
そして、その目的を阻止する為に動くのは元人間(ポケボードから迷い込んできた人たち)です。特に対抗勢力などはありません。
《キャラ投稿および本編投稿について》
・参加する場合は、まずキャラ投稿を行ってからにしてください。キャラ投稿を行う前に本編投下を行う事は禁止とします。
・キャラ投下の際、なるべく後日編集は行わないようにお願いします。キャラの名前だけ投下してポジションを確保する行為は禁止します。
・元人間キャラのプロローグ(ポケモン世界にやってくる部分)は参加者自身で書いてください。
・進化できるポケモンがキャラクターの場合は、物語の中での進化は可能です。
・本編投下後の後日編集は禁止します。
・本編の流れ、展開を無視したサブストーリーのような話を投下するのはやめましょう。
・ポケモン世界に存在しないもの、銃火器や戦車などの兵器類の使用は禁止します。
・自キャラの無双展開はやめてください。過激すぎる表現も極力控えてください。
・書き込み回数が極端に少ない場合、物語中に命を落とす確率が格段に上がります。他人任せにしないで自分のキャラはしっかりと自分で活躍させましょう。
《役割について》
役割は[元人間]と[ポケモン]。それぞれ味方側、敵側、中立の3種類あります。
キャラ投下の際には[元人間(味方)]といった形で役割指定をお願いします。
《テンプレート》
【名前】元人間の場合はHN
【性別】
【種族】伝説・幻はNG
【性格】詳しく書かないと他の方が動かしにくいです
【口調】しゃべり方・人称・口癖など
【台詞】2〜3つほど参考となる台詞を
【備考】その他何かあれば
【役割】
2011/07/23 Sat 21:23 [No.485]
海の神竜ラプラス
8/23深夜の話し合いにより修正・加筆した運営テンプレです。
普通に投下すると字数制限に引っ掛かるためテキストファイルで上げてあります。
http://pokemonfiles.web.fc2.com/dream_makers/administration.txt
2011/08/24 Wed 02:15 [No.574]
海の神竜ラプラス
本編開始までのスケジュール
9月5日 運営スレをラティオス部屋へ投下
:
:
(9月5日〜9月14日は告知期間とし、この期間中は質問のみ受け付け、キャラ投下はNG)
:
:
9月15日 本編スレをラティアス部屋に設立
(このタイミングで自キャラ投下と自キャラプロローグをそれぞれラティオス部屋とラティアス部屋に投下。)
2011/09/01 Thu 01:56 [No.608]
椎名
マンタンミタイダカラヒキツグヨ!
コピペ
このスレッドは、イラストを見せびらかしたい時に自由に使って下さい。
アナログ・デジタルを問いません。
2011/06/15 Wed 22:47 [No.389]
ゆとり
これは現在計画中の新ドリメのラスボスを投票によって決める為のスレッドです
一人の持ち票数は3票です
・ルール
これがいいと思ったラスボス候補を3匹選び、その番号をこのスレッドに書くだけでOKです。
ただし、1キャラに2票分以上使うのはNGです。
またラスボス候補のキャラを投下した人は、自分の投下したキャラに票を入れるのもNGです。
・ラスボス候補一覧
1キング大塚(クイタラン ♂)
2ごっさ大きいピカチュウ(ピカチュウ なし)
3アザレア(タブンネ 不明)
4ガイア(ウルガモス ♂)
5ティウス(ボスコドラ ♂)
6マイナディス(ランクルス ♂)
7ベルティーナ(サザンドラ ♀)
8ヤグルマ(不明 ♂)
9フィロソ(サザンドラ ♂)
10アルビノ(キュレム ♀)
11ハースト(ゼクロム 不明)
・投票期間
7月26日の午後11時0分を予定にしております
7月26日追記
今回の投票により見事次回作のラスボスに選ばれたキャラは 、椎名さん案・ヤグルマに決定しました!
おめでとうございます!
2011/07/25 Mon 21:30 [No.508]
フィリット
3のアザレア(タブンネ 不明)
7のベルティーナ(サザンドラ ♀)
10のアルビノ(キュレム ♀)
この3体に一票ずつ入れますー
2011/07/25 Mon 22:26 [No.512]
ゆとり
5 10 11に票を
2011/07/25 Mon 22:27 [No.513]
架空マン
アルビノとヤグルマかなあ。
2011/07/25 Mon 22:29 [No.514]
いぬ
8番のヤグルマ、11番のハーストに一票っとな
2011/07/25 Mon 22:30 [No.515]
サントアンヌ号
4、6、8にそれぞれ
2011/07/25 Mon 22:34 [No.516]
Makoto
投票に参加いたしますー。
僕は3(アザレア、タブンネ♂)と7(ベルティーナ、サザンドラ♀)、11(ハースト、ゼクロム)にそれぞれ一票を入れさせて頂きますナリ!
どれも皆魅力があって、強力だから苦戦を強いられそうだ……。さすが敵キャラにふさわしい強さを持ってるというか何というか。
では、失礼いたしました!
2011/07/25 Mon 22:45 [No.517]
フィッターR
3、7、8に一票ずつ。
2011/07/25 Mon 22:54 [No.518]
空色
3、8、10に投票します。
2011/07/26 Tue 20:39 [No.519]
あきはばら博士
7と8で。
2011/07/26 Tue 22:45 [No.520]
ゆとり
これは現在計画中の新ドリメの主人公を投票によって決める為のスレッドです
一人の持ち票数は2票です
・ルール
これがいいと思った主人公候補を二匹選び、その番号をこのスレッドに書くだけでOKです。
ただし、1キャラに2票分使うのはNGです。ちゃんと2キャラ選びましょう。
また主人公候補のキャラを投下した人は、自分の投下したキャラに票を入れるのもNGです。
・候補者一覧
1スイレン(シキジカ♀)『Makoto案主人公』 ようりょくそ そうしょく てんのめぐみ
2アルファ(コアルヒー♀)『サントアンヌ号さん案主人公』 するどいめ はとむね うるおいボディ
3eyes[アイズ](ゴチム♀)『サントアンヌ号さん案主人公』 おみとおし かげふみ
4カオル(チュリネ♀)『ゆとりさん案主人公』 ようりょくそ マイペース リーフガード
5オリカ(フシデ♀)『いぬさん案主人公』 どくのトゲ むしのしらせ はやあし
6ムラコ(バチュル♀)『架空さん案主人公』 ふくがん きんちょうかん むしのしらせ
7ルミィ(モグリュー♀)『海の神竜ラプラスさん案主人公』 すなかき すなのちから かたやぶり
・投票期間
7月24日の夜11時0分までです
7月25日追記
今回の投票により見事主人公に選ばれたキャラは、1番のMakotoさん案・スイレンに決定しました!
おめでとうございます!
2011/07/23 Sat 22:04 [No.486]
ゆとり
1 7に票を入れます
2011/07/23 Sat 22:07 [No.487]
フィリット
私は1のスイレンさんと4のカオルさんに一票ずつ入れますー。
2011/07/23 Sat 22:10 [No.488]
海の神竜ラプラス
1のスイレンちゃんと4のカオルちゃんに1票ずつ。
2011/07/23 Sat 22:12 [No.489]
架空マン
5に入れる!!
別に、A票使わんでもええんやろ?
2011/07/23 Sat 22:15 [No.490]
Makoto
投票に参加いたしますー。
僕は、BとFにそれぞれ一票ずつ入れさせて頂きますナリ。
理由としては、双方ともキャラの特性が細かく描かれていて、物語を盛り上げるのに一役買ってくれる事に期待して、です。
他のキャラも、みんな魅力はありますけどね……。
それでは、失礼いたしました!
2011/07/23 Sat 22:18 [No.491]
氷河期の賢者
1と2で!
シキジカっていいよね!
2011/07/23 Sat 23:10 [No.492]
あきはばら博士
1と4で、
セリフが浮かびやすくて、最終決戦で戦う成長をすることを考えてしまうと、どうしても王道っぽいキャラになってしまうなぁ。
2011/07/23 Sat 23:16 [No.493]
フィッターR
5のオリカと7のルミィに1票ずつ。
2011/07/24 Sun 00:19 [No.498]
椎名
1と5に一票ずつ投票します。
2011/07/24 Sun 15:03 [No.502]
ロサラ
勝手に引き継がせていただきました。
以下、過去スレからのコピペ。
このスレッドは、イラストを見せびらかしたい時に自由に使って下さい。
アナログ・デジタルを問いません。
2011/04/30 Sat 18:16 [No.303]
宮野
KS『Nnight Turtle's Story』の世界観と同じのリレー小説です。
用語集・キャラクターは↓
ttp://mb1.net4u.org/bbs/mew28164/article/id325
・Story
豊かな土地が広がる街、桐鐫市。
この街に住む私立桐鐫学園高等部2年のユウ・エトミヤはごく普通の少女。ある日彼女は見知らぬ魔法陣を発見する。誰がこんな所にやったのかと疑問に思ったユウは、シン・カミナギとリク・ツナシの親子を呼び出す。
ユウはナギとリクの2人に何故こんな所に魔法陣が置いているのを聞くと、2人は知らないという。じゃあ一体誰が……? と突然、魔法陣が光り出し、召喚されたのは見知らぬ人物だった!?
しかしこの魔法陣には欠点があった。「一度召喚された人は二度と元の世界に帰れない」と。「帰る方法が見つかるまでは、その人はせっかくなので住人として過ごす」。ユウ達はその人物達を元の場所に戻るまでに桐鐫市で一緒に過ごす事に……。
・役割
主人公……4人まで(男:2人女:2人)
桐鐫市に召喚された少年少女。
召喚された人物……ある程度集まったら
魔法陣で桐鐫市に召喚された小説の登場人物。元の世界に戻るまでに桐鐫市で一緒に過ごす事に……。『Knight』の主人公達と良く絡みます。
魔法陣を召喚した者……1人
魔法陣を使い、主人公と召喚された人物を桐鐫市に飛ばした張本人。いわゆる悪役。
テンプレート
【通称】呼び名を
【本名】
【年齢】
【性別】オカマ、オナベ禁止
【容姿】詳しくどうぞ。ファイルアップ可能
【性格】個性的大歓迎
【一人称等】
【口調】
【参考台詞】
【出展】小説キャラのみ。作品名をどうぞ
【誕生日】設定していない場合は無しでいいです
【能力/武器】
【備考】
【役割】
2011/05/09 Mon 22:32 [No.330]
Makoto
長く、過酷な道を辿りながらも決して諦めることなく…… 最終決戦がついにピリオドを打たれて、ホッとされてる方も多くいると思います。
そこで、各自のファイターがどのようにエピローグを迎えるのか、練習ついでに途中経過でも、投下して下さると幸いです。
期日が指定された模様です… 4月末には完成して下さると嬉しいです。
2011/03/03 Thu 23:47 [No.154]
あきはばら博士
ガウリイルが死に、デパートコンクエスタはリーダーを失うことになった。
そのリーダー不在になったその場に、朱鷺さんがあるポケモンを連れて現れた。
「ふぉっふぉっふぉっ ワシじゃ、長老じゃ」
フスベの長老の、老カイリュー。
なるほど。DMとも関係が無くDC内部からの反発も無い、尚且つあのドラゴン四天王達も従わせることのできる、DCの建て直しに向けて仮のリーダーとしては彼が一番の適役だろう。
戦いの後片付けは長老の元で(正確にはカール・パライバ・ファビオラの指揮で、長老は後ろで笑っているだけだった)行われた。
僕がマリアと呼んでいたセレビイも解放されて、2匹の空間移動術により人間世界とポケモン世界が繋がった。
1匹だけでも繋げることが出来るが、あれは不安定で普通だとうまくいかないらしい、だからチョウジに閉じ込めて力を増幅させたり、死んで魂だけにならないと元の世界に戻せなかったそうだ。
2匹で負担を分ければ安定して繋ぐことができる、ガウリイルはもう片方のセレビイを捕まえようとしていた理由はそこにあった。
安定して繋げるという事は、好きなようにポケモン世界と人間世界を行き来できるようになるということである。秋葉さんの野望はこうして実現に至ったのだった。
そして……
僕は今、×××にいる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
まずマルクのエピローグを少し、×××にはポケモン世界の地名が入ります。どうぞ彼を連れまわして下さい。
2011/03/04 Fri 00:13 [No.156]
氷河期の賢者
どなんエピローグポケモン世界編がとりあえず書き終わりましたので投下します。まだ推敲してませんのでご了承を。
気がついたのは全てが終わってからずいぶん後だったらしい。おそらく二日ほどの間、僕は死んだように寝ていたそうだ。ただ、そろそろ元の世界に戻らなきゃいけない時が来て、椎名さんが起こしてくれたそうだ。『めざましビンタ』で。それならもっと早く起こしてくれてもいいのにな、と思い少し憂鬱になったが、朱鷺さんに負けてから外の空気というものを吸っていないので、まだヒリヒリする頬にそっと手を添えながら、起き上がり歩き出した。
外に出ると、数人の戦士がいた。フィッターさん、フリッカーさんの兄弟の姿を見つけた。僕はフィッターさんに『リーフストーム』を教えてもらっている。礼くらい言わなければ。
「フィッターさん、あの、ありがとうございました!その、技を教えていただいて」
「いやいや。結果役に立ったのならそれでいいと思うし、嬉しいよ。どなんさんはどうするのかい?ここに残るの?」
「いえ、僕は帰ります。帰って、なすべきことがあるんです。この世界は楽しいし、これからの復興も見たい。しかも、自分を強く持てる。でも、僕は帰らなきゃ。帰って、僕自身の人生をもう一度歩みなおすんです」
「そうか、頑張って!行き来は自由になるはずだから、またいつでも戻ってられる!」
「はい!ありがとうございます!」
僕はフリッカー兄弟に別れを告げ、この世界での最後の目的地へと向かう。GTSだ。わが師、レッドバーンさんの死没地であり、最後に僕が弔うべき場所。行かなければ。行って報告しなければ。心を揺さぶるものを僕は到底理解できなかった。まだ僕の心は成長していない。その証なのかもしれない。
大都市であるコガネシティ。しかし僕がこの世界に来る前、ここでもものすごく大きな戦いがあったらしい。その爪痕は未だに残っている。大きなビルは悲痛な倒れ方で崩れ、ごちゃごちゃになって眠るように崩壊していた。
「酷いなあ……確かここでPQRさんが死んだ、いや元の世界に戻ったんだっけか。僕は戦いを知らないんだよな」
ついつい呟くが、恥ずかしさも何もない。人間は元の世界に帰っただけだが、ポケモンは違う。ここで幾匹が亡くなったか、僕は想像するだけで恐ろしかった。僕は持ってきていた花を少し出し、ジムの前に手向けた。今僕たちができること。それは故人を弔うことではないか。
僕はGTSにたどり着いた。その殺風景な雰囲気は依然と変わらず、僕がアッシマーさんと練習した時の壁の損傷もそのまま残っていた。まだ修繕が追いついていないのか、そこにいて不安になってしまうような場所だった。僕はよくこんなところで寝ていたな、と思い過去の自分を称賛する。
そしてレッドバーンさんの墓にたどり着く。墓石に刻まれた文字、『情熱の戦士ここに眠る』に染み込んだ汚れを僕は水できれいにして、呼吸を整え、手を合わせる。そして感謝の意を伝える。否、今までさんざん伝えてきたが。同じことを言うわけにもいかず、今日は感謝よりも決意を伝える。
「レッドバーンさん。僕は人間です。ポケモンではないんです。だから僕は戻らなければならない。そして、行き来自由でも僕は多分戻らない。現実から逃げたくないんです。
僕は確かにひきこもりで、今まで逃げてきた。でも、この世界で出会った皆さんは逃げなかった。そして、僕もこの世界では逃げなかった。僕はこの世界では強い――
けど、僕はジュプトルじゃない。何があっても結局人間なんです。また逃げたら、この世界で学んだことを全て捨てることになる。レッドバーンさんの命も。
世界は違うかもしれない。けれどレッドバーンさんには応援してほしいんです。大丈夫。僕強いですから」
僕はそれっきり、言葉を発せなかった。
――泣いてしまった。
瞳から零れる雫をぬぐうこともなく、僕は泣きやむことはなかった。そして、泣きながらその場を去る。何か分からない、こみあげてくるこの気持ち。結局僕は割りきれていなかったのかもしれないけれど、いつかこのことを冷静に見ることができる日が来る、そんな気がしたんです。
2011/03/08 Tue 23:19 [No.169]
ゆな
草むら茂る道路の途中、布の上に商品を置いただけの小さな露店から小さなポケモンのグループが走り去っていく。
その後姿に向かって店員であるヨマワルがぶんぶん手を振って、見送っていった。
「毎度ありー! ジョウト地方のいろんなとこ見に行ってなー!!」
「はーい! ありがとうございまーす!」
「早く行こっ。あたし、コガネ行きたいコガネ!」
「ちょ、置いてかないでよ! 僕、遅いポケモンなんだから!!」
元気のある少年少女の声はヨマワルに礼を言った後、そのまま真っ直ぐ次の町へと向かっていった。その途中で通り過ぎるポケモン達に一々騒ぎながらであり、中々滑稽ではある。
しかしヨマワルは知っている。あのポケモン達はこの世界の住民ではなく、人間世界と繋がってからやってきた人間であるという事を。実際それを知った上で、地図などを売ったのだから。
見えなくなったところでヨマワルは店の方に振り返り、腕を組んで店番をしているニャースに声をかける。先ほどとは一転して不機嫌そうな顔でだ。
「ったくレオード、ちょっとはお前もやれ。わいに押し付けんな」
「俺のキャラじゃないんでね。それに無愛想なニャースより、愛想の良いヨマワルの方が良いだろ?」
「あの子等はニャースのキャラ違うーって騒いどったで?」
「知るか。それに商売はちゃんとやったし、特に問題は無いだろ」
「……微妙に高い値段でな」
「向こうが分からなければ、それで良いだろ?」
「そやな」
そんな小さな会話をしながら、ヨマワルはニャースの隣に座り込む。
この二体は行商『猫旅堂』のレオードとマヨだ。ドリームメイカーズとデパートコンクエスタが大きく争っていた時期、目立たない形であったといえども元人間側に接触し、影でサポートをしてきた。もちろん有料で。
あの戦いが終わった後、彼等の残した借金を返してもらう為に翻弄していたのだが逃げられる+色々とゴタゴタしてる+その他諸々の事情により、すぐに金は戻ってこなかった。
その為、軽い商売を続けながら機会を図ることにした。要するにこちらもほぼ何時もどおりに戻ったわけだ。
マヨは軽くため息をつき、客がいない事を良い事に軽く愚痴る。
「カモ増えたのは嬉しいけど、おおっぴらに出来んのが痛いなー」
「それを考えると、デパートコンクエスタとやりあっていた時期でいたかったか?」
「アホ抜かせ。儲けられるけど、こっちの神経が持たんわ!」
「だろう? これで肯定していたら、お前との縁を切っていたな」
「縁起でもない事抜かすな!」
何時もどおり冷静な態度で物騒な事を口にするレオードに、マヨは手でツッコミ入れながら返す。
普段ならばこのまま何時もの商売の体勢に戻るのだが、戦争の終わった後での平和が響いているのかマヨはニヤリと笑みを浮かべて、レオードに変な事を訪ねてきた。
「もしかしてお前、平和になったからって女捜そうって口か〜?」
「……は?」
「お前にも漸く春が来るのか、そりゃえぇわ! あの子等も恋愛しとったし、感化されても不思議じゃないもんな〜♪」
「おい、いきなりどうした?」
「あ、でもレオードが恋愛なんて始めたら天変地異の前触れやな……」
一人勝手に盛り上がり、自分を見ながらニヤニヤと恋の話をしているマヨ。そんな相棒に対し、レオードは静かに立ち上がると何も言わずに『ツバメがえし』をぶちこんだ。
マヨは浮ついていたせいでか、モノの見事に直撃して少し吹っ飛んでしまった。その後、頭に石をぶつけながらも浮かび上がると涙目でレオードに反論する。
「いったいやないか、ボケェ!? いきなりなにすんねん!?」
「人の話も聞かずに勝手に盛り上がった挙句、馬鹿な事を口にするからだ。他人で変な妄想するな、コイバナ好きが」
「えぇやん。他人の恋愛ほどおもろいもんはあらへんし。お前やてそやろ?」
「馬鹿を抜かすな。俺が他人に興味を持つ時は、そいつをどう利用できるか考える時ぐらいだ」
「相変わらずの悪魔っぷりやな、お前」
にやつきながら言ってくるマヨの言葉をバッサリと切り裂き、再び座り込むレオード。そんな変わらない態度のニャースに、マヨは軽くため息をついてつまらなそうにする。
己の相棒が何処までも冷静で、自分の事にしか興味が無いのはとっくに把握済みだ。あの戦いの時だって、一度もぶれた事は無かった。マヨ自身もそれに乗っかっていた為、今更何かしら言うつもりは無い。
だが平和になった事とおおっぴらに動けない事で退屈しているのもまた事実。それ故にからかって遊ぼうと思ったのだが、やはりレオードは良い反応は示してくれなかった。自分で言っておいてなんだが、彼が恋愛をするというイメージは無かったし、頭に浮かび上げようと思ったら背筋がゾッとする程の違和感が迫ってきた。甘い恋の言葉を囁くレオードなんて、鳥肌でしかない。
自分も的外れな事を言ったもんやなー……。
どこか遠い目をしながら、マヨが心の中で呟いていたその時だった。
「なぁ、そこのニャースにヨマワル」
不意にレオードとマヨに向かって、誰かが話しかけてきた。
二人はすぐさま露店の前に体を向け、商売の体勢に入る。何時の間にか客が来ていたと気づかなかったが、買い物に来たのならばすぐに対応するべきである。
そんな商売人コンビの前に現れた客人は、
「うち、人探してんのやけど知ってたら教えてくれへん?」
訛りのある喋り方をする眼鏡をかけたモウカザル。
2011/03/09 Wed 00:46 [No.175]
ジャグラー
※このエピローグは、フィリットさんとの合作です。
フィリットさんからはすでに許可を頂いてます。
何故フィリットがコガネデパートの屋上に向かっているのか。
それはジャグラーの一言がきっかけだった。
「今日の夕方、コガネデパートの屋上に来てくれないか?・・・待ってるよ」
一体何のつもりでジャグラーはフィリットを呼んだのかは分からない。
だが、おそらく大事なことなのだろうと、フィリットは思った。
「ジャグラーさん、一体どういうつもりなんだろ・・・」
「・・・でも、あのジャグラーさんの目は何か真剣なことを伝えたそうだった・・・もしかして・・・?」
フィリットは色々と彼が言いたい内容を予想しながら階段を上がる。
屋上の階段を上った先にはジャグラーがイスに座っていた。
「あ・・・ジャグラーさん。」
「フィリットさん。」
フィリットが声を出すと、ジャグラーはそれに気づいてフィリットの方を向いた。
彼の顔は真剣な眼差しをしている。
その眼差しを見たフィリットも、真剣な表情になった。
「・・・それで、話って何なの?」
沈黙だけは出さまいとフィリットは本題に入る。
ジャグラーはもう少し後で話そうとしたのか、少しびくっとなる。
「あ、ああ・・・」
ジャグラーは意を決したような表情になり、口を開く。
フィリットはそんな彼をじっと見ていた。
「・・・前に、フィリットさんは俺に自分の道を進めって言ってくれましたよね?」
「うん・・・」
「それでな・・・俺、この世界でやってみたいことがあるんだ」
「やってみたい・・・こと?」
「ああ。・・・このポケモン世界を旅したいんだ。
このジョウトも、カントーも、シンオウも、オーレも。ホウエンも、見たことない地方全てを。
この世界全てを、旅してみたいんだ。・・・あなたと、一緒に。」
「え・・・?」
「フィリットさん。俺はあなたを最初に見たとき、心臓の鼓動が速くなった気がした。
・・・最初は、とくに気にもしなかった。でも、DM本部での戦いで負傷した時にあなたが木の実を持ってきてくれた。
あの頃から、心臓の鼓動が速くなった理由が分かった。・・・最初は戸惑ったんだ。だって、俺はDCの裏切り者。しかもあの頃はDMにいることがいやでいやで仕方なかったからな。
・・・でも、あの時フィリットさんは俺に思いを伝えてくれた。あの時は嬉しかったよ。フィリットさんからそんなこと言われるとは、微塵も思ってなかったんだ。
それで決心したんだ。俺はDMの一員となり、この戦いを終わらせたら、あなたに思いを伝える・・・ってね」
「じゃ、ジャグラーさん・・・」
「・・・それとフィリットさん。これ、受け取ってくれ」
ジャグラーは懐からハート柄のうろこを出す。
ジャグラーがアルスとの戦いの後に手に入れたハートのウロコだ。
「これは・・・ハートのウロコ?」
「ああ。フィリットさんは、ラブカスの風習を知ってるかい?」
「・・・風習?」
「ああ。エメラルドのポケモン図鑑に載ってたんだ。
カップルのどちらかが相手にラブカスを渡すと、そのカップルは永遠の幸せが訪れるらしいんだ。」
「え・・・?」
ジャグラーの言葉に、フィリットは呆然と顔になる。
「・・・フィリットさん、改めて言わせてくれ。
俺は、あなたが好きだ。そして、俺と一緒に、旅をしないか?」
2011/03/09 Wed 21:42 [No.176]
ジャグラー
先ほどの告白のエーフィリット視点です。(フィリットさん執筆)
「今日の夕方、コガネデパートの屋上に来てくれないか?……待ってるよ」
そうジャグラーに言われて、コガネデパートの屋上への階段を上っていくフィリット。
――だけど、一段一段上がるごとに、足が重くなっていく
――どうしてだろう?彼が待ってるのに
言葉を告げた彼の瞳は、何かを決意した瞳だった。
――何か、怖い
そう思いつつ、一段一段上がっていく。
――いや………ジャグラーさんが待ってるんだもの……行かなくちゃ……
何故か、階段を上るのに凄く時間が掛かった気がした。
+ + +
屋上のドアを開いた時、彼はイスに座り待っていた。
「あ………ジャグラーさん……」
私が来たことに気づいたのか、ジャグラーはコチラを向き、言った。
「フィリットさん」
――彼の顔は、前に言葉を告げたあの時の瞳よりも、真剣な瞳だった
そしていつの間にか、私も真剣な表情になった。
「……それで、話って、何なの?」
真剣に向き合っている為、緊張が走って私はすぐさま本題に入ろうとした。
彼はまだ何か覚悟ができてなかったのか、少し驚いた様子だったが
「あ、ああ………」
そう言った後、覚悟を決めた表情になり、口を開いた。
「……前に、フィリットさんは俺に『自分の道を進め』って言ってくれましたよね?」
「うん……」
私が返事したのを確認し、ジャグラーはキッとした顔でこちらを向き、話し始めた。
「それでな……俺、この世界でやってみたいことが…あるんだ。」
「やってみたい……事?」
――あれ…ジャグラーさん………敬語が…無くなった……?
彼の変化を薄々感じながらも私は返事をした。
「……このポケモン世界を……旅したいんだ。
このジョウトも、カントーも、シンオウも、オーレも…ホウエンも。
見たことない地方、全てを。この世界の全てを旅してみたいんだ………
君と、一緒に」
「…………え?」
――今、何て………?
彼は、私が驚いた事を確認しながら、私に背を見せ、語り始めた。
「フィリットさん。俺はあなたを最初に見たとき、心臓の鼓動が速くなった気がした。
……最初は、とくに気にもしなかった。でも、DM本部での戦いで負傷した時にあなたが木の実を持ってきてくれた。
あの頃から、心臓の鼓動が速くなった理由が分かった。」
彼は、昔の思い出を思い出すかの様に、ポツリポツリと話す。
「……最初は戸惑ったんだ。だって、俺はDCの裏切り者。しかもあの頃はDMにいることがいやでいやで仕方なかったからな。
……でも、あの時フィリットさんは俺に思いを伝えてくれた。あの時は嬉しかったよ。フィリットさんからそんなこと言われるとは、微塵も思ってなかったんだ。
それで決心したんだ。俺はDMの一員となり、この戦いを終わらせたら、あなたに思いを伝える……ってね」
――思いを、伝える……?
彼は呆然としている私の方を向いて、手に持っていた七色に光るハート型のウロコ――ハートのウロコを私の前に差し出してきた。
「これ……受け取って欲しい」
「へ……?」
「ああ……ラブカスの風習を知ってるか?フィリットさん」
私は、そんなこと全く持って知らなかったので、首を傾けた。
すると彼は、私に教えてくれた。
「カップルのどちらかが相手にラブカスを渡すと、そのカップルは永遠の幸せが訪れる」
「……ラブカスは持ってこれなかったけど……代わりに、コレを」
――ちょっと、待って、何を
「じゃ、ジャグラー……さん……?」
頭が混乱し始めた。
けれど、彼は私の混乱が収まるまで待ってくれた。
「……大丈夫?」
「……う、うん」
私が返事したのを見て。彼は、一瞬すぅと息を吸う。そして、私の瞳を見て、喋った。
「………改めて、言わせてくれ」
「俺は、貴女が好きだ」
「そして、俺と、一緒に旅をしてくれないか」
「フィリットさん」
+ + +
こんな事になるなんて、これっぽっちも思っていなかった。
でも、この事態を招いたのは、事実上私の身勝手な行動からだったんだ。
先に思いを告げたのは私。
先に彼から離れたのも私。
勝手に、好きになった。
勝手に、いずれ帰ってくるだろう返事を怖がった。
そんな私の事を、彼は好きだと言ってくれた。
私の前で、思いを告げてくれた。
――もう、怖がったらいけない
――逃げちゃ、いけない
私は、決意した。彼がそうしたように。
+ + +
「……フィリットさん?」
彼は、私の顔を覗いてきた。多分、私の事を心配してくれたんだろう。
私は彼と顔を合わせると、瞬時に素早く彼の懐に飛び込んで、彼の頬に口付けをした。
私も、自分がこんな行動に出るなんてちょっと驚いたけど。
「は……っ!?」
一番驚いたのは彼の方だ。青い顔が真っ赤になっていくのが分かる。
そんな彼に向かって、私は言った。
「私も好きだよ、ジャグラーさん」
「………ぁ……」
彼の顔が、さらに赤く染まる。
私の顔も、多分――いや、絶対。赤いと思う。
「……貴方に、ついていくから」
「……フィリットさん…………」
彼は、照れくさそうに笑った。
2011/03/09 Wed 21:44 [No.177]
ジャグラー
「私も好きだよ、ジャグラーさん」
「フィリットさん・・・」
この言葉を聞いて、ジャグラーは照れくさそうに笑う。
―――これで、思い残すことはない・・・。
ジャグラーは机の上に置いてあったデパートのフロアから取っておいたテンガロンハットを被る。
そのテンガロンハットはなんとなく、温かく感じた。
不思議そうに見つめるフィリットに、彼は頬笑みながら言う。
「それじゃあ、行き先はどうする?」
「行き先・・・それじゃあ、あっち!」
フィリットは東の方向に指をさす。
東・・・ここから見れば、ワカバタウンに続いて、そこから海を渡ればカントー地方に行ける。
カントー地方に行ければ、他の地方にも行ける可能性もある。
その方角は、ジャグラーが行きたかった道でもある。
その言葉を聞いたジャグラーは、親指をぐっと突きたてる。
「東か・・・太陽が昇る方向でもあるし、カントー地方に続く道でもあるな。」
「うん。私も、その・・・ジャグラーさんと、色んな地方を見たいから・・・」
「フィリットさん・・・」
二人は顔を赤く染めながらエレベーターに向かう。
が、エレベーターに入る前にふとフィリットは思い出したようにジャグラーに話す。
「所で・・・私達が旅することをみんなに言わなくて、大丈夫なのかな?」
「あ」
思わずジャグラーの顔が青ざめ、ひきつっていく。
―――――しまったぁ、最後の最後でそんな重大な事を忘れるとは・・・!!
「ど、どうしますフィリットさん?こうなりゃ今から直接言って――――」
「あ、待ってジャグラーさん。こういうときは・・・これを使えば、いいんじゃないですか?」
慌てふためくジャグラーをよそに、フィリットは案外落ち着いて周りの物を見ていた。
そして、フィリットの手には一本のペンと一枚の便せんが握られていた。
コガネシティ ポケモンセンター
「えーと・・・ここに置いておくか」
ジャグラーは机の上にそっと便せんを置いた。
そしてすぐに外に出て、コガネデパート前に戻る。
「気付かれなかった?」
「ええ。何とかばれませんでしたよ。・・・にしても、ほんとにいいんですか?みんなに言わないで手紙だけ置いていくなんて」
あの後二人は便せんに旅に出るということだけを書いてポケモンセンターに置くことに決めた。
つまり、それは誰にも言うことなく旅に出るということである。
「大丈夫だよ。誰も反対する人なんて、ここにはいないから。それに・・・」
「それに?」
「・・・誰にも知られずに旅をしたいから、かな?」
顔を赤くしながら、フィリットは微笑む。
その微笑みを見るたびにジャグラーも笑顔になる。
「なるほど。・・・それじゃ、行きますか。」
「うん!」
―――――これからの二人には、様々な出来事が起こるだろう。
時には笑って、泣いて、喜んで、怒って。
色んな事が起きるだろう。
俺たちはそんな体験をしながら、ゆっくりと歩んで行きたい。
俺が一番大好きな人と共に、ゆっくりと歩んで行こう。
「フィリットさん」
「何?ジャグラーさん」
「大好きだ」
フィリットの頬に、ジャグラーは一つ口づけした。
2011/03/09 Wed 21:44 [No.178]
ゆな
品物そのものが目的ではないのか、と思いながらもレオードは無下にせず、冷静に対応する。
「……特徴を言ってもらわないと捜す事は出来ないし、教える事も出来ない。それにポケモンが何か分かるのか?」
「うん、ちゃんと覚えとるよ。一人はだなだな口調のカラカラで、名前はマルク」
「へ? 君、あのガラガラ君の知り合い?」
「ガラガラ? カラカラじゃなくて? ……あの後進化したのか、あいつ。羨ましい」
知ってる名前を耳にし、マヨが反射的に訪ねる。それを聞いてモウカザルの方も首をかしげたものの、すぐに察したのか悔しいような羨ましいような顔でぼやいた。
その話ぶりから、レオードとマヨは目の前のモウカザルがあの戦いの途中で離脱した元人間であることを把握する。カタリから聞いた話であるが、あの戦いの途中で死んでいった元人間は人間の世界でも死んだわけではなく、無理矢理帰されるだけだった筈だ。それなら人間世界と繋がった今ならば、再度ここに来ていてもおかしくはない。
事情を把握するとマヨが面白いもんを見つけたと言わんばかりの態度で、モウカザルに詰め寄っていく。
「どーゆー事情で知り合ったかは知らんけど、場所までは知らんよ? 何々、あの子のガールフレンド〜?」
「ちゃうちゃう。顔見たくなっただけ! うちは途中で死んじゃったからさ、あの後どうなったか聞きたくてね。それから平和になったこの世界も皆と見て回りたいんよ」
「なるほど、そりゃ納得。なら色々見ていかへん? 安いよ安いよ〜!」
「高いよ高いよの間違いだろうが」
ガールフレンドを否定した後、モウカザルがマルクを訪ねた理由を話す。マヨは軽く頷いてそのまま商売の流れに持ち込もうとしたが、キッパリバッサリ言い切られてしまった。
その即答っぷりにマヨは目を丸くし、モウカザルを見る。静観していたレオードは、何時もと変わらない冷静な態度で追求する。
「ほぉ、その根拠はどれからだ?」
「まず傷薬や虫除けスプレーの値段。こいつ等はうちの知ってる値段と同じ。だけど地図や普通の食料品、それらは一見同じように合わせてるようで実際はちょっと高い。物の配置と値札の位置もあるね、上手く誤魔化してる」
「……露店だから、って理由じゃ納得しないか?」
「バーカ、露店だからこそだよ。全ての商品の値段を一々覚えてる人はいないし、正しい価値をキッチリ把握できている奴もいない。分かってるのはたこ焼き屋とかのお祭りで定番のぐらいさ。だから違和感があったんだよ、傷薬と虫除けスプレーの値段はピッタリ合っている癖に他の品物が何処かつりあわない値段だって事がね」
己の憶測でありながらも、広げられた商品を一つ一つ指差していきながらしっかりとした冷静な意見と共に、本来の値段よりも微妙にぼったくっているものだと見破った理由を話すモウカザル。
見た目に似合わず、知恵の働くその様子にレオードは思わず呆気にとられた。法外の値段をぶん取る時はともかく、こういう無特定の客を狙った時のぼったくりは巧妙に誤魔化してきたはずなのに、一瞬で看破されるとは思わなかったのだ。
ほぼ全てを言い当てられてしまい、レオードはらしくも無く少し動揺した声で更に訪ねる。
「これが正しい値段である、とは考えなかったのか?」
「アホ。地図なんて本みたいに分厚いもんじゃない限り、安物に過ぎないだろうが。それにこちとらスーパーの安売り常連なんじゃい、大雑把には見破れるわ」
だからって、一瞬で見破りすぎだろうが。
安物の部分もしっかりと見抜ききったモウカザルの発言に、レオードは頭を抱える。ちらりとマヨを見ると、同じような表情を浮かべていた。どうやら想定外の客の出現に、二人ともやられてしまっているようだ。
さて、どこから反撃するか。レオードが腕を組み、言葉を捜そうとする。そんな中、モウカザルは相手の言葉を待たずにレオードをしっかり見据えて、トドメともいえる言葉を突きつけた。
「だからあんたはそ知らぬ顔で、わざと高い値段で商売をしている。そしてそれを悪いとも思っていない、自分の為の事で他人なんて本当にどうでもいいと思っている。だけど何処か人を試してる。合っている?」
あっさりと、しかし先ほどの値段同様的確な指摘にレオードは勢い良く顔を上げてモウカザルを凝視した。相手は悪戯が成功した子供のように笑っており、レオードの顔を見て益々笑みを深めていた。
何で、こんなにもあっさり見破った? 何度も会っている奴ならともかく、初対面でここまで一瞬で見破れる奴なんていなかったのに、何でだ? どうして、俺の何もかもを人間の女が分かったんだ。
内心で深い困惑に陥りそうになりながらも、レオードは表面上冷静さを繕いながら理由を問う。
「……その、根拠は?」
「あんたの顔を見てたら、なんとなくね。落ち着きすぎているその態度とくだらないと言わんばかりの目つき、それが嫌だったから。後はうちを追い返そうとしなかった事とうちをしっかり観察していたから、かな。普通、こんな客は追い返したいと思うじゃん? でもあんたはそれが無かった。こんなところだよ」
「個人の感情論か」
「えぇやん、感情論で言っても! あんたを納得させたかったし、そう感じたから言いたかったわけ。うち、間違った事言ってる?」
自分の思った事から理由付けて話すモウカザルの態度に、レオードは少し目を丸くする。だが当の彼女はにっこり笑うと迷った素振りも見せず、ハキハキと言い切ってみせた。
その清々しく、自分に自信を持った態度はレオードからすれば目に見張るものだった。普通はこんな感覚を持てる奴なんて、早々いないのにあっさりと現れてしまったからだ。それもあの戦いの最中ではなく、終わって平和になった後でだ。
大人というには幼い理論で、子供というにはとても知恵が動くそんな彼女の姿は、レオードにとって青天の霹靂ともいえた。平和になったからこそ訪れた、この出会いはそうとしか言えなかった。
この瞬間、何かを悟ったようにレオードは笑みをこぼして彼女の言葉の全てを認めた。
「いいや、商売の件も入れてほぼ正解だ。お察しの通り、金にしか興味が無いからこういう商売をしているわけだ。それから、ポケモン観察は商売のついでで得ただけだ。……にしても良く分かったな」
「勘は良い方なんでね。それにしてもあんた等アホやろ」
「は?」
「金ばっか集めてる生き方じゃ、それ以外の事が楽しいと思えんよ。そういう生き方はせこいし、つまんないじゃん。あんた、ニャースなのに雰囲気かっこいいんだからもったいないよ?」
モウカザルの言う台詞じゃないけどね、と付け足しながら笑い声をこぼしながら言った彼女。その口から出された言葉は、きっと純粋な思いからだったのだろう。腹黒い思いなどは全く感じられなかった。
あまりにもあっさりと言われて、レオードは言葉すら出てこなかった。散々自分の中身を見破られただけでなく、その生き方をこんな気軽な形で否定されるとまでは予想できなかったのだ。
さっきのでも十分すぎるほど驚きだったというのに、まさかここまでだったとは、思わなかった。こんなに一瞬で自分の何もかもを見破られた挙句、生き方を否定するだなんて事はマヨでもしなかったというのに。
レオードが言葉も言えず呆然としてる隣、やばいと判断したのかマヨが前に出てモウカザルに向かって注意を入れる。
「モウカザルちゃん、ちょっと言いすぎやで? レオード、怒らせると怖いんやから程ほどにな」
「向こうから聞いてきたんだし、色々言いたかったんやもん。それに悪かったなら謝るから、許してほしいんだけど」
「アホ。わいやなくてレオードに言え。見てるこっちが冷や冷やするような会話しおってからに……」
「ごめんごめん、でもうちは間違った事を言った気は無いよ?」
「反省してないやんか、全然! モウカザルちゃん、どんな教育受けてきたん!?」
本気で冷や冷やしているマヨと軽く笑って流すモウカザル。レオードの心境とは裏腹の何処か愉快な会話を目の当たりにし、レオードはぱちぱちと瞬きしてしまい、受け入れるのに時間がかかってしまった。
そのままゆっくりと頭で受け入れていく中、ショックを受けていた自分が馬鹿馬鹿しく感じてきた。なんてことは無い、あのモウカザルは己の思った事が正しいと判断したから真っ直ぐ言い切っただけにすぎないのだ。自分はその言葉に追いつけず、ただただ振り回されてしまっていただけだった。
あまりに滑稽で、そんな自分は本来ありえないものだっていうのにありえるものになってしまった。このモウカザルが、あっさりとやってみせた。氷のように冷静だったはずの己の心をあっさりわしづかみにした。
そこまで受け入れた途端、レオードは滅多に出さない笑い声を上げた。
「ハハ、ハハハハハハハハハ!! そうか、そういうことか!」
「うわっ、びっくりした!?」
「いきなりどうした、レオード!?」
「天変地異はおきそうだぞ、マヨ」
「「へ?」」
レオードの笑い声とその後の言葉の意味が分からず、マヨとモウカザルは揃って間抜けな声を出す。
そんな二人の様子を他所に、レオードはモウカザルをしっかりと見据えると先ほどのショックが嘘のように落ち着いていて、けれども普段の彼からは想像できないような告白をしてみせた。
「モウカザル、俺はお前に惚れた。何もかも見破った挙句、俺の生き方をハッキリ否定したその強さと明るさにな」
あまりにも唐突な恋の告白が、冷血商人から放たれた。
それが冗談でも何でもないのは、落ち着いていて迷いの無い言葉をモウカザルから目を反らさずに真顔で言い切った事から把握するのは容易だった。
2011/03/09 Wed 23:30 [No.179]
ゆな
いきなりの展開に暫くの間、モウカザルとマヨは固まっていた。が、次の瞬間揃って驚愕の雄叫びを上げた。
「う、うえ、うえええええええええええええ!?」
「はああああああああああ!? ちょ、おま、マジかああああ!?」
「大マジだ。あぁ、そうだ。マルク探しをするついでに、二つ条件を出していいか?」
「え、え、え!?」
「行商『猫旅堂』に加われ。俺の傍に居続けろ。これが、条件だ」
顔を赤くして困惑するモウカザルを他所に、レオードはすっかりペースを取り戻したのか立ち上がって彼女と目線を合わせると、プロポーズともとれる条件を告白してみせた。
さすがに告白された直後でその条件の真意を察する事なんて簡単で、だからこそ余計にモウカザルは顔を赤くしてぶつぶつと呟くしか鳴った。
「……初対面なのに、何でここまで言われなきゃあかんの……」
「モウカザル、答えは?」
「へ!? えと、えと、えーと……!!」
レオードがすっかり何時もの調子で急かす中、モウカザルはあたふたと慌てて言葉を選ぶしかなかった。もちろん顔を真っ赤にしながらだ。
一気に形勢逆転したなー、と最早蚊帳の外のマヨが半分現実逃避する形でぼやいているが、生憎どっちの耳にも届かなかった。
落ち着いた態度のレオードと傍観者に徹する事にしたマヨを見比べ、モウカザルは耐え切れなくなったのか真っ赤な顔のままレオードを指差し、どもりながらも勢い任せで言ってきた。
「う、うちの名前はゆな! あんたの名前は!? 隣に居続けなあかんなら、種族名で呼べんやろ!?」
「あぁ、そうだったな。すまない、俺の名前はレオード」
「わいはマヨって名前や。よろしゅう、マドンナちゃん!」
「マドンナ?」
「この金馬鹿を惚れさせた女の子やからな。それぐらい魅力あるのは天使かマドンナぐらいやろ?」
「えぇ!? ちょ、そこまで言う!? あ、あの、あのねぇ!?」
「それにあのレオードが惚れたって事は嫁決まりっちゅーこっちゃ! ってわわわわ、火炎技出そうとせんといてぇ!?」
「うっせええええ!! う、うちはそこまで言うほど魅力は無いっちゅーねん! これ以上パニックにすんなーっ!!」
今にも全身から火が出てきそうなほど真っ赤になったモウカザルことゆなは半ば八つ当たり気味に、マヨに向かって怒鳴りつける。マヨはあたふた慌てながら、レオードの背後に隠れた。
あまりに分かりやすい隠れ方にレオードがマヨを軽く睨みつけたものの、ゆなが攻撃できずに止まったので細かく言うのは後回しにしてやった。
現状にあうあう言って困惑する彼女に顔を向け、レオードは軽く微笑んで彼女の頬に手を伸ばして撫でながら言う。
「名前を教え合ったんだ。これで一緒に来るだろ、ゆな」
ゆっくりと流れるように、だけどしっかり聞き取れるように口に出されたその言葉はゆなの耳にしっかりと残った。
会ったばかりだというのに自分だけを見つめ、心を落ち着かせながらも逃す気の無い男の姿は口説き文句だけで顔を赤くさせる少女を捕まえるには、十分すぎた。
自分の中では落とされたと自覚しながらも、それを認めるのが癪でゆなはテンプレ的ツンデレ台詞を吐きながら告白を受け入れた。
「……勘違いしないでほしいけど、うちはマルク達を探したいから一緒に行くだけ! あ、あんたに口説かれたわけじゃないから!」
「あんたじゃなくて、レオードな。それと一緒に来る事を断言した以上、誰にも譲る気は無い。俺は気に入ったモノは手放さない主義なんでな」
「へ!? あ、会ったばかりなのに何で!?」
「俺が惚れた女を、俺に惚れさせて一生傍に居させる為だ。そのぐらい察せられると思ったんだがな」
「ば……馬鹿っ!! う、うちは恋愛初めてやから、そんなん無理に決まってんじゃん!!」
「なら好都合だ。一から最期まで、キッチリ教え込んでやる」
慣れない口説き文句に顔を赤くして反論する娘と、そんな様子を可愛らしいと思ってるのかからかいながらも受け入れる男。
ちょこっと前ではありえないと思っていた光景がここに生まれた。人間の世界とポケモンの世界が安定した状態で繋がる事ができたからこそ、生まれた小さく大きな出会いが。
これだけ聞けば、微笑ましいワンシーンである。だがそれをマジマジと見せ付けられたマヨは半目のまま、低いテンションで呟いた。
「桜満開の春が来るのは構わんが、色々と忘れんといてくれよ?」
主にわいの存在とか、な。
少女漫画のようなラブコメから軽く目を反らしながら、ため息をつくマヨ。多分聞こえていない+あえて聞き流しているだろうが、今後の猫旅堂の為にも言っておくべきだとは思ったのだった。
2011/03/10 Thu 00:03 [No.181]
椎名
ガヴイリルが、死んだ。
それが意味するのはつまり、終わりというわけで。
たくさんの犠牲を出した長い長い戦いに、終止符が打たれたということだ。
「……」
私がその知らせを聞いたのは、デパコンの医務室。
そのとき感じたのは達成感……っていうか、なんだかふわふわした実感というか。
いざ終わってみると、なんだかすごく早かったように感じる。
今私の頭の中にはこのポケモン世界に来てからのことが、そうまさしく走馬灯のように浮かんで……あれ、これなんて死亡フラグ?
ふと隣を見れば、どなんさんとフィリットさん……と、なぜかジャグラーさんが眠っている。なにがあったんだろ。
でも、フィリットさんと並んで幸せそうに眠っている様子は、こう、なんというか……
りあじゅーおしあわせに!!
* * *
セイラさんやラプラスさんのようにこの世界でしんでしまった人たちは、元の世界ではしんでいない、つまり生きているそうだ。
今は二匹のセレビィによって二つの世界が繋がっているから、ひょっとするとまた会えるかもしれないし。
……あのときは仕方なかったとはいえ、今度またセイラさんにあえたら謝ろうか。
そのことについてはホッとしたんだけど、しんだけどしんでいないのはいわゆる“元人間”だけであって、ソードさんやリリアさん、ルカさんみたいに、もともとこの世界にいたポケモンのみんなはもう戻っては来ないそうだ。
あとで精神離脱しているかいないか云々みたいな説明を聞いたけど、なるほどさっぱりわからん。
いや、ガヴイリル……ガヴリイル? がまた甦るようなことがあったら、それはそれで問題が出てくるけど。
――と、いうことで。
私は今、渦巻島にいる。
ここで眠っているのは、ソードさんとルカさんだっけ。
リリアさんは確かタンバシティにお墓が建てられたんだっけな……
ひっそりたたずむ小さな墓標を前に、合唱。
洞窟を抜けて、水平線を眺める。いやぁ、世界ってすごく広そうだね。
なんとなく足元の砂を蹴飛ばしてみる。砂が飛び散る。じゃりじゃりする。……当たり前か。
ぼすん、と砂浜の上で仰向けに寝転がってみる。空に輝く太陽が目にまぶしい。目に悪いな。
そのまま、しばらく。なにをするでもなく、ただ寝転がっているだけ。
さすがにじっとしているだけではちりちりするので、たまに寝返りもうってみる。
しかしまあ、耳に響く波の音がなんとも心地いい。ついまどろんでしまう……うっ、寝ないぞ? さすがにここでは寝ないぞ?
さて、戦いは終わった。
ということは、あの声の主の目的は果たされたということだ。
ならば、私はこれからどうするべきなのだろう。
やるべきことが終わったなら、元の世界、私の世界に帰ろうか。
……いや、正直この世界なら勉強もないし一人でも生きていけそうだし楽ではないけど楽しそうだし。
じゃあいっそのこと、この夢のような世界で一生を過ごしてみようか?
……いやいや、元の世界でやり残したっていうか見おさめていないことも結構あるし。あいつら無事にくっついたんだろうか。
いやいやまてまて、そもそもこの世界と元の世界は繋がってるわけだから、行ったり来たりは自由なのよね?
だったら、文字通り行ったり来たりを繰り返せば、ある意味二種類の人生が楽しめたりするんだろうか。
……それはそれで疲れそうだけど。
透き通るような青空を仰いで考えることしばらく。
やっぱり、ここは一度元の世界に帰るべきだろう。
私が生まれて、育った世界。
過去の私があるから今の私がいるわけだから、未来の私は、きっとそこにいるべきなんだろう。
……あーダメだ自分で言っておいてすごく恥ずかしくなってきた。
まあ、まずはセレビィのところに行こう、話はそれからだ。
パッチールこと人間こと椎名麻樹、ただいまより私が進むべき世界に帰ります。
まあ、でも。
時々この世界に遊びに来て、みるのも、悪くはない……よね?
― ― ―
「渦巻島で一匹ニヤつく奇妙なパッチールが出没する」なんて噂はありません。ありませんってば。
エピローグ突入ということでカチャカチャうってみた。
携帯でうったのをコピペしてるから、本編とそぐわない部分もあるかもしれない…
パッ椎名はとりあえず、ソードやリリアなどのお墓参りをしてから一旦人間界に戻る様子。
2011/04/23 Sat 22:27 [No.271]
フィリット web
――太陽
太陽は、とても温かい。どれくらいか分からない程、暖かい。
皆を照らす、太陽。
私は、そんな太陽になれたのかな?
少しでも、皆の為に何かできたのだろうか
私は、泣いてばっかりで。いつも泣いて、泣いて、泣いて。
沢山の事を抱えたのは私だけではないのに、私はそれに耐え切られずに泣いた。
嫌で、嫌で、嫌で。
でも、ある人が言ってくれた。
「悲しかったら空を見てごらん」
ふっと空を見上げると、そこには永遠に広がる青空と、温かく光る太陽と。
こうして見ると、自分が泣いていたのが凄くちっぽけな事だと思えてしまう。
ああ、私は、この大きな戦いでどれだけ成長したのだろうか
そして、私は今。
愛する人と共に居る。
2011/04/25 Mon 22:35 [No.286]
仙桃 朱鷺
戦いが終わり、朱鷺が連れてきた長老さんがDCの立て直し仮リーダーになった。動けなかったから朱鷺が秋葉さんの指示を受けて飛び立つのを見送って待ってたアタシと今2人でいる。
朱鷺は何でか目を合わせない。
「……朱鷺」
「なんでしょうか有留ねぇ様。」
そんなに挙動不審にならなくても……訳は一応聞いたし。あんなに自信満々に動き回っていたのに何でこんなに怯えてるかな。言いたいことはいっぱいあったけどもう終わったからいいかって思う。羅一さんが元の世界で生きてるって話はきけたし、戻ったらメールでもしてみようか。
そんなこと考えていたら朱鷺が落ち着かないようにきょろきょろしてるのが分かった。だからなんでそんなに落ち着かないかなもう、
「あのー、元の世界と何時でも行き来できるようになったわけだし取りあえずまず直ぐに帰りませんか?」
「何でさっきから口調がおかしいの。帰るのは賛成だけど…あ、」
一つやることがある。
「この世界でお世話になった皆や仲良くなった人たちに挨拶に行ってからね。一度帰ると次来た時そろう日が来るかわからないから今がちょうどいいよ。」
「有留ねぇ!!後生だから帰らせて!!皆さんに会うのが怖いんだよ!!」
「分かっててやったことだろ」
「いや!怖い!私は人の悪意や堅い声、怒りを孕んだ声、怒気が混ざった声が聞くだけで竦み上がるほど怖いもん!!」
「ほら、ついて行ってあげるから。アタシも一緒にいるから怖くないでしょー?」
「お家帰って、マンガ読んでラノベ読んで幸せになるんだぁぁぁ!」
「人間関係に挨拶や礼儀は大事でしょうが!!社会人の常識!!」
「学生だから許してよ!!」
「今年就職組の癖に何を言うか。ほら、さっさといくよ!!」
「いやー!!留年するか引きこもってやるぅー!!」
「帰ったときの最初の食事野菜炒めと野菜たっぷりの炊き込みご飯とサラダにするよ?」
「にゃぁぁぁ」
従妹をダメ人間にするわけにはいかない。弱点で悲鳴を上げてしょんぼりしたところで葉っぱを掴んで一緒に人が集まっている方に進みだした。
それに、そんなに怯えなくても理由をちゃんと説明すれば分かってくれる人が大半だと思うし。戦う中でDCからDMに来た人だっているし。大丈夫だってアタシには確信がある。朱鷺はこういう時無駄にマイナス思考だから実際にあった方が分かりやすい。
アタシだって話したい人いるし。朱鷺を連れてさっさと合流しよう。たくさん話をしてから一緒に家に帰ろう。食べたがってたフルーツ入りのヨーグルト作ってあげるから。
@ω@ ΘωΘ JωJ ◎ω◎
エピローグ・・・・・・え、こんな感じになりました。グッダグダになるのは私達だからでしょうか・・・
2011/04/26 Tue 15:00 [No.290]
Makoto
DCの本リーダー、ガウリイルが倒れて散ってから、それから数日が経とうとしていた……
タンバシティの海岸付近にて――
「どうもありがとうー! 船長さんー!」
「あいよ〜、若いの! 旅中気ィ付けてなァ〜!」
渡り船を操縦して送ってくれたヤドキングにお礼を言って、その場を後にしたマコト。彼は花束を左手に持ちながら、駆け足である場所に向かっていた。
左腕に包帯を巻いているものの、事前に秋葉が傷痕をきれいに縫い合わせてくれたから、動かす分にはそれほど問題は無いはずだ。
「よし、そろそろ行こうっかな?」
マコトはそう言うなり、砂浜に足跡をつけながら西の洞窟の方へ急いで行った。
――――――――――――――――――――――――
「ここに来たのはどれくらい前だったっけ……」
天から高く見下ろすかのようにそびえ立っていたDM(ドリームメイカー)本部……跡地。前回の壮絶な戦いの下、ガウリイルの手によって無残にも崩れ去り、瓦礫の山と化してしまった今、かつての伝統がまるっきり無くなってしまっている。
「久しぶりですね… みんな」
地に散らばった石ころを片づけながら、マコトは空に向かって声をかける。
「詳しい話はシャインさんと有留さんから聞きました……。僕が来るまでに、たくさんの犠牲者が出てたとは……」
「メイルさんとPQRさん… そして羅一さん… 一度もお会いできなかったですけど―― 向こうでも、元気で仲良くやってますよね……?」
普段はツンとしていても、あふれんばかりの人なつっこい性格でみんなから愛され、信念も貫き通したニャルマー。のんきで時には三枚目を演じることもあったけど、常に他人の事を中心に考え、守るべきモノを守り通した“紳士”ことグラエナ。そして、有留の師匠兼DMの斬り込み隊長として、戦場の数々を羽ばたいたカモネギ……。
「ピカリーズさん… 蓮華さん… あの時僕のことを温かく迎えてくれて、ありがとう…です…… 今も思い出、決して忘れないよ……!」
実質的DMのサブリーダーとして、戦いのサポート・策謀を手がけてチームを優勢に導いたカポエラー。あげはの友人にして常に仲間を気配る心を大切にして、戦陣でも駆け抜けていたマッスグマ。少しの間だけだったものの、一緒に敵を討ち払い共に悩んできた時間が、その心を強くするきっかけとなったのだから。
「ラプラスさん…… うぅっ… 出来る事なら、もっと早くあなたに会いたかった…です……」
自分の命を犠牲にしてまで、敵味方共に生きることを信条に正義を貫いたライチュウ。彼とはGTSでしか会った事がなかったのだが、優しさと強さの両方を持っていたその凛々しい姿に、マコトはただ純粋に尊敬し、憧れていた。
「…… ぐすっ…… 何で、なんで……?」
何故彼らが死ななければならなかったのか―― その理由は、永遠にマコトにとってわかるはずのない事なのだ。
考えれば考えるほど、胸が締め付けられる感情にかられ、ポタポタと涙がこぼれ落ちる……
2011/04/30 Sat 01:28 [No.298]
Makoto
しばらく時間が経ってから、やっと悲しみから立ち直って涙をぬぐい直したマコトは、一先ず深呼吸をしながら花束を、かつて入口であったであろう場所に置き直し、手を合わせた。これでいくらかは、安らかに眠りに付けることだろう(といっても、既に現実世界に戻っていることを知らないのだが……)。
「ふぅ、これで大丈夫だよね?」
マコトは一息ついて、本部跡地から立ち去ろうとしたその時―― 後ろから小さく話し声が聞こえてきた。
『お前も来るなんて、物好きなポケモンもいるもんだな……』
『私たちだけじゃないって事ですわ。ここに弔いに来るのって』
『……ここでは本当の私の名を言うなよ、ファビオラ』
「……!!」
いつの間に来ていたのだろうか、エルレイドとチルタリスの2匹が花束と数珠みたいな飾り物を手にして歩いてるのが見えた。戦いが終結してDMとDCが和解したとはいえ、油断はできない。
「あなた達…… な、何しに来たんですか!?」
これ以上の悲劇は作らせてなるものか! そう心に決めていたマコトは半ばきっと表情を固くして構えていた。しかし――
「穏やかじゃないですわね…… そこのリオルさん、そんなに緊張しなくてもいいのよ? 戦いはもう終わったんだし」
「我らは弔いに来ただけなのだ…… 無闇に血を流す必要はないだろう?」
「ほら、リラックスリラックスですわ! アイビスも緊張してないの!」
「へ… えぇっ!? クールじゃないの!?」
「だから本当の名を言うなったら! あぁもう、折角なりきってたのに……」
「は、はぁ……」
チルタリス――ファビオラは緊張で顔を引きつっている彼らをなだめて悠々としているが、エルレイド――クール……否、メタモン――アイビスは唐突に話を展開されて困惑している様子。
マコトも、いきなりの急展開に、目をパチクリさせるしかなかった。
その後、彼らも同じように仲間の墓参りに来ていたことを知って赤面しながら謝り続けたマコトと、そんな彼を優しく笑いながらも昔の思い人を想っていたファビオラ、今では変身を解いて付き人を思いながらもどこか目を逸らしていたアイビスとで、それぞれの状況を話し合った上で双方の目的を果たしていった。
「早いものだな……。自分たちが、目的や信念を持って戦いに挑んだ一週間―― いろいろあったのが信じられないな」
「えぇ、前までの戦いがウソのようですわね…… 失ってしまったモノも多いけど、それによって私たちも大きく何かが変わっていった…… 私、この事は忘れないつもりです」
ちなみに後でアイビスにラプラスさんについて話を聞いたところ、彼はクールと死闘ともいえる一騎打ちにて、互いの大技をぶつけ合った末に満身創痍の状態となり、双方ともに力尽きたとのこと…… 唯一その場にいたアイビスは、全く手を出していないというのも素直にうなづける事ができた。
前まで敵味方に分かれて戦ったとはいえ、世界が平穏となると心に安心が生まれていったのだろうか。3人のそれぞれの目は、曇りが及んでいなかった。
「今後も、このような平穏な時間が続くといいなぁ……。僕もこれまでの思い出、忘れないようにするね……!」
3人はゆっくりとうなづき合い、再会を約束してその場を去って行った。いろいろと言葉にしたかった分もあったけど、それは後で帰ってから考えよう―― そうマコトは思い直したのだった。
――フリッカーさんとアッシマーさん、そしてあげはちゃん…… 戦いが終わって一安心してますよね? 今、僕もそちらに行きます……。一緒に生き残れたら、その時は…… どうか友達に……――
僕らの時間は、ここから始まったばかりなのだ!
――――――――――――――――――――――――
◇あとがき
はい、どうも書かせて頂きましたー! 5日目からの参加で身の周りが大きく変わったと感じてるマコリルです。稚拙な部分も多かったですけど、最後まで参加できて嬉しい限りです! 本当にありがとうございました!
毎度の事ですが、修正すべき問題点が見つかりましたら、ご指摘をお願い致します。
2011/04/30 Sat 01:34 [No.299]
ロサラ
この世界を、自分達を混乱に陥れたガウリイルは、打ち破られた。
あの時出会った気弱そうな、だがどこか芯の通ったマルクと名乗るガラガラによって。
ガウリイルの、DCの野望は阻止され、両世界に平和と安息がもたらされた。
だけど。
「――ラプラスさん…」
あの後聞いた話によると、私の知らない所でラプラスさんは犠牲となっていたのだ。
不思議と、涙は流れない。以前の私なら涙を流して叫んで、喚き散らしていたのに。
その理由は、これも誰かから聞かされたのかもしれない。
もしここで死んでしまっても、元の世界では無事だって。死んでなんかいないんだって。
むしろ、その事実に熱い雫が零れ落ちたのを覚えている。
――そして、私は。
+ + +
そよそよと吹いてくる潮風のせいで、右目を隠すように巻きつけた包帯がやけにべたつく様に感じる。
私は、過去に私の運命を変えたかもしれない戦いの名残がまだ残っている、うずまき島へと上陸していた。
どうやら別に花なんて持ってこなくてもよかったのかもしれない。
既に、共に戦った仲間達の墓は、他の人達が添えたのであろう色彩々の花で溢れかえっていた。
だが、無駄という事は無いであろう。私は小さな腕に抱えた目一杯(パチリスの腕に比べれば)の花束のラッピングを開くと、その花の山にさらに追加する。
そして、手を合わせる。まぁメイルさんとセイラさんは向こうの世界で元気に過ごしているのだろうが、ソードさんは、元々こちら側のポケモンなのだ。
だから、ここで死んだら向こうの世界へ飛ばされる訳が無い。即ち、彼女は正真正銘の死を迎えてしまった訳だ。
――思えば、彼女は初めて会った時は敵だったのだ。
それが、様々な試練を、痛みを乗り越えて、絶大な信頼関係が築かれるまでに至って。
最後には、心を壊した悲しい少女によって――。
ソードさんは、戦ったのだ。仲間を守り抜く剣-ソード-として、最期まで戦い抜いた、誇り高き剣。
「……………ごめんなさい」
気がついたら、その懺悔の言葉が口から漏れていた。
別に私が謝ってもソードさんは生き返るわけが無いし、必要ないだろう。だけど、無意識にその言葉は喉を突き上げていた。
誇り高く散ったソードさん、ゆっくり休んでください。きっとそちら側はさぞ賑やかなのでしょう。
素直になれない花嫁、メイルさん。彼女は今頃PQRさんに鋭い(愛の)ツッコミを加えているのだろうか。もう引っ掻く爪は無いから、殴るか蹴るかのどちらか。
壊れてしまったセイラさん。あなたは、何も悪くなかったのです。
強いて言うなら、あなたの罪はその現実を受け止めずに、目を逸らしてしまった事。――辛いのに、変わりはありませんが。
まぁ、それも一つの人生でしょう?
2011/04/30 Sat 17:57 [No.301]
ロサラ
風の噂によれば、どうやらジャグラーさんやフィリットさんは、二人で旅に出てしまうそうだ。
なので、私が人間世界へ帰っても、もう彼らと掲示板で談笑する事など、出来ないのだ。
寂しくない、と言えば嘘になる。
ジャグラーさんは昔から掲示板での付き合いがあったし、フィリットさんも同い年、という事が判明して打ち解けたばかりだったのだ。
もう、あの二人とは会えない。
既に二人は出かけてしまったそうなのでもう直接会って挨拶する事は出来ないので、私は心の中で二人に別れを告げた。
私は、ずっと待ち望んでいた人間世界に帰る事にしよう。
早く学校に行きたいし、録画していた深夜アニメも溜まってきている。
まぁ、それらは単なるおまけの理由でしか無い。
「――寂しがり屋蓮華の為に、私は早く帰るとしますか…でふ」
あの時の戦いからずっと手元にある、彼女自身――彼女の爪を、手の中で抱きしめる。
一足先に散ってしまった私の親友。今頃私がまだ戻っていなくておろおろしているのであろう。
ここで過ごした七日間。
みんなで、戦った。笑った。涙を流した。怒り狂った。悲しんで、悲痛に喚いて、また笑った。
それらは、私が生涯忘れる事の無い、色々な思い出の記憶達。
人間では無い存在になって、授けられた様々な物、様々な思い。
全部、全部。それらはいつか、いつの間にか誰かに語り継がれているのだろうか。
――否、これらは全て秘密にしておく事にしよう。
何も知らない人々の間では、あの不思議なURLについて延々と、様々な疑問や考察が飛び交うのだろう。
そして、色々な夢話が、誰かによって生み出される。
それで、いいのだ。
夢を造る者
それでこそ、『Dream Maker』。
それも、悪くないでしょう?
………でふ。
***あとがき
なんじゃこりゃあああぁあぁっあっあああっ
何か最後勝手に纏めちゃいました本当にすみませんでした色々無理矢理すぎる
遅れた上にこんな出来で…申し訳ない。
執筆中のBGM⇒
2011/04/30 Sat 18:15 [No.302]
サジタリウス
DMとDCの戦いから数カ月・・・
咥えた鉄の棒が印象的なクチートはシンオウ地方のとある森にいた。
「おお、これはいい甘さ。甘党の僕にはたまらないなぁ。」
『彼』がかじっているのはこの地方では有名な「森のヨーカン」である。
森のヨーカンを食べながら『彼』はシンオウ地方観光マップを取り出してチェックを入れ始めた。
「うーん、テレビコトブキにもいったし、炭鉱にもいったし…」
どうやら行った名所にチェックを入れているようだ。
「三つの湖にもいったしな…もう大体の観光名所は行ったかな。あとは―」
目の前の館から上がる悲鳴を聞きながら、『彼』はマップを放り投げた。
「―あとはお馬鹿な敵さんを倒すだけですね。」
――――――――――――――――――――――――――――
館では一匹のサーナイトを、ニヤニヤ笑いを浮かべた数匹のポケモンが取り囲んでいた。
「わ、私をどうするつもりですか!?」
震えながら訊くサーナイトに、この集団のリーダーらしいバクオングがニヤニヤ笑いをより一層強めながら答える。
「いやいや、お前には天国に行ってもらおうかなァと思ってよォ。」
「ま、まさか殺すつもりですか…!?」
「別に殺しゃあしねェよ。ただなァ、俺たちと気持ち良くなって天国に行ってもらおうと思ってなァ。なァ?お前ら。」
バクオングの言葉にほかのポケモンたちも「そうそう」「気持ちよーくな」などと言いながら狭めていく。
「ひっ…キャーーー!」
悲鳴を上げるサーナイトに詰め寄りながらバクオングは楽しそうに言う。
「そんな悲鳴上げても誰も助けなんて来ねェよ。」
その時、扉の外から声が聞こえた。
「それ…フラグですよ?」
扉が蹴破られ、鉄の棒を咥えたクチートが中に入って来る。
「な、なんだてめェ!」
バクオングの言葉に応えるように『彼』は答える。
「只の…DMの残党潰し屋です。此処にDCの残党がいると訊いて来ました。」
「DMの…残党潰しィ!?」
その素っ頓狂な声に『彼』がうなずく。
「はい、素直にお縄につくなら痛い目には合わせませんよ?抵抗するなら多少は手荒にさせて頂きますが…」
「ハッ!お前一人なんかにやられてたまるかってンだ!てめェら、やっちまえ!」
命令を受け向かってくるポケモンたちを見て、彼は溜息をついた。
「はぁ、しかたないな。」
―――――――――――――――――――――――――――――
数分後、『彼』によってバクオングを含むDCの残党達は全員気絶させられていた。
「はい、シンオウ地方の森の洋館で何匹か気絶しているのでテレポートできるポケモンに回収させてください。はい、では。」
ポケギアでしばらく会話していた『彼』は通信を切りサーナイトに話しかける。
「えーと、ひとりで帰れますか?」
「は、はい…」
「よかった、では僕はこの辺で…」
そのまま出口に行こうとした『彼』にサーナイトが訊く。
「あ、あのっ!名前教えてくれませんか!?」
『彼』はその質問に鉄の棒を咥え直し、答えた。
「僕の名前は―――」
―fin―
―――――――――――――――――――――――――――――
しまった…出遅れた…
2011/05/03 Tue 20:22 [No.316]
あさぎり羅一
「DJマグナpresents radio
“LEGENDALY WINGS”!!」
―――――――――――――――――――――――――
「長く、苦しい戦いが……ついに、終わりを迎えました。
マルクとガウリイル。2人の壮絶な闘いはまさに最終決戦に相応しい死闘と言えるでしょう。
ほどなくして現れた長老カイリューによるDCの再建も順調のようです。……新たな一歩を歩み始めたDCのこれからに、僕は期待します。
これでもうDCの恐怖に怯える必要はなくなったのですから。」
―――――――――――――――――――――――――
「この世界にやってきた元・人間のポケモン達も皆、人間界へ帰る事ができたようです。もちろん、リタイアした方々も。
………無事だと知っていても僕は不安でした。多分、心のどこかで『リアイアした人は本当に死んでしまったのではないか』と思ってしまっていたんだと思います。
全員無事に帰還できたという報告を聞いた時は本当に安心しました。おかしいですよね?リアイアしたからって本当に死ぬわけではないというのに。あはは…。
でも、…………………本当に良かった。」
―――――――――――――――――――――――――
「そして、現実世界であきはばら博士から語られる真実・或いは仮説。
結論から言えば、全ての謎が解き明かされた訳ではありませんでした。
ですがDCのガウリイル…そしてDMのゴットフリート、2人は確かな信念を持っていました。それはとても正義や悪といった言葉では表現できない……いや、どちらもそれぞれの正義を信じていただけだったのです。
そもそも語り手であるあきはばら博士の立場は中立。それだけではありません、彼女はマルクが負けた時の事すらも想定していたのです。
全ての出来事は……………………………彼女の掌の上の出来事だったのかもしれません。」
―――――――――――――――――――――――――
「物語が幕を下ろした時、この放送の役目も終わります。
その時“執筆者達”を導いてきたラジオはノイズを発するだけのただの箱と化すでしょう。
僕は導く者、DJマグナ。物語を紡ぐ“執筆者達”の元に現れる存在。
もしかしたら彼らの役目までもが終わったかのように見えるかもしれません。
しかし彼らの執筆は止まらない。
一つの物語が幕を下ろした時、また新たな物語が幕を開ける。そしてまた別の物語が幕を下ろす。それは際限なく続いていく執筆の連鎖。
物語が存在する限り僕も存在し続ける。
いずれ生まれ来る新たな物語を通して、僕は再び“執筆者達”を導く為に現れるでしょう。
それまで、
しばしのお別れです。」
―――――――――――――――――――――――――
「このラジオを聴いてくれた全ての方々に、最大限の感謝を込めて。
本当に、ありがとうございました。
僕ももう行かなければなりません。
次'の'世'界'へ'。
Dream Makersの最新情報をお伝えしてきた番組、LEGENDALY WINGS。パーソナリティはDJマグナでした。
またいつか、どこかで会いましょう。 ――――――――さようなら!」
『“LEGENDALY WINGS” この番組は旅猫堂の提供でお送りしました。』
―――――――――――――――――――――――――
2011/05/04 Wed 01:04 [No.318]
あさぎり羅一
既にラジオスタジオ内にスタッフの姿はなく、明かりも全て消えていた。
それでもスタジオの中が完全な暗闇と化していないのは、外の通路の明かりが僅かに入り込んでいるからである。
DJマグナは1人、電磁浮遊でふわふわと移動しながら機材等の最終確認を行っていた。
といっても手も足も無いマグナに出来る事といえば流し見する事くらいだが。
―――コンッ コンッ
放送が終わったスタジオのドアを叩く音。マグナは疑問を抱いたが、入ってきたポケモンの姿を見てすぐに納得した。
「あぁ、あなたでしたか」
逆光のせいでよく見えないが、そのシルエットがランターンのものである事は認識できる。
「―――――――――――――――」
「えぇ、この世界の物語は終わりました。先ほど放送も終了した所です。」
しかしランターンのシルエットの言葉は何故か聞き取る事ができない。
「―――――――――」
「いえ、人間界を始め他の世界から来た方達はもう皆帰っていきました。
残ってるのは多分僕だけじゃないですかね」
言いながらマグナはドアに向けて歩を進め(足は無いが)、ランターンが道を空ける。
通路に出た2人はドアを挟んで正面から向かい合った。それぞれの後方へ目をやると通路が真っ直ぐ伸びている。
「僕もそろそろ行かないと。“執筆者達”が待っていますしね。」
「―――――――――――――」
「らりるれろ! …ってそれは“愛国者達”でしょ!僕が言ってるのは“執筆者達ですってば!……って何やってるんでしょうね僕達」
「――」
相変わらずランターンの言葉は聞き取れない。
しかし口の動きから、笑っている事は見て取れる。
「じゃあ………僕はそろそろ行きますね。次'の'世'界'へ'。」
マグナは話を切り上げ、通路の奥へ進み始めた。
その先に何があるのかを確認する事はできない。
というのも、マグナが向かっている通路の先は光が強過ぎて真っ白にしか見えないのだ。
「――――――――――」
ランターンの言葉にマルマインは足を止め、振り返った。
「心配は無用ですよ!僕達は世界を渡り歩く存在。
いつかまた、同じ世界に辿り着けたる事もあるでしょう!」
言い終わるとマグナは再び歩を進め始めた。それを聞いたランターンはマグナとは反対側の通路へ向けて歩を進めていく。
こちら側も同じく、光が強過ぎて先に何があるのか確認する事はできない。
そんな光に怯む事もなく、ランターンはあっという間に見えなくなってしまった。
「………」
マグナはランターンの気配が消えた事を察知する。が、振り返りもしない。立ち止まりもしない。ただ真っ直ぐ通路を進むのみ。
そして、 DJマグナもまた、
光の中へ消えていった。
2011/05/04 Wed 01:47 [No.319]
ルナサ・クリスティ
この世界を混乱に陥れていたデパート・コンクエスタ。
そしてそのデパート・コンクエスタを率いていたガウリイルは死亡し、長きに渡って行われていたドリーム・メイカーズとデパート・コンクエスタの戦いは収束した。
その後、この世界と元々人間達のいた世界に平和が戻り、セレビィによる空間移動術によって2つの世界は繋がった。
・・・
あの後。
リディアと激闘を繰り広げたあの後。自分が動けなくなっている内に様々なことがあったらしい。
度重なる元人間の離脱。ガウリイルの死亡。デパート・コンクエスタの解体。そして世界の再興。
自分は… 今まで何をしていたのだろうか。
「……」
「生きていい」なんて思えないから一人になった。「寂しい」なんて言えないから心の中で溺れた。
弱い自分を殺したい。しかし殺せない。何故ならそれは自分だから。
「…ハァ」
元の世界に帰っても何も面白いことは無い。仕方がないので他のポケモンや元人間とは誰一人会わず、いや、会えず、一人であてのない旅を始めた。
旅の途中で力無き一般人… いや、一般ポケモンに襲い掛かるDCの残党と出会うこともあった。
「なんだ、テメェ!?」
そして、今も出会っている。
DCの残党であるノクタスとハリテヤマは、睨みを利かせていた。
その後ろには彼らに襲われて怯えている、レベルの低い進化していないべビィポケモンが十数匹。
「あァ?」
手足をダランとさせながらうつむいていたルイージは顔を上げ、ノクタス達を睨み返した。
「ひっ…」
「ひ、怯むな! 奴をぶちのめすんだよ!」
「お、おう…!」
彼の目は死んでいる。それがどういうわけか、相手に対する威圧となっていた。
だが、ノクタス達は臆せずにルイージに襲い掛かってくる。
「うおおぉぉっ!」
ハリテヤマはかわらわりを繰り出そうとするが、ルイージはそれを回避。
「ふん…」
腹に蹴りを一発して浮かせる。
「はぁっ!」
もう一発。先ほどよりも強力なにどげりを繰り出し、ハリテヤマは大きく吹っ飛んでいった。
「やなカンジーっ!?」
「貴様ァ!? よくも相棒を!」
どこかで聞いたことのあるようなセリフを言いながら、ノクタスはミサイルばりを発射するが、ルイージは腕で防御。
その攻撃が止んだ瞬間、ルイージは素早くノクタスに近づく。ノクタスは、ハリテヤマの時のようににどげりが飛んでくるのかと身構えていたが、ルイージはジャンプした。
「な、何!?」
「他愛も無い…。少しはリディアさんを見習うことだね…」
「な、お、お前は一体!?」
「貴様に名乗る名前は無い!」
ブレイズキックを繰り出し、ノクタスもハリテヤマと同じく大きく吹き飛ばされ、星になって消えてしまった。
「……」
脅威は去り、DC残党に怯えていたべビィポケモン達は一斉にルイージの足元に群がっていた。
「おにいちゃん、ありがとう!」
「うわあん、こわかったよお!」
「な、お、おい… 俺は感謝されることなんて何も…」
ルイージは気づいた。ここには彼らの親というべきポケモンが一匹もいなかった。
「なぁ、お前らに聞きたいんだが… 親はどうしたんだ?」
2011/05/04 Wed 10:54 [No.320]
ルナサ・クリスティ
「……」
ルイージが質問をすると同時に、べビィポケモンたちは一斉に黙り込んでしまった。まさかとは思っていたが…
「ぼくたちのおかあさんは… でぱーとこんくえすたにころされたんだ…」
「でも、おれたちだけは…」
「……」
彼らの親はDCによって殺されていた。彼らは戦災孤児だったのだ。
彼らのリーダー格であろう、ピチューは他のポケモン達が泣く中で泣かまいと堪えていたが、感情が抑えきれなくなったのか、泣き出してしまった。
「おまえら! なくんじゃ… うわああん!」
「お、おい… …よし、よし」
ルイージは泣き出すべビィポケモン達を宥めるかのように一匹一匹ずつ頭をなでる。
彼らを放っておくわけにはいかない。そう思ったルイージは決意した。
彼らが成長して大人になるまで彼ら戦災孤児の面倒を見てやろう。
それが唯一自分にできることであり、DCに所属していた自分への贖罪である。
「俺が… お前たちの親代わりになる!」
「え…」
この世界に生まれて今もこうして生きている。
何も知らない小さな子供達が、大きくなって一人だって歩けるのだ。
いつか自分にも命の終わる時が来るだろう。だが、彼ら子供達が大きく成長し、次の未来へと託すように…
「色々と、不慣れなこともあるけど… よろしくな」
「ありがとう、おにいちゃん!」
「そういえばおにいちゃんのなまえは?」
「そういえば名乗ってなかったな。俺は…」
まずは小さな一歩から始めよう。
この先起こるのは楽しい事ばかりではないかもしれない。だけど、悲しい事も皆で乗り越えてみせる。
心の死んでいたルイージの心は再び活動を始めようとしている。彼の目には、久々に笑顔が宿っていた。
「こいつらの成長を見届けるまでは… まだ、満足できないぜ…」
2011/05/04 Wed 10:57 [No.321]