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Makoto
DCの本リーダー、ガウリイルが倒れて散ってから、それから数日が経とうとしていた……
タンバシティの海岸付近にて――
「どうもありがとうー! 船長さんー!」
「あいよ〜、若いの! 旅中気ィ付けてなァ〜!」
渡り船を操縦して送ってくれたヤドキングにお礼を言って、その場を後にしたマコト。彼は花束を左手に持ちながら、駆け足である場所に向かっていた。
左腕に包帯を巻いているものの、事前に秋葉が傷痕をきれいに縫い合わせてくれたから、動かす分にはそれほど問題は無いはずだ。
「よし、そろそろ行こうっかな?」
マコトはそう言うなり、砂浜に足跡をつけながら西の洞窟の方へ急いで行った。
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「ここに来たのはどれくらい前だったっけ……」
天から高く見下ろすかのようにそびえ立っていたDM(ドリームメイカー)本部……跡地。前回の壮絶な戦いの下、ガウリイルの手によって無残にも崩れ去り、瓦礫の山と化してしまった今、かつての伝統がまるっきり無くなってしまっている。
「久しぶりですね… みんな」
地に散らばった石ころを片づけながら、マコトは空に向かって声をかける。
「詳しい話はシャインさんと有留さんから聞きました……。僕が来るまでに、たくさんの犠牲者が出てたとは……」
「メイルさんとPQRさん… そして羅一さん… 一度もお会いできなかったですけど―― 向こうでも、元気で仲良くやってますよね……?」
普段はツンとしていても、あふれんばかりの人なつっこい性格でみんなから愛され、信念も貫き通したニャルマー。のんきで時には三枚目を演じることもあったけど、常に他人の事を中心に考え、守るべきモノを守り通した“紳士”ことグラエナ。そして、有留の師匠兼DMの斬り込み隊長として、戦場の数々を羽ばたいたカモネギ……。
「ピカリーズさん… 蓮華さん… あの時僕のことを温かく迎えてくれて、ありがとう…です…… 今も思い出、決して忘れないよ……!」
実質的DMのサブリーダーとして、戦いのサポート・策謀を手がけてチームを優勢に導いたカポエラー。あげはの友人にして常に仲間を気配る心を大切にして、戦陣でも駆け抜けていたマッスグマ。少しの間だけだったものの、一緒に敵を討ち払い共に悩んできた時間が、その心を強くするきっかけとなったのだから。
「ラプラスさん…… うぅっ… 出来る事なら、もっと早くあなたに会いたかった…です……」
自分の命を犠牲にしてまで、敵味方共に生きることを信条に正義を貫いたライチュウ。彼とはGTSでしか会った事がなかったのだが、優しさと強さの両方を持っていたその凛々しい姿に、マコトはただ純粋に尊敬し、憧れていた。
「…… ぐすっ…… 何で、なんで……?」
何故彼らが死ななければならなかったのか―― その理由は、永遠にマコトにとってわかるはずのない事なのだ。
考えれば考えるほど、胸が締め付けられる感情にかられ、ポタポタと涙がこぼれ落ちる……
2011/04/30 Sat 01:28 [No.298]