Net4u レンタル掲示板を作る
ジャグラー
※このエピローグは、フィリットさんとの合作です。
フィリットさんからはすでに許可を頂いてます。
何故フィリットがコガネデパートの屋上に向かっているのか。
それはジャグラーの一言がきっかけだった。
「今日の夕方、コガネデパートの屋上に来てくれないか?・・・待ってるよ」
一体何のつもりでジャグラーはフィリットを呼んだのかは分からない。
だが、おそらく大事なことなのだろうと、フィリットは思った。
「ジャグラーさん、一体どういうつもりなんだろ・・・」
「・・・でも、あのジャグラーさんの目は何か真剣なことを伝えたそうだった・・・もしかして・・・?」
フィリットは色々と彼が言いたい内容を予想しながら階段を上がる。
屋上の階段を上った先にはジャグラーがイスに座っていた。
「あ・・・ジャグラーさん。」
「フィリットさん。」
フィリットが声を出すと、ジャグラーはそれに気づいてフィリットの方を向いた。
彼の顔は真剣な眼差しをしている。
その眼差しを見たフィリットも、真剣な表情になった。
「・・・それで、話って何なの?」
沈黙だけは出さまいとフィリットは本題に入る。
ジャグラーはもう少し後で話そうとしたのか、少しびくっとなる。
「あ、ああ・・・」
ジャグラーは意を決したような表情になり、口を開く。
フィリットはそんな彼をじっと見ていた。
「・・・前に、フィリットさんは俺に自分の道を進めって言ってくれましたよね?」
「うん・・・」
「それでな・・・俺、この世界でやってみたいことがあるんだ」
「やってみたい・・・こと?」
「ああ。・・・このポケモン世界を旅したいんだ。
このジョウトも、カントーも、シンオウも、オーレも。ホウエンも、見たことない地方全てを。
この世界全てを、旅してみたいんだ。・・・あなたと、一緒に。」
「え・・・?」
「フィリットさん。俺はあなたを最初に見たとき、心臓の鼓動が速くなった気がした。
・・・最初は、とくに気にもしなかった。でも、DM本部での戦いで負傷した時にあなたが木の実を持ってきてくれた。
あの頃から、心臓の鼓動が速くなった理由が分かった。・・・最初は戸惑ったんだ。だって、俺はDCの裏切り者。しかもあの頃はDMにいることがいやでいやで仕方なかったからな。
・・・でも、あの時フィリットさんは俺に思いを伝えてくれた。あの時は嬉しかったよ。フィリットさんからそんなこと言われるとは、微塵も思ってなかったんだ。
それで決心したんだ。俺はDMの一員となり、この戦いを終わらせたら、あなたに思いを伝える・・・ってね」
「じゃ、ジャグラーさん・・・」
「・・・それとフィリットさん。これ、受け取ってくれ」
ジャグラーは懐からハート柄のうろこを出す。
ジャグラーがアルスとの戦いの後に手に入れたハートのウロコだ。
「これは・・・ハートのウロコ?」
「ああ。フィリットさんは、ラブカスの風習を知ってるかい?」
「・・・風習?」
「ああ。エメラルドのポケモン図鑑に載ってたんだ。
カップルのどちらかが相手にラブカスを渡すと、そのカップルは永遠の幸せが訪れるらしいんだ。」
「え・・・?」
ジャグラーの言葉に、フィリットは呆然と顔になる。
「・・・フィリットさん、改めて言わせてくれ。
俺は、あなたが好きだ。そして、俺と一緒に、旅をしないか?」
2011/03/09 Wed 21:42 [No.176]