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ルナサ・クリスティ
この世界を混乱に陥れていたデパート・コンクエスタ。
そしてそのデパート・コンクエスタを率いていたガウリイルは死亡し、長きに渡って行われていたドリーム・メイカーズとデパート・コンクエスタの戦いは収束した。
その後、この世界と元々人間達のいた世界に平和が戻り、セレビィによる空間移動術によって2つの世界は繋がった。
・・・
あの後。
リディアと激闘を繰り広げたあの後。自分が動けなくなっている内に様々なことがあったらしい。
度重なる元人間の離脱。ガウリイルの死亡。デパート・コンクエスタの解体。そして世界の再興。
自分は… 今まで何をしていたのだろうか。
「……」
「生きていい」なんて思えないから一人になった。「寂しい」なんて言えないから心の中で溺れた。
弱い自分を殺したい。しかし殺せない。何故ならそれは自分だから。
「…ハァ」
元の世界に帰っても何も面白いことは無い。仕方がないので他のポケモンや元人間とは誰一人会わず、いや、会えず、一人であてのない旅を始めた。
旅の途中で力無き一般人… いや、一般ポケモンに襲い掛かるDCの残党と出会うこともあった。
「なんだ、テメェ!?」
そして、今も出会っている。
DCの残党であるノクタスとハリテヤマは、睨みを利かせていた。
その後ろには彼らに襲われて怯えている、レベルの低い進化していないべビィポケモンが十数匹。
「あァ?」
手足をダランとさせながらうつむいていたルイージは顔を上げ、ノクタス達を睨み返した。
「ひっ…」
「ひ、怯むな! 奴をぶちのめすんだよ!」
「お、おう…!」
彼の目は死んでいる。それがどういうわけか、相手に対する威圧となっていた。
だが、ノクタス達は臆せずにルイージに襲い掛かってくる。
「うおおぉぉっ!」
ハリテヤマはかわらわりを繰り出そうとするが、ルイージはそれを回避。
「ふん…」
腹に蹴りを一発して浮かせる。
「はぁっ!」
もう一発。先ほどよりも強力なにどげりを繰り出し、ハリテヤマは大きく吹っ飛んでいった。
「やなカンジーっ!?」
「貴様ァ!? よくも相棒を!」
どこかで聞いたことのあるようなセリフを言いながら、ノクタスはミサイルばりを発射するが、ルイージは腕で防御。
その攻撃が止んだ瞬間、ルイージは素早くノクタスに近づく。ノクタスは、ハリテヤマの時のようににどげりが飛んでくるのかと身構えていたが、ルイージはジャンプした。
「な、何!?」
「他愛も無い…。少しはリディアさんを見習うことだね…」
「な、お、お前は一体!?」
「貴様に名乗る名前は無い!」
ブレイズキックを繰り出し、ノクタスもハリテヤマと同じく大きく吹き飛ばされ、星になって消えてしまった。
「……」
脅威は去り、DC残党に怯えていたべビィポケモン達は一斉にルイージの足元に群がっていた。
「おにいちゃん、ありがとう!」
「うわあん、こわかったよお!」
「な、お、おい… 俺は感謝されることなんて何も…」
ルイージは気づいた。ここには彼らの親というべきポケモンが一匹もいなかった。
「なぁ、お前らに聞きたいんだが… 親はどうしたんだ?」
2011/05/04 Wed 10:54 [No.320]