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Re: 放浪者現る

ジャグラー

「じょ、冗談だろ・・・。こんなの聞いてねえぞ・・・」
やがて、彼の体から意識は消えていき・・・彼の目の前は真っ暗な闇に包まれていった――――

『あなたをポケモンだけの世界へと導きます……』

――は?ちょっと待ってくれよ。何を唐突に・・・。

『ドリーム・メーカーズを……彼らの暴走を……』

――ドリーム・・・メーカーズ・・・?暴走・・・?何を言ってるのか分かんねえよ・・・。

『あなたたちが止めてください……現実世界に影響が出る前に……』

――おい・・・だったらもっと説明しろよ。意味わからんぞ。

『お願いします……助けてください……』

――お、おい待てよ!もうちょっと説明をしろよ、おい・・・!

―――――――――――――

「・・・うーん・・・ここは・・・?」
ジャグラーが目を覚ますと、まず最初に一つの疑問が浮かんだ。
何で俺外にいるんだ、と呟く。
先ほどまで彼は部屋にいて、しかも外は雨が降っていた。
突然場所が代わり、この空の快晴模様にジャグラーは疑問ばかり思い浮かんだ。

「一体何なんだここは・・・謎すぎるな」
そう言い、彼が立ち上がった瞬間に疑問がさらに増える。
一つ目は、体が軽く、しかも格好が人間とはかけ離れている。
二つ目、今彼がいる場所が見覚えのある場所だということ。
まさか、と彼は辺りを見回す。
「観覧車、ポケモンセンター、ミュージカル・・・!?まさか・・・ポケモン世界なのかここは!?」
彼は近くにある看板を見つけ、その看板の字を見る。
そこには、
『ここはライモンシティ 稲妻きらめく輝きの街』
と書かれてあった。

「マジでライモンシティなのか・・・それに、この格好は・・・もしかして・・・俺、ルカリオになってる!?」
ジャグラーは自分の腕を見る。
手の甲にはトゲがついており、体も青色の毛で覆われている。
さらに体もルカリオの姿そのものだった。
「・・・こいつは驚いた。あのポケモンになれるとはな・・・そうだ!ポケモンになったのなら、あれをしてみるか!」
そう言うと、彼はある場所へ向かった。

「いらっしゃいませ!ようこそミュージカルへ!」
彼が向かったのはミュージカルだった。
入口を開けた途端、一匹のサーナイトが笑顔でジャグラーを迎える。
一瞬、その笑顔に心を惹かれたがすぐに理性が取り払う。
「あ、あのー・・・ここって道具のレンタルとか出来ますか?」
「はい!低価格でレンタル出来ますよ!」
「あ、はい。えーと・・・・それじゃあ・・・・」

* * *

「そして、今に至るわけか・・・」
ジャグラーの格好はテンガロンハットにマント。
荒野や砂漠では違和感はないだろうが、街、ましてやライモンのような街では違和感しかない。
彼はカバンも借りており、そのなかにはミュージアムで使うおもちゃの剣と盾、予備のマントとテンガロンハットしかない。
余談だが、レンタル料は後払いで払うことにしている。

「まあ、せっかく憧れのポケモン世界にきたんだ。楽しませてもらおうか!」
そう言うと、ジャグラーはライモンの街を駆け回り始めた。

2011/09/03 Sat 00:25 [No.621]