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Re: ドリームメイカーズ4最終回先行公開!

池田

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「さて……こうやって、アンタをこっち側に連れてきてる間に、アタシの手下の男がアンタのパパを犯してるよ。アンタのママの目の前でね。ついでに、不倫してる時のいろんな写真とかも、プレゼントしてるはず。これで……アタシの復讐は終わり。後は、アンタを現実に戻してやるからさ。この世界で死んだら、向こうに戻るんでしょ?だったら、後はアンタを殺したら……全部終わり」
「ちょ……ちょっと、待って」
 全てを話しきった真白に対し、スイレンは言った。
「アンタ……エンディングで何言ってンの!?」
「あ?」
 それは、余りにもごもっともなツッコミであった。
 ヤグルマは倒れた。その機を狙い、組織を乗っ取った秋葉と空色も倒した。残党を率いてラスボスとなったゆなをも、ついに打ち倒した。そう、今は、ラスボスも裏ボスも真のラスボスも倒した後の、トゥルーエンドともいうべきエンディング。最後の最後に語られるエピローグなのだ。
 どう考えても、全ての真相が明かされたり、真の黒幕が出てきたり、主人公との不快因縁が明らかになったりするタイミングではない。もしそういうのがあったとしても、空気を読んで、『なかったことになった伏線』として闇の中へと去るべきなのである。
 そんなところに、このキュレムは、しゃしゃり出てきたのだ。
「アンタ、マジで意味分かんないんだけど。もうこれ、あと数行で終わるよ!?どうやってまとめる気!?」
 焦るスイレンに、真白は躊躇わず、言い放つ。
「そんなもん、アンタに決まってんじゃん!主人公なんだから!」
「は……はいぃ!?」
 もはや、ムチャぶりどころの話ではない。ここまでの物語と同じだけの分量を割いてもまだ語り切れないかも知れない程の風呂敷を勝手に広げ、それをおしつけられたのではたまったものではない。
 しかし、スイレンが主人公であるのは確かだ。その、動かしがたい事実がある異常、この理不尽とも言える要求に答えるしかない。
「仕方ない……」
 ため息を付いてから、スイレンは、凛々しい表情に変わった。キャラに入ったのだ。
「アルビノ……私には、あなたの哀しみを理解出来ない。だから、私がそれを受け止めてあげることはできない……けれど、その哀しみを終わらせることはできるの!!」
 語尾までばっちり決めながら、スイレンは姿勢を低くした。跳びかかる準備……戦闘態勢に入ったのだ。
「いいね……終わらせてみせてよ、この呪いを!!でも、あなたを待つのは、どの道絶望よ!」
 アルビノもまた、先ほどまでとは違う口調で、スイレンに応える。どうやら、普段はこういうキャラで行ってるようだ。
 姿勢を低くした二人は、叫ぶ。
「「はっ!!」」
 気合の一声と共に、跳び上がった二人は、ツノと頭を衝突させた。
 その刹那、同時に叫ぶ。
「「全てを終わらせる!!」」
 今……決着の時!!
「「ラストバトルを……踊ろうぜ!!」」
 ラストバトルは始まった。この戦いの決着は、神のみぞ知る。そして、この戦いをもって、ドリームメーカーの数奇なる物語は幕を閉じる。
 だが、人々は忘れない。己自身を、戦いの中に投じた者たちは、その戦いを見ていた者たちは、決して忘れない。
 夢の作り手達の、物語を!

                  ご愛読ありがとうございました!
                  先生方の次回作にご期待ください!

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音声ファイルは、イヤホンを片方だけ入れて訊いてね!

2011/09/16 Fri 21:16 [No.696]