Net4u レンタル掲示板を作る

  1. [582] ここでは自由にドリメのプロローグを投下しても構いません次回作ドリメ プロローグ用スレッド ゆとり 2011/08/26 21:37
    1. [583] テキストファイルで失礼。

      スイレンプロローグ
      http://pokemonfiles.web.fc2.com/dream_makers/prologue_suiren.txt

      ラプージャプロローグ
      http://pokemonfiles.web.fc2.com/dream_makers/prologue_laplas.txt
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      海の神竜ラプラス 2011/08/26 21:40
    2. [588] そこは多くの家が並ぶ住宅街だった。道路が真っ白で、3階建ての家がずらりと並ぶその町を初めて見る人にとっては綺麗だなと感じるかもしれない。
      そしてその町の中の噴水がある広場に一匹の眼鏡をかけた生き物がいた--

      (ここは・・・・・・どこ?)
      その生き物はこう疑問に感じていた。
      (一体どこなんだろここ・・・・・・。さっきまで電車の座席に座って携帯の  ・・・・ >> 続き
      一つの冒険の始まり
      ゆとり 2011/08/26 23:46
      1. [598] そしてゆとりは歩き出した。が、すぐに違和感を感じた。
        彼女がそう感じた理由としてひとつは、普通に立っているのに目線がありえないぐらい低いこと。そしてもうひとつは、歩き方が何だかいつも歩いているときと違うこと。

        (いったいどういうことなの。もしや、もしかしたら・・・・・・)
        ゆとりは大きな不安を抱えながら顔を下に向けた。すると黄色の小さな鳥のような足が見  ・・・・ >> 続き
        Re: 一つの冒険の始まり
        ゆとり 2011/08/27 23:27
    3. [594] そよ風が優しくなびき、川も穏やかに流れている青空の下… 森の手前に立っている立て看板には人間が書いたと思われるような字で『〜6ばんどうろ〜』と書かれている。
       一匹の“ラッコポケモン”がパタパタと川沿いに走りながら、周りをしきりに見渡していた。その小さな右手には青く丸いきのみを抱えている。

      「おーい、こっちだよー! この先に進めばホドモエシティへ出られるはず!」> 続き
      旅立ちの風… 奇遇なる“交錯”!1 (マコリル&シェイクス=プロログス)
      Makoto 2011/08/27 22:13
      1. [595] ――――――――――――――――――――

         遠い意識の中…… どこからともかく、声が聞こえた……。
         その最中、聞き取れたのは確か、こんな言葉だった。

         『あなたをポケモンだけの世界へ導きます』

         『ドリームメーカーズが、人間の世界へ干渉してくる前に』

         『あなたたちがそれを阻止して、世界を救ってくだ  ・・・・ >> 続き
        旅立ちの風… 奇遇なる“交錯”!2 (マコリル&シェイクス=プロログス)
        Makoto 2011/08/27 22:15
        1. [596] ――――――――――――――――――――

          「ねぇ、キミ? 大丈夫?」
          「…………」

           誰かが僕を呼びかけてる。鈴のように高い声……子どもの声みたいだ。

          「ねぇ… 起きてよ、起きてってば」
          「…………うぅ……」

           今度は体を揺さぶっているようだ。それも、強く力を込めてユサユサと。
             ・・・・ >> 続き
          旅立ちの風… 奇遇なる“交錯”!3 (マコリル&シェイクス=プロログス)
          Makoto 2011/08/27 22:19
          1. [597] 「そうだ、自己紹介がまだだったね。ぼくの名前はシェイクスっていうの。よろしくね!」
            「僕はマコトだよ。えっと… シェイクスくん、さっきは起こしてくれてありがとね」
            「へへ、どういたしまして。それと、ぼくのことは呼び捨てでいいよ? “よぉ、シェイクス”って感じでさ」
            「それだったら、僕のことも同じくでいいよ。その方がお互い呼びやすいでしょ」

             自己  ・・・・ >> 続き
            旅立ちの風… 奇遇なる“交錯”!4 (マコリル&シェイクス=プロログス)
            Makoto 2011/08/27 22:20
            1. [599] 音楽が好きだ。
               俺の周りには常に音楽が流れていた。親父も、母親も音楽家というわけじゃない。でも音楽が好きや。おそらく遺伝子やろ。最初は子どものための歌。次はポップス。洋楽、ロックと来て今はR&B。音楽を聞いている時の俺は普段とは何か違うものがあった。なぜか、それを考えたことはないんやけど。
               音楽を聞いている時の俺が自然体。そして歌っている時の俺は進化形。自分に酔っていると言  ・・・・ >> 続き
              大阪かヒウン、どっちが都会やと思う?
              あんびしゃん(氷河期の賢者 2011/08/27 23:42
    4. [601] 助けてください

       簡単な文章、開けば青い文字、もといURS。

       ………………カチッとな。

       暗転、ならぬ白転。

        * * *

       優しい風が吹く。さわさわと木の葉がすれ合う音。心地よいぬくもりの日差し。
       まどろむ目をこすり、上を見る。青い空に白い雲、なるほど、自然は素晴らしい。  ・・・・ >> 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      椎名 2011/08/28 21:27
    5. [605] 「…………さてと、そろそろ思考を現実に戻そうかな」

       そんな事を呟きながら私はゆっくりと閉じていた目を開き、もう一度周囲に視線を向けた。
       相も変わらずどこかの百貨店内の映像が目から入り込み、脳内で『これが今見ている光景だ』という情報が嫌でも正確に処理されていく。

       テンションに流されずにじっくり思案する性格ゆえか、友人から良く『お前の思考はプ  ・・・・ >> 続き
      電脳戦士の異邦人
      サントアンヌ号 2011/08/31 00:50
      1. [606] そんなとんでもない失態をやらかしてしまった自分の不甲斐なさに呆れたものの、今更あがいてもどうしようもないと判断するや否や、すぐにこれからどうするかと切り替えていける自分は、確かに脳がプログラムの人間かもしれない。
         余談だが、最初に鏡を見て自分の姿がポリゴン2になっていた事に驚愕した時に思考を数分間だけ二次元世界へ飛ばして(正確には『現実逃避』である)いた事は、墓場まで持って行こうと考え  ・・・・ >> 続き
        Re: 電脳戦士の異邦人
        サントアンヌ号 2011/08/31 00:51
    6. [610] とある一室。ゆらりゆらりと頭と手の炎を燃やし、部下が持ってきた情報に彼女は半目気味に尋ねる。

      「……各地に元人間が多数出没、ねぇ。それってマジ?」
      「はい。彼らの行動を観察していった結果、まず間違いなくあなた様方とは異なる元人間でしょう」
      「うち等に関する情報は?」
      「いえ、ほとんど知らない状況のようです。……どうします?」

      > 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      ゆな 2011/09/01 23:01
    7. [613] 時計を見れば、すでに日付は変わっている。そうか深夜か。
       ただ、眠りについて『今日』を終わらせることがなんとなく惜しいので、コーヒーを一口。ぬるくなってしまった。
       立ち上げたばかりのディスプレイに視線を向け、メールボックスを起動させると、受信箱に三件。
       一件目、まあおなじみの通販会社。なんらかのキャンペーンが始まったらしい。削除。
       二件目、同窓会のお誘  ・・・・ >> 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      椎名 2011/09/02 20:50
      1. [620] 「本当に俺はポケモン世界に来たのか・・・?夢じゃないのか・・・?」
        イッシュ地方、ライモンシティ。
        遊園地にミュージカルにスポーツ場にジムと言った、テーマパークのような街。
        そんな街に、ある一匹のルカリオ。
        彼―――ジャグラーは、ライモンシティを見て呆然とする。
        何故なら彼は元人間。このポケモン世界の住人でも何でもないのだ。
        そんな彼が、  ・・・・ >> 続き
        放浪者現る
        ジャグラー 2011/09/03 00:24
        1. [621] 「じょ、冗談だろ・・・。こんなの聞いてねえぞ・・・」
          やがて、彼の体から意識は消えていき・・・彼の目の前は真っ暗な闇に包まれていった――――

          『あなたをポケモンだけの世界へと導きます……』

          ――は?ちょっと待ってくれよ。何を唐突に・・・。

          『ドリーム・メーカーズを……彼らの暴走を……』

          ――ドリーム・  ・・・・ >> 続き
          Re: 放浪者現る
          ジャグラー 2011/09/03 00:25
          1. [626] ・ヤグルマが謎の人物アルビノからの依頼を受けてポケモン世界に設立した組織。その目的はポケモンのいる世界を現実にする。
            ・正式名は「DreamMakers」 計画名は「ドリームメイカーズ計画(proj.DreamMakers)」
            ・目的を実現する手段は、アルセウスかジラーチに願うためプレートやうたごえのいしを集めることだろうが、そこは本編では一切触れない。
            ・ヤグルマが  ・・・・ >> 続き
            敵組織ドリームメイカーズについてとその他の設定
            あきはばら博士 2011/09/03 22:47
            1. [627] ドリームメイカーズ。
               とあるきっかけからヤグルマが人間世界でオンの知り合いに声を掛けて有志を募り、彼らにメールで異世界アクセスプログラムを伝えることで構成メンバーを集めて、ポケモンのいる世界を現実に変えるべくポケモン世界を拠点として活動をする組織である。そのため元人間のポケモンが中心となっている。
               ポケモン世界にどうこうして害を及ぼす組織ではないため知名度は低い謎の組織で、  ・・・・ >> 続き
              そして矢車が動き出す
              あきはばら博士 2011/09/03 23:05
            2. [628] 「見事だ」

              DM本拠地、最後の部屋、そこにヨノワールのヤグルマはたった独りで静かに佇んでいた。

              「よくぞここまで来たものだ。ここまでの道筋は艱難辛苦の道だっただろう、ゲームの中でしか無かったポケモンバトルもお前達にとっては未だに慣れないものだと思う。ゲームみたいにたった4つのワザから1つだけ選んで指示を出すという甘いものじゃない、一秒一秒を争う剥き出しの  ・・・・ >> 続き
              最後の…
              あきはばら博士 2011/09/03 23:19
              1. [630] (これで良しっ)
                スイレンは素早く地面を前に蹴ってバックステップをする。
                相手の回復手段が限られているからあの時の戦いのようにやどりぎのたねを植えつければ回避と回復に徹していれば良い、例え鬼火と毒々を使われてもアロマセラピーがある。
                「あ、れ?」
                十分な距離を取るための2回目のバックステップはうまく決まらなかった、まるで着地直前に相手に引き寄せられたかのよう  ・・・・ >> 続き
                最後の…
                あきはばら博士 2011/09/03 23:20
                1. [631] そこに一筋の水流がヤグルマとスイレンの間を貫いた。

                  「スイレンさん!」
                  「マコトさんっ!」
                  スイレンが入り口を見るとそこにはマリルのMakotoが立っていた、スイレンは力を振り絞り立ち上がり、改めてよく見ると、彼はボロボロで先ほどまで繰り広げされていた激戦の跡が見て分かる。
                  「加勢ですか、ふっ 構いません、いいでしょう掛かって来なさい」
                  > 続き
                  これはいくらなんでもあんまりです。
                  あきはばら博士 2011/09/03 23:25
            3. [632] クルーザは自称最速である。
              いや、言い直そう。
              クルーザ様は自称最速である。
              彼は昔から何事も一番でなければ気がすまないタチで、小さいときは片っ端から勝負を挑み続けて、どんなことでも一等を取るまでは絶対にあきらめず、何度も何度もチャレンジをしていた。
              とにかく負けず嫌いで、現在ではだいぶまるくなったと本人も思いかえすが、その本質は変わってない。
              そ  ・・・・ >> 続き
              俺様の新たな最速伝説の始まり
              あきはばら博士 2011/09/03 23:37
    8. [634] 「すげーな……ホントにポケモンになってんのか」
       自分の両手を見ながら、ミュウツーが呟いた。
       彼は、バトーというHNを名乗る人間。他の元人間と同じように、プログラムを用いてこの世界にやってきたのだ。
      「さて、どうするかな……」
       ポケモンの世界に行って、ポケモンになれる方法がある。そんな噂を聞き、ネット上に拡散していたurlを踏んで来てみたのはいいものの、  ・・・・ >> 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      池田 2011/09/04 00:06
      1. [639] ※テーマ曲のなかにはニコニコ動画の曲もあります。
        もしアカウントを持っていない場合、その動画の名前だけをコピペしてにこさうんどで入力すると聞けます。
        なお、次回作設定スレの方に投稿されているキャラにのみ反映しています。ご了承ください。(他の方が投稿したら追加することもあります)
        敬称略、お許しください!

        DMのテーマ
        www.youtu  ・・・・ >> 続き
        テーマ曲考えてみた(仮)
        ジャグラー 2011/09/04 22:15
    9. [643] 雪の塊の上に眠りこけているのは、一匹のユキメノコ。
      周りは巨大な氷柱に囲まれているが、その中に閉じ込められているのは――

       「……ふが」

      ――と、不意に彼女から寝息混じりの寝言がこぼれる。
      そんな彼女が眠っている雪の塊……と言っても新雪であり、ふかふかの布団と似た感触。
      そう、この眠っているユキメノコは感想を述べていたようだ  ・・・・ >> 続き
      赤ずきんは嗤う、
      いぬ 2011/09/05 23:05
      1. [644] 柔らかな陽射しが降り注ぐ雲海にポツリと顔を覗かせる、タワーオブヘブンのその頂上。
        無機質なタイルの上で、一匹の白い生き物が何やら小さな機械を片手に呟いていた。

        「――えっ、元人間? そ、それはどういう意味ですか?」
        『申し上げた通りでございます。貴方達とは別の存在とみられる、多数の元人間の出現が、確認されました』
        「……わあ」
        『感嘆し  ・・・・ >> 続き
        Re^2: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
        空色 2011/09/05 23:22
    10. [650] 東方原曲で当て嵌めてみました。
      まだまだあなだらけ。

      .

      スイレン: www.youtube.com/watch?v=NxFQEJF4fPk&sns=em
      ヤグルマ: www.youtube.com/watch?v=8EUeYkXnkYw&sns=em
      アルビノ: www.youtube.com/watch?  ・・・・ >> 続き
      便乗
      いぬ 2011/09/06 01:51
    11. [652] 顔に「疲れた」と書いてある様に、学校からグッタリと帰ってくるとノートパソコンを起動させる。
      そして、スカイプを開いてオンラインしている一人の親友と会話をする。
      宿題なんか忘れて親友とネットを使い話しをする、それが最近、私の日常へと化して来ていた。
      親友と呼べる彼女と会話をしていると、疲れなんて吹き飛ぶ気がする。
      彼女はマイペースなのか、いつも威勢の良い返事を  ・・・・ >> 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      フィリット 2011/09/06 21:39
    12. [664] この光景はある意味夢のようだと、スイレンは思う。いや、ポケモンになってからも夢のようだと思った事はあった。だけどそれは驚きという意味合いであり、目の前にあるのはそういう意味じゃない。言うなれば御伽噺に近い。
       ライモンシティにたどり着き、興味が湧いて入ってみたポケモンミュージカル。今、自分はその観客席に座ってミュージカルを眺めていた。舞台の上では西部を連想させる衣装を身につけた見知らぬル  ・・・・ >> 続き
      夢の世界とは(途中)
      ゆな 2011/09/11 23:14
      1. [665] だが元人間以外では数少ないこちらの世界で仲良く出来そうなポケモンに出会えたのだ。これで会話を終わらせたくないと思い、スイレンはミュージカルに顔を向けたシャンデラに別の話題を吹っかける。

        「ねぇねぇ、そんなシャンデラのお勧めはある?」
        「お勧め? 強いて言えば、このミュージカルそのものかな」
        「ミュージカルそのもの?」

         目だけ己に向け  ・・・・ >> 続き
        Re: 夢の世界とは(途中)
        ゆな 2011/09/11 23:15
        1. [666] 偶然あのときのログを保存していたので参考にアップします。
          執筆の手助けにしてください

          「おぉぉ……! うわぁ、凄い……。本物のミュージカル、こんなに綺麗だったんだ……」
          「そーだよ。ここのミュージカル、中々でしょ?」
          「え? ……うわっ!?」
          「人を見て驚かないでほしいな、うちはただのシャンデラだよ。同じ観客同士じっくり眺めようじゃない  ・・・・ >> 続き
          Re^2: 夢の世界とは(途中)
          あきはばら博士 2011/09/11 23:21
          1. [668] 「正義の反対は何か、分かりますか?」
            メガネを付けたルカリオが、目の前のマニューラに問いかける。
            「正義の反対・・・悪、でしょうか?」
            マニューラがルカリオの問いに答える。
            マニューラの答えを聞いたルカリオは、机の上に置いてある紅茶を飲み、再びティーカップを机に置く。

            「違いますよ、アイシス。正義の反対はまた正義。悪なんて存在しないので  ・・・・ >> 続き
            哲学者と暗殺者
            ジャグラー 2011/09/12 01:07
        2. [685] スイレンはその顔につられて、彼女の夢を肯定した。

          「素敵な夢だね」
          「ありがとさん。……夢が現実になる時は多分遠くないと思う」
          「え、そうなの?」
          「うん。それを目指してる人が色々いるし、結構実現も近いんだよ。まっ、最悪の場合うち一人になってもやり通すけどね。でなけりゃ、何の為に頑張ってきたんだって思うもの」
          「……すっごい叶えたいんだ  ・・・・ >> 続き
          Re^2: 夢の世界とは(途中)
          ゆな 2011/09/15 00:44
          1. [686] 連れられる形でミュージカルの外に出た後、すぐ傍の路地裏に入ったシャンデラをスイレンは追う。あの華やかな舞台から打って変わり、人が見向きもしない暗い場所だ。
             こんなところで話す理由が分からず、スイレンが己に背を向けるシャンデラを見つめる。するとシャンデラは立ち止まり、そのままの状態で名乗った。

            「そういえば自己紹介が遅れたね、うちの名前はゆな。あんたの探しているドリ  ・・・・ >> 続き
            Re^3: 夢の世界とは(途中)
            ゆな 2011/09/15 00:45
            1. [688] だけど、スイレンはその答えを口にしようとしなかった。

              「……かない。……いくもんか……」

               恐怖でがくがく震える体に鞭を打ち、弱々しくも声を出す。それは生まれたての赤子のように頼りないものであるが、それでもゆなの耳には聞こえていた。
               スイレンは感覚と知識で目の前の炎の化身に「負ける」と理解している。でも、だからって命惜しさに何もせずに従えるほ  ・・・・ >> 続き
              Re^4: 夢の世界とは(途中)
              ゆな 2011/09/15 18:23
    13. [669] ー無くて七癖、という言葉がある。

      人は誰でも多かれ少なかれ何らかの癖を持っている、という意味である。

      一人の青年が部活から帰ってきて無意識にノートパソコンを開くのは癖の一つだろう。
      そのパソコンのインターネット画面のタブがいくつも開かれてるのもよくある癖である。
      パソコンの画面を見ながらいつのまにか咥えている鉄の棒は多分珍しい癖だろう  ・・・・ >> 続き
      無くて七癖!(書きかけ
      TS・サジタリウス 2011/09/13 01:05
    14. [671] とりあえず書いてみました

      『助けてください』

      「……あんじゃこりゃ?」

       それから数分後、僕の奇妙な運命が動き出す――

       亜雲AZプロローグ【俺様と女狐と僕惨状】

       彼は亜雲AZ。どこにでもよくいそうな高校生だ。今日も学校が終わり、さっさとパソコンをつける。最近は某魔法少女や仮面騎士だのを  ・・・・ >> 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      亜雲AZ 2011/09/13 21:19
    15. [674] 「大きくなったら何になりたい?」
      「あのねわたしはおはなやさんになる!!」
       だって花が大好きだから!!

       目が覚めるとさっき休憩しようと降り立ったところだった。そうか、うたたねしてたのか……あんな夢もう語れるほど私は幼くないわ……こっちに来たことよりは現実味あるかも知れないけど、そのうちそうとも言っていられなくなるよね。うん。
       こっちに来て地  ・・・・ >> 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      仙桃 朱鷺 2011/09/14 13:01
    16. [675] 「ららら、ららら、らららっらー」

       ちゃんと言葉になった歌詞でも歌えばいいのだが、彼女が口ずさんでいるのは見事に「ら」の一文字だけだった。
       彼女は廊下を歩いて行く。六つに分かれてボリュームを増した金色の尾を揺らして、足音も立てずに四足歩行で廊下を歩いて行く。
       歩く度に、首にかけられたペンダントが揺れる。金色の毛並と対照的になるような銀色である。
      > 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      ロサラ 2011/09/14 16:56
    17. [684] 自分はよくこう言われる。
      「せっかち」「おっちょこちょい」「怖いもの知らず」

      ――いっつも何でだろう、って思ってたのだけど

      「…嘘」

      ――自分の性格をちょっとだけ理解した気がした………

       * * *

      私には、小学校からの親友が居る。
      六年生の時転校してきた私に、一番に話  ・・・・ >> 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      まかろん 2011/09/15 00:27
    18. [687] 「…へぇ。で、詳しい事は聞かなかったのかよ?」
      「聞きましたですでふよ」
      「教えてくれよ」
       そう尋ねると、ロサラは素早くケイタから目を逸らした。

      「………? おーい?」
      「…聞いたことは聞いたんですけど、ややこし過ぎて私の口から完璧に説明できる自身はありませんでふ」
      「なんだそりゃぁあぁぁ!!!」
       まったく持って  ・・・・ >> 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      ロサラ 2011/09/15 07:01
    19. [689] 「ふー、今日も一日頑張った!ただいまー!」

      学校から帰り、玄関で気の抜ける声をあげる少年がいた。

      「さて、更新されてるかなー?」

      彼の名はリーオー。
      掲示板『ポケボード』に入り浸る、一応中学3年生である。
      仮にも受験生とはとても思えない能天気さだが。

      「…ん、何だこれ」

      > 続き
      Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド
      リーオー 2011/09/15 18:53

[ 編集 ][ 返信 ]次回作ドリメ プロローグ用スレッド

ゆとり

ここでは自由にドリメのプロローグを投下しても構いません

2011/08/26 Fri 21:37 [No.582]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

海の神竜ラプラス

テキストファイルで失礼。

スイレンプロローグ
http://pokemonfiles.web.fc2.com/dream_makers/prologue_suiren.txt

ラプージャプロローグ
http://pokemonfiles.web.fc2.com/dream_makers/prologue_laplas.txt

2011/08/26 Fri 21:40 [No.583]

[ 編集 ][ 返信 ]一つの冒険の始まり

ゆとり

そこは多くの家が並ぶ住宅街だった。道路が真っ白で、3階建ての家がずらりと並ぶその町を初めて見る人にとっては綺麗だなと感じるかもしれない。
そしてその町の中の噴水がある広場に一匹の眼鏡をかけた生き物がいた--

(ここは・・・・・・どこ?)
その生き物はこう疑問に感じていた。
(一体どこなんだろここ・・・・・・。さっきまで電車の座席に座って携帯の画面を眺めてたのに・・・・・・)

彼女はこのような事態に焦っていた。しかし、ふとこんなことを考えた。
(もしかしたら・・・・・・あのURLにクリックしたのがいけなかったのかなぁ)
その生き物は、思い返していた。少し前にやった行動全てを----

------------
(さてと、どんなことが書かれてるんだろうか)
一人の眼鏡をかけた制服姿の少女は下りの電車の座席に座りながら、携帯でポケボードというサイトを開いた。
そのサイトは彼女が毎日欠かさず訪れているサイトの一つである。
そこで彼女は【ゆとり】というHNで言葉遊びをしたり、キャラを作って投稿したりするのだった。
彼女の携帯からでは残念ながら投稿は出来ないものの、毎日そのサイトを見ていた。

しかし早速小説運営・感想専用の板--ラティオス部屋を開いたものの、一番上に【助けてください】の題名のスレッドが。
(【助けてください】? 変なタイトルだなぁ・・・・・・)
彼女はそう思いつつそのスレッドを開いた。が、一つのURLが貼ってあるだけ。
何処にも作品の大まかな内容や、キャラ募集用のテンプレなんて書いてなかった。
(なんだ、ただの荒らしか)
そう思いつつクリアボタンを押そうとした。しかし、このURLをクリックすると何処に繋がるんだろうという疑問と好奇心が次第に高まっていった。

(まあウイルスをばらまくようなあくどいサイトだとしても、これ携帯だから大丈夫だろう。まあ、これがグリーン姉さんやモタ男みたいなグロ画像に繋がってたら泣くが)
そしてグロ画像対策として薄目になってから、迷うことなくすんなりとそれをクリックした。しかし数秒後、彼女の姿は電車の座席から消えていた----

------------
----そして今に至る。
(やっぱあのスレッドをクリックしたのがいけなかったんだ・・・・・・)
ゆとりは深く後悔していた。軽々しくURLをクリックした事に。
(まあ、とりあえず歩こう。歩けば何とかなる)

2011/08/26 Fri 23:46 [No.588]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 一つの冒険の始まり

ゆとり

そしてゆとりは歩き出した。が、すぐに違和感を感じた。
彼女がそう感じた理由としてひとつは、普通に立っているのに目線がありえないぐらい低いこと。そしてもうひとつは、歩き方が何だかいつも歩いているときと違うこと。

(いったいどういうことなの。もしや、もしかしたら・・・・・・)
ゆとりは大きな不安を抱えながら顔を下に向けた。すると黄色の小さな鳥のような足が見えた。
そして一つの疑問が彼女の心の中から思い浮かびあがった。
彼女は俄かには信じたく無いものの、その広場にある小さな池で彼女自身の姿を確認してみた。
水面に映っていたものは、手と呼べるものがなく、かわりにふさふさとした黄色い羽毛、朱色の体、頭のてっぺんについていた朱と黄のトサカ・・・・・・。
(そ、そんな・・・・・・さすがにありえない・・・・・・)
その姿は彼女が全てのポケモンの中で一番大好きだった----
(私、アチャモになったんだ・・・・・・)

2011/08/27 Sat 23:27 [No.598]

[ 編集 ][ 返信 ]旅立ちの風… 奇遇なる“交錯”!1 (マコリル&シェイクス=プロログス)

Makoto

そよ風が優しくなびき、川も穏やかに流れている青空の下… 森の手前に立っている立て看板には人間が書いたと思われるような字で『〜6ばんどうろ〜』と書かれている。
 一匹の“ラッコポケモン”がパタパタと川沿いに走りながら、周りをしきりに見渡していた。その小さな右手には青く丸いきのみを抱えている。

「おーい、こっちだよー! この先に進めばホドモエシティへ出られるはず!」

 白と青、水色の服のような体毛を持つ、その“ラッコポケモン”――ミジュマルは、一旦立ち止まると後ろに向かって手を振りながら大きく呼びかけた。

「今行くよー! ちょっと待っててー!」

 ここで、後ろからもう一匹の青の体毛に覆われた風船のような“みずねずみポケモン”――マリルが返事を返しながら手を振って合図しているミジュマルの下へ駆けつける。
 右肩に収穫したきのみを入れるためのバッグを掛け、両手に黄色い梨みたいなきのみとサクランボのように葉っぱが付いたきのみ、それぞれを抱えながら。
 彼らは、奇跡的に出会った交錯するはずのないポケモンたちだった。一方はこの世界に元々住んでいるポケモン、もう一方は別次元からやってきたイレギュラー――“元人間”なのである。
 事の発端は…… 今から少し前の時間に遡る。

――――――――――――――――――――

「今日も更新されてない、か……」

 いつものように、PC画面の中の《ポケボード》の部屋を見回して、メガネの少年はゆっくりとため息をついた。

「まぁ別にいっか。人にもそれぞれ予定があるんだろうし」

 左腕にピカチュウとピチューが描かれている黄色のリストバンドをつけた少年は、マウスを持って、カチカチと別々の掲示板を切り替えていく。
 この少年――マコトもまた、ポケモン二次創作サイト《ポケ書》に通っているユーザーなのだ。ちなみに、本来のハンドルネームはMakotoである。

 元々、可愛いポケモンが好きな彼は、その多彩に描かれているイラストやアイコン、小説等に感銘を受けて以来、暇な時間を見つけては、よくここに通っているのだ。

「また変なスレッドが立ってるなぁ……。これで6つ目だぞ?」

 しばらく切り替えをしていた所で、マコトは、ふと一つのスレッドに目を止めた。

      『助けてください』

 タイトルにはそれだけしか書かれていない。何となく怪しい。
 実はポケボードを見て回っている際に、何とこのタイトルのスレッドが一部屋ごとに立てられていたのだ。これでは住人たちが迷惑するばかりだというのに。

 しかし……普通はこういった荒らしまがいの物に立ち入ることは好ましくないとは分かっていながらも、生まれつきの好奇心の前には、理性は何かと簡単に打ち負かされてしまうものだ。

 マコトは、確かめてみたいという心の声に身を任せ、そのスレッドをクリックして中を調べてみることにした。

「本文も“助けてください”か…… それにしても、短絡的にも程があるでしょ」

 訝しげにそのスレッドの表示されている画面とにらめっこしているマコト。
 わからない、一体何をどう助ければいいのだろうか。言いたい事があるのなら、本文をそのまま書けばいいのに。
 考えていても埒が明かないので、とりあえず左上に目を向けて細かく見てみた。

「あれ? アドレスだけ小さく書かれてる……。dreammakers……『ドリームメーカーズ』……。夢の作り手?」

 試しに、幾つか呟く形で読み返してみた。しかし、特に何も起こらない。

「ふぅむ… ちょっと見てみよっかな?」

 ゆっくりと深呼吸を重ね、マウスのカーソルをURLの上にそろそろと持ってくる。
 一回リンクをクリックしてみて、もし変なサイトに行きついたらそのブラウザを閉じればいい……マコトはそう思うようにしていた。
 しかし、この決断が危険な道しるべを辿る事になろうとは。そして――

「1、2の… 3! それっ!」

 カチッ! 問題のURLを―― 押してしまった。

「あ、あれ? 何か、体中の…力が……抜け…て……?」

 マコトは、目の前が寸断されたかのように暗くなるのを感じた。
 そして、少しずつ意識が遠ざかって行き…… やがて完全なる闇へと落ちて行った――

2011/08/27 Sat 22:13 [No.594]

[ 編集 ][ 返信 ]旅立ちの風… 奇遇なる“交錯”!2 (マコリル&シェイクス=プロログス)

Makoto

――――――――――――――――――――

 遠い意識の中…… どこからともかく、声が聞こえた……。
 その最中、聞き取れたのは確か、こんな言葉だった。

 『あなたをポケモンだけの世界へ導きます』

 『ドリームメーカーズが、人間の世界へ干渉してくる前に』

 『あなたたちがそれを阻止して、世界を救ってください』

 『お願いします……助けてください……』

 僕は、その話を少しずつまとめようとする間もなく、自分の体がどこかへ飛ばされているのを感じていた……

2011/08/27 Sat 22:15 [No.595]

[ 編集 ][ 返信 ]旅立ちの風… 奇遇なる“交錯”!3 (マコリル&シェイクス=プロログス)

Makoto

――――――――――――――――――――

「ねぇ、キミ? 大丈夫?」
「…………」

 誰かが僕を呼びかけてる。鈴のように高い声……子どもの声みたいだ。

「ねぇ… 起きてよ、起きてってば」
「…………うぅ……」

 今度は体を揺さぶっているようだ。それも、強く力を込めてユサユサと。
 うるさいなぁ……。もうちょっと……寝かせてよ……

「……起きろー! <みずでっぽう>!」
「わああぁっ!?」

 バシャッ!! 水の冷たさを真っ向から感じた僕は、慌てて飛び起きた。

「ケホッ、ケホッ!?」
「あ、気が付いた! よかったぁ〜!」

 水をかけられてまだ驚いている僕をよそに、ラッコのような体をした小っちゃな子どもは歓喜の声を上げていた。
 いきなり浴びせられた方はたまったものではない。水打ちにはいいかもしれないけど。

「ちょ、いきなりひどいじゃないか! 何も悪いことしてないのに」
「う…だ、だって……。目の前で倒れてるキミを放っておけなかったんだもん……」
「……ゴメン、今のは僕が言い過ぎたよ」

 思わず声を大きく上げてしまった僕。と、さっきまでの元気が萎れて、泣きそうな顔をしてうなだれる男の子を見て、自分の大人気なさに気づいて反省、何とかなだめすかした。その際に、泣いてる子どもの顔も可愛いなと思ってしまったのは、さておき……。
 とりあえず、一先ず落ち着こう。それに、ここは見慣れた風景じゃないことには間違いは無さそうだ。

「僕、一体どうしてたの? ここは、どこ……?」
「キミ、ここで倒れてたんだよ? “でんきいしのほらあな”に通じる、6ばんどうろの一軒家の前で」
「そうなの…か……」
「大丈夫? ごめんね、もしかしてぼくの<みずでっぼう>の打ち所が悪かった?」
「ううん、そんな事ないよ。大丈夫だ、ちょっと眩暈がしただけ…」

 ようやく目の前の視覚が戻ってきた。しかし手を伸ばそうとすると、妙な違和感を感じる。
 いや、それ以前に…… 僕って、こんなに目線が低かったっけ?

2011/08/27 Sat 22:19 [No.596]

[ 編集 ][ 返信 ]旅立ちの風… 奇遇なる“交錯”!4 (マコリル&シェイクス=プロログス)

Makoto

「そうだ、自己紹介がまだだったね。ぼくの名前はシェイクスっていうの。よろしくね!」
「僕はマコトだよ。えっと… シェイクスくん、さっきは起こしてくれてありがとね」
「へへ、どういたしまして。それと、ぼくのことは呼び捨てでいいよ? “よぉ、シェイクス”って感じでさ」
「それだったら、僕のことも同じくでいいよ。その方がお互い呼びやすいでしょ」

 自己紹介してから打ち解けるまで、それほど時間はかからなかったようだ。なんだろう、こうやって話してると自然と温かくなってくる。そんな気がした。

「ここら辺じゃ見かけないポケモンだから、ぼく友達になれてうれしいよ!」
「ハハ、それは僕も同じ――ポ、ポケモン!?」
「どうしたの? キミ、どこから見てもマリルの姿だよ?」

 シェイクスの何気ない一言に、突然現実に引き戻された僕。
 ちょっと待て… じゃあ、これってもしかして!? 僕は川の方へ無意識に走っていた。今思えば、慌てふためいていて気が動転していたのは覚えている。
 そして水面の映る自分の姿を見て――確信した。

「本当だ…… 僕、みずねずみポケモンの、マリルになってる……」

 夢なのかと思って一度頬をつねってみたが、その考えは痛みが伝わったことから打ち消した。一度深呼吸をすると、もう一度水面を覗き込む。
 全体的にボールのように丸まった体に、くりっとつぶらな黒い瞳、ちょこんと青く丸い形で立っている耳、白くふっくらしたお腹、風船みたいに青い先端が付いた黒くギザギザに伸びきった尻尾……

「夢、じゃない。僕ポケモンになれたんだ! それに、今僕と一緒にいるのって……」
「ねぇ、マコトー? さっきから川の方ばかり見つめてどうしたの?」

 しきりに水面を見つめる僕を見て、不安そうに声をかけるシェイクス。
 まさかとは思っていたが、ポケモンでよくパートナーとして使っている可愛いポケモンと会えるなんて、夢にも思わなかった。それも、今僕の現実に……

「君、もしかしてだけど… “ラッコポケモン”のミジュマルなの? イッシュ地方の御三家ポケモンの一匹の……」
「そ、そうだけど?」
「やっぱりそうだったんだー! 可愛いよミジュマル、僕の大好きなポケモン! きゃあー、抱かせてぇー!!」
「わわっ、ちょ…! こ、こんな所で恥ずかしいよ……!」
「あぁ、何て幸せナリかぁーッ!!」

 可愛いポケモンを前に我慢できず、気が付くと僕はシェイクスを抱き上げて空の方へ高く掲げていた。今思えば、僕は何てバカな事をしたのだろうか。
 無論、突然の“たかいたかい”に驚いてしまったシェイクスが、もう一度僕に<みずでっぽう>をお見舞いしたのは言うまでもない。

 と、マコトとシェイクスの出会いの場面は、一先ずここまでにしよう……

――――――――――――――――――――

 そして、今に至るという訳だ。
 合流したマリルとミジュマル――マコトとシェイクスは、ふと手に持っているきのみを互いに見つめ合い、クスッと微笑む。それからバッグの中に、収穫されたきのみを次々に入れていった。

「シェイクス、そんなにせかせかしなくても。折角ポケモンになれたんだからさ、もう少し自然を堪能してこうよー」
「何言ってるの、マコトってば。ちょっとでも目を離すと、きのみ取りの事ばかり考えてるんだからなぁ… それに、一度にきのみたっくさん持ってきすぎだよ」
「体が小さいって、結構大変ナリな……。知らないきのみが無いかなーって夢中で探してたら、いつの間にか手元にはこんな風に」
「こういうの“ケンキュウネッシン”っていうんだよね……。まぁ、いつものマコトらしいから別にいいけど」
「他人事みたいに言うなよ、こっちはいっぱい拾いまくっててそれ所じゃないってのに……」

 きのみ拾いをしながらのんびり構えているマコトと、ライモンシティに向けて早く行こうとせっかちになっているシェイクスは互いにそう言って顔をふくらます。言葉ではじゃれ合いながらも、怒ってる様子はみじんもない。

「まぁ、数ではキミには負けてないし、それにスピードだって本気を出せばキミなんかあっという間に追い付けるさ」
「あ、言ったな!? じゃあ、今度かけ橋を越えてく時にどっちが足が早いか競争だ! これでもぼくはいつでも本気なんだから!」
「よし、受けて立とうじゃない! それでこそ僕の良きライバルナリ!」
「絶対に負けないからね…! それじゃあ、よーい、ドン!」

 2匹は互いに顔を合わせてうなずき、走り込みの態勢を作ったかと思うとさっと駆け出して行った。そう、ライモンシティの方へ一斉に。

2011/08/27 Sat 22:20 [No.597]

[ 編集 ][ 返信 ]大阪かヒウン、どっちが都会やと思う?

あんびしゃん(氷河期の賢者

音楽が好きだ。
 俺の周りには常に音楽が流れていた。親父も、母親も音楽家というわけじゃない。でも音楽が好きや。おそらく遺伝子やろ。最初は子どものための歌。次はポップス。洋楽、ロックと来て今はR&B。音楽を聞いている時の俺は普段とは何か違うものがあった。なぜか、それを考えたことはないんやけど。
 音楽を聞いている時の俺が自然体。そして歌っている時の俺は進化形。自分に酔っていると言われればそうなんやろうか。
 俺は歌手になる――歌手になって音楽を届けるんや。多くの人に。

「ヒィイーア!」
 ラップを歌っている俺は、周りが見えない。家ではかなり迷惑なようだが、気にしない。
「静かにしなさい!」
 たとえ母親の怒号が鳴り響こうと。
「黙らんか! 演歌が至高だ!」
 父親がラップを否定しようが。

 俺は音楽を聴き続ける。歌い、奏で。これほど楽しいことが他にあるか。――ないやろ。
「いいよな……歌って」
 一人の部屋で浸っているだけなら誰も文句は言うまい。
 高層マンションの五十三階。大阪市一帯を見渡せるような高さ。ベランダに出る。手元にはスマートフォン。うちの家自体が金持ちだから買ってもらえたもの

 これすごいで。ネットもできるし。マスコミが持ち上げるだけあるわ。
「ポケボードっと」
 音楽サイトをめぐっていたら、ポケモンの主題歌に出会い、おおなかなかいいやんと思ってネットサーフィンしていたらであったサイト、ポケ書。
 俺はポケモンについてはせいぜいルビーサファイヤくらいまでしか知らないにわかやし、このサイトのコンテンツはあまり楽しめるもんではない。
 しかし、このポケ書の掲示板、ポケボード。一般的に雑談やらワイファイやらアンケートやら言葉遊びやらという部屋があるのだが、その中で小説を書く為の部屋というのがある。俺はそこに興味を持ってから、このサイトに通うようになった。今思えばな。
 素人が小説書いて、評価貰えるなんて素敵やん?
 でも、俺は小説を書けない。いや、俺は歌で勝負するし、どうせなら歌の部屋もできたらええのにとか思いながら眺めてるけど、ここ二年でできたことはあらへん。
「歌いたいわ。久々にカラオケ行きたい」
 通天閣は節電中。光らへん。阪神買ったやろうか……
「ん、なんやこれ」
 小説部屋に、タイトルなしのスレッドが立てられている。
「またたちの悪いあの荒らしやろうか。でも、小説部屋に来るのは珍しいなあ」
 そのスレッドは、それ以外の部屋にも。
「なんや、スレッド見てみるか」
 そこには、URLが一行だけ。
「あれ、あの荒らし違うやん」
 俺は画面を下にスクロールしようとして、タッチパネルに触れる。そしてスクロール――やばい。URL押してもうた。これウイルス来るかもしれんで。
 あれ、おかしい眠い。なんでや――

 眠気と呼ぶには穏やかではない指示が彼の脳から出された――

「なんやもう……スマフォ壊れるんちゃうか思うたわ……」
 彼はまず、晴れているということに疑問を持った。彼はさっきまで闇に空間を包まれた夜という世界で生活をしていた。なのにどうして日差しが届いているのだろうと思う。
「あれ、ビルやんこれ」
 彼はベランダにいたはず――なのに道路に横たわっている。
「俺、浮くねんけど」
 彼は浮いている――
「足ないねんけど」
 彼は尖ったもので全身を支えていた。
「腕が氷なんやけど」
 以下省略である――
「これって……どういうことや!」
 彼は近くの窓へと走る。自分の姿を映す。するとそこには――
「アイスやないか……」
 バニラアイスがいた――

2011/08/27 Sat 23:42 [No.599]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

椎名

助けてください

 簡単な文章、開けば青い文字、もといURS。

 ………………カチッとな。

 暗転、ならぬ白転。

  * * *

 優しい風が吹く。さわさわと木の葉がすれ合う音。心地よいぬくもりの日差し。
 まどろむ目をこすり、上を見る。青い空に白い雲、なるほど、自然は素晴らしい。
 空に手を伸ばしてみる。なんか茶色い。そう、夏なの紫外線なの日焼けしたの……あれれーおかしいぞー。

 間。
 さて、いっつしんきんぐたいむ。

 つまるところ、私はすごくもふもふしているようだ。つまりなんか違うものになっている、と。
 ……どうしてこうなった。

「おしおきしちゃうぞっ」

 自分で言って恥ずかしくなったので周りを見渡す。たぶんきづかれてない……?
 そんな冗談はさておき、本当にどうしてこうなったんだろう。思い当たることなん、て……あれ、ある? もしかして、あの変なアドレス?

「……まっさかねー。たかがアドレスでまさかまさか」

 つぶやくと同時に空腹感。そういえばご飯食べてない。
 まあ、どーせひとりなんだから、辺りを偵察してみようか。

「ぃよっしゃ!」

 さて、ここで問題がひとつおこった。
 どうやら、私は木の上にいたらしい。
 しかしそんなことには気づけず、勢いよく立ちあがってしまった。

 ……わぁい。

 数秒後、謎の奇声がこの森――ホワイトフォレストに響いたという。

  ○○○

おおまかにぽちぽち。おっこちたって自前の綿毛で無事なのです。

2011/08/28 Sun 21:27 [No.601]

[ 編集 ][ 返信 ]電脳戦士の異邦人

サントアンヌ号

「…………さてと、そろそろ思考を現実に戻そうかな」

 そんな事を呟きながら私はゆっくりと閉じていた目を開き、もう一度周囲に視線を向けた。
 相も変わらずどこかの百貨店内の映像が目から入り込み、脳内で『これが今見ている光景だ』という情報が嫌でも正確に処理されていく。

 テンションに流されずにじっくり思案する性格ゆえか、友人から良く『お前の思考はプログラムみたいだな』などと冗談に例えられていた事もあったのだが、今の自分がポリゴン2の姿に変わっている事を知ってからは、更に脳内がプログラム化されてしまったのかもしれないと思ってしまう。
 そんな非現実的な出来事に遭遇してしまった事を幸運と呼ぶべきか不幸と呼ぶべきかのボーダーラインも分からぬまま、私はもう一度“あの時”の出来事を回想してみた。

 * * *

「……ん?」

 仕事から帰った後、マイパソがあるプライベートルームでネトゲでの作業が一段落してからビールとツマミで休憩中(オヤジ臭いとか言ったヤツ表出ろ!)、良く行くサイトのページの一つであるポケボードに奇妙なスレが立っていたのを見付けてしまった。

 “奇妙”と言っても、タイトルはシンプルに「助けてください」という新規スレで、中身はURLだけという意味不明なモノだったが。
 しかしそれが全ての部屋にあるというのだから、ある意味“奇妙”という表現がしっくりしてしまう。

 HN『サントアンヌ号』としてそれなりの間このサイトに通っていた自分としては多少気になるものの、“その手の人間”に対してはスルースキルを発動させる事を決め込んでいる性格ゆえに、その問題に対しては放っておく事にした。
 というより運営掲示板があるプクリン部屋では削除依頼がわんさか来ているのだから、わざわざ自分も同じ依頼を出してまで削除要請スレに無駄なレスを増やす必要性が無い、というのが本音であるが。

 あれこれ考えたが、とりあえずもう一度、さっきの奇妙なスレに行ってみる事にした。
 何かしらの変化があるかもしれないという考えもあったが、例のURLをもうちょっと見てみたいという好奇心も多少なりともあったのだ。

 そして例のスレに入ってみたが、未だに存在しているそのURLは、全く変わった様子も無くただそこにあり続けている。
 これが新喜劇のコントだったら『押すなよ、絶対押すなよ!』と言いながらも普通にURLを押してしまうのがお約束であるのだが、あいにくリアルの私にはそんなお約束など無い(というよりそんな疑わしいモノには触れるつもりは無い)ので端から押す気などはゼロだ。

 だがまぁ、世の中には『ケアレスミス』という言葉があったもので……

 本当に自分は押す気などは無かったのだが、マウスの読み込み間違いと言えば良いのかもしれない。
 『戻る』にポインタを合わせようとマウスを左上に動かそうとしたら何故か例のURLの所で止まってしまい、更に運悪く視線は部屋にある液晶テレビの方に向けていた為に気付かなかったのだ。

 後は……説明するまでも無く、そのままクリックしてしまったのである。

2011/08/31 Wed 00:50 [No.605]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 電脳戦士の異邦人

サントアンヌ号

そんなとんでもない失態をやらかしてしまった自分の不甲斐なさに呆れたものの、今更あがいてもどうしようもないと判断するや否や、すぐにこれからどうするかと切り替えていける自分は、確かに脳がプログラムの人間かもしれない。
 余談だが、最初に鏡を見て自分の姿がポリゴン2になっていた事に驚愕した時に思考を数分間だけ二次元世界へ飛ばして(正確には『現実逃避』である)いた事は、墓場まで持って行こうと考えている。

 その後の店内の探索によって判明した事は、今いる場所がどこの百貨店なのかという事。
 その場所なのだが、店の規模と窓の外から見える右手側の鋼鉄製の橋(おそらくシリンダーブリッジだろう)と、左手側に見える古めかしい町(ホワイトバージョンのソウリュウシティだと思う)から推測すると、一つだけ心当たりがあった。

 イッシュ地方の9番道路にあるショッピングモール、『アールナイン』である。

 ただ気になるのはここには店員がいない事なのだが、自分は特に気にしていない。
 むしろ商品が獲り放題な事に喜んでいたりしている。

 まあそんな万引きまがいな事をしていて心が痛まないのか、という意見はもっともだ。
 だが『悪い事をしてもバレなきゃ問題無い』という思考を子供のころから確立していた私にとっては、残念ながら“馬に耳に念仏”レベルのノーダメージである。

 とりあえず某白黒魔法使いの『一生借りるZE!』という言葉で誤魔化しておこうと思う。

 それからリュック(店内で見つけた物)の中に傷薬やら技マシンやらを詰め込み、更にはPCやらライブキャスターも失敬していると、ふと一階で何かの気配の様な物を感じた。

 視線を向けてみた先には、奥の部屋へと続く道がある。
 確か自分の記憶が正しければ、ゲーム版の場合のそこには段ボールしかない部屋だった筈だ。
 しかし今確実に、何者かがいる様な雰囲気を感じたのである。

 本来なら怪しい場所に足を運ぶなどという、そんな死亡フラグまがいの行動などは絶対取らない主義なのだが、今の自分は少し気分が高揚していたのかもしれない。
 加えて手元にはアイテムを大量に所持していた事もあってか、私は迷わず向かう事にした。

 奥の部屋に入ってみたが、やはりゲームで見た様に段ボールだらけの場所である。
 しかしその内の一つから、先程の気配を感じる事が出来た。

 いや、正確には何かの音がする、といった方が適切かもしれない。
 というよりも、この睡眠の障害となりえる様ないびきの音しか聞こえないのだが。

 とはいえ気になるので、その音の発生源である段ボール箱の一つを開けてみた。

 中に入っていたのは……

 ひょっとしたら、という予想もあったかもしれない。
 けど確かに、その段ボールの中にいたのだ。

 一匹の(なんか小さそうな)ロトムが。

2011/08/31 Wed 00:51 [No.606]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

ゆな

とある一室。ゆらりゆらりと頭と手の炎を燃やし、部下が持ってきた情報に彼女は半目気味に尋ねる。

「……各地に元人間が多数出没、ねぇ。それってマジ?」
「はい。彼らの行動を観察していった結果、まず間違いなくあなた様方とは異なる元人間でしょう」
「うち等に関する情報は?」
「いえ、ほとんど知らない状況のようです。……どうします?」

 部下の言葉を聞き、彼女はふむと一言呟いてから考え込む。“自分達”の前例を考えてみれば、今回の事態は異例である。何故各地に何も知らない元人間が現れたのか。何故今日唐突に始まったのか。
 これは間違いなく“自分達”とは異なる手段で、こっちに来てしまったと考えるべきだろう。どんな目的で呼び出したのか、何をする為に彼等が来たのかは分からない。ならばそれを調べるのも一興。
 深い考察部分は仲間の専門家に任せるとして、その前の下調べはこちらの仕事。最近出ていなかったし、彼らの実力も測りたい。そして表面上でもいいから粗方分かったところで、一気に行動に移すのみ。
 だとすれば、彼女がこれから動く事はたった一つ。誰よりも早く先手を取る事だ。

「……一回正面激突だ、そしてちょっと脅しをかける」
「脅し……と言いますと?」
「簡単だよ。“うちに殺されたくなかったら、ドリームメイカーズに入れ”って言うだけ。これで相手の反応を見る、その反応次第じゃドリームメイカーズの敵対勢力と判断。他の部隊にも潰せって連絡する」
「それはあまりにも急速では……?」
「相手が何者か分からないからこそ、先手を仕掛けるだけさ。雑魚の軍団だったら、うち一人で十分だ」

 慎重になりすぎると相手に先手を許し続けるという事になる。それでは本末転倒、意味が無い。
 だからこそトラウマを植えつけるが勢いで、最初をつかみとってこちらのペースに持ってくるだけだ。それでも尚、ドリームメイカーズに反抗する敵であるとするならば……容赦は一切しない。してあげる義理も無い。
 単純ながらも分かりやすい作戦ではあるが、自分は細かい事を考えるのが得意ではない。だからこそとっとと動くまでだ。

「連中は何処にいる」
「この様子ならばライモンシティに集合すると思います」
「オーケー、都合が良い」
「……部下は?」
「一応潜ませるけど、最初はうちだけでいくさ。……蹂躙っていうのはね、一人でやる方が効果抜群なんだよ」

 後頭部にくくったオレンジ色のリボンを揺らしながら、右目につけたモノクルのずれを器用に直す。モノクルについた紐飾りにはDと書かれた歯車のストラップがついてあった。
 頭に大きな青色の炎、両手には四つの炎を宿したシャンデリア――シャンデラと呼ばれるゴーストポケモンの姿をした女は笑う。
 これから己が相手をすると決めた獲物達に対する期待か、それとも蹂躙できるという獣のような闘争心か、それともドリームメイカーズという組織に所属する者としての強さから来るものか、それとも全てか。様々な意味を含めた笑みを彼女は浮かべていた。

「さぁて、うちをどんな気分にさせてくれる子達か……楽しみだよ」
「出動要請確かめなくていいんですか?」
「アホ。お前が止めないって事は出てるってことだろ。違う?」
「いいえ、ボスからしっかり出てますよ。……しかし相変わらずあなたは好戦的ですね。無駄な争いで無駄な傷だけは無駄に作らないでほしいのですが」
「そこは努力するよ、セバスチャン。でもうちの強さは良く知ってるだろ?」
「えぇ、とても」

 不敵な笑みを浮かべながらセバスチャンと呼ばれるポケモンへと振り返り、シャンデラは幼さを残した声で言う。けれども見せ付ける空気は少女のものではなく、ドリームメイカーズ幹部としての強さを誇るもの。
 数字にすると短く、けれども確かに長い時をこの地で生きてきたから得た強さ。それを誇りとし、己とする彼女はセバスチャンの肯定に満足そうに笑った。

「なら何も気にする事は無いさ。お前は最悪の事態に備えて動けばいい」
「承知いたしました、ゆな様」

 さぁ、思い知らせてあげようじゃないか。ドリームメイカーズ幹部の強さを。
 さて、教えてもらおうじゃないか。お前達がどんな目的をもって、この世界に現れたのかを。

2011/09/01 Thu 23:01 [No.610]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

椎名

時計を見れば、すでに日付は変わっている。そうか深夜か。
 ただ、眠りについて『今日』を終わらせることがなんとなく惜しいので、コーヒーを一口。ぬるくなってしまった。
 立ち上げたばかりのディスプレイに視線を向け、メールボックスを起動させると、受信箱に三件。
 一件目、まあおなじみの通販会社。なんらかのキャンペーンが始まったらしい。削除。
 二件目、同窓会のお誘い。『会社の予定と被ったので欠席する』と送ったはずなのだが。返信。

 三件目、……?

――――――――――――――――――――――――――――――

[No title]
From:xxxxxxx_xxx@xxxxxxx.xx.xx
To:xxxxxxxxxx@xxxxx.xx.xx

これは、ポケットモンスターが暮らす世界に繋がる扉です。

http://dreammakers.pbw

――――――――――――――――――――――――――――――

 いたずらだろうか。だとしても、こういうメールは受信箱には入らないようにしているのだが。

***
できたとこまであげてみる

2011/09/02 Fri 20:50 [No.613]

[ 編集 ][ 返信 ]放浪者現る

ジャグラー

「本当に俺はポケモン世界に来たのか・・・?夢じゃないのか・・・?」
イッシュ地方、ライモンシティ。
遊園地にミュージカルにスポーツ場にジムと言った、テーマパークのような街。
そんな街に、ある一匹のルカリオ。
彼―――ジャグラーは、ライモンシティを見て呆然とする。
何故なら彼は元人間。このポケモン世界の住人でも何でもないのだ。
そんな彼が、何故このポケモン世界に来たのか・・・それは少し前の事に遡る。

* * *

「さーて、今日も元気に小説を書きますか!」
学校規定の制服を付けたまま、パソコンを起動する少年。
片手には『小説用』と書かれたノートを持ちながら、ポケボードのページを開く。
そして、彼が一番訪れている『ラティアス部屋』にたどり着いた時、あるひとつの違和感を感じた。
「これは・・・?」
特に本文もなく、ただURLが貼られてるだけのスレッド。
内容は『助けてください』というだけのスレだった。
このポケボードには、暴言などで削除されることはあるが、こんな堂々と宣伝をしに来るのはまずない。
そのあと別の部屋も調べてみたが、どこの部屋にも同じスレッドがあることに、少年はため息をついた。
「なんだこれ・・・新手のウイルスか?こういうのはクリックしない方がいいよな・・・・」
しかし、少年の言葉とは裏腹に指は自然にURLに向かっていた。
彼の心の中でもどうやら押すか押さないかの争いが終わったらしく、指は自然とマウスを動かしていく。
「・・・ウイルスバスターあるし、大丈夫だよな?」
そして彼はそのURLをクリックし、それと同時に意識が遠のいていく感覚を味わう。

2011/09/03 Sat 00:24 [No.620]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 放浪者現る

ジャグラー

「じょ、冗談だろ・・・。こんなの聞いてねえぞ・・・」
やがて、彼の体から意識は消えていき・・・彼の目の前は真っ暗な闇に包まれていった――――

『あなたをポケモンだけの世界へと導きます……』

――は?ちょっと待ってくれよ。何を唐突に・・・。

『ドリーム・メーカーズを……彼らの暴走を……』

――ドリーム・・・メーカーズ・・・?暴走・・・?何を言ってるのか分かんねえよ・・・。

『あなたたちが止めてください……現実世界に影響が出る前に……』

――おい・・・だったらもっと説明しろよ。意味わからんぞ。

『お願いします……助けてください……』

――お、おい待てよ!もうちょっと説明をしろよ、おい・・・!

―――――――――――――

「・・・うーん・・・ここは・・・?」
ジャグラーが目を覚ますと、まず最初に一つの疑問が浮かんだ。
何で俺外にいるんだ、と呟く。
先ほどまで彼は部屋にいて、しかも外は雨が降っていた。
突然場所が代わり、この空の快晴模様にジャグラーは疑問ばかり思い浮かんだ。

「一体何なんだここは・・・謎すぎるな」
そう言い、彼が立ち上がった瞬間に疑問がさらに増える。
一つ目は、体が軽く、しかも格好が人間とはかけ離れている。
二つ目、今彼がいる場所が見覚えのある場所だということ。
まさか、と彼は辺りを見回す。
「観覧車、ポケモンセンター、ミュージカル・・・!?まさか・・・ポケモン世界なのかここは!?」
彼は近くにある看板を見つけ、その看板の字を見る。
そこには、
『ここはライモンシティ 稲妻きらめく輝きの街』
と書かれてあった。

「マジでライモンシティなのか・・・それに、この格好は・・・もしかして・・・俺、ルカリオになってる!?」
ジャグラーは自分の腕を見る。
手の甲にはトゲがついており、体も青色の毛で覆われている。
さらに体もルカリオの姿そのものだった。
「・・・こいつは驚いた。あのポケモンになれるとはな・・・そうだ!ポケモンになったのなら、あれをしてみるか!」
そう言うと、彼はある場所へ向かった。

「いらっしゃいませ!ようこそミュージカルへ!」
彼が向かったのはミュージカルだった。
入口を開けた途端、一匹のサーナイトが笑顔でジャグラーを迎える。
一瞬、その笑顔に心を惹かれたがすぐに理性が取り払う。
「あ、あのー・・・ここって道具のレンタルとか出来ますか?」
「はい!低価格でレンタル出来ますよ!」
「あ、はい。えーと・・・・それじゃあ・・・・」

* * *

「そして、今に至るわけか・・・」
ジャグラーの格好はテンガロンハットにマント。
荒野や砂漠では違和感はないだろうが、街、ましてやライモンのような街では違和感しかない。
彼はカバンも借りており、そのなかにはミュージアムで使うおもちゃの剣と盾、予備のマントとテンガロンハットしかない。
余談だが、レンタル料は後払いで払うことにしている。

「まあ、せっかく憧れのポケモン世界にきたんだ。楽しませてもらおうか!」
そう言うと、ジャグラーはライモンの街を駆け回り始めた。

2011/09/03 Sat 00:25 [No.621]

[ 編集 ][ 返信 ]敵組織ドリームメイカーズについてとその他の設定

あきはばら博士

・ヤグルマが謎の人物アルビノからの依頼を受けてポケモン世界に設立した組織。その目的はポケモンのいる世界を現実にする。
・正式名は「DreamMakers」 計画名は「ドリームメイカーズ計画(proj.DreamMakers)」
・目的を実現する手段は、アルセウスかジラーチに願うためプレートやうたごえのいしを集めることだろうが、そこは本編では一切触れない。
・ヤグルマがオンの知り合いに声を掛けて有志を募り、メールで異世界アクセスプログラムを伝えた。
・DM設立及びメンバーがその世界に来た時期は未定、少なくとも1ヶ月前には出来ていると思われる。
・運営資金はアルビノからのバックアップとその他もろもろで成り立っている。給料も出る、割と高報酬。
・DMはポケモン世界に害を及ぼすわけではないので、その世界の住民と戦っているわけではなく知名度は低い。
・ただしその世界に反対者(ex:レナ)は存在して、彼らとは衝突がある。
・元々戦うための組織ではないため最低限の武力しか持たず、雑兵はすべて傭兵、その雇用はほとんどセクトに一任されている。大人数で圧倒する戦術はとれない。
・異世界間移動のためにはネットワークリンク環境とアクセスプログラムが必要。
・DM本部には帰るための転送マシンがある、そのためDM関係者ならいつでも人間世界に戻ることができる。
・一応、物語中盤からはサントアンヌ号達の力で帰れるので要望がある人は帰ってしまってもいい(自主離脱)。もちろんその場合は帰って戻ることは出来なくする予定。
・ポケモン世界に来ている間は人間世界の時間はあまり流れてないことにする。
・生きたままだと送り返せないが、死んで魂の状態になればヨノワールパワーで元の世界に送り返すことができる、殺しを容認したのはこのため。
・やってきた元人間達はこの世界で死んだらリアル死になると思っている。これ大事。
・機密保持のため死を介して離脱した場合、ポケモン世界での記憶を失う設定は欲しいけれど、まずいかなー?と思ったので保留。
・バトルが日常的な存在であるポケモン世界では決闘の決まりがあり、お互いに名乗りあうことで決闘成立する。要するに戦う前に名乗るのは礼儀であり、名乗れば故意に殺されるようなことは無い。
・ポケボードに謎のスレッドを立てたのはアルビノ。
・ヤグルマを倒したところでエンディングとなる。アルビノをこらしめるところまでかもしれないが、多分そのときの執筆者にそんな気力は無いだろう。

おまけ

ソラ 「あ、すごいですね、その服と帽子。私の貯金じゃとても買えなそう」
ジャグ「え… 高いの?これ」
ソラ 「ミュージカル用ですからそこそこの値はしますよ」
ゆな 「金なら貸すよー ただし」
ジャグ「やめて、それ以上言わないで」
フィリ「で、でも レンタルだし」
ゆな 「いや、これはさすがに弁償っしょ」
フィリ「ですよねー」
ジャグ「うわあああ」
フィリ(借金生活か…… あれ、これどこかで見たような)

2011/09/03 Sat 22:47 [No.626]

[ 編集 ][ 返信 ]そして矢車が動き出す

あきはばら博士

ドリームメイカーズ。
 とあるきっかけからヤグルマが人間世界でオンの知り合いに声を掛けて有志を募り、彼らにメールで異世界アクセスプログラムを伝えることで構成メンバーを集めて、ポケモンのいる世界を現実に変えるべくポケモン世界を拠点として活動をする組織である。そのため元人間のポケモンが中心となっている。
 ポケモン世界にどうこうして害を及ぼす組織ではないため知名度は低い謎の組織で、戦うための組織ではないためそんなに武力を持たないが、この世界にも反対者はわずかに存在して彼らとは少し衝突がある。
 Makeを示す歯車のマークの中にDreamのDの文字、それがヨノワールのヤグルマ率いるドリームメイカーズのシンボルマークだ。

 各地で身元不明のポケモン達の目撃情報がある中、DMのマークが記されたパソコンでヤグルマは“ある人”から送られてきたメールを見ていた。
「まずは元の世界に戻ってここのページを見て下さい」
 その一文の上に書かれたURLはヤグルマが知っているウェブページのアドレスだった、ポケボードのアドレスである。
 戻ってURLを確認してみたところ、そこには今そこで何が起こっているかはおおまかに把握できた。たすけてくださいと書かれたスレッドに、謎のアドレスが一つ。調べたところ自分達の仲間しか知らないはずのポケモン世界へと繋ぐものだった。幸いなことに利用者の大半はクリックしていないようで記事の編集・削除要望スレッドにも要請が届いている。だが既に何人かクリックしてポケモン世界に来たのだろう。
 一体誰が?何のために?と疑問を持ちつつ、そのメールの続きを読み進める。
「誰がやったのかは分からないけれどやる動機のある者はいるだろうね、DMの計画を知って止めようとする存在は出てくる、そこでも青薔薇の子とかいるでしょう? まあ、誰が書き逃げしたかは後々判明することだろうから置いておくとして、今来ている人間達――今はポケモンになっているから元人間達って呼ぼっか? 元人間達はどうするか」
 ヤグルマは考える。放っておくには駄目だろう、なんらかの接触はするべきだ。
「やってきた人たちは何も知らないままに来ただろうけど、あのスレッドではDMを悪く言ってるし来た人達はDMのことを好ましく思っていないのは確かだろう。詳しく説明をしても分かって貰えるとは信じがたいし、理解して人間世界に戻って貰うのは今後の計画に支障がある、ほっとくのも避けるべき。
 だから、いっそ殺して排除しても私は構わないよ」
 理想は何も知らせず彼らを人間世界に送り返すこと、その理想に近い手を打つべきだ、できるならば捕縛したいがそうも言っていられない、何も知らせず彼らを殺して自分の力で強制送還するのが良いだろう。
 “ある人”もそれを容認しているようだ。
 あいにくメンバーの何人かは遠くに行ってこの近くにいないが十分だろう、散らばっているメンバー達に連絡を入れて、なんとかするように伝えるとした。

 賽は投げられた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
DMリーダー、ヤグルマさんのプロローグです。“ある人”の正体は後々判明させるので、触れないでおいてください。
戦闘フラグを入れました。

2011/09/03 Sat 23:05 [No.627]

[ 編集 ][ 返信 ]最後の…

あきはばら博士

「見事だ」

DM本拠地、最後の部屋、そこにヨノワールのヤグルマはたった独りで静かに佇んでいた。

「よくぞここまで来たものだ。ここまでの道筋は艱難辛苦の道だっただろう、ゲームの中でしか無かったポケモンバトルもお前達にとっては未だに慣れないものだと思う。ゲームみたいにたった4つのワザから1つだけ選んで指示を出すという甘いものじゃない、一秒一秒を争う剥き出しのポケモンバトルというものを君はその肌でしっかりと感じたものだろう、それをいくつも乗り越えた上でお前達はこの場に立っている。その事実に私は祝福しよう、その頑張りを私は誉めよう。見事だ。
 だがここまでだ。君たちは私の全てを奪ってしまった、これは許されざる反逆行為といえよう。安心したまえお前はもう勝つ必要は無いのだ、あとはこの場で敗北し、ただただ死ぬのみ。無慈悲で無為な無残に散ってそっと静かにクロニクルに刻まれる。この冥界の導き手と言われるヨノワールの手によって君たちの罪に私自らが処罰を与える。その魂を名誉に死立てあげてみせようか」

濃含なプレッシャーを以って彼は――ずい と一歩踏み出して、スイレンに――

「しぬがよい」

――言い放った。

「……なんて」
態度を一変しておどけてわらう。
「冗談だ。仮にも敵の組織のボスだそうだから、一度くらいはこういうクサい台詞を言ってみたかっただけだよ、もっとも最近では悪の組織のボスってこんな感じの台詞は言うものじゃなくて、もっと強大な黒幕がいたり戦わずして終わっていることが多いそうだがな。
 事情はもう全部聞いているだろう? そう、ならば私から新しく伝えることなど無い。決着をつけよう」
「ヤグルマ、さん。私は貴方と――」
スイレンは言いかける、貴方とお話がしたい、だが。
「最後の戦いというものを始めようか。すべてが分かった今この戦いには意味は無くなっているかもしれないが。これは私なりのけじめだよ、すべてを巻き込んだ戦いの最後は戦いで終わるのが相応しい、すべてを賭けてかかって来たまえ」
ヤグルマは戦闘の構えを取る。
「ドリームメイカーズ総統、ヤグルマです。よろしくおねがいします」
彼はゆっくりと頭を下げて決闘の挨拶をした。ここでこちらが名乗らなければ、この戦いはしないで済むかもしれない、だが
「スイレンです。よろしくおねがいします」
スイレンも頭を下げて挨拶をして、すばやく後ろに下がり、補助ワザの射程範囲から離脱する。
そして、今の状況を冷静に分析する。
(ヨノワールがどのくらい強いのかはよく知らないけど、防御がすごく堅いことは分かってる。至近距離から殴り合いになったならば私が明らかに不利…、だから勝つためには高い素早さを武器に攻める、もしくはやどりぎのたねを使って持久戦に持ち込むか…)
サントアンヌ号はヨノワールを重戦車と喩えていたことを思い出す、スイレンは自分を奮い立てて戦闘の準備をする、ヤグルマは漆黒の眼差しを向けてじーっとスイレンの出方を観察している。
(…いや、お互いに決定打の技を持ってないのだから長期戦は覚悟している。ならば私がすることは一つ…!)
スイレンは目の前に黒い塊を作り出しヤグルマに向けて発射する、シャドーボール。
遠距離から特殊技を撃ちつつ、隙を見て速攻を仕掛けてやどりぎのたねを相手に仕掛ける、特別な方法をいまさら考えても仕方が無い、いつもの戦法こそが一番!
ヤグルマがシャドーボールをシャドーパンチで弾いたところで、距離を置きつつ横に走りながら次のシャドーボールを角度を変えて放つ、そうやって攻撃を与えるうちヤグルマに隙が見えてくる。
(いまだっ!)
切り返して騙まし討ちを発動させ相手の視界から自分を消して速攻を仕掛ける、その死角からの攻撃はうまくヒットして、ヤグルマとスイレンの影と影がお互いに交錯し合う。
立て続けにやどりぎのたねをヤグルマに命中させる。

2011/09/03 Sat 23:19 [No.628]

[ 編集 ][ 返信 ]最後の…

あきはばら博士

(これで良しっ)
スイレンは素早く地面を前に蹴ってバックステップをする。
相手の回復手段が限られているからあの時の戦いのようにやどりぎのたねを植えつければ回避と回復に徹していれば良い、例え鬼火と毒々を使われてもアロマセラピーがある。
「あ、れ?」
十分な距離を取るための2回目のバックステップはうまく決まらなかった、まるで着地直前に相手に引き寄せられたかのような……。
「冷凍パンチ――」
ヤグルマの冷気を帯びた拳が正面から目の前に迫っていた。
「っ!」
とっさに足を折り横に転がることで緊急回避を行う。
この感覚はかつて味わったことがある――かげふみ。いや、くろいまなざし――相手の離脱を防いで離れられなくする効果。
スイレンは騙まし討ちを発動させるが、その攻撃に対して炎のパンチで相殺されて少しダメージを受ける。
こんなことになるならばかぎわけるを使うべきだったと後悔した。
近距離での物理攻撃のぶつけ合い。
やどりぎのたねで回復している気がしない。
体重差もあって当たり負けをして、
このままだとじりじりと体力を奪われていく。

しかしこのままじゃいけない、頭を少し下げてツノのハッパを茂らす、そして駆ける。
「ウッドホーンっ!」
その攻撃はヤグルマにしっかりと命中した、これ以上無いクリティカル、文句無しの攻撃だった。
だが何かがおかしい、攻撃が当たった感触はあるのだが、ダメージを与えた感触が無――――。

――立ったまま叩き潰された。

大きく体を捻り地面に押し潰すように繰り出されたヤグルマのしっぺがえしが、クリーンヒットした。
強いダメージで動けないスイレンに非情にも炎のパンチが続けて打ち込まれ、不運にも火傷を負ってしまう。
その後は一方的な試合展開だった。

 * *

「もういいか」
きずだらけのボロボロになって床に伏して、スイレンはようやく何をされたのかが把握できた。
やどりぎのたねとウッドホーンを始めとする草技を無効化する手段、彼は最初からこれを狙っていたのだったのだ。
影と影を交錯させるスキルスワップによる特性:そうしょくの奪取。
ただ、いまさら気がついてももう遅かった。
「これで戦いは終わりだ、君と君の仲間達は元の世界に戻すし、ドリームメイカーズも解散して計画は取り止めにしよう。君も健闘してよくやったようだが、結果として私のほうが一枚上手だったようだ、私の勝ちだ。リベンジは受け付けよう。
 ああ、そういえば伝え忘れていたことがあったな、アルビノ氏から依頼されてポケモンがいる人間世界を目指しこの企画を推し進めていたが、頼まれただけではなくちゃんと私の意志によるもので計画を進めていたということ勘違いしては欲しくない、私は私の意志でポケモンの世界を実現したいと思っていた。しがいないおっさんの捨てきれない子どもの夢だったがな…」
ヨノワールの表情は分かりにくいが、彼は笑っているようだった。
スイレンは顔に複雑そうな表情を浮かべていた、戦いは終わったけれど、私は勝てなかった……。
「さて」
とヤグルマはスイレンに向かって歩き出す、そのとき。

2011/09/03 Sat 23:20 [No.630]

[ 編集 ][ 返信 ]これはいくらなんでもあんまりです。

あきはばら博士

そこに一筋の水流がヤグルマとスイレンの間を貫いた。

「スイレンさん!」
「マコトさんっ!」
スイレンが入り口を見るとそこにはマリルのMakotoが立っていた、スイレンは力を振り絞り立ち上がり、改めてよく見ると、彼はボロボロで先ほどまで繰り広げされていた激戦の跡が見て分かる。
「加勢ですか、ふっ 構いません、いいでしょう掛かって来なさい」
ラストバトルにしては味気無い終わり方だと思いこのままではつまらないと判断したのかヤグルマがそう言うと。
「助けに来たぞ、スイレンさん!」
「待たせたな、スイレンさん!」
「微力ながら助太刀します、スイレンさん!」
「頑張れ、応援してるよ! スイレンさん!」
「ラプラスさんにフィッターさんにフィリットさんに椎名さん!」
「…………なんというか」
その援軍はここまでの激戦の傷は癒えてなく残りHPもわずかだと思われ、特性とタイプによって草・ノーマル・格闘技が無効のヤグルマにとってどれも大した相手では無いかもしれないが。ぼそっと魂が抜けたように呟くのだった。
「……仲間っていいですね」

 * * *

「……あっ、ちょい待ち」
戦いが行われている部屋のもう一つの出入り口の陰で、シャンデラがトゲキッスを引き止めた。
「ゆなさん…。 いえでも、これはいくらなんでもあんまりです。さすがに酷すぎますよ……いくらあのみなさんがさっきまでの戦いで弱っていると言っても、これは」
「リンチだな、うん。 空色さんが言いたいことは良く分かる。でも」
「……」
「けじめと言っていたように、この勝負には空気を読んで加勢はじっと我慢するべきだと思うんだ、うちらに出来ることは勝敗が決するまで見守るだけ」
「……はい」
「ありがと、じゃあ 行くか」
「…え?」
「自分で頼んでおきながら遊び心で無関係な人を引き込んですべてを巻き込み戦わせて、遠くで俯瞰してずっと弄んでいたアイツにきつーいお灸を据えてやりに行こう。かなり心強いメンバーも揃ってるしそらさんも一緒に行くー?」
「は、はいっ!」
「めざせっ下克上っ!」
「おーっ!!」

 * * *

「合体奥義、ミラクルリーフトルネード・トリプルエクスカリバースペシャル!!!!!!」
「ぐああああ」

  THE END

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

スイレンとヤグルマの一騎打ちラストバトルです。叩き台なので当然変更はあるでしょうけど、こういう場面に行き着くまで頑張りましょう。
主人公が負けてもヤグルマさんは解散してくれそうですし、たまには敵を勝たせてもいいじゃないかとスイレンが負ける話にしました。
ラプラスさんの種族がライチュウに変更になったので加勢メンバーから抜こうとも思いましたが、彼なら絶対来るのでそのままに。
ジャグリオは直前の戦いでフィリンドをかばって瀕死中。レナさんはジュカッターを送り出してちゃっかりあの心強いメンバーに入っているイメージ。
アルビノ戦をラストにする場合、一騎打ちではなく四人くらいで挑み合体技で「これが絆の力だっ」な戦いになるはず。みんなの力を合わせるってことでそれはMakotoさんが書いたほうが適任でしょう。

2011/09/03 Sat 23:25 [No.631]

[ 編集 ][ 返信 ]俺様の新たな最速伝説の始まり

あきはばら博士

クルーザは自称最速である。
いや、言い直そう。
クルーザ様は自称最速である。
彼は昔から何事も一番でなければ気がすまないタチで、小さいときは片っ端から勝負を挑み続けて、どんなことでも一等を取るまでは絶対にあきらめず、何度も何度もチャレンジをしていた。
とにかく負けず嫌いで、現在ではだいぶまるくなったと本人も思いかえすが、その本質は変わってない。
そんなあるとき出会った最速の称号に心惹かれて、速さを追究するようになり。自ら最速を名乗り始めた。
自分が最速であるための日々のトレーニングを欠かさず、ちょっとした大会でも優勝を収めている。セクトが哲学者ならば、クルーザはアスリートだろう。
DMにはある人物からの誘いを受けて加入した、DMの目的は完全に理解をしていないが、目的の完遂後には新しい世界が開けることからその挑戦心が加入の理由であり、またそれまでツッパって敵を作って生きていた彼にとって誘いが素直に嬉しかったこともあるだろうか。
自称では有るが誰もその最速の名乗りに異議を唱える者はいない、少なくとも現時点に限れば。



「ずいぶんと派手にやっちまったようだな」
シャンデラのゆなの襲撃を受けて命からがら逃げ出してきたフィリットとジャグラーと気絶しているまかろんの前に、一匹のフローゼルが立ちふさがっていた。
ここはホドモエシティの出入り口、モニュメントが目をひくブリッジ西口。
「あのモノクルにやられたみたいな焼き焦げから、おめえ達があっちの世界からやってきたという元人間だな? そうだろ」
それを聞いて、気絶しているまかろんを背負ったジャグラーが目を見開いて尋ねる。
「ま、まさかお前もドリームメイカーズの」
「その通り、俺様はドリームメイカーズの一人、誰もが俺様をこう呼ぶ、最速の男っ! クルーザ様だ!」
フローゼルのクルーザは見得を切って、あらかじめよく練習していたような動きでとてもかっこいい(自称)ポーズを決める。
「手ごたえのある相手で――」

その瞬間にフィリットの猫騙しが決まった!
先手必勝、もうさっきのような惨劇は繰り返したくない、怖い繰り返したくない。
クルーザが怯んでいる隙に、フィリットはとび――ひさげりには成らず、とびげりをクルーザに蹴り込んだ。
「くそっ てめぇぇ!!」
悪態を付けながらゼロ距離でんこうせっかから刹那においうちをすることで、弾き飛ばしたフィリットに追撃で2連打を叩き込んだ。俺様コンボ#1(命名:クルーザ)だ!
フィリットは立ち上がり再びとびげりをするが、ダメージで意識が半ば消えかかっている。
その攻撃はかわされカウンターでクルーザの拳が彼女のみぞおちに吸い込まれて、気を失った。
「フィ、フィリットさん!」
気絶したまかろんを地面に置いたジャグラーがクルーザに殴りかかる。不完全ではあるがマッハパンチの形だが。
「おせえ」
クルーザはしゃがみけたぐりで相手の足を崩して、たきのぼりの激しい水流と共にアッパーカットした。
ジャグラーの意識は闇に包まれた。





「やっちまった……」
沈黙する3人の前に、クルーザは悩んでいた。
これは捕縛して本部に持ち帰るべきだろうけれど、さすがのクルーザも3人持つのは無理だ。誰か一緒に連れてくるべきだったと後悔していた。
連絡を入れて誰か来るのを待ってようかと考えていると、
「待ちなさい」
「あぁ?」
そこに色違いの青いジュプトルと、普通の緑のジュカインがいた。
「なんだ、青薔薇のねーちゃんじゃねえか。こんなところに何の用だ? ん、ひょっとしてこれはおめえの仕業か?」
「その質問に答える義務は無いわ」
青薔薇のねーちゃんことレナは立ち去れとばかりに右手を向けて威嚇する。
「彼氏連れで来るとは妬けるね。心配するな、デートの邪魔はしないぜ」
「…なっ」
「帰る。気分が乗らねぇ」
そう言い捨てて、クルーザは川に飛び込む。そしてあっと言う間に泳ぎ去っていった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

フィリット&まかろん&ジャグリオを例にしていますが、このような形でホドモエに逃げたチームをジュカッター&レナに合流させる予定です。
クルーザは気に入った人に変なあだ名を付ける設定です。ジュカッターには青薔薇の彼氏とか付けそう。
クルーザはレナの速さを見込んでDM関係で戦う以外にプライベートでも勝負を挑んでいるだろうと思い、お互いによく知っている関係として書きました。

2011/09/03 Sat 23:37 [No.632]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

池田

「すげーな……ホントにポケモンになってんのか」
 自分の両手を見ながら、ミュウツーが呟いた。
 彼は、バトーというHNを名乗る人間。他の元人間と同じように、プログラムを用いてこの世界にやってきたのだ。
「さて、どうするかな……」
 ポケモンの世界に行って、ポケモンになれる方法がある。そんな噂を聞き、ネット上に拡散していたurlを踏んで来てみたのはいいものの、バトーはポケモンに関する知識をほとんど有していなかった。彼のポケモン知識は、幼稚園児の頃に遊んだ赤バージョンの時で止まっている。だから彼は、この先どうしたものかは分からない。
 しかし、彼には自身があった。
 バトーは、格ゲーではだれにも負けたことがない。故に、ポケモンになって戦っても、誰にも負けるはずがない。そう考えていたのだ。さらに、自分が変化したものが、自分の知る中で最強のポケモンなのだから、尚更である。
「しゃーねぇ、とりあえず……狩るか」
 結局、バトーがとったのは、『適当に歩いてモンスターを狩り、飽きたら帰る』という
単純なものだった。
 だが、単純とは言え方針が決まった以上、彼は動き出す。ここから、バトーの快進撃は始まるのだ。
 まずは、最初の相手を探すため、街からでなければならない。野生のポケモンが草むらにいることくらいは、バトーも知っていた。
「っしゃ、行くぜ!!」
 勢い込んで叫びながら振り向いたその瞬間……目の前に、見慣れぬものが現れた。
「う……うわっ!?」
 さっきまでは居なかったのに、いきなり現れたそれに、バトーは驚き、尻餅をつく。
「な……何だ、お前!ブッ殺すぞ!!」
 無様な姿で、それでもバトーはその何かに対して虚勢を張る。
 それは、白い鎧を着た騎士の姿であった。しかし、右手は青、左手は金色の獣の頭の形をしていた。明らかにポケモンではない、異様な形態である。
「誰だ……名乗りやがれ!!」
 バトーは、その騎士を、新しいポケモンだと思った。赤緑にはいなかったが、後のシリーズで出てきたポケモンなのだろう、と考えたのだ。
 ただ、それがどんなポケモンであるかなど、重要ではない。それが野生のポケモンなのか、自分と同じようにこの世界に来た人間なのか。その点を知る必要が有った。それによって、彼の取るべき行動が変わってくるのである。
「おい!!無視すんじゃねーよ!!」
 再びバトーが叫ぶ。が、彼は既に、それは野生のポケモンであろう、と見当を付けていた。自分が呼びかけても答えないのは、人間の言葉が分からないからだろう、と判断したのだ。彼は、この世界のポケモンたちが人語を話すことを知らない。
 だから、何も考えずに目の前の白騎士を狩り、己の覇道の第一歩にすればいい。
 そう思っているが、バトーは最後の質問をする。
「糞が!!テメーはいったい何モンだ!?」
 この時、予想外のことが起きた。
「私は……」
 バトーの言葉のあと、白騎士は、確かにそう呟いた。
「あ!?」
 突然のことに驚いた瞬間、バトーの視界が目まぐるしく変化し始め、そしてしばらくすると、目の前の景色が上下反転した。
「え!?」
 さらに次の瞬間、眼下から雨が降ってきた。正確には、天に登るかの如く、紅い雨が、上がってきた。
「お!?」
 一体何が起こったのか分からぬまま、あたりを見回すと、逆さになった白騎士と、ミュウツーが居た。ただ、変わっているのは、白騎士の左手の獣の口から剣が伸びていること。
 そして、ミュウツーには首がなく、代わりに血の噴水が上がっていることだった。
「う!!」
 そしてこの瞬間、遂に何が起こったのか分からぬままで、バトーは絶命した。
 その、目にも留まらぬ一撃を放った騎士は、左手の剣を濡らす血を拭かぬまま、律儀にもバトーの質問に答える。
「私は……オメガモン」
 そう言って、白い騎士は、消えた。忽然と、その場から、跡形もなく消滅したのだ。
 後には、首を失ったミュウツーの屍だけが残った。

 果たして、バトーは如何にしてアドレスを知ったのか。
 なにゆえ、ポケモンの世界にデジモンが居るのか。
 全ては謎のまま……物語は、スイレンの知らぬところで、着実に地獄へと向かっている。

2011/09/04 Sun 00:06 [No.634]

[ 編集 ][ 返信 ]テーマ曲考えてみた(仮)

ジャグラー

※テーマ曲のなかにはニコニコ動画の曲もあります。
もしアカウントを持っていない場合、その動画の名前だけをコピペしてにこさうんどで入力すると聞けます。
なお、次回作設定スレの方に投稿されているキャラにのみ反映しています。ご了承ください。(他の方が投稿したら追加することもあります)
敬称略、お許しください!

DMのテーマ
www.youtube.com/watch?v=Kk66VwxFKrs

マコトのテーマ
www.youtube.com/watch?v=y1JbZCVjSsU

シェイクスのテーマ
www.youtube.com/watch?v=k5XIkdbva50&feature=related

スイレンのテーマwww.youtube.com/watch?v=BFAb2-K0KzI&feature=related

ゆとりのテーマ
www.nicovideo.jp/watch/sm13660768

斬のテーマ
www.nicovideo.jp/watch/sm8634812

ジャグラーのテーマ
www.nicovideo.jp/watch/sm12447718

セクトのテーマ
www.youtube.com/watch?v=cQ-b3YYQR80&feature=related

アイシスのテーマ
www.nicovideo.jp/watch/sm6915191

あんびしゃんのテーマ
www.youtube.com/watch?v=gVSrpAN6yE0&feature=related

あっくんのテーマ
www.youtube.com/watch?v=e-EouE0vmeg

海の神竜ラプラスのテーマ
www.youtube.com/watch?v=lzNg7UJ3EgU&feature=related

サントアンヌ号のテーマ
www.youtube.com/watch?v=o8ztDkWjZxg&feature=related

ヒカルのテーマ
www.youtube.com/watch?v=kHQ_9MKgdNE&feature=related

ツカサのテーマ
www.youtube.com/watch?v=qHkizMXa3Lw&feature=related

ゆなのテーマ
www.nicovideo.jp/watch/sm13978486

セバスチャンのテーマ
www.youtube.com/watch?v=NQ06c6xc0zs&feature=related

空色代吉のテーマ
www.youtube.com/watch?v=WRSvDI47YuM&feature=related

仙桃朱鷺のテーマ
www.youtube.com/watch?v=lKbq7g7OHTY

椎名のテーマ
www.youtube.com/watch?v=b-mq1zyMxqI

ヤグルマのテーマ
www.nicovideo.jp/watch/sm7456194

いぬのテーマ
www.youtube.com/watch?v=DubIGfAf3CE&feature=related

ピンサロ太郎のテーマ
www.youtube.com/watch?v=hO2HyOTW8o8

セバスチャンのテーマ
www.youtube.com/watch?v=dYBeJqqLFF0&feature=related

ロサラのテーマ
www.nicovideo.jp/watch/sm6494891

ケイタのテーマ
www.nicovideo.jp/watch/sm6565648

フィリットのテーマ
www.youtube.com/watch?v=VLkPwEaxJ30&feature=related

クルーザのテーマ
www.youtube.com/watch?v=Y9sc5rpuAKg&feature=related

あきはばら博士のテーマ
www.youtube.com/watch?v=9FQckZCSa2c&feature=related

まかろんのテーマ
www.youtube.com/watch?v=lKbq7g7OHTY

フィッターRのテーマ
www.youtube.com/watch?v=Oc5WpDsPDmY

レナのテーマ
www.youtube.com/watch?v=rvKsK7Cubyc&feature=related

2011/09/04 Sun 22:15 [No.639]

[ 編集 ][ 返信 ]赤ずきんは嗤う、

いぬ

雪の塊の上に眠りこけているのは、一匹のユキメノコ。
周りは巨大な氷柱に囲まれているが、その中に閉じ込められているのは――

 「……ふが」

――と、不意に彼女から寝息混じりの寝言がこぼれる。
そんな彼女が眠っている雪の塊……と言っても新雪であり、ふかふかの布団と似た感触。
そう、この眠っているユキメノコは感想を述べていたようだが、普通生身の人間がそこで眠ったら間違いなく凍傷以上の怪我をするに違いはなく。
しかし、こおりタイプをもつユキメノコにとって、この雪のベッドはちょうど良いのであろう。
それも、やはりこのユキメノコが言っていた訳で――

 「いぬさん、起きて下さい」

そんなユキメノコの眠りを覚ます一声が、広く寒々しい部屋――若しくは冷凍庫か――に木霊する。
じゃり、と床の氷雪を踏みながら一匹のポケモンが彼女のもとへと歩みを進めて行く。
起こしに来たポケモンの種族はミルタンク。だが、通常のそれとは身体の色が違っている。
そのミルタンクには白いナースキャップを被っており、白い布地に赤十字の刺繍が際立っていた。
ターコイズ、と言えるであろう水色の珠をしたロザリオを揺らし、彼女の雪塊(ベッド)の前――を覆う氷柱の塊まで足を運ぶ。
……と、その氷柱の群れから、先程まで眠っていたユキメノコがすり抜けて出てきた。

 「……あーー、…はよー」
 「もう朝の刻はとっくに過ぎております。」
 「んなもん知らねえよ乳牛ナースさんよぉ。あたしの感覚で行くともっと遅く起きても何ともねーんだっての」
 「幾ら“元人間”とは言え、」
 「定刻通りを弁えて貰わなければ迷惑ですので、ってかァ?分かってるっつのくそが」

彼女(ユキメノコ)の名前はいぬ。
この世界からやってきた元人間である。

 「で。何か用かよ乳牛ナース」
 「“貴方達”以外の元人間の大量出没が確認されました。」

と、いぬの未だ眠たそうだった視線が急激に鋭く変わる。
それを確認したかは否かは分からないが、色違いのミルタンクは説明を加える。

 「詳細はセバスチャンさんから伺っておりますが、元人間は各地に居るとのこと。私達のことは恐らく何の把握もされてはいないでしょう。」
 「……どこら辺に集りそうかね」
 「ライモンシティですね。現場にはゆなさんが向かっていきました。」

いぬが仲間として加わっている組織――ドリームメイカーズの同じ元人間のゆな。
種族はシャンデラ。自他共に認めるサディスティックっぷりが印象的である。
彼女の性格も種族としての攻撃火力も、来たばかりの元人間の己の把握し切れていない状況も、その双方があるが故に“元人間”の犠牲者なしとは先ず有り得ないだろう。
……だが。

 「へえ、面白そうじゃねーかよ。あたしも見に行くわ」
 「高みの見物と言ったところでしょうか。」
 「まァな」

いぬは自身の被っていた赤頭巾を翻し、やけに無邪気な笑顔で、こう言った。

 「可愛い女の子でも見つけてきたいしな」

******
というわけで、いぬのプロローグもどきです。
ヘンリエッタは元からだけど、マロースもお留守番です。

2011/09/05 Mon 23:05 [No.643]

[ 編集 ][ 返信 ]Re^2: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

空色

柔らかな陽射しが降り注ぐ雲海にポツリと顔を覗かせる、タワーオブヘブンのその頂上。
無機質なタイルの上で、一匹の白い生き物が何やら小さな機械を片手に呟いていた。

「――えっ、元人間? そ、それはどういう意味ですか?」
『申し上げた通りでございます。貴方達とは別の存在とみられる、多数の元人間の出現が、確認されました』
「……わあ」
『感嘆してないで貴方も早く本部に戻って来てくださいませ空色様。どうせ、またいつもの場所におられるのでしょう?』
あ……こっそり来てるのは、バレバレでしたか。
「そうです、すみません。了解です、私もすぐにそちらに向かいます」

通信機のスイッチを切り、映らなくなった画面を見つめながら、その白くてずんぐりとして、大きな翼を持ち、所々に赤と青の模様のあるのが特徴的なポケモン――トゲキッスは、ため息を吐く。
それにつられるかの様に、首に下げている首飾りのワンポイントの青いガラス棒も、揺れる。

この世界に私達以外の人間がやって来た……?
ここへの行き方は、私達ドリームメイカーズしか知らないはずなのに。
内通者? いや、それは無いと思いたい。だとすると……
 単純に、私達以外の人がどこかであのURLを知ったって考えるのが無難なのだろうか。
それなりに人数も確認されている。まだまだ増える可能性も多いにあり。
そして彼らがどう動くかは、現状では予想出来ない。
面倒な、展開だな。

「なんとなく、いつかはこういう事になりそうな嫌な予感はしてたけどさー……なんて、うだうだ言っている場合じゃないや」

私は私のやれる事をやる。それは変わらない。

通信機をしまい、軽く息を吸ってから両翼を広げる。
そのまま軽く助走をつけ、屋上から光の海へと飛び込む。
雲を突き抜け、塔の壁に沿いながら落下し、そして流れる風を掴んで平行を保ち、空色と呼ばれたトゲキッスは塔から離れていった。

眼下に広がるは緑豊かな大地。頭上に広がるは蒼天のドーム。目先に見えるは二色の境目。
帯のような風に包まれ、一体化したかの様な感覚が心地よい。

……こうして空を飛んでいると、この世界にもこの身体にも、随分慣れたものだと実感出来る。
自力で飛ぶことや、ましてやポケモンになるだなんて、とてもじゃないが叶わない事だと思っていた。
だがいざなってみると、そしてそれらが普通になってしまうと、考え方の視点が変わったせいか新たに疑問に思う点も増えた。
くだらないと言えば、どれもくだらない事ばかりなのだが。

例えば、教科書にも載っている有名なあの歌。
他の何よりも翼を求め、大空に羽ばたきたいと願ったあの歌の歌詞の中では、空は悲しみのない自由な世界だと歌われている。
人間だった頃は、この歌詞に激しく共感していた。だけど、今は一概には賛同出来なくなっていた。

この大空には決して、悲しみが無いわけでは無い。と、思う。

そう思うようになったのは、ゲームをやっていた頃からお気に入りだったあの塔、『タワーオブヘブン』にこの世界で訪れた事がきっかけだった。

天まで高くそびえるその塔の頂上にある、鳴らすと魂をよろこばせられるといわれている鐘。その音色は、天にも地にも分け隔てなく降り注ぐ。
わざわざこんな高所に鐘を釣るしたのは、この鎮魂の音色を地上だけではなく空高くにも響かせたいと、誰かが願ったからではないのだろうか。
なんて、実際に何度も訪れてみては鐘を鳴らし、その音を肌で感じてみていたら、そう考える様になっていった。

いずれは起こるであろう次の戦いでは、あの鐘を鳴らす対象が、増えるのだろうか。

まあ、
増えたとしても、増えなかったにしても、
増やしたとしても、増やさなかったとしても、

またタワーオブヘブンにやって来たいという気持ちは、変わらないのだが。

 ――また来れたらいいな。あの鐘を鳴らしに。

◆◇

敵方なのでプロローグの替わりに顔出しを書かせていただきました空色です。
一旦本部に戻ってから様子をみて、追撃なり他の所に突撃なり再出撃を今のところは考えています。
時間軸としてはゆなさん単騎出撃直後あたり。

初めての自キャラ参戦、そして敵役ポジションという事で緊張していますが、遅れを取らないように、でもじっくりと展開を紡いで行きたいです。

2011/09/05 Mon 23:22 [No.644]

[ 編集 ][ 返信 ]便乗

いぬ

東方原曲で当て嵌めてみました。
まだまだあなだらけ。

.

スイレン: www.youtube.com/watch?v=NxFQEJF4fPk&sns=em
ヤグルマ: www.youtube.com/watch?v=8EUeYkXnkYw&sns=em
アルビノ: www.youtube.com/watch?v=Nl9V6IpDSGE&sns=em

あきはばら博士: www.youtube.com/watch?v=P5VwW1D10LU&sns=em
空色代吉: www.youtube.com/watch?v=vAqKssnvQ54&sns=em
ゆな: www.youtube.com/watch?v=RyVbQsX4Ou8&sns=em
セバスチャン: www.youtube.com/watch?v=QQbCthOxWhc&sns=em
ロサラ: www.youtube.com/watch?v=oDYBMuxDWBI&sns=em
ケイタ: www.youtube.com/watch?v=YhHeAEP3MaU&sns=em
椎名: www.youtube.com/watch?v=XpNBkkdngk0&sns=em
Makoto: www.youtube.com/watch?v=ecuAc5_tjT0&sns=em
シェイクス: www.youtube.com/watch?v=5uTgRYLVZCg&sns=em
フィリット: www.youtube.com/watch?v=i6B3M0L8vR8&sns=em
ジャグラー: www.youtube.com/watch?v=Re4VDPV76wM
ゆとり: www.youtube.com/watch?v=Yc4RQKoJxIQ&feature=related

クルーザ: www.youtube.com/watch?v=HW2pOC9XIg0&sns=em
いぬ:
海の神竜ラプラス: www.youtube.com/watch?v=OihtMtijWNo&sns=em
レナ: www.youtube.com/watch?v=tpfU45IC-TM&sns=em
フィッターR: www.youtube.com/watch?v=ZhPdKBwEOPA
あんびしゃん: www.youtube.com/watch?v=jzgFeufptus&sns=em
セクト: www.youtube.com/watch?v=3tbhVq-O9JA&feature=related
斬: www.youtube.com/watch?v=SmzWs1Kt360&sns=em
アイシス: www.youtube.com/watch?v=famB5A7hqNw&sns=em
朱鷺: www.youtube.com/watch?v=dksVT0dAjk4
まかろん: www.youtube.com/watch?v=MVYlQf6xxtg
サントアンヌ号: www.youtube.com/watch?v=KmFUSBp4Uro&feature=related
ヒカル: www.youtube.com/watch?v=lBqygqnhJzo&feature=related
ツカサ: www.youtube.com/watch?v=GvsBGN7phQ4&feature=related
ルナサ・クリスティ: www.youtube.com/watch?v=Tb5yGnhD7AE
ABA: www.youtube.com/watch?v=DWyYQli0Myk
ヘンリエッタ: www.youtube.com/watch?v=ZCcrSbRtkrc&feature=related
シュガー: www.youtube.com/watch?v=Ip5sLfsoneM&feature=related

.

つかれました

2011/09/06 Tue 01:51 [No.650]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

フィリット

顔に「疲れた」と書いてある様に、学校からグッタリと帰ってくるとノートパソコンを起動させる。
そして、スカイプを開いてオンラインしている一人の親友と会話をする。
宿題なんか忘れて親友とネットを使い話しをする、それが最近、私の日常へと化して来ていた。
親友と呼べる彼女と会話をしていると、疲れなんて吹き飛ぶ気がする。
彼女はマイペースなのか、いつも威勢の良い返事をして来るので私はその勢いに勇気付けられているんだろう。

彼女は私にとって大切な友で、私の支えだった。

そして彼女も、私が彼女を思うのと同じ様な目で、私を見ていてくれていた。

――そんな私達が。

――こんな事に巻き込まれるなるなんて。

――夢にも思わなかった。

+ + +

いつもの様に、私は彼女と会話していた。

「あぁ痒い痒い……」
『うわぁぁまたマイク越しにボリボリって音が聞こえる!また掻いてるでしょ、治らないよ!?』
「痒いモンは痒いんだよー!」
『薬塗って包帯しなさいー!包帯の上からでも掻いちゃダメだよー!』
「あっ、包帯してるけど掻いてた。」
『コラーッ!!』

いつもこんな会話をウダウダしている。けど、楽しい。

私は喋りながらインターネットを開いて「ポケ書」という掲示板を見る。
これもいつもの日常。最近色々と仲良くなった人も増えた。ここに来るのも、楽しい。
けど、私はいつものポケ書の掲示板に変化があるのを読み取った。

「あれ、ポケ書が荒らされてるー……」

助けてください、という名のスレッドがいっぱい立っていたからだ。

『えー、どれどれ。あ、本当だ。誰だろうねぇ?』
親友は最近このポケ書に出入りする様になったばっかりだ。私が勧めて、チラホラ見る様になったらしい。

「荒らしかぁ……あれっ、なんかアドレス載ってる……怪しいな…」
『何なのか見てみる?』
親友はいつも怖いもの知らずだ。
変に押して何かに巻き込まれたら大変だから注意しとかないと。
私も気になるけども、一応忠告をしようとした。

「コラコラ、危ないかも知れないでしょ。荒らしは無視して…………」

『あっゴメン、押しちゃったー』
「ちょっおまぁぁぁぁぁ!?」

やっちまった、やっちまった。
まぁ、大丈夫だろう……変なサイトにアクセスしてしまったくらいで……

――そう、思っていた私が甘かったのかも知れない。

「おいー、どうだったー?」
『………い゛ッぴぎやぁッ、えっ、何コ…レ……ちょ……ッ…………』

ブツン

「は!?」

親友が訳の分からない悲鳴(?)をあげて、それから会話が途切れた。

え、何が、何があったんだ。
たまに親友がふざけてマイクを切る時があるけども、そんな感じではなかった。
どうしたんだ、おい、答えろよ。オイオイオイ。と私は内心焦る。

まさか、あのアドレスか?

「はは、そんな馬鹿な。あんな文字一列、クリックしたくらいで。」
そう思いつつ、私も親友と同じ様にアドレスをクリックした。何もない事を願って。

――残念な事に、その願いは叶わなかったのだが。

――願いとは別に、私はどんどん意識を失って………

+ + +

「はぁァァァァァッ!!??!?」

ポケモン世界に来ての第一声がこれだ。恥ずかしい。
でも、本当に驚いた。
だって、自分があのポケモンのコジョンドになっていたから。
一瞬、本当に自分なのかさえ疑った。けれど、顔に掛けてあるメガネや手に巻いてある包帯…うん、私だ。

しかも、身の回りには大きな遊園地やら地下鉄のステーションみたいな建物やら。
そう、ライモンシティ。イッシュ地方の真ん中辺りにある町。

さて、私はどうすればいい。意識を失う直前に聞こえた、随分と記憶に残るあの言葉を思い出してみる。

――ドリームメイカーズの暴走を止めて下さい……

こんな感じだった気がする。

ドリームメイカーズって何なんだろう。
ドリームは夢で……あれ、メイクってなんだったっけ。英語の勉強もっとして置くんだった。
自分でそうやってぶつくさ言ってた時だ。

「ここどこぉーー!?」

………あれ?

なーんか聞いた事のある声だなぁ。

………そうだった、我が親友のことを忘れていた。
彼女も、あのアドレスをクリックしたからにはこの世界に来ている筈だと思った。
そして、やっぱり彼女とは心につながりがあったのか、同じライモンシティに来れた様だ。

よし、ちょっくら驚かせてやろう。注意したのに聞かなかったし。

私は悪戯心を弾ませて、その声のした方向へと足を進めた。

2011/09/06 Tue 21:39 [No.652]

[ 編集 ][ 返信 ]夢の世界とは(途中)

ゆな

この光景はある意味夢のようだと、スイレンは思う。いや、ポケモンになってからも夢のようだと思った事はあった。だけどそれは驚きという意味合いであり、目の前にあるのはそういう意味じゃない。言うなれば御伽噺に近い。
 ライモンシティにたどり着き、興味が湧いて入ってみたポケモンミュージカル。今、自分はその観客席に座ってミュージカルを眺めていた。舞台の上では西部を連想させる衣装を身につけた見知らぬルカリオが、得意気に演じている。評価はあえてしないが、舞台の上に立って堂々と演じている姿は少なくともスイレンの目を奪うには十分だった。

「うわぁ、すごぉい……!」

 まるでゲームの中からそのまま出てきたようなステージに、スイレンはきらきらと目を輝かせていた。こんなにも平和にミュージカルを見る事が出来ている為か、頭からはすっぽりドリームメイカーズの事が消えていた。
 実際ここに来るまで大きな事には巻き込まれていないし、ポケモンの姿にも慣れてきて楽しいと思えてきたところなのだ。それならばこうやって楽しんでも罰は当たらないだろう。
 そんな気楽な考えの中、ミュージカルを眺めていると不意に隣から話しかけられた。女性の声だ。

「あんた、ミュージカルは始めて?」
「ほえ?」

 スイレンが振り返ってみると、そこにいたのは簡易的なシャンデリアを連想させる姿のポケモン・シャンデラだった。ただしその後頭部にはオレンジ色のリボンをつけており、右目にはモノクルをつけている。
 その変わった姿にスイレンはぱちぱちと瞬きしながら、つい思ったことを口にする。

「モノクルリボンシャンデラだー」
「おいこら、なんちゅー返答だ」
「あ、ごめんなの! そんなつもりは無かったの!」
「いいよ。わざとじゃないのは分かってる」

 一気に不機嫌になったシャンデラに慌てて弁解するも、彼女はさらりと流して小さく笑う。どうやら見た目やタイプと違い、結構触れ合いやすい性格のようだ。
 スイレンは軽く座りなおすとミュージカルからシャンデラへと顔を向けたまま、先ほどの質問に笑って答える。

「うん。ミュージカル初めて見るの! こうやって見れるなんて夢みたいなんだ」
「へー、そうなんだ。うちは偶に見に来るぐらいだね」
「常連さんなの?」
「いや、暇潰し目的。あんまり興味は無いけど、気分転換にはなるかなーってね」
「あ、そーなんだ」

 あっさりしたシャンデラの返答に、スイレンはちょっと呆気にとられる。適当に流すように答える様子からして、本当にミュージカルのファンというわけでもなさそうだ。
 勿体無いなぁ、と思うけれどそれ以上深く聞こうとは思わなかった。言葉が思い浮かばなかったし、何を聞けばいいのかもパッとには思いつかなかったのだ。

2011/09/11 Sun 23:14 [No.664]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 夢の世界とは(途中)

ゆな

だが元人間以外では数少ないこちらの世界で仲良く出来そうなポケモンに出会えたのだ。これで会話を終わらせたくないと思い、スイレンはミュージカルに顔を向けたシャンデラに別の話題を吹っかける。

「ねぇねぇ、そんなシャンデラのお勧めはある?」
「お勧め? 強いて言えば、このミュージカルそのものかな」
「ミュージカルそのもの?」

 目だけ己に向けて答えてくれたシャンデラの思わぬ返答に、スイレンは首をかしげながらシャンデラの見ている舞台上へと顔を向けた。丁度物語が佳境に入ったのか、登場人物達による心境を役者達が叫んでいる。

 一人一人ずつスポットライトが当たる。それに合わせて彼等は動き、舞台の上の人物になりきって思いを叫ぶ。

「あぁ、まるで夢のようだ! こんな理想郷のような世界を自由に歩けるだなんて……あぁ、なんて心躍るのだろうか!」

 己の故郷よりもずっと自由で生き甲斐の街に訪れた旅人は、無邪気な子供のように希望を高鳴らせる。

「正義の逆さまはまた別の正義。さて、問いましょう。あなたの持つ正義と夢は……どれほど美しいものでございましょうか?」

 ほぼ全てを知りえながらも唯一人の男を思う教会のシスターは、これから起こる戦いへと返事の無い問いかけを静かに落とす。

「例えどれだけ罵られようとも構わない! 僕は僕の正義を貫こう! それで誰かが傷つく事になっても……背負っていこう!」

 街の中、多くの事実を知った若き戦士は屈服しそうになりながらも、己の武器を握り締めて決意を新たにする。

「私は私にとって最良の結果になれば、どこがどうなろうとも構いません。ただ課程の途中で投げ出されたら嫌ですけどね?」

 街の裏側。一人の学者は本を読みながら、世間話をするように己の中の答えを口にしていく。最後にこちら、観客席へと投げかけるような言葉を出しながら。

 ポケモンミュージカルの舞台に立った者達が口にする耳の良い言葉を聞きながら、シャンデラはスイレンに向かって語る。

「舞台の上っていうのは一つの理想だ」
「理想?」
「そっ。脚本家にとって好きに作れる理想の世界だよ。そしてうち等はその理想を見て、夢を描く事が出来る。眠った時の夢でもいいし、将来につなげる夢でもいい、野望という夢でもいい。そういった様々な夢を見せてくれる。それが明日の活力になる、だから気分転換についつい見ちゃうってわけ」
「??? ……よくわかんないの」
「なーに、簡単なことだよ。うちにとってそういう考えなだけ。うちはね」

 曖昧なシャンデラの説明にクエスチョンマークを飛ばすスイレン。そんな彼女に軽く笑みをこぼすと、シャンデラはミュージカルからスイレンに少しだけ顔を向けて言った。

「あの舞台の上みたいな理想を、現実にするのが夢なんだ。だから仮初とはいえど、理想が叶っている舞台が好きなんだ」

 そう言って笑うシャンデラの顔には、無邪気な子供が口にするような幼いものを思わせた。それこそ御伽噺の中の世界を心から愛するような無垢な子供のように。

2011/09/11 Sun 23:15 [No.665]

[ 編集 ][ 返信 ]Re^2: 夢の世界とは(途中)

あきはばら博士

偶然あのときのログを保存していたので参考にアップします。
執筆の手助けにしてください

「おぉぉ……! うわぁ、凄い……。本物のミュージカル、こんなに綺麗だったんだ……」
「そーだよ。ここのミュージカル、中々でしょ?」
「え? ……うわっ!?」
「人を見て驚かないでほしいな、うちはただのシャンデラだよ。同じ観客同士じっくり眺めようじゃないか」
「う、うん……」
「……ねぇ、なんでさっき本物って言ったの?」
「あ、実はかくかくしかじか」
「まるまるうまうま、か。元人間、ねぇ。……なんでここにいるか訪ねていいかな?」
「うーんとね、色々見てって何が起きてるか調べようって話になったんだけど……」
「ミュージカルが面白そうだからつられたわけか。お連れさんにバレたら怒られるよ?」
「怒られたくないなー……」
「にしてもおかしな話だね。何でDMを止めろって言ったんだい?」
「さぁ? その辺ボク等も分かってないんだけど、とにかくDMを止めようと思って」
「――そう」
「シャンデラさん?」
「言われたからDMと戦う……か。それは本心から?」
「え? 暴走を止めてくれって頼まれたし、うん」
「……危なっかしいって言われない?」
「へ!?」
「あいまいだから見てられないよ。ミュージカル終わったらさ、君の仲間もつれてどこかお茶したいけどいいかな。DMに関して知ってる事があるんだ」
「ホントですか!?」
「うん。だから……約束してくれるかな?」
「うんうん!」

/

面切り替え。シャンデラことゆな、正体現して無双開幕。その途中か、一人KILLしたところでスイレンに言う)「闘いっていうのはこういうもんだよ、あいまい娘。DMはね、そんな理由で倒せるほど弱くないし、倒させない。少なくともお前等みたいな薄っぺらい正義感で動いてる子供にはやらせないよ。……さて、ここで死ぬのとドリームメイカーズにつくのとどっちがいい?」

「うん。同じポケモンで、同じ元人間。……でも覚悟が違う、それだけさ。それよりもうちの質問に答えろ、死ぬかDMにつくか、それとも……声を縋ってDMを倒すとホラを吹くか」

2011/09/11 Sun 23:21 [No.666]

[ 編集 ][ 返信 ]哲学者と暗殺者

ジャグラー

「正義の反対は何か、分かりますか?」
メガネを付けたルカリオが、目の前のマニューラに問いかける。
「正義の反対・・・悪、でしょうか?」
マニューラがルカリオの問いに答える。
マニューラの答えを聞いたルカリオは、机の上に置いてある紅茶を飲み、再びティーカップを机に置く。

「違いますよ、アイシス。正義の反対はまた正義。悪なんて存在しないのですよ」
ルカリオの言葉に、アイシスというマニューラは首を傾げる。
「しかし・・・それはおかしいのではありませんか?正義と悪があってこそ、世界は成り立ってるのに・・・」
「それはいつの間にかこの世の中に埋め込まれてしまっている、間違った事実です。本当の悪なんて物は存在しません。悪と呼ばれる物だって、その悪に関わる人たちからすれば正義じゃないですか」
「・・・では、セクト様は悪とは一体何なのですか?」
アイシスが目の前のルカリオ、セクトに問いかける。
セクトはティーカップの中にあった紅茶を飲み干し、再び机に置く。
「架空の存在です。それぞれが抱いている事全てが、正義なんですよ。私が持ってる本・・・まあ、ファンタジー物の小説なんですがね。これに乗っている、この悪役も最後の敵も。彼らも、その部下も己の正義を信じて野望を叶えようとしたんです。」
セクトは手元にあった本を開き、アイシスに見せる。
そのページには、主人公と悪役の親玉が載っており、それぞれがやった事が細かく書かれていた。
なるほど、とアイシスが呟いたと同時に彼は本を閉じて机に置く。
「だから私が実行しようとしてる事だって、正義の一つ。この本に載っている彼らのやったことも正義。・・・分かりましたか?」
「はい、セクト様」
よし、と彼がつぶやくとお互いにイスから立ち上がる。
そして、互いのベッドに置いてあった物、―――セクトはマント、アイシスはクローとボウガン―――を付けて互いに顔を合わせる。
「では、談義はここまでにして行きましょうアイシス。私達の理想郷を、築き上げるために。」
「はい、セクト様。・・・私は、あなたのためにこの命を捧げます」
アイシスの言葉を聞いたセクトは、メガネを指で上げてドアを開け、そのまま外に出る。

―――彼らの目的はただ一つ。理想郷を作り上げること。―――
哲学者と暗殺者が、己の正義のために今動き出す。

2011/09/12 Mon 01:07 [No.668]

[ 編集 ][ 返信 ]Re^2: 夢の世界とは(途中)

ゆな

スイレンはその顔につられて、彼女の夢を肯定した。

「素敵な夢だね」
「ありがとさん。……夢が現実になる時は多分遠くないと思う」
「え、そうなの?」
「うん。それを目指してる人が色々いるし、結構実現も近いんだよ。まっ、最悪の場合うち一人になってもやり通すけどね。でなけりゃ、何の為に頑張ってきたんだって思うもの」
「……すっごい叶えたいんだ」
「だからうちはここにいるんだよ。あんたはそういうの無いのかい?」
「え? えーと……」

 シャンデラから不意に訪ねられて、スイレンは頭を悩ませる。夢、と一言で言っても何になりたいとか、何をしたいとかは具体的に思いつかない。それに今の状況だって十分夢のようだし、これ以上の望みは自分の年齢では中々思い浮かばないものだ。
 どう言おうかと悩んでいると、ふとシャンデラのモノクルについている歯車のストラップに目がついた。そのストラップには「D」と書かれており、それと夢という単語からふとドリームメイカーズの事を思い出した。
 スイレンは慌ててシャンデラにドリームメイカーズの事を訪ねる。

「あの、ドリームメイカーズって知りませんか?」
「ドリームメイカーズ? ……知ってるけど、急にどうしたのさ」
「えとね」

 シャンデラの返答に対し、スイレンは己のこれまでの事を話した。
 自分が元人間であること、不思議なアドレスをクリックしたら不思議な声に導かれてこの世界にやってきたこと、元人間が自分達だけではないこと、全員共通で「ドリームメイカーズを止めてほしい」と言われたこと、などなど。
 彼女の話を黙って聞いていたシャンデラは少し考え込んでいたが、やがてため息をこぼすように口を開く。

「……なるほど。『ドリームメイカーズの暴走を止めてくれ』っていう不思議な声に導かれたんだ、元人間のポケモン達は」
「そうなの。だからシャンデラが何か知ってるなら、教えてほしいなぁと思って……ほら、夢を叶えたいって言ってたし、その人達に邪魔されても嫌でしょ?」
「まっ、邪魔されるのは確かに嫌だね。……ねぇ、あんた名前何て言ったっけ?」
「スイレンだよ」
「良い名前だね。ねぇ、スイレンはどうして倒そうって思ったんだい?」
「成り行きかな。アドレスクリックしたらいきなりこっちに来ちゃったし、頼まれちゃったからやるしかないって思ったの!」
「……そう」

 スイレンが思ったままに理由を話すと、シャンデラは少し声のトーンを落として答えた。その様子に機嫌を損なわせてしまったと思い、慌てて弁解しようとするがそれより早くシャンデラが言った。

「……いいよ、教えてあげる」
「え、ホント!?」
「ただ、ここだとちょっと話しづらいから……外出ようか」

 未だに声のトーンを落としたまま席を立つシャンデラ。スイレンが何か声をかけようと思ったが、予想よりも早くミュージカルから出ていこうとする彼女の後を追いかけるのに精一杯だった。ミュージカルをもう少し見たかったけど、それはどうも叶いそうになかった。

2011/09/15 Thu 00:44 [No.685]

[ 編集 ][ 返信 ]Re^3: 夢の世界とは(途中)

ゆな

連れられる形でミュージカルの外に出た後、すぐ傍の路地裏に入ったシャンデラをスイレンは追う。あの華やかな舞台から打って変わり、人が見向きもしない暗い場所だ。
 こんなところで話す理由が分からず、スイレンが己に背を向けるシャンデラを見つめる。するとシャンデラは立ち止まり、そのままの状態で名乗った。

「そういえば自己紹介が遅れたね、うちの名前はゆな。あんたの探しているドリームメイカーズだよ」
「え?」

 シャンデラ――ゆなが唐突にした自己紹介の内容に、スイレンは己の耳を疑った。
 今、彼女はドリームメイカーズと名乗った? それはつまり、自分達の敵だということ? このシャンデラが自分の敵!?
 予想外の出来事に困惑しながらも、相性的に不利だから咄嗟に逃げようと思ったが足が動かない。まるで影に張り付いたかのように、引かせてくれない。彼女から逃げられない。どうして!?
 困惑するスイレンを他所に、ゆなはゆっくりと振り返ると先ほどの様子から一転して不機嫌さをあらわにしながら嘲笑う。

「不思議な声に導かれたから? 頼まれたからやるしかない? ……ハッ、何も知らないでそんな事を言うだなんてお笑い種だね。折角うちがこのまま出てきても、なーんにも気づかない。それどころかドリームメイカーズについて訪ねるだなんてね。まっさかここまで無知だったとは思わなかったよ。……生憎とそういう流れ任せは嫌いでね。少なくとも誰かに頼まれたからやるっていう馬鹿に止められるのは、心底ごめんだ」
「え、あ、あの……えと、じゃあ、あなたは……敵?」
「ここで味方って判断する方が馬鹿だとうちは思うよ」

 その場から逃げれず、嘲笑う炎の亡霊に声を引きつらせながらスイレンが訪ねるとゆなは心底馬鹿にするような声色で言い切った。
 先ほどの様子とは決定的に違う目線。それは敵対者を人と見ず、排除する存在だと見ている目。そして、彼女にとって潰しがいのある獲物が現れたと笑う目。モノクル越しに嘲笑いながらも、獲物をじっとりと観察する目は狩人そのものだった。

 怖い。恐い。この人、こわい。
 こんな、怖い人と、あたしは、話していたの?
 こんな、人を「獲物」とあっさりとらえるような、人と?

 ゆなに見つめられていく程に、スイレンの全身に酷い悪寒が走る。
 彼女の虫けらを見るような冷酷な眼差し、喉下に刃を突きつけられたような殺意、ゆらりゆらりと不気味に燃える五つの炎。日陰の中、不気味に存在する亡霊という姿。
 シャンデラという種族も相まってか、本来好感を持てるはずのポケモンの姿が――何よりも恐ろしい存在のように見えた。
 震えるスイレンに対し、ゆなは不気味に体を揺らしながら問いかける。

「さて、一応聞いておきますか。うちに殺されたくなかったら、ドリームメイカーズに入れ。……くっだらないまやかしの声なんかより、生きる方が重要だよねぇ?」

 五つの燃え盛る炎を見せつけながら、ゆなはスイレンに向かって酷く嘲笑うように『勧誘』する。
 でもそれは『勧誘』という生易しいものなんかじゃない。有無も言わさぬ迫力と威圧感、これは『脅迫』でしかない。これを断れば最後、紫色の業火で燃やされるのは目に見えていた。生き延びたいと願うなら、答えは一つしかない。

2011/09/15 Thu 00:45 [No.686]

[ 編集 ][ 返信 ]Re^4: 夢の世界とは(途中)

ゆな

だけど、スイレンはその答えを口にしようとしなかった。

「……かない。……いくもんか……」

 恐怖でがくがく震える体に鞭を打ち、弱々しくも声を出す。それは生まれたての赤子のように頼りないものであるが、それでもゆなの耳には聞こえていた。
 スイレンは感覚と知識で目の前の炎の化身に「負ける」と理解している。でも、だからって命惜しさに何もせずに従えるほど己の心は安くないし、弱くもない。
 ――それにこんな『脅迫』を仕掛けてくる女がいる時点で、ドリームメイカーズを放っておくわけにはいかないと強く思えた。
 だからこそスイレンはゆなの誘いを、キッパリと断った。

「アナタたちが、何者かはわからないけど……少なくとも、アナタのような人にはついて行かない! 絶対に!!」

 己を頑張って奮い立たせ、相性的にも立場的にも圧倒的に不利な状況の中、小さなシキジカは断言する。目の前に存在する夢の創り手が差し伸べた手を、果敢にも振りほどいた。
 その答えを聞き、怨念を表す禍々しい炎を持った亡霊は軽くため息をつくと、すぐさま好戦的な笑みを浮かべた。

「OK、交渉不成立か。……そんじゃ心置きなく殺すといたしますかっ!!」

 直後、ゆなの五つの炎が勢いを増して巨大化し、大きな火炎球となって五つ一斉にスイレン目掛けて襲い掛かる。
 スイレンは慌てて回避しようとしたがいきなり飛んできた五つの炎を狭い裏路地で避けられるわけもなく、全てまともに食らってしまう。その勢いのままに彼女の体は裏路地から表通りへと弾き飛ばされ、強く大地に叩きつけられる。
 五つの炎はスイレンに直撃した事により、弾け飛んで左右の建物に燃え移る。当然ミュージカルにもその炎は宿り、どんどんと燃え盛っていく。

「あ、やばっ。……まぁ、いっか。請求書はどうせボスのとこだろうし」

 己の出した五つの『はじけるほのお』によって起きた事に、ゆなは大して危機感を覚えずどうでもいいと言わんばかりにぼやく。
 そのまま己も裏路地から外に出る。その際、空に存在する太陽が余計に眩しく輝く。『にほんばれ』だ。
 地面に叩きつけられ、効果抜群の技を食らったスイレンはどうにか立ち上がっていると、ゆながこっちに向かって来ているのに気づいて急いでその場から離れていく。
 だがゆなはそれを無理して追おうとせず、表通りに出ると燃え盛る建物をバックに酷く興奮した状態で高笑いする。

「ハハ! 逃げろ逃げろ無様に逃げろ、仲間に助けを求めてみろ! 全部燃やして殺して灰にして、地獄に変えてやるさ!! 反逆したいなら存分にしてきな! 誰が相手だろうと、原型の無い塵にしてあげるからよぉ!! あーっはっはっはっはっは!!」

 さんさんと照る太陽の下、高笑いする怨霊の禍々しい姿は惨劇の化身そのもの。彼女のモノクルについたドリームメイカーズのシンボルがチリンと揺れる。

 ――スイレンは知らない、気づいていない。
 己が逃げ切る事は出来ない事に、気づいていない。
 シャンデラの夢特性が「かげふみ」である事を、知らない。
 故に彼女達を、ライモンシティを舞台とした亡霊による炎の惨劇が、襲い掛かる。

 ■ □ ■
ドリームメイカーズ幹部ゆな、ライモンシティ降臨! 同時にライモンシティ全体でのイベント戦開幕です。
ちょいとした会議により、このライモンシティでの戦闘は味方の分担及びにゆなの実力を示す為に強制敗北イベントに近い代物となっております。なのであっさりと倒さないでくださいませ。もしそういう展開になった場合、問答無用で燃やしにかかります。
現時点ではシャンデラゆなの実力は来たばかりの元人間である皆様の実力を軽く上回っており、質より量で攻めても倒せる可能性は非常に低いです。
なのでライモンシティから逃げ出す事が重要となります。ゆなはある程度のタイミングで撤退させます。その為、如何にゆなの猛攻から生存・回避できるかが重要となってきます。
尚、このイベントで元人間の死亡者が出る可能性はあります。

2011/09/15 Thu 18:23 [No.688]

[ 編集 ][ 返信 ]無くて七癖!(書きかけ

TS・サジタリウス

ー無くて七癖、という言葉がある。

人は誰でも多かれ少なかれ何らかの癖を持っている、という意味である。

一人の青年が部活から帰ってきて無意識にノートパソコンを開くのは癖の一つだろう。
そのパソコンのインターネット画面のタブがいくつも開かれてるのもよくある癖である。
パソコンの画面を見ながらいつのまにか咥えている鉄の棒は多分珍しい癖だろう。
青年がネットで『ポケボード』という掲示板を最初に見るのも癖の一つと言えよう。

そして『助けてください』と書いてあったスレッドの下にあったURLを興味だけで押してしまうのもー

「ん…?あれ…?」

ー彼の困った癖である。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『あなたをポケモンだけの世界へ導きます』

 『ドリームメーカーズが、人間の世界へ干渉してくる前に』

 『あなたたちがそれを阻止して、世界を救ってください』

 『お願いします……助けてください……』

そんな精一杯の説明も意識が完全にブラックアウトしている彼にはまったく届かない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

静かな森の中、TS(トルコストーン)・サジタリウスは目覚めた。

「………何です?此処どこですか…?」

ちょっと動転しながらやっと声にだす。

そこは見渡す限り、緑、緑、緑。オールグリーン。

ただそれを見る彼は決して『異常なし(オールグリーン)』とは言えないだろう。
なぜなら此処の事を全く知らないからである。

「!…携帯…なし!?電子辞書…なし。ゲーム機…なし…」

いつも使っている、いつも自分を助けてくれる愛用品がまったくない事に落ち込む…否、一つだけあった。

サジタリウスは傍に落ちていた鉄の棒を見つけ、疲れたように某ゾンビゲームの主人公の口癖を呟いて見る。

「…泣けるぜ。」

そしてそれを取ろうと手をー

「?」

手を…

「………」

手…

「……はい!?」

伸ばしたはずの手は

なんとやたら鋭そうな翼になっていた。

その普通じゃ考えられない物を見てTS・サジタリウスは苦し紛れの冗談を言うしかなかった。

「はは…空…飛べるね…」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
もうちょっと続けれそうなのでとりあえず書きかけです。

2011/09/13 Tue 01:05 [No.669]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

亜雲AZ

とりあえず書いてみました

『助けてください』

「……あんじゃこりゃ?」

 それから数分後、僕の奇妙な運命が動き出す――

 亜雲AZプロローグ【俺様と女狐と僕惨状】

 彼は亜雲AZ。どこにでもよくいそうな高校生だ。今日も学校が終わり、さっさとパソコンをつける。最近は某魔法少女や仮面騎士だのを調べているが、小説も書いていたりする。
 ちなみに今はチャット仲間が小説を書いているとある掲示板に出入りしている。しかし、探すのが下手なので見つからない。そして、彼は奇妙な書き込みを見つけた。

『助けてください』

「……あんじゃこりゃ?」
 ためしに開いてみると、アドレスが載っているのみ、あとは何もない。
「荒らしってやつか……?」
 一応、ウイルスバスターは起動している。普通ならすぐに戻ればいいのだが、好奇心がそれを拒む。そしてついに、押してみたいという思考が生まれてしまう。思いついたことはすぐにやる。昔っからの悪いくせだ。そして、今回もその悪いくせが働いてしまい、アドレスを開いてしまったのだった。

 そして、意識が遠のき、目の前が真っ白になっていくのを感じた。

(……いやいやおかしいだろぉぉぉぉ!! え? なにこれ?)

『あなたを、ポケモンだけの世界へ導きます』

 どこからか、声が聞こえる。

(……へぇ〜チラーミィとかツタージャに会えるかな……ってだりなんだあんた!?)

『ドリームメイカーズが人間の世界へ干渉してくる前に』

(……なにそれ?)

『あなた達がそれを阻止して……世界を救ってください』

(世界を救う? そんなヒーローみたいなことが僕に出来ると? 体育1か2だよ? つーか『達』?)

『お願いします……助けてください……』

(助けてって言われてもこっちにはとりえひとつないんだって他あたってって……おい!?)

 そして、完全に意識が途絶えた……。

 〜〜〜〜〜

「他あたれって言ってるだろぉぉぉぉぉぅ!!!」
 彼は勢いよく起き上がる……が、そこは見知らぬ森。そして同時に味わう。肉体の違和感に。
「あれ……? ってなんじゃこりゃあ!?」
 驚いた。なぜならその姿は人間ではなく、ペンドラーだったからだ。
「おー起きたかチビドラー」
 後ろから声が聞こえる。振り向いてみると、そこにいたのは左目に古傷のあるタブンネだった。
(しかし、チビとは何事か。ペンドラーは2.5mはあるんだ。タブンネなんて……あれ? じゃあなんでこんなに目線が低いんだ? むしろ、人間の姿だったころより視線が……)
「普通の身長の2/1程度しかないペンドラーなんて初めてみたぜ」
(半分? じゃあ、この体は1.25m……小学2年生ぐらいの身長じゃねーか!)
「お前、名前は?」
「……あ、亜運AZ……」
 静かに名前を告げる。
「俺はジャッキーだ。で……オーイ!」
 タブンネ……ジャッキーが叫ぶと、チラーミィが現れた。

「チラーミィィィィィィィィィッ!!!」

 その瞬間AZの思考はダウン、すさまじい速さでチラーミィに向かって走り……

「ぴでぷッ?!!」

 そして激痛とともに思考が元通りになった。チラーミィの尻尾でビンタされたらしい。

「おいおい、サラを襲うようなことすんなよ。そいつのめざましビンタは永眠級だぜ?」
「失礼なこと言わないの! とりあえず、アタイはサラ。よろしく変態」
「変態じゃない! チラーミィとツタージャを見た瞬間それらをモフりたくなる衝動にかられる亜運AZだ!」
「それが変態だろーがドスケべ」
 冷たい目でジャッキーが突っ込む。AZは思いっきり落ち込んでしまった。
「……なんで? なんでそこまで言うの?」
「変態ドスケベのクソ野郎だから」
 ジャッキーにそう言われた瞬間、AZの何かが崩れ去った……
「はいはいどーせ僕は変態ですよドスケベですよ変態という名の紳士ですよあーもーどうせ俺なんて変態変態変態変態変態変態h」
「「謝るから病まないで」」

 ここに、奇妙なポケモン達が集った……彼らの運命は一体……?

「うああああああああああああああああ……」
「よしよしジャッキーは単細胞だから……」
「俺だけのせいじゃないやい」

2011/09/13 Tue 21:19 [No.671]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

仙桃 朱鷺

「大きくなったら何になりたい?」
「あのねわたしはおはなやさんになる!!」
 だって花が大好きだから!!

 目が覚めるとさっき休憩しようと降り立ったところだった。そうか、うたたねしてたのか……あんな夢もう語れるほど私は幼くないわ……こっちに来たことよりは現実味あるかも知れないけど、そのうちそうとも言っていられなくなるよね。うん。
 こっちに来て地図見ただけじゃよくわかんないからって初めて持った翼を使ってあちこち見て回ったし、ポケモン達と話してたら最近元人間と名乗る人たちがやってきたってことと右も左もわかってないような感じだという話を聞いた。
「同じようにして来たんなら教えてもらってないのはおかしいよね?ぬー、これはきっと何かあるよねぇ。」
 何かを始める時に予想外の出来事が起こるのはよくあること。この元人間達がやってきたということもたぶんきっとそういうことなんじゃないかな。
 飛んでる時に連絡用の機械落として壊してしまったので今の状況がさっぱりわからない。今度は落とさなくてすむように首から紐につるしてもらおうか。
 皆のところに帰ろう。飛び方はもう大丈夫。地図はもう頭に入った。私がやれることを成しに行こう。ちょっと自由行動しすぎてたかもしれない。
 トロピウスになった仙桃 朱鷺は眠った時に落してしまった眼鏡をかけてドリームメイカーズのところに戻るために地面から舞い上がった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
授業中に先生の目を盗んで少し。文才の無さに泣いた。
イービスが投稿できるのはいつになるのか・・・。
時間軸はこれどこにすべりこませれるかなぁ・・・流れ次第です。
うまく入れるといいなと。
入りの文章は多分これで問題はないといいな・・・短くてすみません。

参戦は多分早くて10月だと思います。リアルよ私に自由をくれ!!

2011/09/14 Wed 13:01 [No.674]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

ロサラ

「ららら、ららら、らららっらー」

 ちゃんと言葉になった歌詞でも歌えばいいのだが、彼女が口ずさんでいるのは見事に「ら」の一文字だけだった。
 彼女は廊下を歩いて行く。六つに分かれてボリュームを増した金色の尾を揺らして、足音も立てずに四足歩行で廊下を歩いて行く。
 歩く度に、首にかけられたペンダントが揺れる。金色の毛並と対照的になるような銀色である。
 そして、とある一つの扉の前に立つと、前足で器用に扉を開けて、部屋に入った。
 一匹の金色のロコンは、部屋に入った瞬間に歌を止め、代わりに飛びだしたのは大声だった。

「ケイター! ケーイーターー! いるですでふかー!?」
 語尾の余計な「でふ」さえ除けば、「少し敬語を間違えたかなー」程度の日本語。
 それに呼応するように、別の声が部屋に響いた。
「ロサラかー? どうした?」
 高めのボーイソプラノだった。「ケイタ」と呼ばれた一匹のイーブイは、手にしていた資料のような物を置いて、ロコンの下へ歩く。
 「ロサラ」と呼ばれた色違いのロコンは、ケイタが居る事を確認すると、話を始めた。

「なんだか、私と同じ『元人間』がじゃかじゃかこっちにやって来ましたでふ。なんかすごいですでふ」
「『なんかすごいですでふ』じゃねぇよ。情報ソースは?」
「ゆなさん」
 その「ゆな」という名前を聞いて、ケイタは後頭部にオレンジ色のリボンを付け(見る度に思うが自身の炎で燃えないのが不思議だ)、右目にモノクル(という名前らしい。本人に尋ねたら教えてくれた)をかけたシャンデラを脳裏に思い浮かべる。
 彼女はこの『ドリームメイカーズ』の幹部(の中でも更に偉い所)である。――ロサラと同じ元人間なはずなのだが、正直に言うと純粋なポケモンの自分よりもポケモンらしい。何かおかしい言い方だが、これ以上の表現の仕方を彼は身に付けていなかった。

2011/09/14 Wed 16:56 [No.675]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

まかろん

自分はよくこう言われる。
「せっかち」「おっちょこちょい」「怖いもの知らず」

――いっつも何でだろう、って思ってたのだけど

「…嘘」

――自分の性格をちょっとだけ理解した気がした………

 * * *

私には、小学校からの親友が居る。
六年生の時転校してきた私に、一番に話しかけてくれた。
私の大切な、大切な親友。

そんな親友と、今日もスカイプで話をしていた。
学校で会えるじゃないかって?
…そんなんじゃ喋り足りないじゃん。

『ボリボリボリ…』

あれ…?何か聞こえる…。

『あぁ痒い痒い……』

うわっ!また掻いてる!!…あれだけ注意してるのに。

「マイク越しにボリボリって音が聞こえる!また掻いてるでしょ、治らないよ!?」

痒いものは痒いと断言する彼女に呆れ、ため息がでた。

「はぁ…。もう!!何時になったら直すかなぁ!?まったく…」

これはいつもの会話。
私的には楽しいと思っているけれど、彼女はどう思っているだろうか?
迷惑…なんて思われてないかな…?

「あれ、ポケ書が荒らされてるー……」

私が色々思いふけっていると、突然親友が何かを言い出した。

「…ポケ書?」
『そうそう。』

ポケ書。
最近、親友である彼女に紹介されて興味を持ち、ちょくちょく見るようになったサイト名だった。
彼女が言うとおり、ポケ書のサイト内にある掲示板【ポケボード】が荒されていた。

「…本当だ。誰だろうねぇ?」

<助けてください>という文字と、一行だけのURL。

『なんかアドレス載ってる……怪しいな…』

…確かに。
今時、こういうサイトに助けてくださいだとか、URLのせるだとか、何か悪いサイトしか考えられない。

…だけど好奇心って、なんで抑えられないんだろう。

彼女に何なのか見てみる?と聞き、返事も聞かないうちに勢いに任せ、URLをクリックした。
それから彼女からの注意に返事をしたけど、余り良く覚えてない。

目の前が急に真っ暗になり、意識を手放した――――。

 * * *

「…嘘」

目が覚めてから、何分放心状態だっただろうか。
とにかく、精一杯な心境の中で発した言葉が、これだ。
目の前に広がる景色は、いつも小さな画面に映っていた、私の大好きな場所…。

ライモンシティ

そして、ポケモンに…グレイシアになってしまった、自分。
夢なんじゃないのか。そう思い、何度も顔を叩いた。

「…いひゃい…」

普通に痛かった。
夢じゃないと思い知らされ、さらに頭が混乱した。

…なのに、こんな時でも好奇心には勝てないんだ。

ライモンシティを捜索すべく、私は前足を一歩、踏み出したのだった―――。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

プロローグ書き終わりましたぁぁ!
って…本気で私文才無い…

2011/09/15 Thu 00:27 [No.684]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

ロサラ

「…へぇ。で、詳しい事は聞かなかったのかよ?」
「聞きましたですでふよ」
「教えてくれよ」
 そう尋ねると、ロサラは素早くケイタから目を逸らした。

「………? おーい?」
「…聞いたことは聞いたんですけど、ややこし過ぎて私の口から完璧に説明できる自身はありませんでふ」
「なんだそりゃぁあぁぁ!!!」
 まったく持ってその通りだった。
 らちが上がらないと判断したケイタは、つかつかと扉の方へ歩いて行く。

「まぁいいや。ちょっと直接ゆな様に聞いてくる」
「あぁ、無駄ですでふよー。ゆなさん今ライモンシティに行ってるですでふ」
 …ケイタはそのまま扉に激突した。
「先に言え先にぃぃぃ! つーか何故言わなかった!」
「訊かれなかったからさ! でふ!」
「うぜぇえぇぇ! 何がうざいかと言うとその爽やかな無表情と裏声が凄くうぜぇ!」
 一通りツッコミを入れきったケイタは、コホン、と咳払いをして深呼吸をしてから、ロサラに尋ねた。

「じゃあゆな様は何しに行ったんだ?」
「勧誘ですでふ」
「勧誘ぅ?」
「なんかこっちに来た元人間を、ここに入るように『勧誘』するらしいですでふ」
「…………『勧誘』、ねぇ…」

「入るのを拒否すれば、容赦なく殺すとか」

 物騒な言葉を、ロサラはさも当然のように言葉に乗せて、声として流した。
 そして、その言葉を、ケイタはさも当然のように受け取った。
 ――その『勧誘』という言葉は、最早『脅迫』に等しい。

「………で、何? 俺達もゆな様を援護に行った方がいい訳か?」
「いんや、やめといた方がいいと思いますでふよ。ゆな様達だけでどうにかなる問題ですでふ。それよりも、ケイタ」
「ん?」
 少年イーブイの名前を呼び、ロサラはクスリと微笑む。
「ライモンシティ付近に、元人間が二匹出現したっぽいですでふよ」
「ほう。それで?」
「一緒に『勧誘』しに行きましょうですでふ! 許可は貰ったですでふよ」
「おいおい良いのかぁ? その元人間は♂? ♀?」
「どっちも女の子ですでふ」
「♀か…。もしかしたらいぬ様がもう行ってるかもしれないし、つーか俺あんまりいぬ様を目の前にしたくないしって押すな押すなぁ! わーった、わーったから!」
「まーまーまーですでふ」

 二匹のポケモンは、きゃいきゃいと騒ぎながら出て行った。
 それは、人間に例えれば仲の良い中学生ぐらいの男女の会話であった。

***あとがき
2000文字以上を超えたとか言われたので分割しました。
なんか勝手に展開させちゃったりしました。修正して欲しい箇所などあれば言ってください。
一応ロサコンとケイタのプロローグです。

>追記
チャットの過去ログ覗いた時に「ロサコンが言ってる『元人間』ってフィリンドとまかろシアか?」とあったのでお答えさせていただきますが、一応フィリンドとまかろシアさんです。

2011/09/15 Thu 07:01 [No.687]

[ 編集 ][ 返信 ]Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

リーオー

「ふー、今日も一日頑張った!ただいまー!」

学校から帰り、玄関で気の抜ける声をあげる少年がいた。

「さて、更新されてるかなー?」

彼の名はリーオー。
掲示板『ポケボード』に入り浸る、一応中学3年生である。
仮にも受験生とはとても思えない能天気さだが。

「…ん、何だこれ」

今日も今日とてポケボードにやって来た彼だが、今日は見慣れないスレッドが立っていたのに目がついた。

「『助けてください』…?」

目に留まったらすぐにクリックする。彼の癖だったのかもしれない。あるいは只の好奇心だったのかもしれない。

だが、『好奇心は猫を殺す』の諺が有る通り、それは彼の首を絞めに絞めた。

にしても、これはあんまりだろう、

目に飛び込んだURLを1秒経たずにクリックするなんて。

 『あなたをポケモンだけの世界へ導きます』

え、何?誰ですか貴方っ!?

 『ドリームメーカーズが、人間の世界へ干渉してくる前に』

ドリームメーカーズ?何ですかそれ!?

 『あなたたちがそれを阻止して、世界を救ってください』

いや、世界救えって、訳分かりませんよ!?

 『お願いします……助けてください……』

いや、助けてって、もうちょっと説明しt…!!!

2011/09/15 Thu 18:53 [No.689]