TS・サジタリウス
ー無くて七癖、という言葉がある。
人は誰でも多かれ少なかれ何らかの癖を持っている、という意味である。
一人の青年が部活から帰ってきて無意識にノートパソコンを開くのは癖の一つだろう。
そのパソコンのインターネット画面のタブがいくつも開かれてるのもよくある癖である。
パソコンの画面を見ながらいつのまにか咥えている鉄の棒は多分珍しい癖だろう。
青年がネットで『ポケボード』という掲示板を最初に見るのも癖の一つと言えよう。
そして『助けてください』と書いてあったスレッドの下にあったURLを興味だけで押してしまうのもー
「ん…?あれ…?」
ー彼の困った癖である。
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『あなたをポケモンだけの世界へ導きます』
『ドリームメーカーズが、人間の世界へ干渉してくる前に』
『あなたたちがそれを阻止して、世界を救ってください』
『お願いします……助けてください……』
そんな精一杯の説明も意識が完全にブラックアウトしている彼にはまったく届かない。
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静かな森の中、TS(トルコストーン)・サジタリウスは目覚めた。
「………何です?此処どこですか…?」
ちょっと動転しながらやっと声にだす。
そこは見渡す限り、緑、緑、緑。オールグリーン。
ただそれを見る彼は決して『異常なし(オールグリーン)』とは言えないだろう。
なぜなら此処の事を全く知らないからである。
「!…携帯…なし!?電子辞書…なし。ゲーム機…なし…」
いつも使っている、いつも自分を助けてくれる愛用品がまったくない事に落ち込む…否、一つだけあった。
サジタリウスは傍に落ちていた鉄の棒を見つけ、疲れたように某ゾンビゲームの主人公の口癖を呟いて見る。
「…泣けるぜ。」
そしてそれを取ろうと手をー
「?」
手を…
「………」
手…
「……はい!?」
伸ばしたはずの手は
なんとやたら鋭そうな翼になっていた。
その普通じゃ考えられない物を見てTS・サジタリウスは苦し紛れの冗談を言うしかなかった。
「はは…空…飛べるね…」
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もうちょっと続けれそうなのでとりあえず書きかけです。
2011/09/13 Tue 01:05 [No.669]