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Re: 次回作ドリメ プロローグ用スレッド

ロサラ

「…へぇ。で、詳しい事は聞かなかったのかよ?」
「聞きましたですでふよ」
「教えてくれよ」
 そう尋ねると、ロサラは素早くケイタから目を逸らした。

「………? おーい?」
「…聞いたことは聞いたんですけど、ややこし過ぎて私の口から完璧に説明できる自身はありませんでふ」
「なんだそりゃぁあぁぁ!!!」
 まったく持ってその通りだった。
 らちが上がらないと判断したケイタは、つかつかと扉の方へ歩いて行く。

「まぁいいや。ちょっと直接ゆな様に聞いてくる」
「あぁ、無駄ですでふよー。ゆなさん今ライモンシティに行ってるですでふ」
 …ケイタはそのまま扉に激突した。
「先に言え先にぃぃぃ! つーか何故言わなかった!」
「訊かれなかったからさ! でふ!」
「うぜぇえぇぇ! 何がうざいかと言うとその爽やかな無表情と裏声が凄くうぜぇ!」
 一通りツッコミを入れきったケイタは、コホン、と咳払いをして深呼吸をしてから、ロサラに尋ねた。

「じゃあゆな様は何しに行ったんだ?」
「勧誘ですでふ」
「勧誘ぅ?」
「なんかこっちに来た元人間を、ここに入るように『勧誘』するらしいですでふ」
「…………『勧誘』、ねぇ…」

「入るのを拒否すれば、容赦なく殺すとか」

 物騒な言葉を、ロサラはさも当然のように言葉に乗せて、声として流した。
 そして、その言葉を、ケイタはさも当然のように受け取った。
 ――その『勧誘』という言葉は、最早『脅迫』に等しい。

「………で、何? 俺達もゆな様を援護に行った方がいい訳か?」
「いんや、やめといた方がいいと思いますでふよ。ゆな様達だけでどうにかなる問題ですでふ。それよりも、ケイタ」
「ん?」
 少年イーブイの名前を呼び、ロサラはクスリと微笑む。
「ライモンシティ付近に、元人間が二匹出現したっぽいですでふよ」
「ほう。それで?」
「一緒に『勧誘』しに行きましょうですでふ! 許可は貰ったですでふよ」
「おいおい良いのかぁ? その元人間は♂? ♀?」
「どっちも女の子ですでふ」
「♀か…。もしかしたらいぬ様がもう行ってるかもしれないし、つーか俺あんまりいぬ様を目の前にしたくないしって押すな押すなぁ! わーった、わーったから!」
「まーまーまーですでふ」

 二匹のポケモンは、きゃいきゃいと騒ぎながら出て行った。
 それは、人間に例えれば仲の良い中学生ぐらいの男女の会話であった。

***あとがき
2000文字以上を超えたとか言われたので分割しました。
なんか勝手に展開させちゃったりしました。修正して欲しい箇所などあれば言ってください。
一応ロサコンとケイタのプロローグです。

>追記
チャットの過去ログ覗いた時に「ロサコンが言ってる『元人間』ってフィリンドとまかろシアか?」とあったのでお答えさせていただきますが、一応フィリンドとまかろシアさんです。

2011/09/15 Thu 07:01 [No.687]