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kaku
太郎と宏は、クリスマスだと言うのに、男同士でドライブに出かけようとしていた。
「ほんま、どこもかしこもアベックばっかりやんけ。クリスマスに恋人同士でファミレスら来んなや」
助手席に座る太郎は、憤っていた。
クリスマスくらいは、みんな高級なところに行くだろうと思って、「彼女いない歴=年齢」仲間の太郎を誘ってガストに来たというのに、客は皆アベックばかりだったのだ。
その時、店員がまるで自分を笑っているような気がして腹立たしかった。
二人は、とにかく機嫌が悪かった。
「もうええ!今から、時速300で走ろうや!!」
「ほんまや!俺らは地獄の走り屋やからな!!」
そういうと、宏はアクセルペダルを踏み込んだ。
二人の体が、座席へと吸い込まれていく。
「イヤッホー!!」
叫んだ時、遂にスピードメーターの針が150を振り切った、次の瞬間!!
車は、ガソリンスタンドへと突っ込んだ!!
ドォーーン!!
ものすごい音を立てながら、車は爆発する!!
その炎はガソリンスタンドの石油にも引火し、更に恐ろしいほどの爆発が起こった。
「う、うぅ・・・・」
宏は、命からがら車から抜けだした。
その体は黒焦げで、足は動かず、手だけで這い出すような形だ。
「さかもっちゃん・・・・さかもっちゃんどこや・・・・」
隣を見ても、さかもっちゃん(太郎の苗字は坂本)がいない。
辺りを見回すと、なんとさかもっちゃんは、頭が地面に突き刺さった状態で、逆さまになっていた。
「さ、さかもっちゃん!」
宏は、さかもっちゃんの方へと歩み寄る。歩み寄るというか、手をつかって這いよる。
「ヒロシ君・・・・俺はもう、あかん。頭が抜けへん。俺を見捨てて、ここから逃げてくれ。また、次の爆発がおこるかもしれへん」
さかもっちゃんは、手で地面を押して、なんとか抜けだそうとしているが、全く抜けない。宏は手助けしてやろうと思ったが、立つことができない以上、それも叶わない。
だが、宏は、諦められなかった。
「何言うとんねん、さかもっちゃん!わいらは、友達やないか!!見捨てていくことなんて、でけへん!」
そう言って泣く宏に、さかもっちゃんが声を懸けた。
「ふふふふ・・・・貴様、その言葉を待っていたぞ!」
言うやいなや、さかもっちゃんは、パンツの中から銃を取り出した。
「貴様、さては・・・・!」
宏は、さかもっちゃんの正体に気づくが、もう遅い。
「死ね!!」
カチ、と引き金を引く音。しかし、銃声はならない。
「なんでや!!」
焦るさかもっちゃんに、立ち上がった宏が言った。
「俺が貴様の正体に気づいていないと思ったか・・・・弾はすべて抜いておる。死ね!!」
そういうと、パンツの中から鎌を取り出し、さかもっちゃんの首を切り取った。
「ふははは!!俺こそが、この世を支配する!!」
遂にさかもっちゃんを殺した宏が、勝ち誇って笑う。
そして、ガソリンスタンドの天井から伸びているホースの先にあるハンディクリーナーてきなアレを手にとった。
ガソリンの注入口にくちをつけ、そのまま息を吸い込み、ガソリンを吸引する。
「うっ!!」
たらふくガソリンをのんだ宏は、動かなくなった。
そのまま、宏は、死んだ。
2011/01/04 Tue 02:00 [No.19]