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あげは
「――ねぇ、そういやもう三人は聞いた?」
その言葉から全てが始まったのか、
「あ、噂? あの風船の女の子のやつ?」
それ以前に、もう何もかもが始まっていたのか、
「………なん、で、こんな所に…」
もう、既に手遅れな程狂っていたのか。
「どうもね、その幽霊、あかい風船を背負ったみたいな女の子なんだって。背負ってるのか、持ってるのか巻いてるのかどうか解んないんだけれど、必ずそのあかい風船は女の子の背中に浮かんでるんだって」
「なんかその風船、凄くあかくって、もう『赤』って漢字で表現してもいいのかどうか解んないくらい」
「その子に出会うと、夢を喰べられちゃうんだって」
「夢を喰べられるって、色んな説が飛び交ってるんだけど…。本当の事は誰も解んない。例えば、その子が夢に出てくるとか、自分の将来の夢が解らなくなってしまう、とか」
―その場合、自分の夢って何だろう。もし “幽霊 ”に出会っても、喰べる夢が無いだろう。お気の毒だ。―
旅路に迷った少女―紫苑宮柊―
―本当に、何も覚えてないんだ。あの時何が起こったのか、俺はどうなったのか…。―
記憶に迷った少年―空月夕都―
―あんた達なんかあたしの“友達 ”じゃない。あたしはこのクラスでは“独り ”なの。“孤立 ”しているの。―
絆に迷った少女―成世愛―
―何で? どうして見つけてくれないの? 見つけないの? 見つけたくないの…?―
存在に迷った少年―樹江昴―
―どうしてだろう…。何で、誰も私の事、解ってくれないの…?―
価値観に迷った少女―真津羽夜子―
―ただ俺は、皆と一緒に笑いたいだけなんだ。―
感情に迷った少年―鷲呂原琴柱―
―……五月蠅くて、耳障りで…でもどこか、懐かしいの。―
声に迷った少女―來崎亜揺―
七人の夢の旅人達は平穏から解放され、彷徨って、迷って、歩き回る。
それは端から見れば何かを求める獣に――端から見れば、頑丈な糸で幾重にも繋がれた、只のマリオネットに過ぎなかった。
「赤でもない、紅でもない、朱でも、緋でも赫でもない。…それは、その【アカ】達よりずっとずっとずっとあかいんだ」
鍵は、「あか」と「白」。
白い白い白い楽園の少女と、あかいあかいあかい風船。
全ては、彼女の気紛れか。
只の偶然か。
偶然という名の必然か。
――夢を喰われた僕らの、懺悔の咆哮。
***あとがき
そのうち公開するかもだよ!
ベタ予告編的な物。意味不明です。
2011/02/25 Fri 23:42 [No.142]