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空色
「――私が、あの人を止めなくちゃいけないんだ。」
「だからビー君。」
「あの人を探す為に、キミの力を私に貸して欲しい。」
『明け色のチェイサー』(仮)
◇世界観あらすじ
ポケモンをボールに入れて捕まえて育て、戦わせる。
そんな「ポケモントレーナー」と呼ばれる人種がこの世界に存在したのはもう何百年も昔の事。
人とポケモンの関係は随分変わった。
モンスターボールは真っ白なカードにとって代わり、捕獲は契約に変わった。
これまでは人がポケモンを捕獲し、従わせていた。
だが現在はポケモンが人を認め、契約をする事で人はそのポケモン力を借りる事ができる。
この関係の変化によって、人とポケモンは共に暮らす事は少なくなった。
しかし、あえて距離を置くことによって、人間達とポケモン達の関係は以前より対等に近づいたと論じた者も少なく無く、次第に人々のはこの新たな関係を受け入れていった。
トレーナー時代にあったポケモンを使った犯罪も、カード社会なら減少していくだろう。
「だって、そんな悪い人間をポケモンが認めて力を貸すわけ無いじゃないか。」
そう、浅はかな思考を持った人間も少なくは無かった。
しかし、カードというシステムにも穴はあった。
それは、最も恐れられていたが故に目をそらされていた穴。
昔々のポケモントレーナー達は互いが捕まえたポケモンを交換するという方法でトレーナー同士の交流を深めていた。
自分が捕まえたポケモンでなくても、そのポケモンに見合う実力さえあれば、そのポケモンを従わせる事が可能である。
その法則から、子供達が大人から最初に手にするポケモンを譲り受ける事も、一種の伝統とされていた。
つまりは、この法則がカードにも当てはまってしまったのが問題だったのだ。
本来カードとは、契約とは、ポケモンがその人間になら力を貸してもいい、というポケモンの意思を尊重した考えに基づいて創られたシステムだった。
だが、トレーナー時代と同じく実力さえあれば元のポケモンの契約者でなくてもカードを用いて力を振えるという事実が発覚してしまう。
その事実は、他人のカードの強奪をする犯罪者の増加という望まぬ事態を招いてしまった。
弱き人間は強き人間に絆と力を奪われ、対抗出来なくなっていった。
また元のカード所有者と契約し、その人間との絆を手に入れたポケモン達の想いも、犯罪者に踏みにじられてしまう結果を引き起こした。
弱肉強食。もはや、強者だけが力を振るい、弱者を脅す日々。そんな世の中に人々絶望を抱えていた。
そんな中、立ち上がった独りの青年が居た。青年は光輝くポケモンと共に、人々にこう呼びかけた。
「ポケモンの力が使えなくとも、お前達は決して無力ではないはずだ。
なのに何故動かない。何故自分の大切な友を奪った相手に立ち向かおうとしない。
お前達がそうやって自らの不遇を嘆く間にも、お前達の力を信じた友は望まぬ行動を強制され続けているのだぞ。
そんな彼等を見捨てるというのならば、止めはしない。
だけど、諦めていない奴はその手に武器を持って立ち上がれ。
友との絆を取り戻す為に、共に戦おう。」
その言葉に人々の心は動かされ、青年と光輝くポケモンを頭に異色の勢力を作り上げていった。
そして、その勢力は圧倒的な力を見せそれまで暴君として君臨していた者達から次々と己のカードを、友を自らの手で取り戻していった。
奇跡のような快挙を人々は、青年と光輝くポケモンのお陰だと彼等を讃えた。
そして力と絆を取り戻した人々は、大きな王国を建国した。
勿論その国の王は青年だ。
人々は、同じ過ちが繰り返されぬ様に一人一人の力を集めたのだ。
もし、また自分達とポケモン達との絆を脅かす輩が出ようものなら、力を合わせて立ち向かおう。
そう、国民は心に深く誓いを立てて、国を守り続けた。
そして、その王国は長く繁栄した。
人もポケモンも契約という概念を越えて信頼しあう様な、そんな素敵な関係を作れる程その王国は豊かになった。
時は流れ、王国建設から百年の時が立ち、王国はめでたい百回目の建国の記念日を迎える。
それは祝福されるべき日となる筈だった。
あの『闇隠し』と呼ばれるが災厄が王国を滅ぼすまでは……
◇用語説明
・カード
ボールにとって代わったポケモンの力を借りる為の道具。最初は真っ白なカード。言わずもがなだけどモデルはポケモンカードゲーム。
対象のポケモンが自分の力を認めて心を許してくれるとそのポケモンと契約する事ができる。
ポケモンと契約したカードにはそのポケモンが描かれ、召喚する事でポケモンを喚び出し、力を借りたり交流を深めたり出来る。
ある意味人とポケモンを結ぶ絆の象徴である。
カードにはポケモンと契約したポケモンカードの他にも人工的にカードの中に道具を入れたグッズカード。トレーナー時代の歴史上の人物をモデルにしたサポーターカード。施設や場所の特性を取り込んだスタジアムカード。ポケモンに力を与えるエネルギーカードなどが存在する。
・タイプ
ポケモンカードやエネルギーカードが持つ属性のグループの事。
トレーナー時代とは違い、タイプは無色・炎・水・草・電気・闘・超・鋼・悪の9種類に分けられている。
ちなみに、ノーマル、ひこう、ドラゴンは無色タイプ
ほのおは炎タイプ
みず、こおりは水タイプ
くさ、むしは草タイプ
でんきは電気タイプ
いわ、じめん、かくとうは闘タイプ
エスパー、どく、ゴーストは超タイプ
はがねは鋼タイプ
あくは悪タイプ、が大まかな目安になっている。
だがあくまでも大まか目安なので、当てはまらないポケモンも結構多かったりもする。
・デッキ
一定以上枚数のカードを組み合わせ、ポケモンカードの力を引き出すモノの事。
デッキを使う者を“デッキ使い”と呼ぶ。デッキ使い達の戦闘力はただ単にポケモンカードの力だけを使う者達より遥かに強い。
但しデッキを組むにはそれなりのポケモンと契約を結ばないといけないのでデッキ使いになれる人物は限られている。
ちなみに一つのタイプに特化しているのは単色デッキ。二つのタイプに特化しているのは2色混合デッキ。三つ以上のタイプが入っていると多色系デッキと呼んだりする。
・カードハンター
他人が契約したポケモンカードを強奪する犯罪者。
王国が滅んだ事によってまた姿を表し始めている。
中には実力が足りず召喚出来ないカードを他のハンターに売り渡してお金にしたりするたちの悪いコソドロも増えている。
そういったカードハンター達は賞金首にされたりもしている。
・闇隠し事件
王国を滅ぼした原因となった忌々しい事件。
その実態は超大規模な“神隠し”
ちなみに建国記念日の日が皆既日食の日でもあり、日食によって世界が暗闇に包まれている時に国の王を含めたほとんどの国民の姿が消えてしまったので畏怖の念をこめて“闇隠し”と呼ばれている。
謎が解けてない怪奇現象として調査されている。
僅かに残った国民は他国や土地に移っていき、王国は滅んだ。
その後ゴーストキングダムと化した王国を根城にする者もいる。
2011/02/23 Wed 20:29 [No.139]