Net4u レンタル掲示板を作る

  1. ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第七話 オトヒメ(2)
  2. ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第六話  さらわれたジョセフ(1)
  3. ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第五話 ヤタガラスin東京(4)
  4. ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第四話 浄芽、そして東京へ(1)
  5. ジョジョの奇妙な冒険 PartX ブリザードオブアイス 第一話 探偵事務所へようこそ(4)
  6. ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第三話 シャンゼリオンとテイク・ザ・ウェイブvsアスラ(5)
  7. ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第二話 アメジスト・ゴーレムvs大和(ヤマト)のイザナギ(2)

[ 編集 ][ 返信 ]ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第七話 オトヒメ

Joker

この小説は本家「ジョジョの奇妙な冒険」、および荒木飛呂彦先生とはいっさい関係のない二次創作です。
故に、本家「ジョジョの奇妙な冒険」とはかけ離れた部分もあるかもしれませんがご了承ください。
なお、ここは小説専用とさせていただきますので、書き込みはご遠慮ください。

2009/12/14 Mon 17:31 [No.55]

[ 編集 ][ 返信 ]第七話 オトヒメ その1

Joker

「あ〜いい湯だったぜ。」
「どうでもいいがお前らは寝るときもその学生服なのカ?」
「ちげえよ。暁のやろうが飯食った後すぐ風呂入りたいとか言ったからだ。」
「何だ、文句あんのか?」
「いや別に。とっとと部屋に帰って寝たいだけだ。」

浄芽たちは風呂に入って部屋に帰ってきた。
「おかしい。」
「何がだ浄芽?」
「空気がにごっている。クーラーの空気供給に何か問題でもあるのか・・・」
浄芽は天井のクーラーを触ろうとした。

だができなかった。

「何だ・・・見えない壁のようなものがあってクーラーに触れることができない。」
「――浄芽、どうやらその見えない壁っていうのはそこだけじゃないらしいぜ。」
鋭司は窓に触ろうとしているができない。暁は入り口のドアを開けようとしているが開かない。
「どうやら俺たち全員が部屋に入った直後に、外側に壁を作って出られなくしたみたいだな。」
「ほかの外側に通じている部分も全部見えない壁によってふさがれている。
つまり俺たちは閉じ込められたわけだが・・・・・敵はこの状態からどう攻撃してくるつもりだ・・・?!」
「いいや鋭司、敵は攻撃をしてこない。この部屋は外と空気がまったく通じていない。つまりいつか酸欠になって・・・」
「全員窒息死カ。たしカ大和には空気を固めることのできるスタンド使いがいた。」
「なんてこと言ってる間にだいぶ苦しくなってきたな。そのやろう酸素分多めに壁を作りやがったな〜・・・」

―――部屋に閉じ込められたことが発覚してから10分が経過

4人(3人と1羽)はすでに虫の息であった。
「おい浄芽〜・・・もう一度だ・・・・もう一度ラッシュを壁に打ち込むんだ〜〜〜・・・・・・」
「無理だ・・あの壁はアメジスト・ゴーレムのパワーでも無理だ・・・・硬すぎる。それにもうパワーが・・・波紋も練れない。」
「―――おい暁。金の準備はいいか?」
「・・・あァ?!」
「ホテル側に払う金は用意できているのか・・・・・?」
「――助かるのか?」
「ああ・・。クロウ、俺が特大の穴をこの部屋に開けてやるからその穴から一気に分身して外に出てくれ・・・・・」
「わカった。」
その返事を聞いた鋭司は床に向かってテイク・ザ・ウェイブを出した。
テイク・ザ・ウェイブは床にかみつき水に変えていった。
「なるほど!床なら壁ははられていない。」
「・・・いや、駄目だった。」
「え!?」
床の下、つまり下の部屋の天上にも壁ははられていたのだ。

「ということは・・・」

下の部屋には女がいた。
「ごきげんよう、神城浄芽御一行。
あたしの名前は竜宮 一姫(たつみや いつき)。あなたたちを苦戦させている“オトヒメ”のスタンド使いよ。」
そういって一姫は部屋から出ていった。

2009/12/14 Mon 18:42 [No.56]

[ 編集 ][ 返信 ]第七話 オトヒメ その2

Joker

部屋から出た竜宮一姫はホテルの屋上へと向かった。
「ふふふ、このまま屋上から最大級の空気の塊を作り出してホテルごと圧死させてやる!」
エレベーターに乗り込もうとする竜宮。

そこへ一筋の光

ビシュムッ

光は竜宮の左足の太ももを貫いた。
「ッッッッッッッッッッッッッッッッッッン!!何事!?」
左足を抱えてうずくまる竜宮。
「行かせはしねぇぜ!」
現れたのはシャンゼリオンとクロウの分身10体ほどだった。
「空気の壁ならスタンドは通過できるぜ・・・
クロウも部屋の外に分身を作り出せる。
さて、俺のスタンドの射程が50メートル、クロウのロンリー・ソルジャーが500メートルだ。
もうお前に勝ち目はない。とっとと諦めな。それともまた風穴開けられたいか?」
「くうぅぅこしゃくなァァッ・・・勝った気になるんじゃないよッ!!」
竜宮はオトヒメを出して何かをした。
しかしその何かが暁にはわからない。
「クロウッ!あいつ今なにをしたッ!」
「わカらないッ・・・
・・・・・・!何カが来る、避けろッ!!」
クロウの叫びむなしくシャンゼリオンは何かに吹き飛ばされ壁にたたきつけられた。
「かはッ!」
「暁ッ!これは・・・空気の壁だ!やつは空気の壁をシャンゼリオンに向けて飛ばしてきたんだ!!」
「気づいても遅いッ!空気の壁はすでに動きを止めている!
一度静止した空気の壁はもう動かないッ!!」
「くそッ!じゃあもうシャンゼリオンは動けないということカ!?」
「そういうことさッ!
さて、この槍のように細く尖らせ固めた空気で
鉛筆で消しゴムを貫くようにッ
シャンゼリオンを串刺しにしてやる!!」
空気の槍を発射しようとした瞬間、竜宮の背後からクロウの分身が1体突然出現した。
竜宮はそれに気がつくことなく背中を思いっきりくちばしで貫かれた。
「イッッッッッッッッッッッッッッぎゃあああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
苦しみもだえる竜宮。
「なッ!なッなッなッなッなッなッ何故ェェェェェェッ!!
いつの間に私の後ろにカラスがぁぁぁぁぁッ!!」
「それはシャンゼリオンのもうひとつの能力、オーヴァー・ザ・タイムスだ。オーヴァー・ザ・タイムスはレーザーを当てたものを10秒後のどこかに飛ばせる能力。
俺はお前の空気の壁に吹っ飛ばされる瞬間、クロウの分身を1体10秒後のお前の背後に飛ばしていたんだ。」
「くうぅぅぅぅぅう!まだだ!ぎりぎりで空気の壁でガードした!!次くらうことはないッ
空気の壁で全身防御して今度こそ貴様らを殺してやるッ!」
「次?今度?もうないぜ。そんなの。
ギャンブルやってるとよく聞くせりふだけどよぉ、それを言ったやつはもうその瞬間に負けが決まってんだよ!!」

竜宮の背後のエレベーターが開いた。
中に入っていたのは浄芽たち3人とクロウだった。
「お前たち・・・!!な・・・んで!?」
鋭司が答える。
「俺がばら撒いた水を浄芽がわずかに残った波紋の電気で電気分解して、それでできた酸素を吸った浄芽が振動エネルギーに変えた波紋を最大威力で空気の壁に打ち込んだのさ。」
「ただのパンチならともかく、振動をまとったパンチのラッシュには耐え切れず粉々になりやがったぜ。
さて、降参してヤマトのアジトの場所を吐くか。それともまだ戦うか・・・」
浄芽がアメジスト・ゴーレムを出す。
「俺はたとえ相手が女でも容赦しない。それが敵ならな。」
「ひいィィィィィィィィィッ!おしえますぅ!!
だから命だけはお助けてくださ〜〜〜〜〜〜い!!」
「よし、おしえろ。」
「ヤマトの基地は北海道の摩周湖の近くにあります・・・
数年前につぶれたホテルを基地に使っています・・・・・・」
「なるほど、わかった。
おい鋭司、SPW財団に連絡しろ。この女を引き取ってもらう。」

竜宮 一姫―SPW財団によって保護、再起不能(リタイヤ)
to be continued(トゥ ビー コンティニュード)

2009/12/31 Thu 21:53 [No.61]

[ 編集 ][ 返信 ]ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第六話  さらわれたジョセフ

Joker

この小説は本家「ジョジョの奇妙な冒険」、および荒木飛呂彦先生とはいっさい関係のない二次創作です。
故に、本家「ジョジョの奇妙な冒険」とはかけ離れた部分もあるかもしれませんがご了承ください。
なお、ここは小説専用とさせていただきますので、書き込みはご遠慮ください。

2009/12/10 Thu 16:33 [No.53]

[ 編集 ][ 返信 ]第六話 さらわれたジョセフ

Joker

「ジジイがさらわれただと?!」
「ああ、大和のスタンド使いの仕業らしい。
承太郎さんによると敵は無音で現れて、いつの間にかジョセフさんを拉致したらしい。」
「前に向こうからの連絡でテレポートのような能力のスタンド使いがいると聞いていたが・・・そいつか・・・」
鋭司がつぶやいた。

「――みんな聞いてほしい。
俺たちはこれからジョセフさんを一刻も早く救出しなければならない。だから仗助たちがここを退院するまで待つわけにはいかなくなった。
それで入院していない者・・・俺、暁、鋭司、そしてクロウは、悪いが先に進ませてもらうことにする。
仗助たちも退院しだい承太郎さんが迎えに来てくれる。だから今は治療に専念してくれ。」
「わかったっす。がんばってくれっすよ〜!!」
「浄芽君達気をつけて!」
「俺たちの分も大和をぶん殴ってこい!!」
「短い間だったけど暁君のキャラは参考になったよ。また会おう。」
皆の声援を受けながら浄芽たちは病院を出た。

「で?浄芽。俺たちこれからどこに向かうんだ?」
「そうだ浄芽!!俺たちはもう車で移動するにもドライバーがいないんだぞ!!一般人を巻き込むわけにもいかない。どうするんだ?!」
暁と鋭司が口々にいう。
「それなら承太郎さんがスタンド使いのドライバーを送ってくれた。明日にはこっちに来るそうだ。」
「へ〜〜〜。じゃあ今日はこの辺のホテルに泊まるんだな?」
「そういうことになる。」
「ならとびっきりいいところに泊まろうぜ!!心配するな、金は俺が出す!」
そういって暁はさっきパチンコで得た金を出して見せた。

というわけで浄芽たちは東京で一番高いホテルで今日は寝ることになった。
「しっかし一人一部屋でもいけるのに・・・なんで全員同じ部屋なんだ?」
「少しは考えろ暁。全員が固まったほうがいざ敵に襲われても4対1で有利だろう。そんなこともわからんのか。」
「なんだと鋭司ィ〜〜〜〜〜!!この一文無しッ!」
「ッ!!お前今なんつった?!」
「よさないカ2人とも。お前たち2人はお互いの欠点を埋めあってるカらいいコンビなんだろ!」
「クロウの言うとおりだ。2人ともやめろ。
そうだ、そろそろバイキングが始まるぞ。豪華ディナーだ。早くしないとなくなっちまう。」
そういって浄芽たちは部屋を出ることにした。
部屋から最後に出たのは暁だったが、このとき
「あれ?そういえばこの部屋の鍵っていったい誰が持っているんだ?」
それに鋭司が答える。
「俺だ。だが暁、お前このホテルはオートロックだぞ。まさか閉めるときに鍵がいるだなんて思ってねーよな?」
「うッ!・・・わーってる。わかってるに決まってんだろ。俺は仮にもセレブだぜ?!お前は俺をいつも下に見すぎなんだよ。」
そうして4人は部屋を出てバイキングへ向かった。

―――しかしこのとき暁がちゃんと閉めたと思ったドアは実は“閉まっていなかった”のだ。
いったい何故?―――

2009/12/10 Thu 17:51 [No.54]

[ 編集 ][ 返信 ]ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第五話 ヤタガラスin東京

Joker

この小説は本家「ジョジョの奇妙な冒険」、および荒木飛呂彦先生とはいっさい関係のない二次創作です。
故に、本家「ジョジョの奇妙な冒険」とはかけ離れた部分もあるかもしれませんがご了承ください。
なお、ここは小説専用とさせていただきますので、書き込みはご遠慮ください。

2009/11/25 Wed 17:43 [No.44]

[ 編集 ][ 返信 ]第五話 ヤタガラスin東京 その1

Joker

1983年
神城浄芽は生まれた。
母は日本人、父はアメリカ人でリサリサの子供だった。
浄芽が生まれる瞬間にはリサリサも立ち会っていた。
白血病にかかった後、リサリサはジョースターの血が流れるようになったことに運命を感じ再び波紋を使うようになった。
そしてリサリサはベッドで母親に抱かれている浄芽を見て感じた。運命を。
生まれて間もない浄芽がすでに波紋の呼吸をしていたのだ。オーラがほとばしるほどに。

浄芽が2本の足で立てるようになってからリサリサの修行が始まった。家族はみなリサリサの事情を知っているので反対はなかった。
そしてリサリサは驚かされる。
浄芽はまるで公園の遊具で遊ぶように次々と修行をこなしていった。
あのジョセフとシーザーが61時間もかけて登った「地獄昇柱(ヘルクライム・ピラー)」でさえも、浄芽にとってはジャングルジムと同じ。30分たたずに登り切ってしまった。
そして浄芽は波紋を極めた。いや、新たな波紋を開拓したのだ!

1989年
浄芽はスタンド、アメジスト・ゴーレムに目覚めた。
浄芽の父、そしてリサリサもジョースター家の血が流れていたためにスタンドを得た。
同じ頃、ホリィや仗助が倒れていたのに対し浄芽はピンピンしていた。波紋の修行で鍛えられていたからだが、リサリサは後に待ち受ける運命のことを考えると逆に不憫に思えてならなかった。

そして今、浄芽は・・・

東京にいた。

「ところで浄芽、何で東京なんすか?」
仗助が聞いた。
東京に来た浄芽たちはチームに分かれて行動することになった。
そして浄芽と仗助、億泰のチームが来たのは海の近くの公園だった。
「ああ、それがな・・・」
浄芽は仗助の質問に答える。
「最近この辺で妙なものが空を飛んでいるらしい。」
「妙なもの?!」
「何でもカラスのようなんだが、一羽だったのが突然十羽になったり、その後百羽になったり・・・しかもそのカラスが人の言葉を話しているのを見たなんてのもある。とにかく異常だ。」
「それってやっぱりスタンドなんすかねえ・・・。」
「わからない。だが調べる必要はある。」
そういって浄芽は懐からハンバーガーを取り出した。
どうやらカラスは食べ物を持っている人を襲うらしい。
とりあえず様子見ということで、最初は何も仕掛けていないハンバーガーをセットした。
3人固唾を呑んで草むらのハンバーガーを遠巻きに見ている。
すると紫色の羽、冠のような金色のとさかをしたカラスが寄ってきた。
「あれ、あからさまに怪しくないっすか」
「そうだな。もう少しほうっておこう。」
カラスはハンバーガーを食い終わると飛んでいった。
「よし、追うぞ。」
しかし、浄芽は何かがおかしいことに気がついた。

暗い

自分たちの周りが妙に暗いのだ。
その理由は空を見上げるとすぐに気がついた。
今まで見たことのないような数のカラスが宙を舞っていたのだ。
しかも、そのすべてがさっきの紫色のからすと同じ見た目である。
そして浄芽が先ほどのカラスに目を戻すと、そいつはすぐ目の前にいた。
「お前が神城浄芽カ?!」
カラスが問いかけてきた。

2009/11/25 Wed 19:12 [No.45]

[ 編集 ][ 返信 ]第五話 ヤタガラスin東京 その2

Joker

浄芽たちがカラスに囲まれていた頃、

「暁君も相変わらずだね。東京に来てまず最初に裏カジノ探しとは・・・」
「でも、彼はいいキャラをしているよ。彼が主人公の新しいマンガが描けそうな位だよ。どうだい康一君?やっぱり彼の戦い(ギャンブル)の様子・・・気にならないかい?」
「はは・・・、遠慮するよ。」
康一と露伴は東京のとある裏カジノのすぐ近くにある喫茶店で暁たちを待っていた。

すると、露伴は窓の外で飛んでいる奇妙な黒い塊に気がついた。
「何だ・・・?あれは?」
露伴が窓の外をもっとよく見ようと思って立ち上がった瞬間、
「露伴先生!!」
「!!」
康一が叫んで露伴が振り向く。
店の入り口から侵入した大量のカラス。
続々と窓ガラスを突き破り侵入してくるカラスの群れ。
カラス、カラス、カラス・・・・・・・・・ッ!!
「うおおおおおおおおおおッ!ヘブンズ・ドアーーーーーーッ!!」
とっさにヘブンズ・ドアーを繰り出す露伴。
しかしカラスには何故かそれが効かなかった。
血まみれになる露伴。
「そ、そんなああああああッ!!」
康一も大量のカラスを捌ききれず血まみれになっていく。

「さあ!吐き出せッ!!お前が今まで飲み込んできたすべてッ!!」
「やめろ〜〜〜ッ!やめてくれ〜〜〜〜〜ッ!!」
一玉の値段が異常なパチンコ台で当たりを連発する暁。
暁に泣きつく経営者の男。
それでも止めない、止めるわけがない暁。
それを見て後ろで微笑む鋭司。
暁は当たりの出るはずのない超高額の台でスタンドを使って無理やり当たり穴に入れていた。
「はははははァアアアアアアアアアアアアアッ!!いい気分だぜェエエエエエエエエエエッ!!いくら出たかなあ?1億?10億?イエーーーーーーーーーーーイッ!!暁超ラッキーーーーーーーーッ!!」

裏カジノから大勝して出てきた暁と鋭司。
出禁どころか裏カジノは潰れてしまった。
あとで黒い車がいっぱい来ていた。
「いやァ、やったね!これだからギャンブルは止めらんないぜェ。」
「ああ、確かにギャンブルって一難去ってまた一難って感じだよな。じゃあ今の状況もギャンブルっていえるかな。」
暁たちの前に大量のカラスが現れた。

2009/11/29 Sun 02:02 [No.46]

[ 編集 ][ 返信 ]第五話 ヤタガラスin東京 その3

Joker

「お前が神城浄芽カ?!」
「?!
カラスがしゃべった!?」
突然カラスに話しかけられて驚く浄芽。
上空には数え切れないカラスが飛んでいる。
「大変っすよ!!
今、鋭司から電話がきて・・・
あっちもカラスに襲われてるらしいっす!!
しかも近くの喫茶店で康一と露伴が血まみれで倒れてるとか・・・!」
「貴様かあッ!貴様がみんなを・・・!!」
鋭司からの連絡を仗助から聞いて怒りだす浄芽。
「カカカカカッ!俺様の名はクロウ!
スタンドはヤタガラス
見てのとおり自分の分身を作り出す能力よオッ!!」
クロウの身に金色の鎧型のスタンドが装着された。
そして上空を飛んでいたカラスたちが一斉に浄芽たちに襲い掛かってきた。

「ドララララララララララァッ!!」

「シャラーーーーーーーーーッ!!」

「ウラウラウラウラウラウラッ!!」

3人はそれぞれパンチのラッシュで向かい打つ。
分身は軽いダメージで消滅していく。
しかし、空気が黒く歪みそこから次々と現れてくる分身たち。
数が多すぎる。
「クソッ!なんつうスタンドだッ!!
そもそも10キロ以上離れた暁達んとこにも出てるとか・・・
異常だろッ!このスタンド!!」
億泰がラッシュを続けながら叫ぶ。
「確かに異常だが・・・
あれを見ろ!おそらくあれが原因だ!!」
浄芽が見るように促した場所、クロウの首から石仮面を小さくしたようなペンダントがたれている。
「カカッ、そうダ!
俺様のスタンドはこのペンダントによってパワーアップされている!
カーズ様がくれたこのペンダントでなア!」
「なんてこった!
カーズはそんなものまで開発してんのかよ。」
億泰は嘆くが、浄芽は
「いや、あれは直接スタンドをパワーアップさせているんじゃない。
奴のペンダント、ひもの部分がまるでいばらの棘の様になっていて奴の首に刺さっている。
あれで奴の精神は闇に染められているんだ。」と言った。
「じゃああいつはカーズに操られてるってことっすかァーーーッ!」
「そうだ。だからもしかしたら奴を仲間にできるかもしれない!!」
「なら行けッ浄芽!!
ここは俺達が何とかするぜェーーーーーッ!!」
億泰の言葉を受け浄芽はクロウに向かって走り出した。

「カカカッ!人数が減ったゾ!!総攻撃ダッ!!」
クロウの分身は仗助と億泰に羽を手裏剣のように飛ばしてきた。
避け切れずに切り刻まれる仗助と億泰。
「ぐあああああああああああああああああッ!!」
「仗助ッ!億泰ッ!」
「かまうな、行けッ!」
2人が叫ぶ。
「カカカカカ、羽手裏剣は痛かろウ。
クレイジー・ダイヤモンドで治すならそうするがいイ。
ただし、俺様の羽手裏剣は毒入りダ。麻痺系のナ。
治したら体の中には毒が残るゾ。カカカカカアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
「おのれクロウ・・・ッ!!」
浄芽はクロウの前に立った。

2009/12/02 Wed 18:43 [No.47]

[ 編集 ][ 返信 ]第五話 ヤタガラスin東京 その4

Joker

「・・・・・・ところで、貴様は何故人間の言葉でしゃべれるんだ?
さっきから不思議で仕方がないんだが。」
浄芽はクロウに聞いた。
「ふん、単純なことダ。
俺様は並のカラスの数万倍賢いんでねえ、
人間の言葉なんざ簡単に覚えられんだヨ。」
それを聞いた浄芽は落胆した様子で
「何だ、つまらん答えだな。
面白い話を期待した俺が馬鹿だった。」
そう言った瞬間、浄芽はコーラのペットボトルを取り出し波紋でコーラを噴出させてクロウに浴びせかけた。
あまりに突然だったのでクロウは避けられない。
「カギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
焼けるウッ!!何だァーーーーーーーーーーーーッ!!」
「コーラを強い酸性にしてお前に浴びせた。
そして体についた酸を落とすためにお前が向かうのは・・・海だ。」
浄芽の予想通り、クロウは海に向かった。
そして海に落下した。
「くそガッ!くそガくそガくそガッ!!」
酸を落とし海面から顔を出したクロウが見たのは浅瀬に立つ浄芽の姿だった。
「おのれ貴様アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
クロウは出せる最大限の数の分身を作りだした。

「クロウ、俺は7歳のとき初めてクリスマスプレゼントをもらった。リサリサおばあちゃんからだ。
おばあちゃんは幼いころから修行ばかりでまったく遊ばせてやれなかった俺に、当時流行っていたゲームソフトをくれた。
そのゲームで学んだことは、どんな敵にも弱点はあるという事だ。」
「馬鹿ガッ!ゲームと現実を一緒にするんじゃねエ!
それに俺に弱点はなイッ!!」
「いいや、ある。」
そう言った時、海水が爆発して大量の水が宙に浮いた。
「ナッ!?」
「俺が修行の末開拓した新しい波紋、それは“波紋のエネルギー変換”。
これにより俺は波紋エネルギーを熱や光などのエネルギーに変えることができる。
今のは熱エネルギーに変えて海水を沸騰させたというわけだ。」
浄芽は浮いた水を分身やクロウに触れるように波紋で形を整え固めた。
「そしてくらえッ!
雷撃波紋疾走(ライトニングオーバードライブ)ッ!!」
稲妻のレールがクロウを襲う。
「カアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
クロウの分身たちは消え、クロウは海に落ちた。

「待ってろ、今自由にしてやる。」
「・・・・・・・ああ、ペンダントを壊すのなら好きにしロ。
しかしひとつ質問に答えてくレ。
俺様の弱点ってのはいったい何なんダ?」
「ああ?!そんなもん知らん。」
「何ッ!?」
「俺はお前のことをあまり知らないし、お前には結局力のゴリ押しで勝った。だからわからん。
だが、人間みんな生きてりゃ弱点の一つや二つはざらにある。
そういうことだ。」
「・・・俺は人間じゃない、カラスダ。
ふふ、まったく面白い奴だナ・・・
いいだろう、お前が俺の弱点を理解できるように、俺はお前の旅についていこウ。」
ペンダントが砕けた。

「で、仲間になったんすか。」
「ああ、クロウダ。よろしく頼ム。
スタンドもカーズにつけられたダサい名前から、“ロンリー・ソルジャー”に改名しタ。」
「それはいいとしてよ〜、
俺達どうすんだよ。」
病院の一室で億泰が嘆いた。
仗助、億泰、康一、露伴は結局クロウがカーズに持たされたという毒をくらったせいで入院することになったのだ。
「さてどうするか・・・
・・・ちょっと失礼、電話だ。」
浄芽は病室から出て電話に出た。
「はいもしもし・・・承太郎さん?何です?
えっ!そんな馬鹿な・・・はい、わかりました。」
そして病室に戻った浄芽は言った。

「ジョセフさんが大和に拉致された。」と

2009/12/02 Wed 23:38 [No.49]

[ 編集 ][ 返信 ]ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第四話 浄芽、そして東京へ

Joker

この小説は本家「ジョジョの奇妙な冒険」、および荒木飛呂彦先生とはいっさい関係のない二次創作です。
故に、本家「ジョジョの奇妙な冒険」とはかけ離れた部分もあるかもしれませんがご了承ください。
なお、ここは小説専用とさせていただきますので、書き込みはご遠慮ください。

2009/11/21 Sat 22:53 [No.42]

[ 編集 ][ 返信 ]第四話 浄芽、そして東京へ

Joker

「あ〜〜〜ッ!!腹がへったあ〜〜〜〜〜ッ!!」
暁たちがトイレのほうから帰ってきた。
「遅かったじゃないか。もう30分もたってる。」
浄芽がうっすらと微笑みながらいった。
「浄芽、お前俺たちが戦ってたことを・・・いや、戦うことを知っていたな?」
鋭司が問いかけた。
「えっ?!鋭司君なんでそんなことを・・・!?」
「つーかお前ら戦ってたのかよッ!!」
康一や億泰が驚いている。
そして鋭司が説明を始めた。
「まず、トイレの建物の周辺の空気が歪んで見えた。アメジスト・ゴーレムで空気の屈折率かなんかをいじったんだろう。周りから怪しまれないように。」
「ああ、そうだ。それから空気が響かないようにもしたし、トイレに近づく奴は俺が追っ払ってた。仗助と億泰には秘密でな。
敵については、今までの手口からこの時間にトイレで待ち伏せてくると考えた。暁と鋭司は食事の前、必ず長い用を足しに行くからな。」
浄芽の説明が終わると、納得したように鋭司が
「そうか、理由は新しいチームでの戦闘に慣れさせるためだとかそんなんだろうな。
わかった。だから速くトイレを直しに行ってくれ。お前たちどうせもう食い終わってるんだろう?」

鋭司がそういうと、浄芽たちはトイレへと向かった。
「まったく、浄芽も無理させるよなー。」
「そういうな、暁。あいつはああいう奴なんだ。」
「鋭司君、浄芽君ってすごくするどいんだね。驚いたよ。」
康一が言って鋭司が答える。
「ああ、あいつ似てんだよ。あいつのばあさん、リサリサに。」
「それってジョセフさんのお母さんの?」
「そうだ。なんでもかなりの波紋使いで、一見厳しいが根は優しいらしい。」
「そういえば、そのリサリサはジョースター家の血筋じゃないんだろう?なら浄芽にはジョースター家の血が流れていないのかい。」
今度は露伴が問うた。
「いや、それがリサリサは昔、白血病にかかったそうだ。柱の男たちとの戦いのあと、リサリサは波紋はもう必要ないものとして使わなくなったそうだが、そのせいらしい。そのときリサリサに骨髄を提供したのがジョセフさんで、それ以来リサリサにはジョースターの血が流れるようになって星型のアザもできたそうだ。」
鋭司は丁寧に質問に答えた。
その直後ウェイトレスがやってきた。
暁は腹がへったと言ってチョコバナナパフェばかり10個も注文した。
極度の甘党なのだろう。その様子を見て露伴はメモを取っていた。マンガに使うのだろうか。

そして彼らは向かう、東京へ。

2009/11/22 Sun 00:27 [No.43]

[ 編集 ][ 返信 ]ジョジョの奇妙な冒険 PartX ブリザードオブアイス 第一話 探偵事務所へようこそ

Sgt.LUKE

この小説は本家「ジョジョの奇妙な冒険」、および荒木飛呂彦先生とはいっさい関係のない二次創作です。
故に、本家「ジョジョの奇妙な冒険」とはかけ離れた部分もあるかもしれませんがご了承ください。
なお、ここは小説専用とさせていただきますので、書き込みはご遠慮ください。

2009/10/29 Thu 15:42 [No.34]

[ 編集 ][ 返信 ]探偵事務所へようこそ その1

Sgt.LUKE

探偵とは実にうさんくさい職業である。
もし、あなたが見知らぬ人から「私は探偵ですが……」と怪しげに話しかけられたらどう思うだろうか? 大抵の人は不審がるとおもう。テレビのドラマなんかで見るとかっこいいが、実際のところ「どんな人間」が「どんなところ」で「どんなこと」をしているのかさえわからない。ましてや著名な探偵など聞いたことがない。酷い話、警察からのけもの扱いされる。しかし、探偵がとても活躍することもある。たとえば「表面上警察が関与できないことがあり、それを探偵に依頼、調査してもらう」といった具合だ。
今はそんなことがあるのだろうか? 少なくとも自分ではわからない。だが過去にはそのようなことがあったのだ!

この物語の舞台である「19世紀」ではね…………

19世紀、英国の首都ロンドン。その郊外の路地をある一人の男がひっそりと歩いていた。
「ふぅ……」
男の名はスピードワゴン。のちの石油王になる男であり、このときはまだロンドンの貧民街「食屍鬼街(オウガー・ストリート)」のリーダーである。
「しかし、相変わらずここは変わらねーな」
郊外にはよくきているのだろうか。彼は小さくつぶやくとある古い家の前で足を止めた。そしてその家の戸に手を置き、開ける。戸からは見た目相応の音がした。
「ボロい家……」

そこには「探偵事務所」と書かれていた

家の中へ入り、奥に進む。すると男が一人いた。
「ようこそ。今日はどのような用件で?」
男は作業をしながら目を合わせずに問いてきた。しかしスピードワゴンは何も答えない。
「…………どのような用件で――」
「俺だッ! 俺」
明るめの声色で言う。すると男はようやく顔を向けた。
「なんだお前か」
スピードワゴンとは対照的にえらく冷めた口調。
「なんだとはなんだッ!俺は客だぞ!」
といって机の上にあるポットから勝手に紅茶を飲みだす。
「客ならそんなことはしないが……」
「じゃあ客以上の人ってことで」
「――――あぁ……」
男はスピードワゴンの破天荒ぶりに呆れた様子。しかしもう慣れっこといった感じだ。
「っで!――」
スピードワゴンはすっかり飲み干した紅茶の容器を置いた。
「今回の依頼はなぁ〜 聞いて驚くなよッ!」
「まさかお前……“幽霊が出た”とか言うんじゃあないだろうな」
「……………………」
「図星か……」
図星だ。
「そ、そうなんだよ。最近俺たちのとこで変なことがおこってさぁ……もしかして“幽霊”とかじゃねーかと」
「…………そんなもの信じているのか?」
「信じてるわけじゃねぇッ!! だが……気味が悪くてよぉ。最近話題の“切り裂きジャック”なんて比にもならないぜ」
「ふぅ……」
男はゆっくり足を動かしだした。
「その話、なかなか興味がある。場所は?」
「食屍鬼街(オウガー・ストリート)だ。依頼受託のサインは俺とお前の仲。適当でいい。」
すると男は慣れた手つきで、最寄りの紙に自分のサインをした。
「依頼、たしかに承った」
紙には

Jekyll(ジキル)

と書かれた。

2009/12/04 Fri 02:24 [No.50]

[ 編集 ][ 返信 ]探偵事務所へようこそ その2

Sgt.LUKE

食屍鬼街(オウガー・ストリート)
それはロンドンで最も恐れられる場所。肌を切るような風、鼻をつんざく血の匂い――そして、常に立ちこめる悪気。一般人がここへ足を踏み入れるとまず無事でいられないというのは身体的に危険というのがもちろんであるが、この空間に精神をやられ、まいってしまうというのもあるだろう。まぁ「この二人」にはそんなこと一切ないが……

「よし!」
静かな街に響き渡る声。スピードワゴンである。
「さっそく調査してくれよッ! ジキル」
「あぁわかった。だが――」
「ジキル」と呼ばれるその男は正直に訊く。
「どのへんなんだ? その……『幽霊』とやらが出る場所は……」
「……あぁ悪い。もう少し先に行ったところだ。ついてきなよッ!」
スピードワゴンは小走り気味に進む。
この街の通路は迷路のように入り組んでおり、慣れない者が一度迷い込むとなかなか抜け出せない。けれど、スピードワゴンにとっては我が家同然のこの街。もはや彼に「迷う」という言葉はない。

しかし、本日は少し勝手が違った。

「おっかしいなぁ?」
「どうした?」
「いや、たぶん迷っちまったみてーなんだ」
「珍しいな……お前にしては」
「まったくほんとうだぜッ! 『幽霊』か何かの仕業なんじゃねーの?」
「『幽霊』か…………」
「このタイミングで『幽霊』なんて出たら逆に笑っちまうねッ!俺はッ!!」
今度は笑い声が響き渡る。だが、その声は突然途切れるようにおさまった。
「どうした!?」
ジキルは鋭い声でスピードワゴンに問う。
「おぉ……ぉ…………」
えらくうろたえた様子。スピードワゴンの顔からは嫌な汗が噴き出している。
「聞こえなかったかよぉ〜〜……今………」
「何がだ?」
「音だぜッ! 『音』」
「『音』……だと?」
「あぁそうだぜッ! なにか『ヒタッ、ヒタッ』って音が聞こえるんだよ」
途端、ジキルはをグルッと一周して辺りを見渡す。しかし、何も見当たらず、彼の赤い外套が風に靡くだけであった。
「どこにいる?」
「わからねぇ……だがよぉ、『音』はするんだぜッ!! 『音』はッ!!」
「違う」
……………………
「はぁ? オメー何のこと……――」
「お前はどこに『立っている』と訊いているんだ」
「――っ!」
「『幽霊』とやらは発見した。――っでどこにいる? そこでいいか?」
そうするとジキルはスピードワゴンの前方方向へと歩いていく。状況がうまく把握できないスピードワゴンはあっけにとられていたが、すぐに呼び止めた。
「お、おいッ!」
「……どうした?」
「とりあえず『幽霊』を見つけたのはわかったッ。だがよぉ……『対策法』はあるのかッ!? 『解決策』はあるのかッ!?」
「……ああ」
ジキルは再び歩を進める。
「ブッ倒してやる…………俺の『能力』でなッ!!」

2009/12/23 Wed 04:04 [No.60]

[ 編集 ][ 返信 ]探偵事務所へようこそ その3

Sgt.LUKE

それは、『幽霊』と呼ぶにはあまりに歪(いびつ)だった。
 奇妙な目、機械のように光沢のある体。人間というより『亜人』といった感じだ。
 探偵・ジキルはそんなおかしな『幽霊』に少しずつ近づいていく。
「おい、お前よぉ」
 と、ジキルはだるそうな声で、
「ここで何してんだ?」
「…………………………」
 返事は無い。ジキルは『幽霊』が何か喋るのを促すように
「なぁ、黙ってないで何か言ってくれよ」
「…………………………」
 それでも返事はない。ジキルはこのほとんど沈黙の空間に疲れたように一度溜息をつき、

「――――いい加減喋れ。この野郎」

 瞬間、乾いた炸裂音とともにジキルから何か高速の物体が飛び出し、幽霊の体を貫く。沈黙を徹していた幽霊はたまらずグッ、という呻(うめ)き声をあげた。
「おやおやぁ」ジキルは口の端を少し歪め、「ようやく喋る気になったか、幽霊さん?」
「くっ……」
 幽霊が初めて自ら声を出す。
「貴様、何をした……?」
「…………」
「答えろッ!」
 探偵はそんな幽霊の様子を眺め、歌うように
「弾丸」
 ……。幽霊は訝(いぶか)しげに眉を顰(ひそ)める。と、ジキルは幽霊の心情を察したのか、幽霊に自分の手を見せ、
「弾丸だよ」
 手には拳銃が握られていた。拳銃は黒塗りの鉄のように黒く、光沢があり、銀で獣を象(かたど)った装飾が施されてある。六発装填のリボルバー型(タイプ)だ。
 なかなかクールなその外見は鑑賞用にもってこいだが、奇妙なことに何故か銃口と弾倉が三つもある。
「正確には『銃弾』」ジキルは拳銃を指しながら、「この銃、三つも銃口があるだろ? 見ておわかりの通り一回引き金(トリガー)を引くだけで三発同時に発射されるんだ」
 探偵はくるくると手の中の拳銃を回しながら、
「俺はコイツを『666(ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト)』と呼んでいる」

(何なんだよ……コイツぁ……)
 スピードワゴンは目の前の光景に思わず身震いした。ぞくぞく、と背筋に氷の塊を詰められたような感覚。今、スピードワゴンは恐怖しているッ。
 自分には見えない幽霊が恐ろしい訳ではない。
 自分には見えないはずの幽霊と平然とやりとりしている、あの探偵が恐ろしいのだ。
 そしてすでにその探偵は幽霊に対して銃弾を浴びせている。何か――
(――何か、特殊なモノなのかなぁ?)
 幽霊は見えないが、ジキルのあの奇妙な拳銃を見ることはできた。だが――
 だが、それだけだ。
 自分では『見ること』は可能でも、この状況で何もできない。スピードワゴンは己の直感でそう気づいていた。
 クソッ! と奥歯を噛み締める。
 何か役に立ちたい。
 何か手助けをしたい。
 けれども、何もできない。
「スピードワゴンッ!」
 不意に声が砲弾の如く飛んできた。それは探偵の声。
(何だッ!?)
 探偵がこちらを凝視している。まるで何か合図しているかのように。何か伝えたいかのように。
「……………………ッ!」
 スピードワゴンはハッ、として、思わず駆け出す。足の向く方向は食屍鬼街(オウガー・ストリート)のさらに奥。ジキルたちがいる場所のさらに奥。凍りつくように冷たい道を全力疾走する。
「…………ッ!」
 幽霊は自分の横を通り抜けようとするスピードワゴンを排除しようと、目の前の探偵に構わず、スピードワゴンに接近する。だが、単に見えないだけなのかスピードワゴンは何も気にしていない様子。
「ククククク」
 幽霊はそんなスピードワゴンを憐(あわ)れむように笑い、手を振りかざして、
「闘いにおいて『よそ見』って行為はッ――――」
 その手を振り下ろす。
「『死』を意味するんだぜェェェェェェェッ!!」
 グシャァッ! という音とともに、スピードワゴンは血を噴き出し、地面に転がる。

 ――――転がる、はずだった。
「なッ……………」
 幽霊は思わず絶句する。何故なら、
 血を噴き出しているのは振り下ろした自分の手だったからだ。
「なんだとォォォォォォォォッ!」
 絶叫。そのトマトをぶちまけたように紅(あか)い手は正三角形を思わせる三つの穴が空き、硝煙がプスプス、と出ている。
「知らないのか?」
 幽霊の前方の探偵は歌うように、「闘いにおいて『よそ見』って行為は『死』を意味するんだぜ」
 ジキルは再び手の中の銃をくるくると回し、そして幽霊の頭部のあたりへ銃口を向けると、刃物のような声で

「次は当てるぞ」

2010/02/10 Wed 19:45 [No.66]

[ 編集 ][ 返信 ]探偵事務所へようこそ その4

Sgt.LUKE

「くっ……貴様ァッ!」
 探偵を睨みつけながらドブのように濁った声で幽霊は吼える。
 その顔は苦痛に歪んでいた。
「許さんッ! ぜぇぇぇぇぇぇぇったいに許さんッ!」
「別にいいよ。許されなくたって」
「許さん許さん許さんッ!」
「………………………………」
 ハァ、とジキルは幽霊の様子に心底呆れたように溜息をつき「そろそろいいか?」
 ジキルのその言葉に幽霊は眉をひそめる。ジキルはやれやれといった表情でハッキリと

「そろそろ撃(う)ってもいいかなぁ?」

 瞬間、幽霊の足が爆発したかのように探偵のところへ向かう。
「マジで許さんッ!」
「あーもうホンットやかましいなぁお前!」
 いい加減しびれを切らしたのか、ジキルは拳銃を構える。狙いは相手の頭部。一撃で仕留めよう、って概念だ。
 猪のように一直線に走ってくる幽霊に引き金を(トリガー)を引く。乾いた炸裂音とともに三発の銃弾が放たれ、その軌道が相手の頭部に向かって真っ直ぐに伸びていく。幽霊は血を噴き出し、ギャアァと悲痛な叫びを上げるが――

 ――幽霊は倒れない。
 被弾したのは幽霊の手だった。

「ヘヘヘヘヘヘヘヘ」幽霊は険悪な笑みを浮かべながら「もうこの手は役にたたねぇからよォ被弾したってかまわねぇよなぁぁぁぁ」
 正確には被弾したというよりガードされていた。先刻ジキルに撃ち抜かれ、潰れたトマトのように真っ赤になった手で。
 探偵と幽霊との距離は十分に肉弾戦が出来るほどにまで縮まっていた。幽霊はその距離感に思い切り口を歪める。
(………………………………………………………………マズイ)
 探偵が思った瞬間、幽霊の蹴りが探偵の腹に思い切り刺さる。
「がはぁッ!」
 ゴキリィッ、と生々しい音とともにジキルは2メートル程先まで放り飛ばされる。そんなジキルを見た幽霊は
「ちったぁ効いたかァテメェ?」幽霊は何かの呪文を紡ぐように不快な声で「いくらその銃弾が速かろうがお前自身は常人だよな?」
「……………………」
「ん? 何だぁまだやる気か?」
「そこ」
 探偵は少し離れた場所にある橋を指差す。橋は家の二階分くらいの高さで架かっており、虹を思わせるような曲線を描いている。
「そこにいるよな?」探偵は凍りつくような冷たい声で
「本体」
 ――その橋には確かに人が立っている。
 何の特徴も無いような男が一人。
 幽霊はジキルのその言葉を聞いて、
「あぁそうだ。『本体(おれ)』は橋(あそこ)にいる。だが、俺が負ることはないッ! なんせ本体(おれ)は橋(ここ)にいるし、幽霊(そいつ)は橋の下(そこ)にいるんだからなァーッ!」
「ほう、そうかい」
「……………………ッ」
 ゾクリ。本体の『男』は不意に体を強(こわ)ばらせた。そう、どこから見ても追い詰められているように見える探偵。けれどもその表情は、
 あまりにも余裕すぎる。
 人はあまりに追い詰められた時、『覚悟』を決め冷静になることがある。だが――
 探偵の表情に『覚悟』という色は見られない。
 それは明らかに『余裕』だった。
 ゾワリ、と『男』の体を恐怖が包む。まるで見えない何かに体を蝕(むしば)まれていくような、そんな感覚。まるで禁句(タブー)を思わず言ってしまったかのような――
(禁句(タブー)……だと?)
 …………『男』は遂に気付いてしまった。
 自分が致命的なミスを犯してしまったことを。
 知らず知らずのうちに禁句(タブー)を言ってしまったことを。
「スピードワゴンッ!!」
 閃光のようにジキルの声が『男』のいる橋の方へ飛んだ瞬間、

「あいよ」

 後方から若い男の声。『男』は振り返りたくないはずなのにその後方(げんじつ)に思わず目を向けてしまう。
 そこには顔に大きな傷の入った男――スピードワゴンが立っていた。
「おい、オメェ」スピードワゴンは口の端を歪め、目の前の『男』に
「覚悟しろや」

 グシャリッという鈍重な音とともに『男』は吹き飛ばされた。

2010/02/12 Fri 21:28 [No.67]

[ 編集 ][ 返信 ]ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第三話 シャンゼリオンとテイク・ザ・ウェイブvsアスラ

Joker

この小説は本家「ジョジョの奇妙な冒険」、および荒木飛呂彦先生とはいっさい関係のない二次創作です。
故に、本家「ジョジョの奇妙な冒険」とはかけ離れた部分もあるかもしれませんがご了承ください。
なお、ここは小説専用とさせていただきますので、書き込みはご遠慮ください。

2009/10/03 Sat 13:35 [No.24]

[ 編集 ][ 返信 ]第三話 スーパー・ドライバーとロードオブ・ザ・スピードvsアスラ その1

Joker

浄芽たちは杜王町を出て高速道路で東京へ向かっていた。
運転は露伴、車はSPW(スピードワゴン)財団のバスで、
休憩しようとパーキングエリアに止まったところだった。

「でも大丈夫かなあ〜」
康一が不安げな声を上げた。
「何だよ康一、なんか不満なのかよぉ。」
億泰が言うと、
「だっていくらヘブンズ・ドアーで露伴先生がバスを運転できるようになったからって、免許は持ってないんだよ。いざという時どうするんだよ。」
「まあ、いいじゃないか康一君。いざという時はまた僕のヘブンズ・ドアーで何とかするよ。
それより早く夕飯を食べようじゃないか。」

現在午後7時。
ちょうど夕飯の時間だった。

「ところで暁と鋭司はどこ行ったんだよ。
またからまれたのかぁ!それとも博打かぁ!」
いい加減二人のからまれぶりとギャンブル狂にうんざりした億泰が怒鳴ると、
「あの二人ならトイレ行くっつってたっすよ〜。」
と仗助が返した。

「まったくテメーはなんでいっつも俺についてくんだよ。」(暁)
「うるせー。お前のほうこそまねすんな。」(鋭司)
二人がトイレ(大)をしていると、康一と露伴が呼びにきた。
「おい、二人とも。もう20分は待ってるぞ。早くしろ。」
「ああ、もうすぐ出る。」
暁が言ったとき、
暁の隣のトイレのドアが開いた音がした。

「てめーら人がトイレしてるときうるせーんだよ。
まったく、大してるときに周りがうるせーと集中してできねーじゃねーかよー。」
トイレから出てきた男が言った。
「それはすみませんでした。以後注意します。」(康一)
「いーや、以後なんてねーよ。ここでトイレにでも流されちまえ。」
男はそう言うとスタンドを出して康一に殴りかかった。
「なにッ!スタンド使いッ・・・気をつけろ康一君ッ!」
露伴の叫びむなしく康一は敵のスタンドに殴られた。
「康一君ッ!」
「大丈夫、露伴先生。触れられただけだ。たいしてパワーのあるスタンドじゃないぞ。」
「ああそうだ、パワーはない。でもなー、そういうときほど気をつけたほうがいいぜー。」
「何ッ」
露伴が康一のほうを見ると、康一の殴られた左頬の部分に妙な手形がついていた。
「いっ、いったい何が・・・」
康一が言った瞬間、
突然康一が引っ張られるように、さっき男が入っていたトイレにとんでいった。
「うっうわぁあああああああああああああああああああああああッ!!」
康一の叫びがこだました。

2009/10/03 Sat 16:55 [No.25]

[ 編集 ][ 返信 ]第三話 スーパー・ドライバーとロードオブ・ザ・スピードvsアスラ その2

Joker

「おいおい・・・外でなにやってんだよ。」(暁)
「どうやら襲撃らしい。それも結構厄介なスタンドみてーだな。」(鋭司)

「うわぁあああああああああああああああああああああああッ!!」
康一がトイレの穴に頭を突っ込まれた。
「康一君ッ」
「俺の名は千寿(せんじゅ)。大和のスタンド使いだ。
俺のアスラはよー、触れたもんに手形をつけて
その手形をつけた場所同士をくっつけちまうっつースタンドだ。」
千寿と名乗った男の背後に、4本の腕を持った人型のスタンドが現れた。

「康一とやらー、安心しな。俺がさっき出したブツはちゃんと流してある。
俺だってクソまみれの死体に触りたくない。
ま、せいぜい窒息死してくれやー。」
「くそッ、ヘブンズ・ドアーッ!!その男に能力を解除させ・・・何ッ!」
露伴は相手を指差してヘブンズ・ドアーで「康一君にかかった能力を解除する。スタンドを以後発動しない。」と書き込もうと考えていた。
しかしできなかった。
いつの間にか背中の後ろで手のひら同士をくっつけられていたのだっ!
「はははーーーッ!!俺のスタンドのスピードと精密動作性は天下一品ッーーッ!
貴様に気づかれないように手形をつけるくらいわけはないーーーッ!」

「あーあ、鋭司ぃ・・・なんか康一と露伴ヤバいっぽいぞ。」
「仕方ねーか。まあ、相手の能力と大体の射程はわかった。
暁、お前のシャンゼリオンだ。」
「オッケー。で、俺がやってる間にお前が準備しておくと。」
「そうだ・・・よし、行け。」

「ふん、露伴。トイレにはちゃんと人数分の手形がつけてある。
二人目はお前だなー。さあ、特等席へ・・・いらっしゃーーーーーー一いッ!」
そのときアスラの右上の手のひらをビームが貫通した。
「なっ、何ーーーーーーーッ!」
「あーあ、めんどくせえなあ。
まあでもこの際だ、ぶっ潰す!」
ビームが通った小さな穴があいたドアが開き、
中から暁と、クリスタルに輝く彼のスタンド“シャンゼリオン”が現れた。

2009/10/03 Sat 18:26 [No.26]

[ 編集 ][ 返信 ]第三話 スーパー・ドライバーとロードオブ・ザ・スピードvsアスラ その3

Joker

「ぬンぎやアあああああああああああァーーーーーーーーーーーッ!!」
千寿が右肩のあたりから血を流して叫んでいる。
「なるほど、上の手を撃つと肩の辺りから血が出るのか。手が4本もあるからどうなるかと思ったが・・・普通だな。」
暁が冷静に淡々といった。
「なに上から目線で話してやがんだァーーーーーーーーーッ!!
アスラの右上の手の平に風穴あけやがってッ!ざけんじゃねぇぞッコラッ!!
そもそも扉も開けずにいきなり撃つんじゃねえッ!ビビんだろうがアーーーーーッ!!」
「てめえの声はでけえからな。扉開けなくてもどこにいるかすぐわかったぜ。」
暁はあくまで冷静だ。

「だが!たとえ俺の右上の手の平に風穴があこうとッ
俺にはまだ三本腕があんだよォーーーーーーーーーッ!
3本ありゃあ、お前に接近して便器ン中に頭突っ込ませるぐらい簡単だぜえッ」
「便器ッ?なにそれっ?!」
「とぼけんな暁ァッ!便器ってのはなあッ
墓標だッ!これからおまえが屈辱をもって死んでいくためのッ!!
おまえの左隣の部屋を見ろッ
おまえの仲間の康一が便器ン中に頭突っ込んで・・・ッ!」
そう言いかけて千寿は驚愕した。
康一がいない。
そして便器がなかった。
それどころか地面にでかい穴があいていて、そこに水が滝のように流れ落ちていた。

「どっどうなっているゥーーーーーーーーーッ!
康一は・・・便器はどこへ行ったッ?!」
千寿は辺りを見回してさらに驚いた。
水浸しになっていたのだ!床がッ!
「おまえの注意が俺にいっている間に鋭司がやってくれたんだ。」
「鋭司?!おまえの右隣のトイレに入っていたやつ・・・ッ!」
そう言った瞬間、千寿の足元から床を突き破ってサメの姿をしたスタンドが現れた。
サメの背中には鋭司と康一が乗っている。
康一の頬には便器のかけらがくっついている。

「ぐうぇああァーーーーーーーッ!」
「俺のスタンド“テイク・ザ・ウェイブ”は噛み付いたものを液体にするスタンドッ!
まあ、生物は無理だがな。
康一をくっつけていた便器に噛み付かせてもらった。
精密動作が苦手だから接着部分は取れてねえけどな。
で、暁。これだけ水があれば十分だろ。」
「サンキュー鋭司、助かるぜッ」
そして暁は吹き飛ばされて、立ち上がろうとしている千寿に指を向けた。
「へへっ・・・わかったぜ・・暁・・・・
指・・からだなッ?!レーザーは指から出てくんだなッ!!
ならオッケーッ話は早いィいいいいいいいいいいいッ!!
おまえのレーザーが光と同じぐらいの速さで、避ける事が不可能なのはわかっているッ
だがっ!あらかじめ指の動きを見ていればッ!
避ける事は可能なのだアーーーーーーーーッ!」
千寿は勝ち誇った。が、
「いいや、避けれねえな。」
そう言って放たれたシャンゼリオンのレーザーは、
床の水に反射してアスラの左上の手の平に命中した。
「ウなァあああああああああああああああッ!!何故ェえええええええええええええええええッ!!」
「おまえが思いついた攻略法、俺のレーザーがただのレーザーだったら有効だった。
しかし、俺の・・・シャンゼリオンのレーザーは水とかの反射物で屈折させることができる。
そのために鋭司に水を撒かした。
そして俺たちは夕飯を食わなくちゃならねえ。
だらだらやってる暇はないんだ。じゃあな。」
暁は止めのレーザーを放った。

2009/10/13 Tue 23:06 [No.33]

[ 編集 ][ 返信 ]第三話 スーパー・ドライバーとロードオブ・ザ・スピードvsアスラ その4

Joker

「ふ〜ッ は〜ッ、危なかったぜ〜ッ・・・」
千寿は息を荒げながら言った。
「やっぱだめだったか。」
「まったく、俺が水を撒いてやったにもかかわらず・・・
なにやってんだ・・・ええ!暁よォ。」
千寿は先程の屈折レーザー攻撃をまったくの無傷でよけていた。
あらかじめ壁につけておいた手形と自分の体につけた手形とをくっつけたのだ。

「くっ!俺の手形は固体にしかつけらんねえ・・・。
グズグズしてたらまたレーザーがとんでくる・・・ならッ!」
千寿はアスラを最大速で動かし、ありったけの手形を壁につけた。
そして壁との接着を解除し、反対側の壁に向かって走り出した。
「暁ッ 来るぞッ」
「わーってんよ、鋭司ッ」
暁と鋭司が構えた瞬間、物凄いスピードで暁の顔面、鋭司の胸に手形がつけられたかと思うと、露伴の手の接着が解かれ、代わりに暁の顔面と露伴の右手が、鋭司の胸と露伴の左手が接着された。
この間わずか1秒の出来事であった。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!何だ〜〜〜ッ 前が見えねえッ!」
「落ち着け暁ッ!それより奴は・・・・・・・ッ」
鋭司が千寿の走っていった方向を見ると、壁一面の手形が見えた。
そして壁から離れた場所でほくそ笑む千寿の姿。
すると壁がいくつかに砕けて鋭司たちを挟むように飛んできた。
「はははははッ!!圧死しろッ!クソども4人組がッ!!」
「テイク・ザ・ウェイブッ!」
鋭司が叫ぶと地面の水が集まり氷になって4人を守る壁になった。
「何ッ!」
「テイク・ザ・ウェイブにはもうひとつ、水を操り液体・固体・気体へと自由に状態変化させる能力があるッ!
しかしこの勢い・・・長くは続かなさそうだな・・・」
飛んできたコンクリ片が落ちることなくぶつかり続け、氷の壁がミシミシと音を立てていた。

2009/11/05 Thu 18:17 [No.37]

[ 編集 ][ 返信 ]第三話 スーパー・ドライバーとロードオブ・ザ・スピードvsアスラ その5

Joker

「ふんはははアーーーーーーーーーーーーーッ!!
ついに打つ手なしかァ?クソどもがあーーーーーーーーーーッ!!」
ミシミシと音をたてる氷を見て千寿は言った。
しかし鋭司は
「勘違いするな。長続きしないのは貴様のほうだぞ、千寿。」
「何ッ?!」
氷はドームのように鋭司たちを覆っていた。
そしてそのドームには怪しげな「ミシミシ」と言う文字が貼り付けられていた。
「まったく、急だったから大変だったよ。それもドーム全域に効果がないとだめだから極限まで尻尾文字を薄っぺらく延ばさなきゃだめだったしね。」
それはエコーズACT2の尻尾文字であった。
文字に触れたものに擬音を体感させるその能力は、コンクリ片に「ミシミシ」という音を体感させたのだ。
そして今、すべてのコンクリ片が粉になるまで砕けたのであった。

「クソッ!こうなったら最終手段だ!!
鋭司の胸への能力を解除!そして康一と鋭司、暁たちに向けて・・・くらえッ!!」
鋭司は穴があいた壁から見た。
大量の車が団子のようになってこちらに向かってくるのを。
「あれが最終手段か!だが大量にくっついているせいで速度は遅い!
康一ッ!エコーズACT3で止めてこいッ!!ここは俺たちがやるっ!!」
「わかりましたっ!」
「いいのかア?今のお前らかな〜り動きにくそうだぞッ!?」
「かまわねえな。」
鋭司はくっついている暁と露伴を担ぐと、千寿へ向かって駆け出した。
「ふふ・・・俺はよオ昔っから気になってたことがあってな、お腹と背中がくっつくってどんなんだろうってなア・・・・・・貴様らでこれから試してやるッ!!」
「だからかまわねえんだよ・・・お前のくだらねえ疑問も何も・・・・・・俺たちはすでにお前を詰んでいるから。」
「ふんっ!何をほざくッ
それ以上近づいたら俺のアスラの射程に入ることは百も承知だろうに・・・」
「ああ、これ以上は近づかない。だが・・・」
鋭司は千寿の足元を凍らせると、
「暁ッ!!いまだ撃てッ!!」と叫んだ。
「ほう、俺の足元に水蒸気を集めて一気に氷の状態にしたか。しかし、お前のスタンドの射程では動きを封じるのが限界。それに、お前の言う暁も今は目がふさっがっている。さっきの高速射撃も無理だ。さて、俺はあれとは別の車をお前らにぶつけてやるとするか。」
「そいつは必要ないな。それよりもお前は別の車・・・救急車を呼んだほうがいいな。」
鋭司が言った瞬間、暁の放った3発のレーザーがすべて千寿に命中した。
「なッ何故・・・ッ?!」
「それは僕さ。」
血を吐きながら問いかける千寿に露伴が答えた。
「僕がヘブンズ・ドアーで暁に“どんな状況でもレーザーをはずす事はない”と書き込んだんだ。それで暁は目がふさがれていてもレーザーを当てることができたのさ。」
「うっ・・なっ・・馬鹿な・・・」
千寿は倒れた。
「安心しろ。今、救急車を呼んでやった。いくらなんでも、殺したくはないからな。
さて、お前ら飯・・・とその前に、浄芽と仗助に頼んで後始末だ。」
鋭司の言葉に暁たちは深くため息をついた。

千寿‐再起不能
to be continued(トゥ ビー コンティニュード)チャンチャン

2009/11/16 Mon 23:22 [No.40]

[ 編集 ][ 返信 ]ジョジョの奇妙な冒険 PartX アメジストクロニクル 第二話 アメジスト・ゴーレムvs大和(ヤマト)のイザナギ

Joker

この小説は本家「ジョジョの奇妙な冒険」、および荒木飛呂彦先生とはいっさい関係のない二次創作です。
故に、本家「ジョジョの奇妙な冒険」とはかけ離れた部分もあるかもしれませんがご了承ください。
なお、ここは小説専用とさせていただきますので、書き込みはご遠慮ください。

2009/09/08 Tue 20:50 [No.17]

[ 編集 ][ 返信 ]第二話 アメジスト・ゴーレムvs大和(ヤマト)のイザナギ その1

Joker

「おい浄芽!お前の連れの鋭司と暁がどっか行っちまったぜ!
また鋭司のやつが絡まれたんじゃねーのか?!」
億泰は嘆いた。
とりあえずトニオの店で飯でも食いながら今後の事を話そうとしたのだが、加賀水鋭司という男は生まれつき「悪(ワル)」をひきつける体質のようで、アンジェロ岩から歩いて100メートルもしないうちに3回も絡まれたのだ。
しかも3回全部で15、6人はいたのにそのすべてを鋭司が、しかも無傷(当然スタンドなど使っていない)で倒したのだ。
おかげで他の者に被害はなかったが、RPG(ロールプレイングゲーム)のように、歩くたびに無限に出てきて足止めを食らうのだ。面白いわけがない。
そして、もう少しでトニオの店というところで2人が失踪したのだ。

「大丈夫だ。ほら、そこに雀荘があるだろ。たぶんそこだ。」
浄芽がいうとおり、少し待ったら暁と鋭司が雀荘から出てきた。
「イや〜、すまんすまんっ!俺はギャンブルに関係するものには目がなくてな〜。よく年齢偽っていくんだが、今日は親父どもが金もってなくてな。ざっと50万ほどしか儲かんなかったぜッ!」
「5ッ!50万ッ!!」
億泰たちは驚いたが、鋭司が
「いやいや、普段のこいつを知ってたらもっと驚くぞ。こいついっつも博打でぼろ儲けしてて、貯金額なんか一生遊べるくらいあるんだからなあ。」
というと、暁に皆のあきれたような、うらやましいような視線が集まった。
「まあ鋭司、今日もお前はスっからかんだろッ?いつもどおりご祝儀やるぜ〜!5万円でいいか?」
「誰がスっからかんだッ!!」
そう言いつつも暁から5万円をブンどり財布に入れた鋭司。
チラッと見えた財布の中身には札など1枚も入っていなかった。
「まったく、俺の真似して下手な博打打つからだぜ?!」
「う、うるせーよッ!」

そんな会話をしながら一同はトニオの店に着いた。
料金は暁が全額おごってくれるという。
そしてトニオの料理にはやはり全員が感動した。
感動して涙が止まらないものもいたが、それはトニオの料理、当然の事と仗助と億泰は思った。
さらに、みんなの疲れが取れたおかげで話し合いも順調に進んだ。

その話し合いで、浄芽・仗助・億泰、
鋭司・暁・康一・露伴の2班を組み、探索時は分かれて行動する事になった。
ホテル代はSPW財団が出してくれるそうだった。
食費などは自分たちで何とかしてくれとの事だった。
SPW財団も支部がカーズに襲われて、修復やカーズへの警戒で大変らしい。
まあもっとも金銭面は暁が何とかしてくれるようなので問題はなかったが。

そして浄芽がカーズについての情報を発表した。
それによると、現時点でのカーズの目的は不明。
しかし、どうやらカーズは自分に忠実な部下を集め、スタンド使いの軍隊を作っているらしい。
その中でも、古事記の神々に暗示されるスタンド使いたちで作られたチーム「大和(ヤマト)」は、浄芽たちがここにくるまでに何度か戦ったそうだ。
そしてカーズ本人は世界各地を転々としていて、どこにいるのかわからないそうだった。

そうやって話しているその時だった。
浄芽が背後の窓からの視線に気がついたのは。

2009/09/08 Tue 22:08 [No.18]

[ 編集 ][ 返信 ]第二話 アメジスト・ゴーレムvs大和(ヤマト)のイザナギ その2

Joker

突然、浄芽が座ったままの姿勢で後方の窓へ回転しながら跳んだ。
それと同時に割れた窓から突風が吹き込んできた。
「なっ!何だぁーーーーーーッ!!敵かぁーーーッ!?しかし今の浄芽の跳躍は何なんっすか?!」
仗助が疑問を口にすると、暁が
「ああ、今のは“波紋”だ。俺はよく知らねーがなんかそれでスゴイ運動ができるそーだ。何でもあいつの曾ばーちゃんがそれの使い手で、あいつは百年に一人の天才らしい。」
と説明をしていると、浄芽の前に敵が現れたのが見えた。

「流石だなぁ、神城浄芽ぁ!俺の攻撃で窓を粉々にしてぇ、全員血祭りにあげてやろうと思ったのによぉ!先に窓を破壊しちまうとはなぁッ!!」
「貴様のスタンド能力は大体わかっている。“風”だろ?どおりでビュンビュンうるさかった訳だぜ。」
「ふん、そうだ。俺は大和のスタンド使い巻太仁(まきた じん)ッ!
お前の察しのとおり、スタンドは風を操る能力のイザナギだーーーーーーッ!!
しかぁし浄芽ッ!能力がわかったからといってお前は俺に勝てんッ!!」
「そう言う奴ほどすぐに終わる。おまえ、そういうの死亡フラグっていうんだぜ?」
浄芽の挑発を軽く鼻で笑い飛ばした仁は、スタンドで竜巻を起こし浄芽に向かって飛ばした。
「はははははぁーーーッ!!吹ぅきぃとぉべぇッ!」
浄芽は自らのスタンド、アメジスト・ゴーレムを出すとそれを盾にした。
「なにぃ一ッ!俺の風で吹き飛ばないだとぉッ!!」
「俺のスタンドは要塞のようにガッチリしててな。おかげでたいていの攻撃はダメージすらなく動じもしない。」
「くうッ!」

「さあ、いかせてもら・・・ッ!!なにッ!!!」
「ふっ!風の使い道は攻撃だけじゃあねぇッ!今おまえに対して向かい風を発生させたッ!!
自転車に乗ってて風で前に進まなくてイライラすること、よくあるだろぉ?俺はその何倍もの風を起こせるっ!!」
「かっ、風で・・動けないッ!」
「さあてぇ、それじゃあ止めを。」
そう言うと仁は竜巻をドリルのようにして左腕に纏うと、浄芽めがけて振り落とした。

「やばいっすよっ!浄芽がッ!!助けねーとッ!」
「いや、もう終わる。何故なら浄芽は戦いにおいても天才だからな。」

「終わりだッ!!超竜巻旋風(ギガ・ドリル・サイクロン)ッ!!
・・・・・ん、んんーーーーッーーーーッ!!」
突然仁の体のあちこちが大きく裂け、血が風で遠くまで撒き散らされた。
「終わりはおまえだ。
俺のアメジスト・ゴーレムの能力。それは手で触れたもののデータを書き換える!
俺が自分の防御力が高いと言ったら、おまえはその竜巻をドリルのようにして直接俺を突き刺す、またはねじ切りに来る。そう考えた。さっき攻撃を受けたときもなかなか切れそうな風だったんでな。なおさらそう思えた。
だから俺はおまえがドリル攻撃を行う瞬間!つまり竜巻の上部がおまえを向くときを待った!!
そして俺はその瞬間、あらかじめ拾っておいたガラス片を能力で小さく!そして重くして竜巻に乗せた!
竜巻に乗ったガラス片はおまえに気づかれることなく、レールをすべるようにおまえに深々と刺さった。
それから俺が能力解除し、ガラス片は元の大きさに戻り、おまえの体の奥深くから切り裂いたということだ。」
「うっ、だが・・大和は・・・カーズ様は・・・こんなもんじゃない・・・。いつか・・おまえらが・・・赤い血・・・に・・・。」
仁は倒れた。気絶しているだけのようだが筋肉まで裂けているようだったので、再起不能だろう。

「まったく、べたなやられ台詞だ。」
そう言うと浄芽は店内へ戻り、救急車を呼んだ。
それから仗助に頼んで窓を直してもらった。

to be continued

2009/09/09 Wed 19:46 [No.19]

  1. 前7件
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 4
  6. (15-21/22)
  7. 次7件