Joker
浄芽たちは杜王町を出て高速道路で東京へ向かっていた。
運転は露伴、車はSPW(スピードワゴン)財団のバスで、
休憩しようとパーキングエリアに止まったところだった。
「でも大丈夫かなあ〜」
康一が不安げな声を上げた。
「何だよ康一、なんか不満なのかよぉ。」
億泰が言うと、
「だっていくらヘブンズ・ドアーで露伴先生がバスを運転できるようになったからって、免許は持ってないんだよ。いざという時どうするんだよ。」
「まあ、いいじゃないか康一君。いざという時はまた僕のヘブンズ・ドアーで何とかするよ。
それより早く夕飯を食べようじゃないか。」
現在午後7時。
ちょうど夕飯の時間だった。
「ところで暁と鋭司はどこ行ったんだよ。
またからまれたのかぁ!それとも博打かぁ!」
いい加減二人のからまれぶりとギャンブル狂にうんざりした億泰が怒鳴ると、
「あの二人ならトイレ行くっつってたっすよ〜。」
と仗助が返した。
「まったくテメーはなんでいっつも俺についてくんだよ。」(暁)
「うるせー。お前のほうこそまねすんな。」(鋭司)
二人がトイレ(大)をしていると、康一と露伴が呼びにきた。
「おい、二人とも。もう20分は待ってるぞ。早くしろ。」
「ああ、もうすぐ出る。」
暁が言ったとき、
暁の隣のトイレのドアが開いた音がした。
「てめーら人がトイレしてるときうるせーんだよ。
まったく、大してるときに周りがうるせーと集中してできねーじゃねーかよー。」
トイレから出てきた男が言った。
「それはすみませんでした。以後注意します。」(康一)
「いーや、以後なんてねーよ。ここでトイレにでも流されちまえ。」
男はそう言うとスタンドを出して康一に殴りかかった。
「なにッ!スタンド使いッ・・・気をつけろ康一君ッ!」
露伴の叫びむなしく康一は敵のスタンドに殴られた。
「康一君ッ!」
「大丈夫、露伴先生。触れられただけだ。たいしてパワーのあるスタンドじゃないぞ。」
「ああそうだ、パワーはない。でもなー、そういうときほど気をつけたほうがいいぜー。」
「何ッ」
露伴が康一のほうを見ると、康一の殴られた左頬の部分に妙な手形がついていた。
「いっ、いったい何が・・・」
康一が言った瞬間、
突然康一が引っ張られるように、さっき男が入っていたトイレにとんでいった。
「うっうわぁあああああああああああああああああああああああッ!!」
康一の叫びがこだました。
2009/10/03 Sat 16:55 [No.25]