Joker
突然、浄芽が座ったままの姿勢で後方の窓へ回転しながら跳んだ。
それと同時に割れた窓から突風が吹き込んできた。
「なっ!何だぁーーーーーーッ!!敵かぁーーーッ!?しかし今の浄芽の跳躍は何なんっすか?!」
仗助が疑問を口にすると、暁が
「ああ、今のは“波紋”だ。俺はよく知らねーがなんかそれでスゴイ運動ができるそーだ。何でもあいつの曾ばーちゃんがそれの使い手で、あいつは百年に一人の天才らしい。」
と説明をしていると、浄芽の前に敵が現れたのが見えた。
「流石だなぁ、神城浄芽ぁ!俺の攻撃で窓を粉々にしてぇ、全員血祭りにあげてやろうと思ったのによぉ!先に窓を破壊しちまうとはなぁッ!!」
「貴様のスタンド能力は大体わかっている。“風”だろ?どおりでビュンビュンうるさかった訳だぜ。」
「ふん、そうだ。俺は大和のスタンド使い巻太仁(まきた じん)ッ!
お前の察しのとおり、スタンドは風を操る能力のイザナギだーーーーーーッ!!
しかぁし浄芽ッ!能力がわかったからといってお前は俺に勝てんッ!!」
「そう言う奴ほどすぐに終わる。おまえ、そういうの死亡フラグっていうんだぜ?」
浄芽の挑発を軽く鼻で笑い飛ばした仁は、スタンドで竜巻を起こし浄芽に向かって飛ばした。
「はははははぁーーーッ!!吹ぅきぃとぉべぇッ!」
浄芽は自らのスタンド、アメジスト・ゴーレムを出すとそれを盾にした。
「なにぃ一ッ!俺の風で吹き飛ばないだとぉッ!!」
「俺のスタンドは要塞のようにガッチリしててな。おかげでたいていの攻撃はダメージすらなく動じもしない。」
「くうッ!」
「さあ、いかせてもら・・・ッ!!なにッ!!!」
「ふっ!風の使い道は攻撃だけじゃあねぇッ!今おまえに対して向かい風を発生させたッ!!
自転車に乗ってて風で前に進まなくてイライラすること、よくあるだろぉ?俺はその何倍もの風を起こせるっ!!」
「かっ、風で・・動けないッ!」
「さあてぇ、それじゃあ止めを。」
そう言うと仁は竜巻をドリルのようにして左腕に纏うと、浄芽めがけて振り落とした。
「やばいっすよっ!浄芽がッ!!助けねーとッ!」
「いや、もう終わる。何故なら浄芽は戦いにおいても天才だからな。」
「終わりだッ!!超竜巻旋風(ギガ・ドリル・サイクロン)ッ!!
・・・・・ん、んんーーーーッーーーーッ!!」
突然仁の体のあちこちが大きく裂け、血が風で遠くまで撒き散らされた。
「終わりはおまえだ。
俺のアメジスト・ゴーレムの能力。それは手で触れたもののデータを書き換える!
俺が自分の防御力が高いと言ったら、おまえはその竜巻をドリルのようにして直接俺を突き刺す、またはねじ切りに来る。そう考えた。さっき攻撃を受けたときもなかなか切れそうな風だったんでな。なおさらそう思えた。
だから俺はおまえがドリル攻撃を行う瞬間!つまり竜巻の上部がおまえを向くときを待った!!
そして俺はその瞬間、あらかじめ拾っておいたガラス片を能力で小さく!そして重くして竜巻に乗せた!
竜巻に乗ったガラス片はおまえに気づかれることなく、レールをすべるようにおまえに深々と刺さった。
それから俺が能力解除し、ガラス片は元の大きさに戻り、おまえの体の奥深くから切り裂いたということだ。」
「うっ、だが・・大和は・・・カーズ様は・・・こんなもんじゃない・・・。いつか・・おまえらが・・・赤い血・・・に・・・。」
仁は倒れた。気絶しているだけのようだが筋肉まで裂けているようだったので、再起不能だろう。
「まったく、べたなやられ台詞だ。」
そう言うと浄芽は店内へ戻り、救急車を呼んだ。
それから仗助に頼んで窓を直してもらった。
to be continued
2009/09/09 Wed 19:46 [No.19]