Joker
「ふ〜ッ は〜ッ、危なかったぜ〜ッ・・・」
千寿は息を荒げながら言った。
「やっぱだめだったか。」
「まったく、俺が水を撒いてやったにもかかわらず・・・
なにやってんだ・・・ええ!暁よォ。」
千寿は先程の屈折レーザー攻撃をまったくの無傷でよけていた。
あらかじめ壁につけておいた手形と自分の体につけた手形とをくっつけたのだ。
「くっ!俺の手形は固体にしかつけらんねえ・・・。
グズグズしてたらまたレーザーがとんでくる・・・ならッ!」
千寿はアスラを最大速で動かし、ありったけの手形を壁につけた。
そして壁との接着を解除し、反対側の壁に向かって走り出した。
「暁ッ 来るぞッ」
「わーってんよ、鋭司ッ」
暁と鋭司が構えた瞬間、物凄いスピードで暁の顔面、鋭司の胸に手形がつけられたかと思うと、露伴の手の接着が解かれ、代わりに暁の顔面と露伴の右手が、鋭司の胸と露伴の左手が接着された。
この間わずか1秒の出来事であった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!何だ〜〜〜ッ 前が見えねえッ!」
「落ち着け暁ッ!それより奴は・・・・・・・ッ」
鋭司が千寿の走っていった方向を見ると、壁一面の手形が見えた。
そして壁から離れた場所でほくそ笑む千寿の姿。
すると壁がいくつかに砕けて鋭司たちを挟むように飛んできた。
「はははははッ!!圧死しろッ!クソども4人組がッ!!」
「テイク・ザ・ウェイブッ!」
鋭司が叫ぶと地面の水が集まり氷になって4人を守る壁になった。
「何ッ!」
「テイク・ザ・ウェイブにはもうひとつ、水を操り液体・固体・気体へと自由に状態変化させる能力があるッ!
しかしこの勢い・・・長くは続かなさそうだな・・・」
飛んできたコンクリ片が落ちることなくぶつかり続け、氷の壁がミシミシと音を立てていた。
2009/11/05 Thu 18:17 [No.37]