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ゆな
いきなりの展開に暫くの間、モウカザルとマヨは固まっていた。が、次の瞬間揃って驚愕の雄叫びを上げた。
「う、うえ、うえええええええええええええ!?」
「はああああああああああ!? ちょ、おま、マジかああああ!?」
「大マジだ。あぁ、そうだ。マルク探しをするついでに、二つ条件を出していいか?」
「え、え、え!?」
「行商『猫旅堂』に加われ。俺の傍に居続けろ。これが、条件だ」
顔を赤くして困惑するモウカザルを他所に、レオードはすっかりペースを取り戻したのか立ち上がって彼女と目線を合わせると、プロポーズともとれる条件を告白してみせた。
さすがに告白された直後でその条件の真意を察する事なんて簡単で、だからこそ余計にモウカザルは顔を赤くしてぶつぶつと呟くしか鳴った。
「……初対面なのに、何でここまで言われなきゃあかんの……」
「モウカザル、答えは?」
「へ!? えと、えと、えーと……!!」
レオードがすっかり何時もの調子で急かす中、モウカザルはあたふたと慌てて言葉を選ぶしかなかった。もちろん顔を真っ赤にしながらだ。
一気に形勢逆転したなー、と最早蚊帳の外のマヨが半分現実逃避する形でぼやいているが、生憎どっちの耳にも届かなかった。
落ち着いた態度のレオードと傍観者に徹する事にしたマヨを見比べ、モウカザルは耐え切れなくなったのか真っ赤な顔のままレオードを指差し、どもりながらも勢い任せで言ってきた。
「う、うちの名前はゆな! あんたの名前は!? 隣に居続けなあかんなら、種族名で呼べんやろ!?」
「あぁ、そうだったな。すまない、俺の名前はレオード」
「わいはマヨって名前や。よろしゅう、マドンナちゃん!」
「マドンナ?」
「この金馬鹿を惚れさせた女の子やからな。それぐらい魅力あるのは天使かマドンナぐらいやろ?」
「えぇ!? ちょ、そこまで言う!? あ、あの、あのねぇ!?」
「それにあのレオードが惚れたって事は嫁決まりっちゅーこっちゃ! ってわわわわ、火炎技出そうとせんといてぇ!?」
「うっせええええ!! う、うちはそこまで言うほど魅力は無いっちゅーねん! これ以上パニックにすんなーっ!!」
今にも全身から火が出てきそうなほど真っ赤になったモウカザルことゆなは半ば八つ当たり気味に、マヨに向かって怒鳴りつける。マヨはあたふた慌てながら、レオードの背後に隠れた。
あまりに分かりやすい隠れ方にレオードがマヨを軽く睨みつけたものの、ゆなが攻撃できずに止まったので細かく言うのは後回しにしてやった。
現状にあうあう言って困惑する彼女に顔を向け、レオードは軽く微笑んで彼女の頬に手を伸ばして撫でながら言う。
「名前を教え合ったんだ。これで一緒に来るだろ、ゆな」
ゆっくりと流れるように、だけどしっかり聞き取れるように口に出されたその言葉はゆなの耳にしっかりと残った。
会ったばかりだというのに自分だけを見つめ、心を落ち着かせながらも逃す気の無い男の姿は口説き文句だけで顔を赤くさせる少女を捕まえるには、十分すぎた。
自分の中では落とされたと自覚しながらも、それを認めるのが癪でゆなはテンプレ的ツンデレ台詞を吐きながら告白を受け入れた。
「……勘違いしないでほしいけど、うちはマルク達を探したいから一緒に行くだけ! あ、あんたに口説かれたわけじゃないから!」
「あんたじゃなくて、レオードな。それと一緒に来る事を断言した以上、誰にも譲る気は無い。俺は気に入ったモノは手放さない主義なんでな」
「へ!? あ、会ったばかりなのに何で!?」
「俺が惚れた女を、俺に惚れさせて一生傍に居させる為だ。そのぐらい察せられると思ったんだがな」
「ば……馬鹿っ!! う、うちは恋愛初めてやから、そんなん無理に決まってんじゃん!!」
「なら好都合だ。一から最期まで、キッチリ教え込んでやる」
慣れない口説き文句に顔を赤くして反論する娘と、そんな様子を可愛らしいと思ってるのかからかいながらも受け入れる男。
ちょこっと前ではありえないと思っていた光景がここに生まれた。人間の世界とポケモンの世界が安定した状態で繋がる事ができたからこそ、生まれた小さく大きな出会いが。
これだけ聞けば、微笑ましいワンシーンである。だがそれをマジマジと見せ付けられたマヨは半目のまま、低いテンションで呟いた。
「桜満開の春が来るのは構わんが、色々と忘れんといてくれよ?」
主にわいの存在とか、な。
少女漫画のようなラブコメから軽く目を反らしながら、ため息をつくマヨ。多分聞こえていない+あえて聞き流しているだろうが、今後の猫旅堂の為にも言っておくべきだとは思ったのだった。
2011/03/10 Thu 00:03 [No.181]
ゆな
品物そのものが目的ではないのか、と思いながらもレオードは無下にせず、冷静に対応する。
「……特徴を言ってもらわないと捜す事は出来ないし、教える事も出来ない。それにポケモンが何か分かるのか?」
「うん、ちゃんと覚えとるよ。一人はだなだな口調のカラカラで、名前はマルク」
「へ? 君、あのガラガラ君の知り合い?」
「ガラガラ? カラカラじゃなくて? ……あの後進化したのか、あいつ。羨ましい」
知ってる名前を耳にし、マヨが反射的に訪ねる。それを聞いてモウカザルの方も首をかしげたものの、すぐに察したのか悔しいような羨ましいような顔でぼやいた。
その話ぶりから、レオードとマヨは目の前のモウカザルがあの戦いの途中で離脱した元人間であることを把握する。カタリから聞いた話であるが、あの戦いの途中で死んでいった元人間は人間の世界でも死んだわけではなく、無理矢理帰されるだけだった筈だ。それなら人間世界と繋がった今ならば、再度ここに来ていてもおかしくはない。
事情を把握するとマヨが面白いもんを見つけたと言わんばかりの態度で、モウカザルに詰め寄っていく。
「どーゆー事情で知り合ったかは知らんけど、場所までは知らんよ? 何々、あの子のガールフレンド〜?」
「ちゃうちゃう。顔見たくなっただけ! うちは途中で死んじゃったからさ、あの後どうなったか聞きたくてね。それから平和になったこの世界も皆と見て回りたいんよ」
「なるほど、そりゃ納得。なら色々見ていかへん? 安いよ安いよ〜!」
「高いよ高いよの間違いだろうが」
ガールフレンドを否定した後、モウカザルがマルクを訪ねた理由を話す。マヨは軽く頷いてそのまま商売の流れに持ち込もうとしたが、キッパリバッサリ言い切られてしまった。
その即答っぷりにマヨは目を丸くし、モウカザルを見る。静観していたレオードは、何時もと変わらない冷静な態度で追求する。
「ほぉ、その根拠はどれからだ?」
「まず傷薬や虫除けスプレーの値段。こいつ等はうちの知ってる値段と同じ。だけど地図や普通の食料品、それらは一見同じように合わせてるようで実際はちょっと高い。物の配置と値札の位置もあるね、上手く誤魔化してる」
「……露店だから、って理由じゃ納得しないか?」
「バーカ、露店だからこそだよ。全ての商品の値段を一々覚えてる人はいないし、正しい価値をキッチリ把握できている奴もいない。分かってるのはたこ焼き屋とかのお祭りで定番のぐらいさ。だから違和感があったんだよ、傷薬と虫除けスプレーの値段はピッタリ合っている癖に他の品物が何処かつりあわない値段だって事がね」
己の憶測でありながらも、広げられた商品を一つ一つ指差していきながらしっかりとした冷静な意見と共に、本来の値段よりも微妙にぼったくっているものだと見破った理由を話すモウカザル。
見た目に似合わず、知恵の働くその様子にレオードは思わず呆気にとられた。法外の値段をぶん取る時はともかく、こういう無特定の客を狙った時のぼったくりは巧妙に誤魔化してきたはずなのに、一瞬で看破されるとは思わなかったのだ。
ほぼ全てを言い当てられてしまい、レオードはらしくも無く少し動揺した声で更に訪ねる。
「これが正しい値段である、とは考えなかったのか?」
「アホ。地図なんて本みたいに分厚いもんじゃない限り、安物に過ぎないだろうが。それにこちとらスーパーの安売り常連なんじゃい、大雑把には見破れるわ」
だからって、一瞬で見破りすぎだろうが。
安物の部分もしっかりと見抜ききったモウカザルの発言に、レオードは頭を抱える。ちらりとマヨを見ると、同じような表情を浮かべていた。どうやら想定外の客の出現に、二人ともやられてしまっているようだ。
さて、どこから反撃するか。レオードが腕を組み、言葉を捜そうとする。そんな中、モウカザルは相手の言葉を待たずにレオードをしっかり見据えて、トドメともいえる言葉を突きつけた。
「だからあんたはそ知らぬ顔で、わざと高い値段で商売をしている。そしてそれを悪いとも思っていない、自分の為の事で他人なんて本当にどうでもいいと思っている。だけど何処か人を試してる。合っている?」
あっさりと、しかし先ほどの値段同様的確な指摘にレオードは勢い良く顔を上げてモウカザルを凝視した。相手は悪戯が成功した子供のように笑っており、レオードの顔を見て益々笑みを深めていた。
何で、こんなにもあっさり見破った? 何度も会っている奴ならともかく、初対面でここまで一瞬で見破れる奴なんていなかったのに、何でだ? どうして、俺の何もかもを人間の女が分かったんだ。
内心で深い困惑に陥りそうになりながらも、レオードは表面上冷静さを繕いながら理由を問う。
「……その、根拠は?」
「あんたの顔を見てたら、なんとなくね。落ち着きすぎているその態度とくだらないと言わんばかりの目つき、それが嫌だったから。後はうちを追い返そうとしなかった事とうちをしっかり観察していたから、かな。普通、こんな客は追い返したいと思うじゃん? でもあんたはそれが無かった。こんなところだよ」
「個人の感情論か」
「えぇやん、感情論で言っても! あんたを納得させたかったし、そう感じたから言いたかったわけ。うち、間違った事言ってる?」
自分の思った事から理由付けて話すモウカザルの態度に、レオードは少し目を丸くする。だが当の彼女はにっこり笑うと迷った素振りも見せず、ハキハキと言い切ってみせた。
その清々しく、自分に自信を持った態度はレオードからすれば目に見張るものだった。普通はこんな感覚を持てる奴なんて、早々いないのにあっさりと現れてしまったからだ。それもあの戦いの最中ではなく、終わって平和になった後でだ。
大人というには幼い理論で、子供というにはとても知恵が動くそんな彼女の姿は、レオードにとって青天の霹靂ともいえた。平和になったからこそ訪れた、この出会いはそうとしか言えなかった。
この瞬間、何かを悟ったようにレオードは笑みをこぼして彼女の言葉の全てを認めた。
「いいや、商売の件も入れてほぼ正解だ。お察しの通り、金にしか興味が無いからこういう商売をしているわけだ。それから、ポケモン観察は商売のついでで得ただけだ。……にしても良く分かったな」
「勘は良い方なんでね。それにしてもあんた等アホやろ」
「は?」
「金ばっか集めてる生き方じゃ、それ以外の事が楽しいと思えんよ。そういう生き方はせこいし、つまんないじゃん。あんた、ニャースなのに雰囲気かっこいいんだからもったいないよ?」
モウカザルの言う台詞じゃないけどね、と付け足しながら笑い声をこぼしながら言った彼女。その口から出された言葉は、きっと純粋な思いからだったのだろう。腹黒い思いなどは全く感じられなかった。
あまりにもあっさりと言われて、レオードは言葉すら出てこなかった。散々自分の中身を見破られただけでなく、その生き方をこんな気軽な形で否定されるとまでは予想できなかったのだ。
さっきのでも十分すぎるほど驚きだったというのに、まさかここまでだったとは、思わなかった。こんなに一瞬で自分の何もかもを見破られた挙句、生き方を否定するだなんて事はマヨでもしなかったというのに。
レオードが言葉も言えず呆然としてる隣、やばいと判断したのかマヨが前に出てモウカザルに向かって注意を入れる。
「モウカザルちゃん、ちょっと言いすぎやで? レオード、怒らせると怖いんやから程ほどにな」
「向こうから聞いてきたんだし、色々言いたかったんやもん。それに悪かったなら謝るから、許してほしいんだけど」
「アホ。わいやなくてレオードに言え。見てるこっちが冷や冷やするような会話しおってからに……」
「ごめんごめん、でもうちは間違った事を言った気は無いよ?」
「反省してないやんか、全然! モウカザルちゃん、どんな教育受けてきたん!?」
本気で冷や冷やしているマヨと軽く笑って流すモウカザル。レオードの心境とは裏腹の何処か愉快な会話を目の当たりにし、レオードはぱちぱちと瞬きしてしまい、受け入れるのに時間がかかってしまった。
そのままゆっくりと頭で受け入れていく中、ショックを受けていた自分が馬鹿馬鹿しく感じてきた。なんてことは無い、あのモウカザルは己の思った事が正しいと判断したから真っ直ぐ言い切っただけにすぎないのだ。自分はその言葉に追いつけず、ただただ振り回されてしまっていただけだった。
あまりに滑稽で、そんな自分は本来ありえないものだっていうのにありえるものになってしまった。このモウカザルが、あっさりとやってみせた。氷のように冷静だったはずの己の心をあっさりわしづかみにした。
そこまで受け入れた途端、レオードは滅多に出さない笑い声を上げた。
「ハハ、ハハハハハハハハハ!! そうか、そういうことか!」
「うわっ、びっくりした!?」
「いきなりどうした、レオード!?」
「天変地異はおきそうだぞ、マヨ」
「「へ?」」
レオードの笑い声とその後の言葉の意味が分からず、マヨとモウカザルは揃って間抜けな声を出す。
そんな二人の様子を他所に、レオードはモウカザルをしっかりと見据えると先ほどのショックが嘘のように落ち着いていて、けれども普段の彼からは想像できないような告白をしてみせた。
「モウカザル、俺はお前に惚れた。何もかも見破った挙句、俺の生き方をハッキリ否定したその強さと明るさにな」
あまりにも唐突な恋の告白が、冷血商人から放たれた。
それが冗談でも何でもないのは、落ち着いていて迷いの無い言葉をモウカザルから目を反らさずに真顔で言い切った事から把握するのは容易だった。
2011/03/09 Wed 23:30 [No.179]
ゆな
草むら茂る道路の途中、布の上に商品を置いただけの小さな露店から小さなポケモンのグループが走り去っていく。
その後姿に向かって店員であるヨマワルがぶんぶん手を振って、見送っていった。
「毎度ありー! ジョウト地方のいろんなとこ見に行ってなー!!」
「はーい! ありがとうございまーす!」
「早く行こっ。あたし、コガネ行きたいコガネ!」
「ちょ、置いてかないでよ! 僕、遅いポケモンなんだから!!」
元気のある少年少女の声はヨマワルに礼を言った後、そのまま真っ直ぐ次の町へと向かっていった。その途中で通り過ぎるポケモン達に一々騒ぎながらであり、中々滑稽ではある。
しかしヨマワルは知っている。あのポケモン達はこの世界の住民ではなく、人間世界と繋がってからやってきた人間であるという事を。実際それを知った上で、地図などを売ったのだから。
見えなくなったところでヨマワルは店の方に振り返り、腕を組んで店番をしているニャースに声をかける。先ほどとは一転して不機嫌そうな顔でだ。
「ったくレオード、ちょっとはお前もやれ。わいに押し付けんな」
「俺のキャラじゃないんでね。それに無愛想なニャースより、愛想の良いヨマワルの方が良いだろ?」
「あの子等はニャースのキャラ違うーって騒いどったで?」
「知るか。それに商売はちゃんとやったし、特に問題は無いだろ」
「……微妙に高い値段でな」
「向こうが分からなければ、それで良いだろ?」
「そやな」
そんな小さな会話をしながら、ヨマワルはニャースの隣に座り込む。
この二体は行商『猫旅堂』のレオードとマヨだ。ドリームメイカーズとデパートコンクエスタが大きく争っていた時期、目立たない形であったといえども元人間側に接触し、影でサポートをしてきた。もちろん有料で。
あの戦いが終わった後、彼等の残した借金を返してもらう為に翻弄していたのだが逃げられる+色々とゴタゴタしてる+その他諸々の事情により、すぐに金は戻ってこなかった。
その為、軽い商売を続けながら機会を図ることにした。要するにこちらもほぼ何時もどおりに戻ったわけだ。
マヨは軽くため息をつき、客がいない事を良い事に軽く愚痴る。
「カモ増えたのは嬉しいけど、おおっぴらに出来んのが痛いなー」
「それを考えると、デパートコンクエスタとやりあっていた時期でいたかったか?」
「アホ抜かせ。儲けられるけど、こっちの神経が持たんわ!」
「だろう? これで肯定していたら、お前との縁を切っていたな」
「縁起でもない事抜かすな!」
何時もどおり冷静な態度で物騒な事を口にするレオードに、マヨは手でツッコミ入れながら返す。
普段ならばこのまま何時もの商売の体勢に戻るのだが、戦争の終わった後での平和が響いているのかマヨはニヤリと笑みを浮かべて、レオードに変な事を訪ねてきた。
「もしかしてお前、平和になったからって女捜そうって口か〜?」
「……は?」
「お前にも漸く春が来るのか、そりゃえぇわ! あの子等も恋愛しとったし、感化されても不思議じゃないもんな〜♪」
「おい、いきなりどうした?」
「あ、でもレオードが恋愛なんて始めたら天変地異の前触れやな……」
一人勝手に盛り上がり、自分を見ながらニヤニヤと恋の話をしているマヨ。そんな相棒に対し、レオードは静かに立ち上がると何も言わずに『ツバメがえし』をぶちこんだ。
マヨは浮ついていたせいでか、モノの見事に直撃して少し吹っ飛んでしまった。その後、頭に石をぶつけながらも浮かび上がると涙目でレオードに反論する。
「いったいやないか、ボケェ!? いきなりなにすんねん!?」
「人の話も聞かずに勝手に盛り上がった挙句、馬鹿な事を口にするからだ。他人で変な妄想するな、コイバナ好きが」
「えぇやん。他人の恋愛ほどおもろいもんはあらへんし。お前やてそやろ?」
「馬鹿を抜かすな。俺が他人に興味を持つ時は、そいつをどう利用できるか考える時ぐらいだ」
「相変わらずの悪魔っぷりやな、お前」
にやつきながら言ってくるマヨの言葉をバッサリと切り裂き、再び座り込むレオード。そんな変わらない態度のニャースに、マヨは軽くため息をついてつまらなそうにする。
己の相棒が何処までも冷静で、自分の事にしか興味が無いのはとっくに把握済みだ。あの戦いの時だって、一度もぶれた事は無かった。マヨ自身もそれに乗っかっていた為、今更何かしら言うつもりは無い。
だが平和になった事とおおっぴらに動けない事で退屈しているのもまた事実。それ故にからかって遊ぼうと思ったのだが、やはりレオードは良い反応は示してくれなかった。自分で言っておいてなんだが、彼が恋愛をするというイメージは無かったし、頭に浮かび上げようと思ったら背筋がゾッとする程の違和感が迫ってきた。甘い恋の言葉を囁くレオードなんて、鳥肌でしかない。
自分も的外れな事を言ったもんやなー……。
どこか遠い目をしながら、マヨが心の中で呟いていたその時だった。
「なぁ、そこのニャースにヨマワル」
不意にレオードとマヨに向かって、誰かが話しかけてきた。
二人はすぐさま露店の前に体を向け、商売の体勢に入る。何時の間にか客が来ていたと気づかなかったが、買い物に来たのならばすぐに対応するべきである。
そんな商売人コンビの前に現れた客人は、
「うち、人探してんのやけど知ってたら教えてくれへん?」
訛りのある喋り方をする眼鏡をかけたモウカザル。
2011/03/09 Wed 00:46 [No.175]
海の神竜ラプラス
名前:海の神竜ラプラス
性別:♂
種族:ツタージャ
性格:
勇敢。自分が傷つくのはお構いなしだが、仲間が傷つくのを嫌う。基本的に周りが傷つく前に決着をつけようとする。
とっさの時の判断力が強く、その場にあるものでうまく窮地などを切りぬけていく。
洞察力などといったものも優れており、その活躍はかなりのもの。恋愛事に疎い、っていうのはお約束(
口調:ふだんはおだやかな男性口調、基本的に敬語。怒りを感じると乱暴な口調になる。
人称:俺/君、相手の名前(お前、貴様、呼び捨て)。怒り時、二人称は( )のものになる。/彼ら、あいつら
参考台詞:
「はじめまして。俺は海の神竜ラプラスと言います。」
「く……皆さんは先に行ってください! ここは俺が食い止めますから!!」
「これ以上……悲劇を繰り返さないでくれ……頼むから……。」
「もし……勝者に敗者の命を奪うという権利があるのなら……俺は君から生ではなく、死を奪う。」
「戦いでしか決着をつけられないのか……他にいくらでも決着をつける方法はあるはずなのに……。」
「俺は認めない……他人を犠牲にして得られるものなど!!」
備考:
誰も死なせないという思想が根底にあり、「殺さない覚悟」を胸に戦いを続ける。
役割:元人間(味方)
8/23 種族など一部修正
2011/03/07 Mon 02:57 [No.165]
ゆな
グラトニーによるコメント集。うん、うちが書きたくなっただけ。もうちょっと集まったら、ポケ書にも載せるかも?
>グラトニー
「私の事だな。大食いでグルメで自分に正直、これでいいか?」
>「ドラゴンタイプ」 イザナイ
「お前はまだ何も知らない。だから私と共に生きて飯を食って、色んな事を知ればいい。私はその為に共にあろう」
>ジョン・クランク
「皆が皆騒ぐ記事よりはお前の記事の方が好きだ。だから私はお前の取材を許してる。この意味、分かるか?」
>「ノーマルタイプ」 マル
「お前の明るさは太陽のようで、心地が良い。食欲が自然と増してくる」
>「ほのおタイプ」 ヴィレム
「馬鹿は嫌いではないが、炎そのものは相手したくない。私の手持ちは炎に強いのがいないんだ」
>「くさタイプ」 ロゼッタ
「それがお前の幸せなら私は何も言わん。それで飯がとびっきり美味いのならば、尚の事だ」
>「どくタイプ」 オアシス
「飯を腐らせたら、私はお前を一生許さん!!」
>「じめんタイプ」 フドー
「その信念、見事だ。なら私はポケモントレーナーとして、ポケモンヒューマンであるお前に挑もう」
>コウスケ
「お前、今……心の底から飯が美味いと感じているか?」
>「むしタイプ」 春蟲
「怯え続けていては、折角の美味い飯も不味いままだぞ」
>ナナフシ
「……今、娘と共に美味しい飯を食えてると断言できるのなら私は何も言わない。私にとやかく言う権利は無いからな」
>「はがねタイプ」 コバルト
「祝福しよう。共にいたいと願う相手がいる分、飯は美味くなるからな」
>クサカベ
「無いから作るという発想には同感だ、料理でも同じ事だからな」
2011/02/11 Fri 18:57 [No.126]
あきはばら博士
名前:日下部(くさかべ)
呼称:日下部研究員 日下部博士
性別:男
年齢:29歳
性格:理想の草ポケモンを追い求めてホムンクルスを作り出している戦う科学者、草ポケLOVE、過去は草ポケモンを中心としたパーティでトレーナーをやっていたらしい。
容姿:真白を基調とした服を着て、実験用眼鏡で前髪を掻き揚げた若々しい風貌。
口調:丁寧な言葉使い、外国語詞の長音を省略する。
参考台詞:
「お久しぶりです、僕のことは覚えているでしょうか? 日下部です」
「貴方達が戻ってこないと、研究も思うように進まないのです。無理にでも連れ帰るしかありません」
「萌、蔭、プリズステイオン!」
「草ポケモンを求めて旅を続けていた、そこで気がついたのです、自分で見つけ出せば良いのだと、私が製作に携わったのはそういう理由からです」
「草ポケモンはいいですよ、技の多さそして生物としての高い完成度、光合成という特異性の有能さは語るまでも無い、オルライダで強いのです」
「わー! かわいいドレディアさんじゃないですか!」
対人:不明。当然ながらホムンクルスは全員知っている。
役割:科学者(兼ポケモントレーナー)
その他:ホムンクルスをポケモンとして扱い、ホムンクルスをボールに入れて持ち歩く。ポケモンを心底愛していて、ホムンクルスを手持ちポケモンとしてとても大事にしている。手持ちホムンクルスは蘭・萌・蔭の3匹。
手持ちポケモン(というか、手持ちホムンクルス)
名前:蘭(らん)
種族:草のホムンクルス
性別:♀
外見年齢:15歳くらい
性格:主人に忠実。おくびょうな性格
容姿:緑色のショートカットの髪が雑草のように逆立っている。服は地味で動きやすいもの。
口調・台詞:人語を喋りません。
役割:長期成功個体ホムンクルス
その他:フィッターさんの設定を流用するかは任せます。
名前:萌(もえ)
種族:炎・草のホムンクルス
性別:♀
外見年齢:13歳くらい
性格:主人に忠実。ひかえめな性格。
容姿:草が燃え盛るような茜色の長い髪、肌は色白。服は地味で動きやすいもの。
口調・台詞:人語を喋れません。
役割:通常ホムンクルス(複数属性個体)
その他:無し
名前:蔭(かげり)
種族:ゴースト・草のホムンクルス
性別:♂
外見年齢:16歳くらい
性格:主人に忠実。ゆうかんな性格。
容姿:シックなダークグリーンの髪の毛、肌は色黒。服は地味で動きやすいもの。
口調・台詞:人語を喋れません。
役割:通常ホムンクルス(複数属性個体)
その他:無し
ゆなさんが扱いやすいようにご自由にいじってください。
漢字名がダメならばすべてカタカナに直して下さい。
2011/02/02 Wed 01:17 [No.101]
ゆな
名前:グラトニー
性別:女
年齢:15
性格:食欲に誰よりも忠実で、飯第一に考えている大食い女。最大優先は飯。
自分に真っ直ぐな性格であり、悩む事はあっても進む事を迷う事は無い。また自分の気持ちに嘘をつかず、芯も強い。
感情を激しく表に出す事は無く、自分にとって必要と思うこと以外は喋らないタイプ。しかし感情に火がつくと拳を出し、怒り出すと貫き続けるという起伏の激しい一面を持つ。
良くも悪くも己の中の本能と信念に正直。口より先に手が出る。
容姿:ぶっちゃけBW女主人公そのもの。全体的にスレンダーな体系であり、筋肉も充分。少なくとも大食いには見えない。
口調:淡々としたテンションで、単刀直入に言うタイプ。どちらかというと硬い男性的な口調であり、女性口調はほとんど使わない。飯に例えて表現する事が多い。
参考台詞:
「グラトニー、私の事はそう呼べ」
「ポケモンバトルは後にしてくれ。今は大食い選手権に行かせろ」
「私は細かい事を考えるのは嫌いじゃない。しかし考えすぎると頭が痛くなり、腹が減る。だから飯を食う、何かおかしいか?」
「飯は人間にもポケモンにも重要な代物だ。当然ホムンクルスにも重要な代物だ。だからな、飯を抜いて考え込むよりも飯を食ってから考え抜け。残した時は私が食ってやる」
「ふざけるな!! そんな身勝手な理由で、あいつ等を玩具のように扱っていい事にはならん!!」
対人:募集中。17人のホムンクルスの1人を保護している。恋愛の彼氏は募集してない、ってかN一筋なので無駄。絶対玉砕確定。
役割:主人公
その他:イッシュ地方にてプラズマ団を壊滅させた張本人。ライバルのNに再び会う為、旅をしている。二度目のポケモンリーグに挑戦はしていない、というか興味が無い。
Nを探しながら全国各地で名物を食べ歩きしており、大食い選手権にも出ている。その為暴食の化身として有名、グラトニーはその際生まれた通称。本名は本人が言いたがらない。
ポケモントレーナーとしての実力は抜群であり、また我流の格闘技も出来る。
手持ちはステーキ(エンブオー♂)、キンレンカ(ドレディア♀)、ヨシツネ(シュバルゴ♂)、カキゴオリ(フリージオ)、ミホン(シャンデラ♀)、テバサキ(ウォーグル♂)。
N戦での伝説ポケモンが手持ちにいないのは「N用」だからという理由。
手持ちポケモンリスト
名前:ステーキ
種族:エンブオー
性別:♂
性格:忠誠心が高いパーティの纏め役兼リーダー。グラトニーの大食いを呆れている反面、誰よりも理解している。
一見真面目に見えるが、実際は本人の多弁さと達観さがそうしているだけであり、実際はそうでもない。言う事や説教が一々長い。
その他:グラトニーの最初のパートナーであり、現役主力。生活面でのサポートもしている。空腹でグラトニーが暴れた際、即行で止めにかかっている。
名前:キンレンカ
種族:ドレディア
性別:♀
性格:おっとりしている天然ちゃん。優しい性格であるものの、敵には容赦しない。身内に甘く、他人に厳しい。
その他:メンバーの癒し役である一方、実力はいろんな意味でえげつない。最初はグラトニーの大食いに戸惑っていたが、今ではすっかり慣れてしまった。
名前:ヨシツネ
種族:シュバルゴ
性別:♂
性格:古風で生真面目。騎士としての誇りが高く、主に絶対の忠誠を誓っている。冗談が偶に通じない。
その他:グラトニーが通信交換の関係で手に入れたメンバー。その為、最初は懐かなかったが真っ直ぐすぎるグラトニーの生き様に惚れこんでついていくようになった。ヨシツネは通信相手がつけた名前。
名前:ミホン
種族:シャンデラ
性別:♀
性格:ムードメイカーであり、陽気な姐さん。性格と機転の速さからサブリーダーポジション。
その他:メンバーの盛り上げ役であり、サブリーダー。引っ張るほどの力は無いものの、皆を明るくさせる事は出来る。気持ち的にも、光的にも。
名前:カキゴオリ
種族:フリージオ
性別:無
性格:かなりマイペースであるが、何気に好き放題正直に言うタイプ。多分グラトニーと相当性格が似ている。
その他:喋る言葉が全て漢字という独特な口調をしている。縁の下の力持ちポジションであり、持ち前の素早さと胴体で敵をかく乱するのが得意。
名前:テバサキ
種族:ウォーグル
性別:♂
性格:自称フェミニストの女好き。一部を除けば女性贔屓であり、その為ならば負け戦にも特攻を挑める男前でもある。オンとオフはキッチリ別けるタイプ。喋ると三枚目でもある。
その他:女の子は大好きであるものの、バトル・コンテストに関して敵対するとキッチリ別ける。というのもグラトニーの外見が直球ストレート好みそのものである為、彼女に迷惑かけたくないのが本音。
2011/01/31 Mon 14:12 [No.89]
ゆな
久々のグラトニー。今度はまたやらかした嘘予告でした、今度はポケモン……なのかな? とにかく今の時点ではここまでしかネタが無いです。
パッと思いついた代物でして、簡単にストーリー等をまとめると下のとおりです。
ストーリー
・N追っかけの旅の途中、グラトニーは子供発見。
・子供、ポケモンの遺伝子を組み込まれた人造人間『ホムンクルス』でした。
・色々な意味で不安定な子供と触れ合ったグラトニー、事件に首を突っ込む事を決意。
・研究と経験の為、グラトニーと子供の前に出現する敵対の『ホムンクルス』達。
・一体誰が何の為に『ホムンクルス』を研究したのだろうか? 彼等に生きる道筋はあるのだろうか?
・ご主人様、飯食う暇ありますかね?byステーキ
大雑把過ぎる物語の目的
・子供と一緒に、マッドサイエンティストぶん殴ってアホな実験止めろ。
・『ホムンクルス』という存在に答えを見つけ出せ。
設定
・舞台は本家ポケモンワールド
・ポケモンBW後の時系列。グラトニーはBW女主人公。
・ポケモンの力を持つ人造人間『ホムンクルス』を巡る物語。
・『ホムンクルス』の詳細は上記参考。とりあえず見た目は人間より、戦闘能力はポケモンより、中身は不安定を把握しとけば大丈夫。
とまぁ、ホムンクルスの設定を除けば色々とふわふわな状態でございます……。しかし妄想は以前止まりません。上手く行けばKSにもしちゃおうかなーって思ってしまったりします。
なので妄想ドリメ2同様に、ここで仮ですがキャラ募集をさせていただきます! とりあえず欄として考えてるのは下の通りです、質問は掲示板・チャット両方で受け付けております。
・長期成功個体ホムンクルス(全部で17人。1人グラトニーに拾われるが明確なイメージが無いので、この子も募集。その子を除けば大体は敵対者だけど、裏切りはOK)
・通常ホムンクルス(敵対者。長期成功個体に比べると寿命短く色々と不安定ですが、強さは変わりません。長続きするかしないかの問題です。2タイプはこちらになります)
・ポケモントレーナー(敵味方両方OK)
・科学者達(敵対者。ホムンクルス研究目的の普通の人間です、思想はマッドが多いかもしれません)
・その他(何でもあり。任せた、そしてネタをくれ)
テンプレ
名前:呼び名でもOK。本名の補足説明はこの欄かその他でお願いします。
性別:♂・♀で選んでください。さすがのホムンクルスでも中性は無いです。
年齢:ホムンクルスに関しては外見年齢をお願いします。長期成功個体の17人は大体零歳三ヶ月〜六ヶ月ぐらいの年齢です。通常ホムンクルスはそれより下。
性格:出来る限り詳しくお願いします。
容姿:出来る限り詳しくお願いします。ホムンクルスの場合、人間のフォルムが維持できてれば角生えてようが、羽生えてようが、髪の毛が草になってようが大丈夫です。
タイプ:ホムンクルス専用。17タイプから一つ選んでください。
口調:どのように喋るか書いてください。人称は個人の自由でどうぞ。
参考台詞:3〜5が目安。それ以上でもOK。
対人:繋がりを作りたいのならば、自由にどうぞ。フリーダムにやっちゃってOKです。
役割:上記から選んでくださいませ。
その他:ほかに追記したい事はこちらにどうぞ。ポケモンの手持ち説明に関しては各自の自由。テンプレは下の通り。
手持ちポケモン用テンプレ
名前:ポケモンのニックネーム。無いなら種族名でどうぞ。
種族:伝説・幻は禁止!
性別:
性格:
口調・台詞:人称などしゃべり方について書きたい方はこちらにどうぞ。無くても良し。
その他:ほかに追記したい事はこちらにどうぞ。粗方は上記テンプレと一緒です。
2011/01/31 Mon 14:11 [No.88]
ゆな
とある科学者のレポートより箇条書きで抜粋。
1.研究個体仮名『ホムンクルス』について。
・人間の遺伝子にポケモンの遺伝子を組み込んだ存在。ポケモンの力を持った人間。
・外観のフォルムは人間がベースとなっているが、ポケモンの遺伝子を持ってる為か一部異形の個体も存在する。
例:飛行タイプのホムンクルスに羽が生えている、水タイプのホムンクルスにヒレが生えている、など。
・戦闘能力は体力・攻撃・特攻・防御・特防・素早さのどの部分もポケモンと同レベルと判断。ただし極稀に人間と同レベルの個体あり。
・精神面は人間・ポケモン両方を中途半端に受け継いでいるのか、不安定な個体が多い。個体によって人間寄りかポケモン寄りか異なる模様。
・知能指数はポケモンよりは高いものの、人間に比べると低い。個体差はあるものの、学習すれば知識として吸収する点から考えて経験を積ませる必要性がある。
・人語でのコミュニケーション能力はある。またポケモンの言葉が分かる個体と分からない個体がいる模様。研究の余地あり。
・更なる研究の余地あり。長期生存成功例が17タイプ全てにいる為、この段階の実験はひとまず成功と言える。
・追記:2つ以上のタイプの長期成功例は無し。例外として成功例の飛行タイプは「飛行」「ノーマル」となっている。
・これより研究を『ホムンクルス』に『経験値』『学習』を積ませ、より完全にする事。場合によってはドーピング・改造を用いる。
・全ての研究が終わり、完全成功個体に『ポケモンヒューマン』の名を正式に与える。
2.『ホムンクルス』に関する失敗
・人間の遺伝子をポケモンの遺伝子に組み込んだ場合、98%以上の確立で失敗。ポケモンの持つ生命体としての強さが、人間を大きく上回るからだと予測。
・残り2%未満の個体も生まれて一ヶ月も経たない内に大半が自害。理由は不明。一体のみ行方不明であり、現在捜索中。
・突然変異により、人間でもポケモンでもないモンスターが生まれる可能性あり。ただし自我がほとんど無く、大人しい。
3.『人間』と『ポケモン』に対する認識
・『ホムンクルス』は人間に対し、ポケモンに近い反応を見せる。本能的に従順な個体が多い。しかし自我がある為か、時折人間に使われる事を苦悩する様子が見られる。個体によっては人間と『ホムンクルス』を同じ存在と見ている個体もいる。
・『ホムンクルス』はポケモンに対し、人間に近い反応を見せる。外見・言語能力の差、及びに我等人間側を観察してる為かもしれない。しかし個体によってはポケモンと『ホムンクルス』を同じ存在と見ている個体もいる。
・『ホムンクルス』は『ホムンクルス』に対し、様々な反応を見せる。人間という個体もいれば、ポケモンという個体もいる。勿論両方と答える個体、『ホムンクルス』と答える個体、答えられない個体と様々であった。
4.まとめ
・『ホムンクルス』は誕生してすぐに成体である。母体代わりの培養液の中、ポケモンの遺伝子がそうさせたのだと推測。
・個体個体により、性別・年齢・体格はランダム。モデルの人間・ポケモンの外見を受け継いでいるものの、精神は個体差が激しい。
・乳幼児に値する個体は極僅か。その年齢ではポケモンの遺伝子が持たないのだと推測。
・戦闘能力は文句無し、ポケモンそのもの。成長の価値あり。
・精神面の未熟さ・不安定さから、自我を安定させる為の経験を積ませるべき。
・実験最中、逃げ出した長期生存成功例の一体を削除対象とし、戦闘・精神面での経験を戦闘で積ませる。
2011/01/31 Mon 14:10 [No.87]
ゆな
皆々様、かなりお久しぶりです。始めましての方は始めまして。私は種族名エンブオー、個人名ステーキと申します。
なにやらメンバーの変更があったり、なんかのコンテストで激戦を行ったり、ご主人様は相変わらずの大食いだったりと色々ありましたが私達は元気でございます。
この度ご主人様があの優男……ゲフン! 宿敵を追いかける旅を続けている最中、とても不思議な存在に出会いました。
それは人間であって人間でなく、ポケモンであってポケモンではない子供でした。
「……こいつは驚いたな、人間なのにポケモンの技を使えるなんて」
「来ないでください……。これ以上、戦闘を実行するなら僕は……」
「怯えるな、私に子供を苛める趣味は無い。それにショタコンでもない」
「しょた、こん?」
「気にするな。それより子供よ、腹は減ってるか?」
「え?」
最低限のバトルをした後、ご主人様は何と言いますか普段どおりに飯に誘っておりました。もちろんあの淡々とした様子且つ無表情で言った為、相手方は呆気に取られておりました。
さてさて、これが始まりだと――一体誰が思ったのでしょうか? それとも皆々様ならば予測できたのでしょうか? 少なくとも私から見たご主人様の様子は、飯の事しか考えてないとしか言えません。
この出会いが、ご主人様と子供を巡る物語の始まりでございました。
■
「……ポケモンの細胞を生みこんだ、人間?」
「はい。“ホムンクルス”という名を与えられ、一体一体に番号が示されています」
「で、お前もそうだというのか。……親は泣かなかったのか?」
「いいえ。僕達に親はいません、僕等は最初からこの状態で産み落とされたようなものですから」
「そうか。それは凄まじいな、それでお前は何故ここにいる」
「分かりません。……従いたいと願っている筈なのに、恐怖心を抱いて、逃げて……」
「ふむふむ」
「頭がごちゃごちゃになって、眩暈がしてきて、何も出してないのに混乱して、それで……気づいたら……」
「逃げ出していたというわけか」
「……はい……。それで、あなたと、出会って、それで、それで」
「…………」
「僕は、何をすればいいのでしょうか……?」
「……何?」
「あなたに従えばいいのですか、それともこのまま誰かにゲットされるのを待てばいいのですか、それとも、それとも、それとも……」
「そうだな、私からいえるのはこいつだな」
「? それ、あなたが食べてたご飯……」
「飯を食え。お前は腹が減っているのだろう? 空腹の時に考えようとしても、苦しいだけだ」
グラトニーが出会うのは、ポケモンの力を持った人造人間。
■
「ノーマルタイプ」
「ほのおタイプ」
「みずタイプ」
「でんきタイプ」
「くさタイプ」
「こおりタイプ」
「かくとうタイプ」
「どくタイプ」
「じめんタイプ」
「ひこうタイプ」
「エスパータイプ」
「むしタイプ」
「いわタイプ」
「ゴーストタイプ」
「ドラゴンタイプ」
「あくタイプ」
「はがねタイプ」
「……これら全部に一人ずついるのか、お前の兄弟」
「はい、そうです」
「見た目はお前と同じ人間に近いのか?」
「フォルムはそうですね」
「羽生えてたり、牙生えてたりするのいるのか?」
「はい、います」
「……マジか?」
「マジです」
■
「ポケモンの遺伝子を如何に組み込むかで、人間に変動が起きるかの実験……か」
「僕等はその為のモルモットなのですか?」
「……理由がサッパリつかめんな」
「何故?」
「下手なトッピングやアレンジが料理を殺すのと同じだ。既に良い代物を無茶苦茶にしてるに過ぎない」
「……グラトニー……」
「お前を否定してるわけじゃない。私が怒っているのは、何でそんな事を思ってやらかしたか」
「どういう事ですか?」
「奴等は“作りたい”と思った。だがそれを“味わいたい”と思っているのかが分からない。これはさっき言った料理と同じだ。……直訳するととてもとても酷い言い方になるが、聞くか?」
「……はい」
「奴等はな、一瞬の研究成果にのみ興味が無いのかもしれん。そしてホムンクルスはその為の過程でしかなく、命とすら見られているのかどうか怪しい」
2011/01/31 Mon 14:09 [No.86]