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Makoto
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「……行ったわよ、あの子どもたち」
「あの隠し階段、ようやく気付いて降りて行ったか……。幾ら何でも鈍くさ過ぎだろ、おい!」
「ホントなりよ。呑気に自己紹介なんかやってる場合じゃないなりって! それにここジメジメしてるし… 隠れるオイラたちの身にもなれって言いたいなり」
「言い合うのも結構だけど、感謝しなさいよね? ばれない様に鍾乳石にへばりついてるだけでも大変だったんだから」
いつから潜んでいたのだろうか、天井から声をかける水色の触手を持ったくらげポケモン――メノクラゲ。
その声に呼応するように、洞穴の外から紫色の体毛と触覚が立っているどくがポケモン――ドクケイルと小柄な蜘蛛のような姿をしたいとはきポケモン――イトマルがいそいそと姿を現した。
「おしゃべりはここまでだ2匹とも。早く捕まえないと、ほら、あの方の目標に刺し障ることになるぜ? おれは先に後を付けてるからな」
「あ、ちょっと待ちなさいよガノム! 全くワタシの話を聞かずに、勝手に突っ走って……」
「早く行こうなり、ヴィスパ! フフフのフ〜、久々に腕が鳴るなりよー」
「もう、パルまで乗り気なんだから」
毒気のある皮肉をぶちまけながら、先に階段を降りていくドクケイル――ガノム。
そんな彼に呆れながら文句を言うメノクラゲ――ヴィスパ。しかしお茶目に後押しをしていくイトマル――パルに押されて、しぶしぶ彼女もガノムの後に続いたのだった。
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洞穴の中を降りて行くうちに、少しずつあたり一面が暗くなっていく。それに応じて、目も徐々に暗闇に慣れていき、瞳孔も広くなっていった。
途中道を渡る途中で、見慣れないタネが地面に落ちているのを見つけて、シフォンは自分のポシェットにそのタネを積め込んでいった。見た目は黒いストライプみたいな感じのタネなのだが、どんな効果なのかは全然見当もつかない。
「何かのお守りに役立つかもしれない。一応入れておこっと」
ようやく広い場所につき当たったところで、リュカたち一行は一旦足を休めることにした。
「おかしいなぁ。いつもなら、ズバットか何かが飛び出してきそうな暗い場所なのに」
「“音”そのものが聞こえてこないよね…… 聞こえるとしたらボクたちの声が反響するのと、天井から落ちてくる水滴だけだもの」
「うぅん…… 何かちょっと怖いね……」
不思議なことに、ここでは野生のポケモンたちと一匹も出くわさなかったのだから、緊張して洞穴の中を探検していったのに何か拍子抜けした気分である。
2011/07/18 Mon 22:09 [No.458]