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ジャグラー
「おらっ、ぐずぐずすんな!」
「だらしねえガキだ、3日飯を抜いただけですぐに倒れやがる!」
「あう・・・うあぁ・・・」
屈強なゴーリキーにまた鞭で体を叩かれ、悲鳴を上げ続ける体を無理矢理動かす。
体が成長しておらず、未発達な私はただ永遠と重荷を担ぐ道具と扱われるだけ。
私はニューラという一匹のポケモンとして扱われていない。私は、ただの奴隷・・・。
私に名前なんてない。私は孤児・・・利用されるだけ。
ただどんなことのために作られたか分からない荷物を運び続け、私を道具をとしか見てないゴーリキー達の鬱憤を晴らすために理不尽な暴力を受ける毎日。
そんな私に希望なんてない、そう思っていた。
そう、あの日が来るまでは・・・。
あれは、雨の降る日だった。
私がいた所にしてみれば珍しい雨。誰かが[あまごい]でもしたのかと思った。
雨の日は唯一荷物を運ぶ事がなくなる日で、私が体を休めることが出来る日だった。
誰もがそれぞれのことをしてくつろいでいた時、そのくつろぎは突然消え去った。
大きな爆発音と共に。
「な、何だ!?何が起きたんだ!」
「し、侵入者だ!ルカリオだ、色違いのルカリオが一匹!」
「なにぃ!?くそっ、ここには狙うものなんか何もないぞ!」
「とにかく侵入者を捕まえろ!奴隷を解放させるな!」
騒がしくゴーリキー達が動き始める。
私も何が起きたのか見に行きたかったが、足には逃げることを封じるための重りをつけられていたから動けない。
仕方なく、私は眠りについた。
「おやおや・・・僕一人のためにこれほどの人数を用意するとは」
「ごちゃごちゃ抜かすんじゃねえ・・・・!!ここを襲ったツケはでかいぞ!」
一匹のルカリオを7匹のゴーリキー達が囲んでいる。
ルカリオはマントを付けており、雨でぬれてしまってマントの役割を果たし切れていない。
ルカリオは普通のルカリオとは違い、色が黄色い。俗に言う色違いだった。
「それよりも、ここには奴隷のように扱われている方々がいるはずです。
それらをすべて、こちらに渡してくれませんか?」
「て、てめえ・・・!!ふざけてんのか!!」
「ふざけてなんかいませんよ。ただ、貴方達が孤児をも奴隷にしていると聞きましてね。それに、私は物語はバッドエンドよりもハッピーエンドが好きなんですよ。奴隷は普通の一般市民として幸せな人生を歩むべきなんです。」
「黙れ哲学者気取りが!てめえら、こいつをやっちまえ!!」
ルカリオの言葉を無視してゴーリキー達は一斉に飛びかかる。
しかし、ルカリオはゴーリキー達が目前にまで迫っても目をつむっていた。
そして、ゴーリキーの拳が彼に直撃する。
しかし、それはすぐに消え去った。
「な、何!?[かげぶんしん]だと!?」
「馬鹿な、いつの間に・・・!?」
突然ルカリオが消えてゴーリキー達は焦り始める。
しかし、その焦りも長くは続かなかっった。
「一気に、終わらせましょうか。[じしん]。」
ゴーリキー達の後ろにいたルカリオが[じしん]を繰り出す。
ゴーリキー達は突然の攻撃になすすべなく倒れていく。
しかし、1匹だけはまだ耐えていた。
「くっ・・・くそっ・・・こんな馬鹿な・・・!」
「調べはついてるんです。あなた達が奴隷を酷使して奪ってきたポケモンのタマゴを色んな地方にばらまいていました。
さっきも言いましたが、私は幸せな終わり方が大好きな者でしてね。
奴隷とタマゴは、頂きますよ。」
「ち、ちくしょう・・・・!覚えてやがれ、絶対に・・・絶対にお前を見つけて叩きのめしてやる・・・!」
「へえ、楽しみにしてますよ」
そう言ってルカリオはゴーリキーに[はっけい]をぶつける。
ゴーリキーはそれをまともに受け、気絶した。
2011/07/29 Fri 15:01 [No.533]