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kaku
ほむらは、この戦いが終わったら、まどかに告白するつもりだった。杏子とさやかが白昼堂々愛しあう姿を見て、その決意はより強固なものになった。杏子だけに強固に。
(そうだ……私は、私たちは、ワルプルギスを倒す。奇跡も魔法も、あるんだよ!!)
 そして、そっと、まどかの手をとった。無意識の内に、愛する者の手を握った。
(ほむら……ちゃん?)
 そして、まどかは、その手を握り返した。
 巴マミは、そんなふたりの様子をみて、思わず笑をこぼした。そして、これから結ばれるふたりを、たった今結ばれたふたりを、命に代えても守ることを決意した。
 それが来たのは、その時だった。
 空が突然、真暗になった!!
「来た!!」
「あれが……!!」
 お楽しいのところを邪魔されたさやかと杏子は、すこぶる不機嫌ながら、空を見上げた。
 そこには、巨大な魔女がいた。ゴシック調のドレスを纏い、頭を下に、天に向けてスカートを靡かせながら、ゆっくりと地上に迫ってきていた。
「ワルプルギス……」
 巴マミは、銃を構えた。最初から、ティロ・フィナーレの準備をしている。敵が射程範囲に入ると同時に、必殺の一撃を食らわせるのだ。
「まどか……」
「ほむらちゃん……いこう。私たちなら、絶対に勝てるよ!!」
 ほむらとまどかは、顔を見合わせた。この場に居る少女たちの中で、まどかだけは魔法少女ではない。巴マミが死んだ後、彼女はそのことで悩んだ。自分だけが戦わずに居るなんて、卑怯ではないか。
(でも……違う。魔法少女にならなくても、力がなくても、私にはできることがある)
 そんな迷いなど、もうまどかの心にはなかった。地獄のような鍛錬の日々を経て会得した、最強の手刀が、まどかにはある。魔法は使えなくても、戦う力があるのだ。
(私は……私たちは、戦う!!)
 その決意は、揺るぎないものだった。
 だから、その言葉は、まどかにはとどかない。
「まどか!ワルプルギスが来る!早く僕と契約して、魔法少女になるんだ!」
 忽然と現れた白い獣が、五人の背後から言った。
「キュウべえ……」
 以前は、抗うことの出来ない運命のように思えた、白い獣。少女と契約を結び、宇宙の安寧のために地球を魔女で埋め尽くさんとする、悪魔の手先。どこまでも恐ろしかった存在。
 だが、彼の言葉は、今のまどかには、哀れにすら思われた。
「キュウべえ。もう、契約なんていらない。魔法少女にならなくても、私は戦える。それに、マミさんも、さやかちゃんも、杏子ちゃんも居るの。皆で戦えば、きっとワルプルギスも倒せる」
 まどかは、キュウべえの方を振り返ることすらなかった。
 もはや懐柔することは不可能。そう判断したキュウべえは、持ち合わせぬはずの感情を爆発させる。
「……なぜだ!!なぜ君は!!君たちは!!理解しないんだ!!無理なんだよ!!無理!!ワルプルギスの強さは、絶対的なんだ!!今存在する魔法少女全てがその力を合わせたところで、勝つことなんて出来ないんだ!!力をあわせる!?バカなことを言うな!!僕は、君たちの戦闘力を数値化することができる!!集団で戦って、連携による何らかの効果が生まれたところで、ワルプルギスの戦闘力を上回ることは出来ない!!まどかが魔法少女にならない限り、絶対にワルプルギスを倒すことはできない!!分かれよ!!お前らアホか!!」
 それは、禁句であった。
「あーもう!!うっさい!!ほむらちゃん!!」
「がってんほむぅ!!」
 ブチギレたまどかの指示を受け、ほむらがキュウべえを捕らえた。
「うわ!!何をする!!やめろ!!」
「大人しくしろ!!ほむぅ!!」
 手足をめちゃくちゃに振り回して抵抗するが、ほむらの拘束を逃れることはできない。それもそのはず、まど
2011/04/21 Thu 01:26 [No.260]