Net4u レンタル掲示板を作る
kaku
まどかが、すでに見上げるほどの高さまで昇ったチンコベーターに呼びかけた。
チンコベーターの姿は、インキュベーターとは対照的な、神々しいものであった。
「私は、宇宙へと帰る。私の母星は既に亡い。だが、私は君たちから、諦めずに戦うということを学んだ。私も、もう一度、諦めずに頑張ってみようと思う。新たな故郷を、創りだして見せる。そう、同胞たちと共に」
その言葉と同時に、各地から、黒い影が天に昇りはじめた。
影は、全国の魔女たちのものだった。
「キュウべえ!!」
「その魔女たちも、元は人間なんだ!!いつか、元にもどしてやれよな!!」
杏子と、さやかが、キュウべえに向けて叫ぶ。
その時だ。
「ティロ・フィナーレ!!」
巴マミが叫んだ。
同時に、巨大な銃から、その銃口と同じ大きさの銃弾が放たれる。
銃弾は、チンコベーターに命中した。
「ギャアアアアアアアアア!!!!」
チンコベーターは、死んだ。
同時に、彼の手下たる魔女たちが、元の少女に戻った。少女たちは、巴マミの魔法により、ゆっくりと地面に向かって降りてくる。
「やった……」
「キュウべえが……死んだ!!」
そう、今、全てが終わったのだ。
「「「「やったぁあああああああああ!!!!」」」」
気絶中のほむら意外の四人の魔法少女は、叫んだ。叫ばずには居られなかった。
□ ■ □ ■
「おはよう!!ほむらちゃん!!」
「お、おはよう……まどか、ちゃん」
通学路でまどかに声をかけられたほむらは、照れくさそうに、そう応えた。
ほむらはまだ、まどかに告白出来ていない。勇気を持つことが、まだできないでいる。
(結局、私は変われなかったな……)
ほむらはそう思っていたが、実際、彼女は少しだが成長している。その証拠に、前よりずっと自然に、まどかと接することができるようになっていた。その証拠に、まどかを呼ぶとき、心のなかで呼んでいたのと同じように呼ぶことができる。かつて、魔法少女のこともインキュベーターのことも知る前と、同じように。
その変化に気づいていないのは本人だけだ。
「お!バカップルだ!!」
「朝からお前ら……初々しくて萌え死んじまうよ!!」
後ろから、杏子とさやかが歩いてきた。
「さやかちゃん、杏子ちゃん!おはよう!」
杏子はあれから、まどか達が通う学校に転入してきた。今は、ふたりで一緒に住んでいる。ちなみに、住んでいる家は、もともと上條が住んでいた家だ。ワルプルギスを退けた後、上條家の人間が全員槍で刺殺され、家が売りに出されたらしい。一家全員が殺されるという呪われた家の買い手は無く、値段が暴落していたところを、二人で購入したのだそうだ。ちなみに、上條一家刺殺事件と同日に、まどかのクラスメイトである志筑仁美の一家も全員剣で惨殺され、財産の一切が盗まれているのだが、二つの事件の関連性は未だ分かっていない。
ともかく、さやかも杏子も、幸せの絶頂にある。今も、二人なかよく手をつないで、登校している。クラスメイトに隠すどころか、愛の深さを見せつけてすらいる。
「じゃ、私たちは先に行くから」
「あんまりいちゃいちゃしてると、遅れるぞ!!」
そう言って、さやかと杏子は、歩いて行った。
手を振りながら二人を見送ったまどかが、言う。
「ふたりとも……すごく、幸せそうだね」
2011/04/21 Thu 01:27 [No.262]