Net4u レンタル掲示板を作る
鹿児島でTRPG・ボードゲーム暮らし用の掲示板です。
雑談や相互リンク申請、オンセ参加者さんのセッション告知や雑談、キャンペーン用のログ管理などにご利用ください。
オンラインセッションに関しては、GM持ち回りのキャンペーンということで、利用されている参加者さんのセッション参加頻度などを考え、メンバーなどは、TRPG SNS内のコミュニティ上で行っています。
コミュニティの参加は承認制とさせていただいております。アクティブユーザーさんの人数などによって、承認お断りする場合もあります。
詳しくは本体サイトをご覧ください。
秋芳
セッション未登場の設定やデータを公開し、参加者に判断を仰いだりインスパイアされてみたりするトピックです。
いいね!と思った方は好意的なレスをお付けください。う〜ん?と思った方は(控えめに)否定的なレスをお付けください。
好意的なレスが多ければ、ヴィッセンの基本設定に採用されるかも?(採用の可否は主催者である「たぐっちゃん」さんに一任します)
また、オリジナルなアイテムやモンスター呪文のデータなどを公開し、参考意見を集めたりすることにもご活用ください。うまく調整できたり賛同者が多いデータは採用(市販品とかヴィッセン名産品とか)になるかもしれません。(こちらも、採用の可否は主催者である「たぐっちゃん」さんに一任します)
以上、あくまでも試験運用かつ見切り発車なトピックですが、たくさんの投稿がいただければ幸いです。
投稿内容
・シナリオに登場していないがヴィッセンの共有設定に盛り込みたい設定など。
・シナリオに使用しなかった(し損ねた)設定、シナリオソースなど。
・ヴィッセン近隣に存在するNPCなど。
技能レベルに関しては表記が無い場合も「少なくとも」の注釈付きのレベルとする。
(PCのレベルが上昇している場合は適宜修正できる)
・オリジナルなアイテム、モンスター、呪文等のデータ。
バランス調整とか、作ったから見ろー!的な使い方とか。
2011/10/02 Sun 22:14 [No.218]
秋芳
立てただけではアレなので、投稿例として自作設定を投げておきます。
ヴィッセン王立紋章院(機関/組織)
ヴィッセンの中心市街、王城のすぐ側に存在し、その起源を古代魔法文明時代にまで遡ることができる紋章院。
ヴィッセン王国が独立した都市国家だった頃は「ヴィッセン王立紋章院(Royal Heraldic Authority)」と呼ばれ、ヴィッセン王国及び周辺諸国の貴族に関する記録や儀礼式典を司る組織であった。ヴィッセン王位をルキスラ皇帝が有している現在は、ルキスラ帝国に接収される形で名称を「ルキスラ帝国紋章院ヴィッセン典籍寮(Imperial Heraldist Wissen Branch Office)」と変えている。ヴィッセン市内では単に「紋章院」、ルキスラ帝国領内では「ヴィッセンの紋章院」と呼ばれている。
魔導機文明時代以降の古記録を大量に所蔵しており、ザルツ地方を中心とした王族や貴族の紋章、領地の変遷、婚姻関係、系譜などに関する膨大な資料を有する。
紋章院には、ルキスラ帝国から任命された紋章官1名と補佐官1名の計2名が常駐している。古記録の保存管理を通常業務としてこなしつつ、有力貴族の子弟などの婚姻にあたり両家の家柄や格式、先祖の血縁関係などを調査する依頼に応じている。
2011/10/02 Sun 22:16 [No.219]
秋芳
“紋章大全”ニールス男爵(NPC)
種族:タビット/男/22歳
出身:ザルツ地方(ルキスラ帝国)
主要冒険者技能:セージ(PC+2)
主要一般技能 :ヘラルディスト12、ノーブル4、ライブラリアン5
登場内容:依頼人、情報収集先
「やれやれ、こんな基礎的なことも知らないなんて。その丸い頭はカボチャか何かなのかい?」
ヴィッセン紋章院の紋章官を務める、黒い毛皮のタビット。古今東西の紋章などの図案に精通しており、他人を小馬鹿にした態度をとりがち。記憶力に優れており、会話の内容ですら一言一句まで違えずに再現できるとまで言われている。
物心ついた頃から図形や図案に強い興味を持ち、紋章学に出会ってその魅力に取りつかれた。世界のあらゆる紋章や印章を一冊の本にまとめようという壮大な夢を描き、紋章などの記録をとりながらザルツ地方各地を旅してルキスラに流れつき、とある事件を介して先代のルキスラ皇帝と出会った。紋章学にかける情熱と博覧強記振りに感嘆した先代皇帝よりヴィッセンの紋章官に任ぜられ、一代貴族として爵位を与えられている。ルキスラの宮廷内では先代皇帝の気まぐれ、呈の良い文書整理係といった程度に扱われているが、貴族の地位に価値を見出していないニールスにとって、宮廷内の評判はなんら気にならない問題にすぎない。
現在は、膨大な紋章院の蔵書を片っ端から読破するという至福の日々をすごしており、これを妨げる雑事を嫌っている。
セージとしても相当の実力を持つが紋章学の範疇から離れた事物には、まったくと言っていいほど興味を示さないため、興味の対象外の事物については聞くだけ無駄というもの。対して、すでに滅亡した国家や貴族の紋章や系図などには非常な興味を示す。
遺跡から発見した紋章や系図の裏づけを欲したとき、奇妙な記号や図案の謎を解く場合に知恵を借りたいときなどに冒険者は紋章院を訪れることになるだろう。あるいは、蛮族の生息する危険地帯を越えての文書の送付、紋章院の蔵書に記された古代魔法文明時代の貴族の館跡の調査などが依頼されることもあるだろう。
セージ技能は、すくなくともPCのレベルキャップに+2したレベルに達している。
2011/10/02 Sun 22:18 [No.220]
秋芳
オデット・クーブルール
種族:人間/女/17歳
出身:ザルツ地方(ルキスラ帝国)
主要冒険者技能:セージ:3
主要一般技能 :ヘラルディスト4、ノーブル5、コック3、ライブラリアン2
「え?ニンジン持って来いって、ジュースじゃなくて、生のことだったんですか?すみません、すみません……でも、このジュース、すっごく美味しいですよ?」
ヴィッセン紋章院の紋章官補佐。ルキスラ帝国の下級貴族の出身で、幼い頃から清廉な騎士と清純な乙女の登場するような騎士道物語に憧れを抱き、いつしか紋章に興味を持つようになった。紋章学に興味があることが先代皇帝の耳に入り、ニールスの世話を押し付けられる形で彼の補佐官となった。
おっちょこちょいで失敗ばかりしているが、基本的には能天気で朗らかな性格。紋章官としてのニールスを強く尊敬しており、しばしば虐げられながらも笑顔で尽くしている。化粧っ気がなく、いつもボサボサの髪に汚れた服という格好でかいがいしくニールスの世話を焼いている。それなりの化粧をすれば見違えるほどに美人だという噂があり、成金貴族に言い寄られてどうしようもなくなっていたところを先代皇帝の計らいでヴィッセンにやって来たと噂する者もいる。
上司の不当な扱いにもめげず、健気に家事をこなす姿に好感を覚えるものは多いようで、先述の化粧云々の噂と相まって彼女を口説き落とそうとする求婚者は後を絶たない。そのため、ニールスは自身の言動によるもの以上に市井の若者から反感を買っている。
紋章院を訪れた冒険者たちは、往々にしてタビットが倍近い身長の人間の娘を足蹴にするという姿を目にするだろう。
2011/10/02 Sun 22:19 [No.221]
秋芳
ヴィッセン十二王制(―・じゅうにおうせい)
魔動機文明時代のヴィッセン王国の政治体制。
ラクシアでは魔動機文明期に入り、1人の王による封建制度的支配構造から、複数の有力者による合議制、議会制という政治構造へ推移していく。その背景には、学問としての習熟を求められる真語・操霊魔法、妖精に対する直感的な感性に依存する妖精魔法、敬虔なる信仰と不可分な神聖魔法と異なり、誰でも手軽に扱える魔動機術の発展が関与していたと考えられている。
しかしながら、ヴィッセンの場合はやや状況が異なり、絶対君主であった魔法王の王位を継ぐべき人物が不慮の死を遂げ、一族の血脈が途絶えかけたことに端を発する。
最後の魔法王の一人娘であったヴァンデミエル姫は、若輩である自らが魔法王として君臨することをよしとせず、王国の統治を武勇と智慧に優れる人々の合議に委ねることを宣言した。
姫の意を受け、魔法王の遠縁に当たる貴族や騎士団長、キルヒア神殿の長や賢者の学院の長といった、要職にあり武勇と叡智で知られる11人が選ばれた。この11人が揃って姫自身も王国を統べる合議に加わることを求めたため、11人に姫を加えた12人で合議制による統治が行われることとなった。
合議に参加し王国を統べる12人に対しては、姫の名の由来でもある魔法王の一族に伝わる寓話から採った称号が与えられた。この称号は世襲せず、後継者の指名により継承するものとされ、継承者には種族や出身地、職業や貴賎など一切の制限を設けず、ただ一点、「ヴィッセンという国と、その国民を愛する」ことだけが資格として掲げられた。
また、ヴィッセンの王位を廃し王制からの脱却を図ろうとした姫の意思とは異なり、12人の合議をもって「ヴィッセン王の意志」を決定し、あたかも「ヴィッセン王」なる人物が存在するかのように統治されることとなった。
ヴィッセン王の意志を決定する12人の継承者を人々は「ヴィッセン十二王」と呼び称え、それにより後世の歴史家たちは、この類稀なる統治体制を「ヴィッセン十二王制」の名を用いて表すこととなった。
12の称号は、親子などの血縁や組織内の地位・位階、あるいは師弟といった流れで、当初の人物に近しい人物に継承され、ある意味では世襲とも言えるような状況となった。
しかし、いくつかの称号は所有者が後継者を指名しないまま他界あるいは行方不明となったり、ヴィッセンを窮地から救った旅の英雄に贈られたりしたために、前述の「流れ」から離れた。記録により、神の奇跡を目の当たりにした信仰心の篤い老婆、勇気あふれる町の少年、些細な行動がヴィッセンを救うこととなった冒険者などの人物が継承者となった物語が知られている。
(つづく)
2011/12/17 Sat 22:04 [No.252]
秋芳
(つづき)
時に欠員を出しながらも続けられた「ヴィッセン十二王制」も、〈大破局〉によって終焉を迎えた。
12の称号を持つ継承者は、蛮族との戦いに命を落とし、あるいは行方知れずとなって目まぐるしくかわり、ついに全ての継承者の生死が不明となるに及び、統治体制としての十二王制は絶え、長い長い歴史を刻んだヴィッセン王国は滅びた。
後年、ザルツ地方において蛮族の侵攻を食い止めたルキスラ帝国の皇帝は、ヴィッセンの魔法王の末裔にして十二王のひとつ「ヴァンデミエル」の称号を受け継ぐ者の娘であるとして、一人の女性にヴィッセン王国の統治権ありと宣言した。
この女性はルキスラ帝国の助けを得てヴィッセンの地より蛮族を追い払い、ヴィッセン王として戴冠。女王としてヴィセン王国の復興に尽くした。
数年の後、ルキスラ皇帝はヴィッセン女王を正妃に迎え、誕生した皇子は若くしてヴィッセン王として即位し、成人後にルキスラ皇帝位を継いだ。
これにより、現在までヴィッセンの王位はルキスラ皇帝家が継承することとなった。
なお、ヴァンデミエル以外の11の称号について、帝国は「詳細な調査を行い全て断絶していることを確認した」と発表している。
これまでに数回、十二王の継承者を名乗りヴィッセンの正統なる統治権を主張する人物が現れたが、ヴィッセン王であるルキスラ皇帝は、これらの人物は十二王の称号を詐称しヴィッセン王と十二王の名誉を汚すものであり、ヴィッセンの統治に対する反乱であるとして武力をもって断罪した。また、ヴィッセンには王制が復活しており、十二王の称号には政治的に何の意味も権利もないことを、ヴィッセン王の名において告示している。
十二王を構成する称号と紋章
1:ヴァンデミエル(葡萄)
2:ブリュメル(霧)
3:フリメル(霜)
4:ニヴォズ(雪)
5:プリュヴィオズ(雨)
6:ヴァントズ(風)
7:ジュルミナ(芽)
8:フロレア(花)
9:プレリア(草)
10:メスィドル(牧草)
11:テルミドル(陽光)
12:フリュクティドル(林檎)
2011/12/17 Sat 22:05 [No.253]
秋芳
テルミドル流穿槍術(てるみどるりゅう・せんそうじゅつ)
ザルツ地方で伝習される槍術の流派。ヴィッセン十二王の称号のひとつ「テルミドル」の名を冠している。
魔動機文明の中期、すでに空席となっていた「テルミドル」の称号は、学院の魔術師が運悪く起動してしまったアーティファクトによって召喚された魔神を打ち倒し、ヴィッセンを救った冒険者の青年に与えられた。
長槍を自在に操り、鋭い突きで魔神を討ち滅ぼした青年の戦いに、時のヴィッセン十二王は空席となっていた「テルミドル」の称号を贈り、王国歩兵隊の槍術師範として迎えた。
槍による「突き」の鋭さに重点を置いた青年が、槍術を極めた末に到達したのは、槍を回転させながら突き出すことで貫通力と殺傷力を高めるという技法であった。
この技法を体得するには槍に対する習熟が不可欠であったが、後年には、パイピング・スピアと呼ばれた特殊な槍を用いることで、槍の取り扱いに習熟していないものでも奥義を身につけることが可能となった。
この技法はヴィッセンの歩兵隊の秘伝として伝習され、以降、この槍術門下の高弟から「テルミドル」の継承者が指名されることが慣例となった。ここに至り、かつて青年が編み出した技法は「テルミドル流穿槍術」と名付けられ、ヴィッセン歩兵隊の名とともに世に知られていくこととなる。
蛮族との争いが顕著化した魔動機文明の最終末期、歩兵隊秘伝の慣例を破り、蛮族に対抗する冒険者などにも広く門戸が開かれ、これを通じて「テルミドル流穿槍術」はザルツ地方全域に広まった。
〈大破局〉によって原点となったヴィッセン歩兵隊は壊滅。当代の「テルミドル」も死亡し、その源流は途絶えたが、流派の要となる技法は現在まで連綿と伝えられ、ザルツ地方を代表する槍術として広まっている。
#24年1月発売予定のサプリメント『フェイダン博物誌』にて追加される要素のひとつ、「流派」についてフライング気味にオリジナル流派を提示してみます。
#PCは名誉点を消費することで「流派」に入ることができ、さらに名誉点を消費すると、流派装備を購入したり「秘伝」を修得することができる。
#「秘伝」は、宣言型特技として扱われ、対応する戦闘特技を修得している場合に使用可能となる。
※流派に関する詳細は『Role&Roll』vol.87をご覧ください。
2011/12/25 Sun 21:44 [No.254]
秋芳
流派への入門と恩恵
必要名誉点:50点
流派装備
パイピング・スピア〈スピア〉B ※専用武器(必要名誉点20点)
用法:2H、必筋:20、命中:±0、威力:30、基本取引価格:1200ガメル
非ランク効果:
この武器を使用する場合、テルミドル流穿槍術の秘伝を使用する際の前提特技〈武器習熟/スピア〉を無視する。
解説:
ロングスピアの柄に木製の管を取り付けたもので、片手で管を持ち、反対の手で槍の柄を持って使用する。
管の中を滑らせて槍を突き出すことにより、鋭い突きを繰り出すことが可能となる。
入門後に、入門者の体格に併せて師匠が与える慣例となっており、師匠自らが製作に当たることも多い。
特徴的な外観の槍であるため流派外の者は、パイピング・スピアをテルミドル流穿槍術の象徴であるかのように捉えがちである。
しかし、流派内では秘伝である技法を体得するための補助具として捉えられており、
この武器に頼っているうちは秘伝の伝授はなされず、初心者の域を出ない者として扱われる。
ただし、ゲーム的には、この武器を使用しながら秘伝を習得することに何ら問題はない。
秘伝
穿槍(せんそう)必要名誉点:20
対応特技:〈全力攻撃〉、前提特技:〈武器習熟/スピア〉、装備限定:1H両または2Hのスピアを両手で使用。騎乗時不可。
概要:命中力−1、追加ダメージ+4
効果:大地を踏みしめて得た力を、腰と手首のひねりを用いて槍に伝え、回転させながら突き出すことで殺傷力を高める。
穿貫突(せんかんとつ)必要名誉点:30
対応特技:〈必殺攻撃〉、前提特技:〈武器習熟/スピア〉、装備限定:1H両または2Hのスピアを両手で使用。騎乗時不可。
概要:回避力−2、クリティカル時に威力+10(累積する)
効果:回転を加えて突き出した槍で、目標の鎧、甲羅や皮などの防御が薄い部分を正確に貫く。
絶穿・神槍(ぜっせん・しんそう)必要名誉点:50
対応特技:〈全力攻撃U〉
前提特技:〈武器習熟/スピア〉秘伝〈穿槍〉〈穿貫突〉、装備限定:1H両または2Hのスピア。騎乗時不可。
概要:回避力−3、追加ダメージ+8、クリティカル時に威力+10(累積する)
効果:全身のバネを使って生み出した力を槍の回転に変え、目標の一点を全力で貫く。
2011/12/25 Sun 22:03 [No.255]
たぐっちゃん
R&Rにちょっとだけデータが載っただけなのにさすがすぎるw
名誉点の使い道が増える意味でも流派はヴィッセンでも運用していけると楽しそうですよね。
2011/12/26 Mon 15:41 [No.256]
秋芳
性懲りもなく、オリジナル流派の提示です。ご意見いただければ嬉しいです。
緋剣の魔術師会(魔術流派)
「ニヴォズの剣」あるいは「緋色の魔術師会」とも称される魔術師の一派。ヴィッセン十二王の称号のひとつ「ニヴォズ」に由来する魔術流派である。
十二王の称号のひとつ「ニヴォズ」はヴァンデミエル姫より賢者の学院の院長(学長)に授けられ、以後、歴代の院長(学長)が継承した。ところが魔動機文明の末期、当時の継承者であった院長(学長)は学院の高弟ではなく、旅の魔術師に称号を授けてしまう。
この行為については、十二王の一員として王国の運営に関与し続けたため、次第に貴族化し学院の外に対しても影響力を得た院長職を本来の姿に戻すためであった、との説が有力である。魔術師としての技量や賢者としての知識を有する者よりも、学院内での政治力を持つ者が院長(学長)となり、ニヴォズの称号を継承していることへの反発であったとする説もある。どちらにせよ、当時の「ニヴォズ」は魔術師として賢者として力を持つ者に称号を継承させようと判断したことは確かであり、次代の「ニヴォズ」となった旅の魔術師の非凡な力量からもそのことがうかがえる。
新たな「ニヴォズ」となったのは、大陸を放浪し各地に残る古代魔法文明の痕跡を調査していた老魔術師であった。真語・操霊・深智魔法のいずれにおいても、その実力は学院の指導者たちをはるかに越え、危険を伴う旅と遺跡探索から得た実践的な魔術は、学院での研究では得られない活きた魔術のあり方は成していた。
学院の指導者層は、老魔術師の埃まみれの姿を「泥にまみれた手で貴重な書物を扱う不心得者」と揶揄した。また、老魔術師が攻撃魔法に精通していたことも揶揄の対象となった。怪物の返り血を浴び、あるいは自らの血にまみれて周辺の遺跡から帰還する老魔術師に対して「血まみれのニヴォズ」との蔑称を贈り、表面上は敬いながらも実質的には学院の中枢から遠ざけ、名目だけの閑職を与え、学院の運営や指導方針の決定に参加させることはなかった。
老魔術師は、この冷遇に対して、あえて「血まみれの雪(ブラッディ・スノウ)」の二つ名を名乗って応え、危険を乗り越えるため命を護るための魔術の必要性を訴えた。その毅然とした態度と実学としての魔術というスタンスは、すぐに若い魔術師たちの賛同を得ることとなった。
老魔術師に賛同した若者たちは、「血まみれ」と蔑まれながらも胸を張ってそれを肯定した師の心意気をうつすものとして、いつしか緋色に染めたローブ類を着用するようになった。これに猛反発した学院側が若手魔術師の統制を試み、学院を二分するほどの騒動に発展した。ここに至って老魔術師は、学院の分裂や争乱は己の望むところではないとして、ニヴォズの称号を十二王に返還し、賛同する若者を連れてヴィセンを離れた。
ヴィッセンを離れた老魔術師はフェンディル王国へと遷り、弟子たちとともにザルツ地方の研究を続けた。フェンディル王国からの度重なる招聘は固辞し、以後は生涯権力と関わることはなかった。
晩年、自身が培った魔術理論を「剣」「杖」「杯」「護符」の4種の文書にまとめ上げると、高弟たちはこれを教本として研究と指導に努め、「緋色の魔術師会」と呼ばれる魔術流派が誕生した。
老魔術師の死後、高弟たちはフェンディル王国内でザルツ地方の研究を続けたが〈大破局〉によって散り散りとなり、貴重な文書やアーティファクトも散逸した。かつての教本のひとつ、「剣」の内容として「緋色の魔術師会」の一端を現在に伝えているのが、今日、「緋剣の魔術師会」と呼ばれる一派である。
「剣」には攻撃魔法の実践的かつ効果的な使用法がまとめられたと言われており、危険と隣り合わせの冒険者のなかには、この流派の秘伝を修得する者が少なくない。この流派の流れを汲む魔術師はザルツ地方全域に存在しており、師を求めることはそう難しくない。
現在のヴィッセンにおいては、賢者の学院が過去の行為を謝罪するとともにその功績を認め、選択制カリキュラムの一部に取り入れている。ヴィッセンの賢者の学院でこの魔術流派を学んだ者は、十二王の称号を冠して「ニヴォズの剣」と呼ぶこともある。
2012/02/24 Fri 22:12 [No.257]
秋芳
流派への入門と恩恵
入門の条件:ソーラー技能かコンジャラー技能を修得
必要名誉点:50点
流派装備
緋色の魔道書(手/その他)必要名誉点:10/20/30点(専用化) 基本取引価格:取引不可
【解説】
特殊な染料で赤く染めた紙を使った魔道書。魔法のアイテムではない。
ニヴォズの高弟たちがまとめた魔術技法や知識が古代魔法文明言語で記されている。記述の全てが流派の秘伝というわけではなく、ソーサラーやコンジャラーが知っておくべき一般的な内容も多い。
師匠の教えを弟子が各々書きとめることで完成し、完成の暁には師匠が署名を入れる。この魔道書が完成することで一人前と認められ、卒業となる。このようなスタイルのため、各魔道書の内容はまちまちで、書名の無い未完のものも多い。不完全なものが市場に出回ることはあるが、流派の秘伝を記したようなものは滅多に無い。
ゲーム的には、入手(専用化)に要した名誉点で、このアイテムの完成度を示す。
【効果】
古代魔法文明期に関する事柄について、「技能レベル+知力ボーナス+2d6」で判定を行う際、達成値に+1/+2/+3の修正を得る。この修正は専用化の名誉点に比例し累積しない。この効果を得るには装備部位に関わらず、両手を用いて魔道書のページをめくらなくてはならない。
2012/02/24 Fri 22:41 [No.258]
秋芳
イメージ先行のあまり、勢いで5つも秘伝を作ってしまいました。3つに絞りたいところですが、正直、検証不十分です。これは強すぎ(弱すぎ)、便利すぎ(使えなさすぎ)等、ご意見がいただければ幸いです。
秘伝
●力持ちし言葉(必要名誉点:20点)
対応特技:〈魔法拡大/確実化〉、前提特技:なし、装備限定:なし
【概要】
発動体と動作なしで真語・操霊・深智魔法を行使する。
【効果】
ニヴォズが発見し解析した「力持つ言葉」あるいは「上位古代魔法語」と呼ばれる単語を呪文の構文に組み込むことで、行使に必要な発動体と動作を省略する。ただし、達成値は「0」として処理され、行使判定の出目が6ゾロの場合も絶対成功とならない。
真語・操霊・深智魔法を使用する際に、この「秘伝」を宣言すると、ハードレザーや金属鎧を装備していても魔法の行使判定にペナルティがつかない。動作が不要になるため、発声が可能であれば身動きが取れない状態でも魔法を行使できる。
ほかの《魔法拡大/**》系の戦闘特技やそれらに対応する秘伝と同時に使用できる。
●魔を合わせて撃つ(必要名誉点:20点)
対応特技:〈魔法拡大/数〉、前提特技:なし、装備限定:なし
【概要】
射撃タイプの攻撃魔法のダメージを+2〜する。
【効果】
「射程/形状」が「○m/射撃」のダメージを与える魔法を複数同時に行使し、発生した攻撃魔法を1つに合成する。消費MP2倍でダメージ+2、3倍で+4……のように、消費MPを倍にするごとにダメージが+2される。
ほかの《魔法拡大/**》系の戦闘特技やそれらに対応する秘伝と同時に使用できる。
●距離を測り放つ(必要名誉点:30点)
対応特技:〈魔法拡大/距離〉、前提特技:なし、装備限定:なし
【概要】
攻撃魔法の射程を短縮し、ダメージを+3する。
【効果】
「射程/形状」が「○m/起点指定」の魔法の「射程」が半分(端数はメートル単位に切捨て)になり、ダメージが+3される。
《魔法拡大/距離》以外の《魔法拡大/**》系の戦闘特技やそれらに対応する秘伝と同時に使用できる。
●魔を節する(必要名誉点:30点)
対応特技:〈魔法拡大/時間〉、前提特技:なし、装備限定:なし
【概要】
魔法の効果時間を減らすことで消費MPを減少させる。
【効果】
真語・操霊・深智魔法の使用時に宣言する。その魔法は「時間」が3分の1(端数切捨て)になり、消費MPが1減少する。この効果によって消費MPは0以下にはならない。「時間」が「一瞬」「永続」の魔法には効果がない。
ほかの《魔法拡大/**》系の戦闘特技やそれらに対応する秘伝と同時に使用できる。
●魔を留める(必要名誉点:40点)
対応特技:〈魔法拡大/時間〉、前提特技:なし、装備限定:なし
【概要】
範囲に効果を及ぼす攻撃魔法を残存させる。
【効果】
「対象」が「半径○m/△」で、なおかつ「時間」が「一瞬」でダメージを与える魔法の効果を持続させる。
精神抵抗に失敗した対象は、次のラウンドの終わりに「魔法の威力÷5」点の魔法ダメージ(術者の魔力は足さない)を受ける。精神抵抗を行うのは魔法が行使された時のみで、精神抵抗に成功し本来のダメージを半減または無効化した場合は、魔法の範囲にいても追加のダメージを受けることはない。また、魔法の範囲から逃れればダメージを受けることは無く、追加効果が発生している状況で、範囲内に踏み込んでも効果は及ばない。
消費MP2倍で追加1ラウンド、3倍で追加2ラウンド……のように、消費MPを倍にするごとに追加のダメージが発生するラウンド数が増える。
ほかの《魔法拡大/**》系の戦闘特技やそれらに対応する秘伝と同時に使用することはできず、《魔法制御》は有効だが《魔法収束》と同時には使用できない。
2012/02/24 Fri 22:42 [No.259]