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宮野
PHESE-03.5 「心の欠片 - 感情喪失」
『もし……あなたの欠片がなくなったら、あなたはどうするの?』
「……え?」
シンの夢に現れる謎の少女。銀――いや、プラチナブロンドの髪をしており、瞳の色はシンと同じ赤色をしている。謎の言葉を言い、最後にもう一言を言う少女。
『欠片が四散したら、あなたは何をしますか? そして――』
「待ってください! あなたは一体……」
夢から醒めた時には、朝日が既に昇っていた。時刻は朝7時。
「……何だったんだろう、今の夢は……」
シンは夢に出た少女の事を気になっていた。
1階に降り、リクに朝の挨拶をする。
「おはよう、シン! ……なんか、元気ないみたいだね」
「あ……お、おはようございます……」
シンは辛辣な顔をしていた。あの夢に出てきた銀色の少女―――自分に何かが潜んでいるのかと、リクに話そうとする。
「……シン、それ本当なの?」
「本当です。夢で見たんです。教えてください、父さん……」
「…………今は教えられないんだ。そういえば、9時にリオちゃんがここに来るよ」
「そう……ですか……(結局、答えが見つからなかった……)」
結局、銀髪の少女の事は話せずに時間が経過した。日時は土曜日。リオがリク――ツナシ家にくるという。
そして9時。時間通り、リオが彼の家に入った。
「おはようございます、ナギくん、ツナシさん」
「おはよう……ございます」
「あら? ナギくん、元気ないですね。どうしたんですか?」
「こっちの事だから、気にしないで。そういえばシンに話していなかったな」
「え?」
テンションの低いシンは言葉に「……」を多用してしまう。そしてリクはシンに向かって話す。
「『心の欠片』って知ってる?」
(心の欠片……!? 夢で言ってた……)
「それが全部砕けると、感情を失うって聞いたよ」
「怖いですね……でも、どうしてここで話すのですか?」
「どうして……父さんが知っているのですか?」
シンはリクに何故『心の欠片』の事を知っているのかを問う。
「そ、それは……友達だった子がこの話を言ったんだ」
「お友達が、ですか?」
「そう。今はもういないけどね……」
一気に場の空気が暗くなる。
「……暗い話はここまでにして! 後は2人で遊んできなさい!」
暗い話が一気にぶっ飛ぶ。シンとリオは、外に出る。リクの家には何故かリオの執事が運転する車が。後ろのドアの中は、シン専用の服装が。どうやら、能力者の神威=(イコール)シンに憧れて……いるのかは不明だが、どこかの作品の色んなコスチュームがある。リオ曰く「コスプレ衣装」との事。
(結局、『心の欠片』しか話せなかった……。でも、あの子は僕に対して言っていた……)
『もし……あなたの欠片がなくなったら、あなたはどうするの?』
『欠片が四散したら、あなたは何をしますか? そして――』
「……どうしたんですの? ナギくん」
「い、いえっ! 何でも……何でもありませんから……」
未だに『心の欠片』について引っかかるシン。俯(うつむ)いたまま10時を迎えたのだった……。
2011/12/07 Wed 22:50 [No.747]