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宮野
ナギ君が変身した途端に詩樹玖の片手剣が神威に降りかかった。防御しても素早い身のこなしを誇る彼の剣術にひたすら攻撃のチャンスを伺う神威。
なんで、同じ部の人間が戦うのと、あたしは心を痛める。「そんなの、おかしいよ」とあたしはつぶやく。
「炎塵爆砕戒〈フレイム・アサルト〉!」
「衝雹異端娼〈せっひょういたんしょう〉!」
2つの技が交互に発動するが、交互に消してしまった。
「お前って奴はぁー!!」
「………………………」
詩樹玖の叫びに、神威は無言で銃を乱射する。
一方、あたしは本棚に避難し、2人の能力者の戦いを見るしかなかった。
「あんたみたいな男が、姉さんと一緒にいるなああああああぁぁぁぁッ!!」
「……うるさいやつは、嫌いだ。」
熱い口調は、全て水に流す神威。銃声と剣の金属音が響く。
あたしは、神威に彼――詩樹玖を止めるように言った。
「ナギ君……ううん、神威。お願い」
「姉さん!? なんでだよ……」
「タクト! あんただって……あたしの事、わかってくれないくせに!!」
あたしはタクト=詩樹玖に対して必死に説得するも……。
「……うわああああああああああっ!!」
詩樹玖は両腕に持つ剣を1つにし、両手剣のような装備となり、神威に襲いかかる。あたしの声を聞いてもなお戦い続けるなんて……。
「スノウクイーン、ソードモード発動」
今まで銃だった武具が、一瞬にして剣となった。何でも変形できるのね、その武具。
「大剣はスキが大きい。一気に決めさせてもらう……!」
神威の発言に、詩樹玖は叫びながら技の名前を叫ぶ。
「くらえ! 炎塵咆哮斬<ブラスト・ヴァニッシュ>!!」
炎を纏った大剣を上空から攻撃する彼の必殺奥義。しかし、その攻撃を神威はかわしてしまう。
「降り注げ、氷の刃。<クラスター・レインソード>」
剣の雨が降り注ぎ、詩樹玖の持つ双剣にヒビが生じる。
「なっ!?」
「タクト、もうやめようよ。シンとなんで戦うの……? あたしの声を、聞いて……いや……聞けえぇーッ!!」
神威の技と、あたしの発言にタクトは……。
「姉さん……! 俺は……!!」
「そんなのどうだっていいんだよ! あたしはシンや星遊飛行のみんなとの絆を切り裂くというの!? だったら、ハッキリする! 男なら! ねっ。だから……一緒に戦って、シンと」
「……俺は、姉さんを守りたくってこの戦いに参加したんだ。だけど……」
「男ならハッキリしてよ! あたしは、あんたがいなきゃいけないんだよ!! シン、彼の武具を、壊して……」
「……わかった。降り注げ、氷の意思! 破翔・蒼影斬<はしょう・そうえいざん>!」
素早いスピードで氷の破片が降り注いだ後、直後に十文字に切り裂く奥義。詩樹玖の双剣は跡形もなく、消えた。
2011/11/12 Sat 18:37 [No.711]