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覇王樹
オリヴィエ
良かった、
間に合いました…!
ルキナ、ルキナ…可哀想に…
こんなに傷だらけになって…
ルキナ
ま、まさか…
お母様なのですか?
私は…
幻を見ているのですか?
オリヴィエ
いいえ。私は…ナーガ様の力によって
違う世界からやってきたオリヴィエ。
だからあなたの
本当のお母さんではないんです…
ルキナ
違う世界の…お母様?
オリヴィエ
はい。でも…あなたがクロム様と
私の娘ということに変わりはありません。
だから少しだけ、
あなたを抱きしめさせてください…!
ルキナ
…お母様…
オリヴィエ
よしよし、ルキナ…
私の可愛い娘。
こんな状況の中で…
今までよく頑張りましたね…
ルキナ
ふふ、お母様ったら…
子供みたいで、恥ずかしいですよ…
それに、久しぶりにお会いできたのに、
これじゃあお顔が見えません…
オリヴィエ
あ…!
ご、ごめんなさい…!!
ルキナ
…良かった。
やっとお顔が見えました。
お母様、助けに来て下さって
ありがとうございます。
…けれど、こんな危険な地で、
お母様を戦わせるわけにいきません。
今のうちに、元の世界に
戻って下さい…
オリヴィエ
でも、それじゃああなたが…!
ルキナ
いいえ、お会いできただけで十分です。
それだけで私は頑張れますから…
オリヴィエ
い…いやです!!
ルキナ
お母様…!?
オリヴィエ
私たちの軍は…ここに来る前に、
あなたの仲間たちに会ってきたんです!
ルキナ
!!
オリヴィエ
みんな…イーリスに戻るために
必死で戦っていました!
厳しい状況の中で、
世界を救うことを…
あなたに宝玉を届けることを、
一番の使命として!!
ルキナ
…みんな…
オリヴィエ
それなのに…
みんなが頑張っているのに、
私はルキナのお母さんなのに、
私だけあなたに何も
してあげられないのは嫌なんです!
非力な私があなたの役に
立てるかはわかりませんが…
母親として、全てを賭して
娘を守ります!
だから…だから、
私も一緒に戦わせて下さい!
ルキナ
お母…様…
ありがとう…ございます…
でも、どうか命を落とさないで…
最後まで生きていると約束して下さい!
オリヴィエ
ええ、もちろんです!
2012/10/18 Thu 16:43 [No.33]
覇王樹
リベラ
セレナさん…どこにいるのです?
あんな攻撃を受けて、大丈夫でしょうか…
神よ…どうかあの子を
お守りください…!
セレナ
…父さん?
そこにいるのは…
まさか、父さんなの?
リベラ
!! セレナさん…!
良かった、無事だったのですね…!
神よ…このような絶望の未来で
我が子が無事であった事に感謝します…
セレナ
そ、その話し方…
間違いない、父さんだわ。
でも、どうしてここに?
神様の力で生き返った…
わけないわよね?
リベラ
はい…
私は、あなたの父親ではありません。
神のお導きによって、異界と呼ばれる
別世界から来たリベラなのです。
セレナ
別人…?
じゃあ、生き返ったわけじゃないけど、
神様の力でここまで来たってこと?
リベラ
その通りですよ。
セレナ
ば、馬鹿じゃないの!?
リベラ
セ…セレナさん?
セレナ
そうやっていっつも
父さんは神様神様って…!
神様のために祈って、
神様の名前の元に戦って、
最後は…その神様の元に
行っちゃったわ。あたしを独り置いて!
本当に神様に頼れるっていうのなら…
この状況を…何とかしてよ…!
本物の父さんを…生き返らせてよ!
うううっ…ううっ!
リベラ
セレナさん…
すみません…私が軽率でした。
ただ…どうか嘆かないで下さい。
この世界のリベラはあなたを守り、
未来の平和の礎となり、
なるべくして神の御許へと向かったのです。
セレナ
…………
リベラ
あなたが独り残されたという現実は
抗いようもない事実ですが…
この世界で散った彼のことを、
悪く言わないであげて下さい…
彼自身にも心残りがあったことに
違いはないのですから…
セレナ
わ、わかってるわよ…
そんなこと!
父さんは…あたしやみんなを
守るために戦ってくれたんだから!
父さんは、あたしの誇りなの…
好きだったのよ…すごく!
あんたのこと、
大好きだったんだからね!
リベラ
セレナさん…
…ありがとうございます。
その言葉…きっと神の御許にいる
彼の元まで届いている事でしょう…
さぁ、ここは私に任せて、
あなたはやるべき事をするのです。
今だけでも、私を父と思って
頼ってくれませんか?
セレナ
…ふ、ふん。
仕方ないわね。
お願いしても…いい?
リベラ
もちろんですよ。
セレナ
ふふ…ありがと、父さん。
2012/10/18 Thu 16:27 [No.32]
breeze
リヒト
ブレディだね!
良かった合流できて!
ブレディ
あ…あんた、誰だ?
リヒト
僕はリヒトだよ!
君のお父さんの。
ブレディ
な、何言ってんだ!?
俺の父さんはとっくの昔に死んじまってる!
それに、そもそもあんたは
子供じゃねぇか!
リヒト
ふふ…そう来ると思ったよ。
だから僕は、証拠を用意してきたんだ。
…ほら! この紅茶の茶葉に
見覚えはない!?
ブレディ
!! これは…
………
…何だ?
リヒト
僕とマリアベルが毎日一緒に飲んでる
紅茶の茶葉だよ!
君なら知ってるでしょう!?
ほらもっとちゃんと見て!!
ブレディ
そ、そうなのか?
悪ぃけどよ…さすがに茶葉の見た目で
判断するのは無理があるぜ…
せめて、こう…
香りとか嗅がせてくれねぇと…
リヒト
そ、そうなの!? わかった!
じゃあ思う存分香りを確かめてよ!
ブレディ
…いや、いい。わかった。
あんたは俺の父さんだ。
リヒト
信じてくれるの!?
ブレディ
あぁ。確かに見た目は違うが、
そのボケてる感じと一生懸命な所、
俺の父さんにそっくりだからな…
リヒト
よ、良かったぁ…
ブレディ
でも何で子供の父さんが
こんな所にいるんだよ。
リヒト
あのね、僕は異界っていう別世界から
君を助けに来たんだ!
…見てたよ。さっき君が仲間と
離れ離れになったところ。
辛い思いをしたんだね、ブレディ。
…でももう大丈夫。僕が君の力になるから!
ブレディ
そうか、ありがとうな。
でも、助けるなら俺じゃなくて
向こう岸に残った仲間の方にしてくれ。
まだ無事でいるといいんだが…
リヒト
…それでいいの? ブレディ。
君の援護を頼んでくれたっていいんだよ?
ブレディ
あぁ。俺は大丈夫。
こう見えて、敵の目を欺いて
移動するのは得意なんだ。
昔…人質になった母さんを
助けに行った時の父さんみたいにな。
リヒト
…あ、あははは…
知ってるんだ、そのこと。
でもブレディ、絶対に油断しちゃダメだよ。
君は大切な宝玉を預かってる。
…何があっても、死なないで。
父親としても、そうお願いするよ。
ブレディ
あぁ。わかった。
父さんも、どうか無事で。
2012/10/16 Tue 23:55 [No.31]
breeze
ドニ
そこにいるのは、ウードだべな?
無事で良かったべ…!
ウード
ま、まさか父さんなのか?
ドニ
…あぁ。ただおらは、
異界から来たドニなんだべ。
だから正確には
あんたの本当の父さんじゃないんだが…
ウード
異界…そうなのか。
そんな事があるんだな…
ドニ
………
ウード
どうしたんだ、父さん?
ドニ
さっきのウードの行動…
あれを思い出していたんだべ。
ウード
岸に残って、
一人で死のうとしたこと…か?
あれは…すまなかった。
父さんに叱られても無理はない。
ドニ
叱る?
おらが、ウードを?
ウード
…違うのか? そんなに難しそうな
顔してるから俺、てっきり…
ドニ
違うだ…おらにはとても真似できない
勇気ある行動だと思っていたんだべ…
ウード
えっ…?
ドニ
確かにおらの世界でも
戦争はしてるべ。
でもおらにはとても自分を死地に
追いやるような行動はできないだ…
相当な覚悟がないと、
あんな真似はとてもできない…
ウード、壮絶な世界を闘い、
生き抜いてきたんだべな…
偉いだよ…立派だっただ…!
ウード
褒めてくれるっていうのか、
父さん…?
さっきの俺の、無謀な行動を…?
ドニ
…もちろんだべ。
これまで…よく頑張ったべなウード。
あんたはおらの誇りだ…
どこに出しても恥ずかしくない、
自慢の息子だべ…!
もうあんたを
あんな目に遭わせたりしないべ…
今は父ちゃんが守ってやる。
無事にイーリスに帰してやるから…
強く、強く生きるんだべよ…!
ウード
ありがとう、父さん…
俺も、もうあんな
無茶なことはしない…
父さんのその言葉に見合うような
男になるから…!
…見ていてくれよ、
元の世界に帰っても、どこにいても。
異界にいた俺のこと、
ずっと覚えていてくれよな…
2012/10/16 Tue 23:50 [No.30]
breeze
ヘンリー
あ、アズールだ〜。
良かった、無事で〜。
アズール
と、父さん!? どうして!?
だって、父さんは、死んじゃったはず…!
ヘンリー
そうだね、この世界の僕は
ずっと前に死んだって聞いてる〜。
だから僕は君のお父さんとは別人。
異界から君を助けるために来たんだ〜。
こんなに敵に囲まれて、よく頑張ったね。
辛かったでしょ…?
アズール
!! う、ううん…
これぐらい、平気だよ。
こんなのいつものことだからね。
全然大丈夫。
だから、異界の父さんの力を借りなくても、
きっと何とかなるよ。あはは…
ヘンリー
………
アズール
どうしたの…父さん。
ヘンリー
…ねぇアズール。
君はいつもそうやって笑ってるの?
それは君の…
本当の笑顔なの?
アズール
な、何言ってるの、父さん。
笑顔に嘘も本当もあるわけ…
ヘンリー
ううん。
今のアズールの笑顔は偽物。
無理して笑ってるの、わかるよ。
僕、そんな顔は見たくないなぁ。
泣きたいなら泣けばいい。
辛いなら辛いって言えばいい。
強がる必要は無いんだよ。
僕は君の…お父さんなんだから。
アズール
!! なに…それ。
…別に僕は…泣きたいとか、
辛いだなんて…思ってな…
…っ、思って、なんか、
ない…のに…っ、
なんで、涙が…
うっ…うぅ…っ。
ヘンリー
よしよし、アズール。
やっと本当の気持ちを見せてくれたね。
…僕もね、オリヴィエに会うまでは
本当の感情を…
本当の笑顔を知らなかったんだよ。
彼女に会えて僕は変われた…
だから今度は、僕が誰かに
本当の笑顔を教えてあげる番。
今すぐは無理かもしれないけど、
君の本当の笑顔を取り戻すために、
僕にも協力させて欲しいんだ。
アズール
………
…嫌だよ…そんなの…
ヘンリー
え〜? どうして?
アズール
どうしてって…また父さんが
僕のせいで死ぬかもしれないんだよ?
父さんも母さんも、
僕を庇って死んだんだ…
さっきまで笑ってたのに、
目の前でいなくなったんだよ…!
僕はもうあんな思いはしたくない!
また父さんとお別れするのが怖い…
だってそんなの…
酷すぎるよ…
ヘンリー
アズール…
アズール
だから僕のために
戦うだなんて言わないで…
早く元の世界に戻って?
ね…? 今ならまだ間に合うから…!
ヘンリー
………
…僕は死なないよ。
アズールを悲しませたくないから。
それにね…君はこの世界の僕と、
お別れなんかしてない。
アズール
え?
ヘンリー
君にはね、僕とオリヴィエの命が
半分ずつ入ってるんだ。
だから、君が望めばいつだって会える。
君が生きている限り、ずっとね。
だけど、君が死んじゃったら、
僕もオリヴィエも本当に死んでしまう。
僕は君と、この世界の僕たちを…
失いたくない。
だから、守らせて。
一緒に戦わせてよ…アズール。
アズール
父さん…
……………
…わかった。
じゃあ、お願いするよ…
でも約束して。
絶対に死なないって。
そうじゃないと…
僕は父さんのこと呪うから。
こう見えて僕の呪術は
結構強力なんだよ?
ヘンリー
へぇ、怖いなぁ〜。
それじゃあ
絶対死ぬわけにはいかないね。
アズールに呪われないよう、
頑張って戦ってくるよ〜。
アズール
…うん。
ありがとう、父さん。
絶対に…約束、だよ。
2012/10/16 Tue 23:43 [No.29]
breeze
ヴィオール
デジェルくんではないか!
高貴な雰囲気を持つ女性がいたから、
思わず声をかけてしまう所だったよ!
デジェル
と、父さん…? まさか父さんなの!?
死んだはずなのに…!
ヴィオール
ふっ…この私が
死ぬわけないだろう?
まぁ神に嫉妬されて、
運命を弄ばれることはあるやもしれんがね。
デジェル
…その話し方、
まさしく父さんだわ!
でも…一体どうして?
ヴィオール
私は異界からやってきたのだよ。
つまり君の本当の父親ではないのだ…
デジェル
そんな…!
なら、すぐにまたお別れなの…?
ヴィオール
ああ…私は貴族的に颯爽と現れ、
そして颯爽と去っていくのみ。
だから気に留めず、風が吹いたと思って
忘れてくれたまえ…
デジェル
そう…
でも私、父さんにずっと
言いたかったことがあるの。
別人とはいえ
せっかく会えたのだから…
代わりに聞いてくれるかしら。
ヴィオール
なんだね?
デジェル
あのね、父さん。
私、領主として民を守る
父さんのことを尊敬してたの。
屍兵からみんなを守る盾であろうとする
父さんは、立派だった…
結局、その行いのせいで父さんは
帰らぬ人となったけれど、
その背中を見て育った私も
みんなの盾となれるよう、
この兵種についたのよ。
あなたは父とは別人だけれど、
それだけは…伝えさせて…
ヴィオール
…………
デジェル
父さん…泣いているの?
ヴィオール
…貴族が泣くものか。
我が子を置いていくことが
少し辛いだけなのだよ…
デジェル
…ありがとう、父さん。
でも、忘れられるわけないわ。
あなたが来てくれたことは、
私、ずっと覚えているから…
2012/10/13 Sat 20:27 [No.28]
breeze
クロム
シンシア…
そこにいるのはシンシアか?
シンシア
と、父さん…!?
ほんとに父さんなの!?
で、でも…どうしてここに?
父さんはずっと前に死んだはずじゃ…!
クロム
あぁ…
俺はこの世界の人間じゃない。
異界と呼ばれる別世界から来た
クロムなんだ。
神竜ナーガの力を借り、一時的に
お前達の力になるために来たんだ。
シンシア
!! ナーガ様に…!
クロム
すまん…シンシア。
この世界では俺が死んでしまったことが
滅びの助長となってしまったんだろう?
シンシア
…父さん、
そんな顔しないで。
英雄であり聖王であった父さんが
弱気な顔するなんて、らしくないよ。
父さんはあたしが憧れてる
ヒーローなんだから。
ルキナだって今の父さんの顔見たら
がっかりしちゃうよ?
クロム
ルキナは…
いまイーリスにいるのか?
シンシア
そうだよ。ひとりで国を守りながら、
あたしたちが帰るのを待ってる。
だからここで負けるわけにいかないの。
ルキナを悲しませたくない…
クロム
では俺は、お前が無事に
イーリスに帰れるよう力を尽くそう。
必ず守ってやるからな、シンシア。
シンシア
ありがとう、父さん。
じゃあ今だけ力を貸して。
ここさえ切り抜けられれば、
後はもう大丈夫。
もう二度とこんな目に遭わないように、
あたしがみんなを守ってみせるわ。
クロム
そうか…それは頼もしいな。
ならこの世界はお前に任せるぞ!
シンシア
うん、任せて。
憧れだった父さんにそう言われると
いつもより頑張れちゃうよ。
2012/10/13 Sat 18:31 [No.27]
breeze
ンン
お父さん…!?
あなたは、お父さんですか!?
ガイア
お前はこの世界の…ンンか。
ンン
きっとこれは幽霊なのですね…
でも、それでも構わないのです。
お父さん…
会いたかった…会いたかったのです!
ううっ…ううっ!
ガイア
いや、俺は残念ながら幽霊じゃない。
だが、この世界の人間でもない。
俺は異界からやって来たガイア。
お前の父親と同一人物ではあるが、
別人でもあるんだ。
ンン
異界の…お父さん?
ガイア
あぁ。俺はお前を助けるために
ここまで来た。
死んでしまったこの世界の俺の
代わりにはなれないが…
お前がここを脱出するための
手伝いならできる。
…ほら、これは俺の大事な砂糖菓子だ。
それでも食って安全な場所で待ってろ。
ンン
…これはお父さんが昔
好きだったと聞いていたお菓子なのです。
ガイア
そうか。
ンン
お父さんは私に思い出の一つも
くれなかったですから…
寂しくなるとこのお菓子を買ってきて、
お父さんを思いながら食べたですよ…
だから…これは私にとっては
唯一のお父さんの思い出…
ガイア
ンン…
ンン
お父さんの…
お父さんの味なのです…
う、うわーん!
ガイア
ンン…
泣いてくれ…泣いていいんだ。
お前が泣き止むまで…ずっと
こうしていてやるからな。
2012/10/13 Sat 16:50 [No.26]
覇王樹
クロム
どうやら無事のようだな、
良かった…!
ブレディ
…と、父さん!?
あんた父さんなのか?
実は生きてた…わけないよな?
まさか、幽霊か…?
クロム
いや…俺はこの世界で死んだ
お前の父ではない。
俺は別の世界のクロム。
一時的にお前を助けに来たんだ。
ブレディ
別の世界から…俺を助けに?
そ、それじゃ、頼みがあるんだ!!
俺の仲間たちを助けてやってくれ!
クロム
さっき敵地に残った奴らのことだな?
だが、あいつらが残ったのは
お前をただ逃がすためではないんだろう?
ブレディ
あ、ああ…
宝玉を俺に運ばせるために…
クロム
なら俺はそれを
完遂する手助けをしよう。
ブレディ
な…なんでだよ?
あいつらを助けてやってくれよ!?
クロム
屍兵を倒す術の無いお前を
置いてくことなどできない。
お前が託された物の
重さを考えると、尚更だ。
それに、ブレディ。さっきお前は
仲間たちが死なないと信じていると言ったな。
あの言葉は…嘘だったのか?
ブレディ
嘘なわけ…あるかよ。
俺は、あいつらを信じてる。
けど…けどよ、もしかしたらって思いが
どうしても離れねぇんだよ!
…俺は、いつも周りに守られて生きてきた。
家族に、仲間たちに、民たちに。
俺が、父さんの息子だから…
イーリスの王子だから!
でも、俺は非力なせいで
いつも何一つその恩を返せねぇんだ!!
もうそんなのは、嫌なんだよ!
クロム
ブレディ…
ブレディ
俺は父さんの息子なのに、
聖王の血を引く王子なのに、
仲間を守ることすらできねぇ!
こうやって逃げることしかできねぇんだ!
それが俺の役割だってわかってても、
あいつらを守る力を望んでしまうんだよ!!
クロム
…そうか。お前はそれほどまでに
強い思いを持っているんだな。
俺がここに来た理由が、
今少しわかったような気がする。
俺は、お前の望む力となるために、
ここに呼ばれたのかもしれない。
ブレディ
…………
父さん…
クロム
…わかった、ブレディ。
俺が、お前の戦う力になる。
お前の代わりに、
お前の仲間たちを助けに向かおう。
ブレディ
!! 本当か…!?
クロム
あぁ。お前の仲間たちが
生き残っていたなら、必ず守る。
その代わり、お前も絶対に死ぬな。
仲間の覚悟を無駄にしないためには、
お前は前を見て走り続けるしかないんだ。
それが俺の息子として…
イーリス王子として、今すべきことだ。
ブレディ
…ありがとう、父さん。
ひと目父さんに会えて…良かった。
あいつらのこと…頼んだぜ。
クロム
涙はぬぐったか?
ブレディ
ああ…もう平気だ。
クロム
…いい顔になったな。
無事にイーリスに帰るんだぞ、ブレディ!
ブレディ
ああ…!
2012/10/12 Fri 01:47 [No.25]
覇王樹
シャンブレー
そ、そこにいるのって…
まさか…父ちゃん!?
ロンクー
…シャンブレーか。
シャンブレー
な、何で父ちゃんがいるんだ!?
まさか屍兵とかじゃないよな!?
お、俺、さすがに父ちゃんの顔した
相手とは戦えないぞ…!?
ロンクー
…安心しろ。俺は屍兵ではない。
ただし、お前の父親でもないが。
シャンブレー
えっ?
ロンクー
俺は異界の人間。
別の世界からやってきた者だ。
シャンブレー
い、異界から…?
もしかして、助けに来てくれたのか?
ロンクー
いや…例えここにお前の本当の父が
生き返ってきたとしても、
お前を助けに来たとは
言わないだろう…
シャンブレー
どういうことだよ?
ロンクー
俺の息子であるシャンブレーに
助けなどいらない。
なぜならシャンブレーは、
タグエル最後の…強き戦士なのだから。
シャンブレー
…!
ロンクー
…俺がここに来た理由は一つ。
敵を蹴散らし、進もうとする若者達の
道を作ることだ。
そこに息子も親もないだろう…!
シャンブレー
と、父ちゃん…!
ロンクー
俺は、信じている。
シャンブレーという強い戦士が、
仲間のためにすべきことを必ず果たすと。
シャンブレー
俺…俺のすべきことは…
イーリスに帰ることだ!
例え何があっても、この宝玉を戻す!
そして、この世界を
平和にするんだ…!
ロンクー
…そうだ。
わかっているのなら、行け。
お前の邪魔をする屍兵は…
全てこの俺が、叩き伏せる。
シャンブレー
ありがとう…父ちゃん!
2012/10/12 Fri 01:25 [No.24]
覇王樹
グレゴ
ほう…随分精悍な
顔つきじゃねぇか。
あっちの世界のお前にも
勝るとも劣らない、いい面構えだぜ。
ウード
と、父さん…!?
グレゴ
まぁ正確にゃ俺は
異界から来た別人だがな。
ウード
…異界? 別の世界ってことか?
でも一体どうやって…?
グレゴ
ナーガの力で、一時的に
お前を助けに来てやったってわけだ。
だがそれだけ良い面構えならば、
この世界の俺も本望だろうよ。
ウード
いや…俺は所詮自己満足に
浸っているだけなんだ。
グレゴ
なんだぁ、自己満足?
ウード
普段からカッコつけた言葉遣いで
自分を取り繕い、
さっきは自己犠牲という手まで使って
仲間を庇おうとした…
だけどその結果、
大事な仲間を道連れにしちまった…
こんな時だってのに、
俺はバカなやつだ。
たぶん死んだ父さんも
俺を憐れんでいるはずだ…!
グレゴ
そうか?
ウード
えっ…?
グレゴ
カッコつけた言葉で
自分を鼓舞して何がいけない?
窮地に立たされた時に
仲間を庇おうとして何が悪い?
確かに自ら死のうとしたことは
少し間違っていたかもしれないが…
お前を悪く言う奴は、
たとえお前自身でも、この世界の俺でも
絶対に許さねぇ。
ウード
!!
と、父さん…ありがとう…
ううっ…ううっ…!
グレゴ
泣きたいだけ泣けばいい。
ウード…
それだけのものに
お前は耐え続けてきたんだ…
落ちついたら、一緒に戦うぞ。
生きて、イーリスまで戻るんだろう?
ウード
あぁ、俺は、絶対にこの世界を救う…
最後まで、生き抜いてやるんだ…!
グレゴ
よーし、その意気だ!
2012/10/12 Fri 01:13 [No.23]
覇王樹
ガイア
待て!
お前…この世界のアズールだな!?
アズール
と、父さん!?
死んだはずなのに…どうして?
ガイア
俺はお前の父親じゃない…
異界と呼ばれる別の世界から来たんだ。
俺はお前の知るガイアとは
別人ということになるな。
アズール
えっと…じゃあ違う世界の
父さんってことなんだね。
そっか…例え別人でも、
会えて嬉しいよ…
…………
ガイア
アズール…どうした?
どこか怪我でもしたのか?
アズール
違うんだ…
さっきから死ぬ気で闘っていたから、
あなたの顔を見て、
ちょっと気が抜けちゃって…
ガイア
さっき吊り橋を壊した時の事か…
アズール
…見てたんだね。
ガイア
ああ…仲間を守ろうとする姿は
確かに立派だった…
だが俺は…
あんなものは見たくなかった。
わざわざ世界を飛び越えて来たのは、
息子の殺される姿を見るためじゃない。
アズール
…ごめんなさい。
ガイア
いや…お前が謝る事じゃない。
俺がもう少し早く来ていれば、
お前が窮地に立たされる事もなかったんだ。
すまない、アズール…
許してくれ。
アズール
ううん、
そのことで謝る必要なんてない。
別人だけど、
父さんと同じ存在に会えたんだ…
それだけで、僕は…僕、は…
ガイア
アズール?
アズール
あれ…なんで、涙が…
こんな所で、
泣いてる場合じゃないのに…
この人は、本物の
父さんじゃないのに…
ガイア
…これまでずっと気を張っていたんだ、
そうなるのも無理はない。
アズール
うっ…うぅっ…ど、どうしよう…
な、涙が…止まらない…
こんなんじゃ、戦えないよ…
ガイア
…………
…ほらよ。
アズール
えっ…これ、お菓子…?
どうして…
ガイア
いや…俺もよくわからないが、
あんまりお前が泣くから、
なんとなく…
こうした方がいいような気がしてな。
アズール
…………
これ…僕が小さい頃、
父さんがくれたお菓子と同じ…
僕を泣きやませる時に、いつも
父さんがくれたお菓子と…同じだ…
このことを、あなたが
知るわけないのに…
別人でも、やっぱりあなたは…
父さんなんだね…
僕の、父さん…なんだね…!
うっ…ぐすっ…うぅっ…!!
父さん、父さん…っ!!
ガイア
あーあ…
逆効果になっちまったか…
いいや、今は思い切り泣け。
今まで我慢した分までな。
涙が止まったら。一緒に戦おう。
お前のことは、俺が守ってやる…必ずな。
2012/10/12 Fri 00:59 [No.22]
覇王樹
シャンブレー
と、父ちゃん…!?
グレゴ
見つかっちまったか…
シャンブレー
父ちゃん、父ちゃんなんだな!?
ううっ…俺っ…俺っ!
グレゴ
参ったなぁ、
やっぱりこうなっちまったか。
できるだけ近づかないようにしてたんだが…
これも親子の絆ってやつかぁ?
まぁ、なんにせよ、
出会っちまったもんは仕方ねぇな。
シャンブレー
い、生きてたんだな…
生きてたんだな…父ちゃん…!!
グレゴ
シャンブレー、よく聞け。
俺はお前の父ちゃんじゃねぇ。
確かに俺はグレゴだが、
こことは違う世界から来た別の人間なんだ。
お前を助けるために、
世界を飛び越えて来てやったんだ。
シャンブレー
え? 別の世界の…人間?
じゃあ、父ちゃんじゃ…ないのか…
まさか、別の世界の人間だから
俺のこと避けてたのか…?
グレゴ
ちげぇよ…
俺の顔見ちまうと、お前がそうやって
情けなく泣くような気がしたんだよ…
それに俺だって…
その、辛くなっちまうだろ?
だからよ…お互い顔を見せない方が
いいんじゃねぇかって思ってさ…
シャンブレー
父ちゃん…
グレゴ
もう行けって…
俺はお前の本当の親父じゃない…
だが、敵は任せておけ。
お前だけは絶対に守る。
…この世界で死んだ、
俺の分までな。
大切な息子のお前には、
指一本触れさせねぇぜ…!
シャンブレー
ああ…ありがとう…
でも…その…
やっぱり父ちゃんは父ちゃんだから…
そう呼んでもいいかな?
グレゴ
…好きにしろ。
シャンブレー
ああ、じゃあそう呼ばせてもらう。
助けに来てくれて、ありがとな。
一目逢えて良かったよ…
父ちゃん。
2012/10/12 Fri 00:25 [No.20]
覇王樹
[備考]
グレゴ「…好きにしろ。」のとき、グレゴの顔は微笑。
2012/10/12 Fri 00:28 [No.21]
覇王樹
ブレディ
お、おい待て、そこの緑色の…!
お前、もしかして…!!
ソール
ブレディ…
ブレディ
父さん! やっぱり父さんなんだな!?
さっきから似てると思ってたんだ…!
どうしてここにいるんだよ…
死んだんじゃなかったのかよ!?
ソール
この世界の僕は…ね。
…僕は正確には君の父親じゃない。
君達を救うため、
別の世界から飛ばされてきた人間なんだ。
ブレディ
べ、別人…なのか…
…………
うっ…うぐっ…
す、すまねぇ…!
別人だとは思っても、父さんの顔を見たら
俺…俺…!
ソール
ごめんね…君は泣き虫だから、
会うと泣かせてしまうだろうと思って、
なるべく見つからないように
してたんだけど…
ブレディ
それでも、別人でも、
会えて嬉しいんだ…父さん…!
ソール
ブレディ、僕はさっき
君達のやり取りを見ていたよ、
辛い選択だったね…
ブレディ
俺…情けなくて…
あれしかできない自分自身がよっ…!
ソール
ああ、君の気持は察して余りあるよ…
よく決意したね、偉かったよ。
ブレディ
…俺、すげぇ悩んだんだ。
でも昔父さんに、
『戦場で迷った時は、自分ができる中で
一番みんなのためになることを選べ』って
教わった事を思い出して…
ソール
そうか。僕は息子に
そんな事を教えたのか…
そうだね…僕も同じ状況になったら、
君と同じように行動すると思う。
仲間が自分に望むことがわかっているなら、
それに応えるべきだと思うからね。
ブレディ
…父さん、俺は正しかったのか?
ソール
正しかったかどうかを決めるのは
今じゃないよ。
ただ…辛くても今やるべき事は、
わかるよね?
ブレディ
あ…ああ。わかってる!
あいつらのためにも
俺はこの宝玉を届けなきゃならねぇ…!
ソール
よーし、その意気だ!
僕もできる限り手伝うよ!
2012/10/12 Fri 00:12 [No.19]
覇王樹
クロム
アズール。
アズール
あ、あなたは…!
でもそんな、まさか…!?
クロム
俺は異界の者。ナーガの力を借り、
一時的にこの世界までやってきたんだ。
だからこの世界のクロム…お前の父親とは、
正確には別人ということになる。
アズール
そ、そうなんだ…
これが、父さん…
…………
クロム
どうした?
やはりすぐには信じられないか?
アズール
ううん…父さんは僕が生まれて
すぐに死んじゃったから、
なんだか、本当に会えたっていう
実感が無くて…
クロム
…そうか。すまない…
アズール
ううん、謝ることじゃないよ。
父さんは、
僕たちを守るために戦ってくれたんだもの。
…でも、さすが父さんだね。
近くにいるだけで戦う気力がわいてくるよ。
強くて優しい瞳をしていて…
王族としての威厳も感じられる。
ルキナが言っていた通りの人だよ。
父さんとルキナは…よく似てる。
クロム
それを言うなら、お前だって
俺にそっくりじゃないか?
アズール
…見た目に関してはね。
でも、僕は父さんの血を引いているのに…
ファルシオンが使えない。
人に希望を与える力も、
みんなを守れるような力も無い…
クロム
アズール?
アズール
さっきだって、咄嗟の判断で
あんな無謀な真似をしてしまった。
もっと僕に力があれば、みんなを
危険な目になんか遭わせないのに、
もっといい方法で、
みんなを救えたかもしれないのに!
こんな僕が、立派だった父さんの息子を
名乗る資格なんて無いよ…!
クロム
…そんなことはない!
お前の行動は、
みんなを守ろうとしてのことじゃないか!
最後まで、全員で生き残る希望を
捨てずに行動したんだろう!?
お前は…イーリス王子として
立派な行動をとった!
お前を非難するような奴がいたら
俺が許さん!
アズール
父さん…
クロム
その瞳の聖痕が示す通り…
お前は確かに、俺の血を継ぐ息子なんだ!
だから…だから二度と
そんなことを言うな!
アズール
…ごめんなさい。
クロム
この世界の俺は、お前と言葉を
交わすことすらできないまま死んだが…
きっとお前の父親も、
今のお前に同じことを言っただろう。
それに、俺がもしさっきのお前と同じ
状況に陥ったとしても、
お前のように行動できたかは分からん。
俺も、お前が思うほど立派な人間ではない。
だが、大切な息子のために、
この力を使うことならできる。
アズール
えっ…でも、父さん…
クロム
俺は…お前を全力で守りたい。
この世界の俺が、守れなかった分まで。
そのために、世界を飛び越えて
お前の元まで来たんだ。
力を貸してもいいだろう?
アズール。
アズール
…………
…わかった。
ありがとう…父さん。
クロム
いや、礼には及ばん。
お前をこの手で守れるのならば本望だ。
アズール
でも…約束して。
絶対にここでは死なないって。
クロム
あぁ、わかった。約束する…!
2012/10/11 Thu 17:20 [No.18]