覇王樹
シャンブレー
と、父ちゃん…!?
グレゴ
見つかっちまったか…
シャンブレー
父ちゃん、父ちゃんなんだな!?
ううっ…俺っ…俺っ!
グレゴ
参ったなぁ、
やっぱりこうなっちまったか。
できるだけ近づかないようにしてたんだが…
これも親子の絆ってやつかぁ?
まぁ、なんにせよ、
出会っちまったもんは仕方ねぇな。
シャンブレー
い、生きてたんだな…
生きてたんだな…父ちゃん…!!
グレゴ
シャンブレー、よく聞け。
俺はお前の父ちゃんじゃねぇ。
確かに俺はグレゴだが、
こことは違う世界から来た別の人間なんだ。
お前を助けるために、
世界を飛び越えて来てやったんだ。
シャンブレー
え? 別の世界の…人間?
じゃあ、父ちゃんじゃ…ないのか…
まさか、別の世界の人間だから
俺のこと避けてたのか…?
グレゴ
ちげぇよ…
俺の顔見ちまうと、お前がそうやって
情けなく泣くような気がしたんだよ…
それに俺だって…
その、辛くなっちまうだろ?
だからよ…お互い顔を見せない方が
いいんじゃねぇかって思ってさ…
シャンブレー
父ちゃん…
グレゴ
もう行けって…
俺はお前の本当の親父じゃない…
だが、敵は任せておけ。
お前だけは絶対に守る。
…この世界で死んだ、
俺の分までな。
大切な息子のお前には、
指一本触れさせねぇぜ…!
シャンブレー
ああ…ありがとう…
でも…その…
やっぱり父ちゃんは父ちゃんだから…
そう呼んでもいいかな?
グレゴ
…好きにしろ。
シャンブレー
ああ、じゃあそう呼ばせてもらう。
助けに来てくれて、ありがとな。
一目逢えて良かったよ…
父ちゃん。
2012/10/12 Fri 00:25 [No.20]