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[ 編集 ][ 返信 ]ガイア/アズール

覇王樹

ガイア
 待て!
 お前…この世界のアズールだな!?

アズール
 と、父さん!?
 死んだはずなのに…どうして?

ガイア
 俺はお前の父親じゃない…
 異界と呼ばれる別の世界から来たんだ。
 俺はお前の知るガイアとは
 別人ということになるな。

アズール
 えっと…じゃあ違う世界の
 父さんってことなんだね。
 そっか…例え別人でも、
 会えて嬉しいよ…
 …………

ガイア
 アズール…どうした?
 どこか怪我でもしたのか?

アズール
 違うんだ…
 さっきから死ぬ気で闘っていたから、
 あなたの顔を見て、
 ちょっと気が抜けちゃって…

ガイア
 さっき吊り橋を壊した時の事か…

アズール
 …見てたんだね。

ガイア
 ああ…仲間を守ろうとする姿は
 確かに立派だった…
 だが俺は…
 あんなものは見たくなかった。
 わざわざ世界を飛び越えて来たのは、
 息子の殺される姿を見るためじゃない。

アズール
 …ごめんなさい。

ガイア
 いや…お前が謝る事じゃない。
 俺がもう少し早く来ていれば、
 お前が窮地に立たされる事もなかったんだ。
 すまない、アズール…
 許してくれ。

アズール
 ううん、
 そのことで謝る必要なんてない。
 別人だけど、
 父さんと同じ存在に会えたんだ…
 それだけで、僕は…僕、は…

ガイア
 アズール?

アズール
 あれ…なんで、涙が…
 こんな所で、
 泣いてる場合じゃないのに…
 この人は、本物の
 父さんじゃないのに…

ガイア
 …これまでずっと気を張っていたんだ、
 そうなるのも無理はない。

アズール
 うっ…うぅっ…ど、どうしよう…
 な、涙が…止まらない…
 こんなんじゃ、戦えないよ…

ガイア
 …………
 …ほらよ。

アズール
 えっ…これ、お菓子…?
 どうして…

ガイア
 いや…俺もよくわからないが、
 あんまりお前が泣くから、
 なんとなく…
 こうした方がいいような気がしてな。

アズール
 …………
 これ…僕が小さい頃、
 父さんがくれたお菓子と同じ…
 僕を泣きやませる時に、いつも
 父さんがくれたお菓子と…同じだ…
 このことを、あなたが
 知るわけないのに…
 別人でも、やっぱりあなたは…
 父さんなんだね…
 僕の、父さん…なんだね…!
 うっ…ぐすっ…うぅっ…!!
 父さん、父さん…っ!!

ガイア
 あーあ…
 逆効果になっちまったか…
 いいや、今は思い切り泣け。
 今まで我慢した分までな。
 涙が止まったら。一緒に戦おう。
 お前のことは、俺が守ってやる…必ずな。

2012/10/12 Fri 00:59 [No.22]

  1. [22] ガイア
     待て!
     お前…この世界のアズールだな!?

    アズール
     と、父さん!?
     死んだはずなのに…どうして?

    ガイア
     俺はお前の父親じゃない…
     異界と呼ばれる別の世界から来たんだ。
     俺はお前の知るガイアとは
     別人ということになるな。

    アズール  ・・・・ >> 続き
    ガイア/アズール
    覇王樹 2012/10/12 00:59