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  1. Re^3: 決意(-)
  2. Re^2: 決意(-)
  3. Re: 決意(-)
  4. 妄想敵設定(-)
  5. Re: 第3代ドリメ エピローグ設置所(-)
  6. マルク君のエピローグ(?)(-)
  7. Re^2: 短編スレ(-)
  8. Re: 短編スレ(-)
  9. Re: イラスト投下スレッド(-)
  10. ウタ(-)

Re^3: 決意

あきはばら博士

アイビスは“インファイト”で殴りかかる。
「は、ああああああ!!!」
 この状況下で守りに入ると削り落とされることは、ジャグラーがカール戦で身をもって知っている。
 ここはジャグラーも“インファイト”で応酬せざるを得なかった。
「――二段突き!」
「ゲホっ」
「下段払い!」
「ぐっ」
「三段返し斬り!」
「うごごっ」
「巧み追拳っ!!」
「ぐあぁ」
 ……とは言え、やや一方的である。
「ややや、やるなクール…お前が誰であろうとも、あの人の為にお前を倒して生きて帰る!!」
 負けるわけにはいかないと、声を震わせて、さっきよりも強い“インファイト”を繰り出す。
「私を倒すだと?  その傷だらけの体で、勝てると、思っているのかっ!」
「舐めるなあ!!」
 アイビスの顔面をぶん殴るが
「ふんっ」
 そのまま“しねんのずつき”で迎えうたれる。
 そのインファイトの隙をジャグラーは見逃さなかった。

「甘いぜ……倍返しだぁ!!」

 ここぞというタイミングでジャグラーは“カウンター”を打ち込もうとする。
 避けることができない絶好のタイミング!
 ただ、問題は『相手の両腕が空いている』ことだった。
「……読んでいましたよ」
 ジャグラーの腕を逆手に捉えて、攻撃を流しつつ、足払いと共にジャグラーを投げ払う。
(……読まれていた!?)
 投げられた後、ゴロゴロと転がって受け身をとるが、そこに複数の“サイコカッター”が、ジャグリオに向けて飛ぶ。
「!?冗談じゃねえ、あんなのに当たったら真っ二つじゃねえか!」
 “かげぶんしん”で回避して、分身をサイコカッターに突っ込ませて相殺させる。 アイビスは少し離れたところから“サイコカッター

”を撃ち続ける。
 アイビスはメタモンだ、体力が常人の半分くらいしかないため、接近戦を続けるのにも限界がある。このまま行けばジャグラーよりも先に削り負けてしまう。自然とアイビスに冷や汗が浮かんでくる。
 だが、そこで勝負は意外な形で決着が付くことになった。
「……くっ!」
 と、ジャグラーがサイコカッターから避けるために“あなをほって”地中に逃げたのだった。
「……墓穴を掘ったか?」
 アイビスは“じしん”を撃ち込む。
 地中にいる限りジャグラーは絶対に避けることができない、それまでの戦いで受けたダメージでそれがとどめの一撃となった。

 こうかはばつぐんだ!

――あれ、ここはどこだろう?確か、朱鷺さんにやられて……そのあとに誰かがラプラスさんが死んだなんてことを言ってきて……
――大きな衝撃があった、地面が揺れた? 地震かな?
――あれ……?何か、見える……?ルカリオと、エルレイド……?あれ、でもあのルカリオは……
――いけない。ここで見るだけなんて……助けなきゃ!

「……ふう  ……か、勝った。でしょうか?」
 アイビスは地面に潜ったジャグリオを引っ張り上げて、ため息をつく。
「これが、もしも……  クール様だったら、きっと簡単に勝てたのでしょうか……?」
 そして満身創痍の自分を見る。
「やだ……まだ死にたくはない……」
「……ああ、私にはまだまだ、 クール様には、到底敵わないです」
 自分を軽く自嘲するように、そっと微笑みを浮かべる。
「く・・・そが・・・」
 ジャグラーはアイビスの顔を殴ろうとするが、腕に力が入らない。
「有言実行ほど難しいことはないな。私の勝ちだ。さて」
 そこで腕の刃を振り上げた。

「ッ!!」
 彼女の体はいつの間にか動いていた。 部屋から出て、ルカリオの前に出る。そして、ルカリオを守るように“リフレクター”を展開す

る…!

「!?」
 突然展開されたリフレクターにに驚き、ハッとしてアイビスは部屋の入り口の影を振り返る。
「あ……う……?」
 半ば覚悟を決めたジャグラーも驚く。

――この時、どうしてボロボロだったのに動けたのかわからなかった。
――不思議に思った。普通なら動くことすらままならないのに。激痛を感じるのに。
――ただ助けたい、その気持ちだけで動いた。痛みは感じなかった。
――そして、ドアを思い切り開け、今まさに刃が振り下ろされようとしているエルレイドの前に立ち――

 一体、何が起こったのかジャグラーには自分でも理解ができなかった。
 突然ドアが開いて、一匹のエーフィが彼の目の前に現れ、リフレクターで庇ってくれた。
 だが、このエーフィは……もしかして。
「シャドーボールっ!!」
「ぬぅ……!」
(間違いない。この人は、俺が絶対に守り抜くと決めた――)
「フィリット……さん……!」
 今まで何度か、歴史の資料でジャンヌ・ダルクなどの戦う女性をジャグラーは見たことがある。
 その時キレイだな、と何度か思ったことがある。
 しかし、そんなのとは比べ物にはならないくらい、今の彼女は美しかった。

「おとなしく寝てると思ってましたが動けたのですか……」
 アイビスには焦っていた、これ以上は戦えそうもないのに連戦は辛い。
「電光石火…!!」
 フィリットはアイビスに向かって“電光石火”を放ち、突き飛ばすことでアイビスとジャグリオとの距離を取らせる。
「まったくもって予想外だ」
 とフィリットから少し距離を取り、アイビスは苦々しく呟く。
「……フィリット、さん。……だめだ…逃げ…ろ」
「ううん逃げない……ここで、逃げられないっ!」
「フィリットさんが、敵う相手じゃないんだ…」
「で、でも」
「あ」
 アイビスはそこで彼の言っていた『大切な者』が誰かを悟った。
 ならば、これ以上は無粋だろう。その痛みは与えるものじゃない。クールではなくアイビスの考えとして、ここは身を引くべきだと思っ

た。
「……指令にない戦いをする気はない」
 なるほど確かに、守れる力はあったようだ。彼自身は負けたが、このまま戦った場合は確実にアイビスは彼女に負けるだろう。
 自分が死んではいけない。これはクール様からの命令だ。
「悔しいがここで身を引こう。止めはさせなかったがもうその状態では邪魔はできまい、目標は達した離脱する」
 アイビスは“テレポート”を使い、姿をくらませた。

「ッ……逃げた………っと…!!」
 アイビスがテレポートで離脱したことを見送ったあと、フィリットはすぐにルカリオ――ジャグラーの元へ駆け寄る。
「ジャグラーさん……ジャグラーさんだよね!?」
「フィリットさん……フィリットさん!……わああああああぁぁぁぁぁ!!」
「え、ちょ・・・じゃ、ジャグラーさん!?」
 ジャグラーは、フィリットに抱きついて泣いてしまった。
 正直、泣きたいほど怖かった。……せっかく最愛の人と出会えたのに、ここで死ぬのが怖かった。死にたくない。生きたい。
 普段は泣かないのだから、ここで思い切り泣いておこう。そうジャグラーは思った。
「大丈夫だよ、ジャグラーさん。大丈夫……もう何も怖いものはないから……」
 よしよし、とフィリットはジャグラーの頭を撫ぜていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 あれから何分か経っただろうか。
 俺の涙も止まり、フィリットさんはさっきからずっと笑顔でこちらを見つめている。
「ねえ、ジャグラーさん。」
「ん?何だい、フィリットさん。」
「一つ聞きたいことがあるんだけど・・・」
「?」
「なんでGTSで治療してたジャグラーさんが、ここにいるの!?」
 ・・・え、今まで気づいてなかったの!?いや、それともあえて突っ込むのを待ってた!?
 まあ・・・どっちにしろ、驚いても仕方ないよな。だってあの時はすでにフィリットさんはいなかったし。
「実は、GTSに突然押し掛けてきたヨマワルとニャースの行商が来てな。そいつらに、アイテムをもらったんだ。それを使ってここまで

元気になったんだ。」
「そうなの・・・よかった・・・本当に、無茶ばかりして・・・あの時、私がいなかったらどうなってたかわかるでしょ・・・?」
 フィリットさんの目から、涙が出てくる。
 ・・・やっぱり、無茶したのがまずかったのかな。
「ラプラスさんも死んで・・・ひっく・・・ジャグラーさんまで死んじゃったら・・・私、どうすればいいのかわからないよ・・・!」
「え・・・?ラプラスさんが・・・!?」
 あのラプラスさんが死んだ・・・?ウソだろ・・・?
 いや・・・でも、あの時のクールはわずかだが、波動が違っていた。ということは、ラプラスさんと戦って・・・。
 でも・・・あのラプラスさんが死ぬはずが・・・。
「フィリットさん」
「・・・!」
 俺はフィリットさんを引き寄せて抱きしめる。
 ポケモンとは言え、温かい。人と同じくらいだろうか。
「フィリットさん。俺は、あなたが俺に思いを告げてくれた時、俺は嬉しかった。あなたがそんな風に思ってくれることがうれしかった。
俺も、あなたのことが好きだ。」
「・・・!」
「だから、フィリットさん。俺はあなたを守り続ける。あなたを残して、死んだりはしないよ。」
「ジャグラーさん・・・」
 俺はフィリットさんを強く抱きしめた。
 俺はもう彼女を悲しませない、心の中でそう誓った。

2011/04/13 Wed 01:08 [No.235]

Re^2: 決意

あきはばら博士

クールに変身してエルレイドの姿になっているアイビスは、途中である違和感がして来た道を戻り、先程のジャグラーの部屋の前に立つ


 そして、超能力で中に誰がいるかを調べ取る。
 ……いる。
「……やはり、おかしい、人数が多い」
 ―――カギはかかっていない。アイビスはそっと扉を開けた。

 そこにいたのは、パッチール、ジュプトル、エーフィ、トロピウス、そしてルカリオ。
 全員に生命の炎は消えてない、前者3人は分かる、突入して来た者と種族が一致する。トロピウスの朱鷺も分かる、前者3人らと戦って

勝った上で捕虜として監視していたのだろう。
 だが、あのルカリオは……かつてDCにいたジャグラーだ。
 彼は確か、カールと刺し違えて重傷だと聞いていたが、そんな体で何故戻ってきたのだろうか。
 おそらく、監視していたトロピウスの朱鷺と戦い気絶させた後、ここでぬくぬくと休眠を取っているのだろうと、アイビスは考えた。

 のんきに眠っているルカリオを“サイコキネシス”で持ち上げ、部屋の外に放り出す。そして、部屋を出てドアを閉めた。

「いっつつ……くそ、誰だ……?」
「お前もかのファビオラ氏のように、ひっそりと暮らしていれば手出しをしなかったものを。何故わざわざ我々に牙を向ける?」
「!……クール!?」
 どうやら先ほど放り投げた時の衝撃で目を覚ましたようだ。
 クールの姿に変身しているアイビスを見ると、すぐに戦闘態勢に入った。
「目が覚めたようだな。いまさら戻ってきてなんとする? お前の居場所はここにはないぞ」
「……ふん決まっているだろ。俺がここに戻って来た理由は、仲間の手助けさ。俺一人だけ寂しくベッドで待っているというのはごめんだ

からな」
「それで倒された仲間を回収してきたというところか?」
 アイビスは腕を組み一瞥する。
「少し違うな。護衛、ガードマンさ。生憎ここにいる人達は生きててもらいたいからな」
「そうか、そういうからにはその者たちを巻き込みたくないんだろう?」
 アイビスは静かに殺気を放出する。
「違うな。“お前が俺に倒される”のさ。それに俺にはまだやりたい事もあるし、あの人に伝えたい事もあるからな!」
「伝えたいこと、か……。 ならばお前に、一つ聞くことがある」
「ん?」
「……何故、お前は裏切った揚句かつての仲間と戦う道を選んだ? お前がカール氏の独断で切り捨てられた事は知っている。私に助けを

求めるか、そのまま戦いの舞台から降りればどうにかしてやったものを……」
「ああ、俺も一度は考えたよ。DCに戻ろうともした。……けどな、それをするということは、誰かが悲しむんだよ」
「何?」
「こんな俺でも、仲間だと思ってくれる人達がいる。こんな俺のことを好きだと思っている人がいる。そんな人達を置いて、今更DCに戻

るなんて……絶対に出来ない」
 ……予想外だ。まさかあのジャグラーがそんなことを言うとは。
 少し奴を低く評価していたようだな……。だが……。
「それに……俺にも絶対守りとおさなければならない大切な人がいるんだ。……俺は、その人のためにDMの一人として戦う。その人のた

めにも、俺は両腕が千切れたって戦い続ける!これが俺の正義だ。俺が貫き通すと決めた、正義だ!!」
「黙れ! お前に愛する者の何を語れるのだ、必死になって戦ってそれで護れるものだと思っているのか! それがお前の正義ならば。…

…いいだろう」
 アイビスは、彼女が愛した者と同じ形の腕の刃を、ジャグラーに真っ直ぐ向ける。
「大切な人を守る、それも正義の一つだが。青二才が言う世迷い事じゃない、その正義の重みに負けて貫き通すことなく、ここで散ること

になるだろう!」
 もはや話など無用、腕の刃を構える。

「行くぜ、クール!」
「来い、ジャグラー!」

「らああああああぁぁ!!」
 叫び声と共にジャグラーの腕から波動が放出される。
 ルカリオが得意とする“はどうだん”だ。
 しかし、アイビスにはその程度の技は通用しない。
「ふんっ」
 “はどうだん”の波動を“リーフブレード”で真っ二つに切り裂く。
 さらに、そこから“サイコカッター”を繰り出し、一気にジャグラーを追い詰める。
「ッ!」
 だが、その攻撃は相手の影をしっかりと捕らえていたが、素通りする結果に終わる。
「何!?……」
 “かげぶんしん”と“みがわり”を複合させのだろうとアイビスは瞬時に判断を下す。
(どこでそんな技を……!? ……やはり、甘く見すぎていたか)
 “かげぶんしん”単体では時間がたてば消滅する上に、攻撃されればすぐにばれてしまう為、時間稼ぎにはあまり向かない。
 しかし、そこに“みがわり”の効果を加えれば時間がたっても消えず、本物そっくりの分身が出来上がる。
 だが、それには身代わりの効果と影分身の能力を調整する必要がある。それを軽々こなすとは……。
「言っただろ、クール。俺は大切な人を守るために戦い続けると。そのためなら俺はどんな技だって使う。」
「そんな技で倒せるような私だと思わないほうがいい」
 アイビスは高まる気持ちを落ち着かせ、めいそうに入る。
「そうかい。最初からそんなこと思ってないからな」
 波動の力で骨棍棒に似た物を作り出す。武器にもなる“ボーンラッシュ”の準備である。
「その杖、ボーンラッシュか……」
 腕の刃を光らせて、構える。
「おらあ!!」
「ふんっ」
 脳天目掛けて振りかざされた骨杖を、アイビスは頭上に光る刃の両腕を添えることで、防ぐ。
「甘いっ」
 そして流れるように、アイビスはそのまま前へと踏み込んで“つじぎり”をする。
「いっ…!っつー…やりやがったな!!」
「望むところだ」
 ジャグラーは接近したポジションを生かすために“インファイト”へと移行するが。アイビスも同じ技“インファイト”を繰り出す。
「あがががが っ…!くそ…!」

 インファイトの打ち合い。
 格闘技はルカリオにとって弱点もあるために、インファイトの打ち合いではジャグラーが圧倒的な不利となるのだ。
 こちらの攻撃がすることで相手は一定範囲に近づいてこれずに続いている状況下で手を休めてしまうのは危ないとは言え。この状態は明

らかに不味い。
「冗談じゃねえ…ここで死ぬことはダメなんだよ!」
 ジャグラーは“インファイト”をやめて“こらえる”を繰り出す。
「お前をこのデパートコンクエスタに連れてきたのは私だったな、だがどうした? あの時のような眼が、無いではないか」
 アイビスはジャグラーが狙うカウンターを読んだ上で、“インファイト”を解除してバックステップをする。
「お前の考えなど、お見通しだ」
 すばやく“サイコキネシス”を叩き込む。
「…っ…あの頃の俺は、腐ってたからな。だけど、今は違う!」
 中距離からの攻撃を耐えながら話す。
「今の俺には、守りたい仲間が!大切な人がいる!だから昔の俺とは目が違うんだ!」
「ほう、 ならばこんなお前には、本当に、大切な人や愛すべき人を守るだけの力があるというのか?」
「あるさ!だから俺は、お前を倒し、生きて帰る!!」
 ジャグラーの瞳を見つつ、アイビスは応える。
「立ち向かえる力、守るための力。守っていくことそれは攻撃を叩き出すより難しいものだ。助けになる。力になる。心に身体が追いつい

ていなければ、それは単なる弱い者の遠吠えだ!
(だから自分はあの方の支えになると決めていて表には出ないようにしていた!!自分にはあの方の横に立って戦うための力が圧倒的に足

りない!!)
 そんな遠吠え戯言など、私には通じぬ」
 アイビスは、下から上へと直線を何度も描くように素早く腕を振り上げる奇怪な舞、つまり“つるぎのまい”に移行する。
「遠吠えかどうかは、決めつけるにはまだ早いんだよ!」
 “りゅうのはどう”をジャグラーは発射する。
「そう、確かに早いかもしれませんね」
 しかし、それを“サイコキネシス”で相殺する。
(ジャグラー、貴方がポケモンになってから暫くたったとはいえ元人間。そこまでその力を使いこなすようになるとはまったく。侮れない

ものです。私も隠していた自分が出てしまって、クール様にはなりきれずにいます。しかしこれは自分の勤め、少なくともこの戦いの最後

までは“クール”として戦うことにしましょう)
「構えなさい。 言うだけの理想で終わるか意志が肉体を凌駕するか。私には今信念がある。さぁ、お前の信念はどこまでだ? 吠えるだ

けならだれにでも出来る。続きをしようじゃないか」
「……ああ。いいだろう。…行くぞ!!」
 たっ、と
 駆け出してジャグラーは“シャドークロー”を仕掛ける。
 アイビスはリーフブレードでそれを受けるが、ジャグラーは“みがわりかげぶんしん”のテクニックを再度使用して、技のタイミングをずらしてインファイトを叩き込もうとする。
 それは実体であるために、必中技をもってしてもジャグラーを捉えることが出来ない。先程のインファイト合戦で相手の防御は大きく下がっている、クリティカルヒットすればジャグラーが大きく有利になれるだろう。
 だが、アイビスは速攻先制技である“かげうち”を瞬時に使用することで、相手の技の発動時に攻撃を挟み込んだ。
 つまり、身代わり分身はタイミングを外し、インファイトは使うことが出来ず失敗することとなったのだ。

 気がつけばジャグラーの目の前にアイビスはいた。
 ここはインファイト圏内だ。

2011/04/13 Wed 01:07 [No.234]

Re: 決意

ジャグラー

※途中アイビス視点から別の視点に変わります。

「らああああああぁぁ!!」
叫び声と共にジャグラーの腕から波動が放出される。
ルカリオが得意とする“はどうだん”だ。
しかし、私にその程度の技は通用しない。
「ふんっ」
“はどうだん”を“リーフブレード”で真っ二つに切り裂く。
さらに、そこから“サイコカッター”を連続で繰り出し、一気にジャグラーを追い詰める。
「ッ!」
「何!?・・・“かげぶんしん”と“みがわり”を複合させた!?・・・どこでそんな技を・・・!?」
・・・やはり、甘く見すぎていたか。
“かげぶんしん”単体では時間がたてば消滅する上に、攻撃されればすぐにばれてしまう為、時間稼ぎにはあまり向かない。
しかし、そこに“みがわり”の効果を加えれば時間がたっても消えず、本物そっくりの分身が出来上がる。
しかし、それには身代わりの効果と影分身の能力を調整する必要がある。それを軽々こなすとは・・・。
「言っただろ、クール。俺は大切な人を守るために戦い続けると。
そのためなら俺はどんな技だって使う。」
「なんとでも言え。貴様がその正義が口だけでないか、今ここで確かめてやる!!」
正義正義と叫ぶあの男に、分からせる必要がある。
奴は大切な人がいると言っていた。・・・ということは、だ。
その大切な人は・・・あの中にいる!
本当に正義を持った男ならば、奴は必ず守りに入る!
「はあぁぁ!!」
「っ!?・・・しまった!」
どうやら成功のようだな。
私の放った“サイコカッター”は、奴がいた部屋に向かっている。
あのまま放っておけば扉を貫通して部屋の中で眠っている奴らに当たってしまうだろう。
だが、奴が本当に自分の正義を貫くというのなら・・・

「ぐっ・・・!」
「・・・ほう」
やはり、予想通りだ。
私の放ったサイコカッターは、ドアの前に立ったジャグラーによって防がれた。
だが、それこそが私の望んだこと。
この隙を突いて、私は一気にジャグラーの懐へ入る。
「どうやら、本当に貴様なりの正義を貫くつもりだったようだな・・・だが、それが命取りになった。」
「ふざ、けんな・・・!」
「・・・何を言おうとも、貴様はここまでだ。貴様の首をガウリイル様に届けねばならんのでな!」
そして私は一気に“インファイト”で奴を吹き飛ばした。
鳩尾にくらわせてやった上に、効果は抜群だ。そう耐えられるものではない。
「さあ、ジャグラー。年貢の納め時だ。」
「ごほっ・・・くそっ・・・」

――――あれ、ここはどこだろう?確か、朱鷺さんにやられて・・・そのあとに誰かがラプラスさんが死んだなんてことを言ってきて・・・

――――あれ・・・?何か、見える・・・?ルカリオと、エルレイド・・・?あれ、でもあのルカリオは・・・

――――いけない。ここで見るだけなんて・・・助けなきゃ!

この時、どうしてボロボロだったのに動けたのかわからなかった。
不思議に思った。普通なら動くことすらままならないのに。激痛を感じるのに。
ただ助けたい、その気持ちだけで動いた。痛みは感じなかった。
そして、私はドアを思い切り開け、今まさに刃が振り下ろされようとしているエルレイドの前に立ち――

一体、何が起こったのか自分でも理解ができなかった。
突然ドアが開いて、一匹のエーフィが俺の目の前に現れ、リフレクターで俺を庇ってくれた。
だが、このエーフィは・・・もしかして。
「“シャドーボール”!!」
「ぬぅ・・・!」
間違いない。この人は、俺が絶対に守り抜くと決めた――
「フィリット・・・さん・・・?」
今まで俺は何度か、歴史の資料でジャンヌ・ダルクなどの戦う女性を見たことがある。
その時俺はキレイだな、と何度か思ったことがある。
しかし、そんなのとは比べ物にはならないくらい、今の彼女は美しかった。
「く・・・だが、まあいい。奴を倒すことはできなかったが・・・最低限の目的は果たせた・・・!」
「待ちなさい!!」
クールが去っていく。最低限の目的とは何なのかは知らないが、多分俺の戦闘不能だろう。
だが、今はそんなことはどうでもよかった。
「フィリットさん・・・フィリットさん!・・・わああああああぁぁぁぁぁ!!」
「え、ちょ・・・じゃ、ジャグラーさん!?」
思わず俺は、フィリットさんに抱きついて泣いてしまった。
正直、泣きたいほど怖かった。・・・せっかく最愛の人と出会えたのに、ここで死ぬのが怖かった。死にたくない。生きたい。
普段は泣かないのだから、ここで思い切り泣いておこう。そう思った。
「大丈夫だよ、ジャグラーさん。大丈夫・・・もう何も怖いものはないから・・・」

あれから何分か経っただろうか。
俺の涙も止まり、フィリットさんはさっきからずっと笑顔でこちらを見つめている。
「ねえ、ジャグラーさん。」
「ん?何だい、フィリットさん。」
「一つ聞きたいことがあるんだけど・・・」
「?」
「なんでGTSで治療してたジャグラーさんが、ここにいるの!?」
・・・え、今まで気づいてなかったの!?いや、それともあえて突っ込むのを待ってた!?
まあ・・・どっちにしろ、驚いても仕方ないよな。だってあの時はすでにフィリットさんはいなかったし。
「実は、GTSに突然押し掛けてきたヨマワルとニャースの行商が来てな。そいつらに、アイテムをもらったんだ。それを使ってここまで元気になったんだ。」
「そうなの・・・よかった・・・本当に、無茶ばかりして・・・あの時、私がいなかったらどうなってたかわかるでしょ・・・?」
フィリットさんの目から、涙が出てくる。
・・・やっぱり、無茶したのがまずかったのかな。
「ラプラスさんも死んで・・・ひっく・・・ジャグラーさんまで死んじゃったら・・・私、どうすればいいのかわからないよ・・・!」
「え・・・?ラプラスさんが・・・!?」
あのラプラスさんが死んだ・・・?ウソだろ・・・?
いや・・・でも、あの時のクールはわずかだが、波動が違っていた。ということは、ラプラスさんと戦って・・・。
でも・・・あのラプラスさんが死ぬはずが・・・。
「フィリットさん」
「・・・!」
俺はフィリットさんを引き寄せて抱きしめる。
ポケモンとは言え、温かい。人と同じくらいだろうか。
「フィリットさん。俺は、あなたが俺に思いを告げてくれた時、俺は嬉しかった。あなたがそんな風に思ってくれることがうれしかった。
俺も、あなたのことが好きだ。」
「・・・!」
「だから、フィリットさん。俺はあなたを守り続ける。あなたを残して、死んだりはしないよ。」
「ジャグラーさん・・・」
俺はフィリットさんを強く抱きしめた。
俺はもう彼女を悲しませない、心の中でそう誓った。

あとがき
とりあえず一言だけ。
なぁにこれぇ。

2011/03/22 Tue 00:30 [No.203]

妄想敵設定

空色

誤字もあったのでこちらにも妄想投下。

リーダーに紋章(トレードマーク)を与えられた七幹部。
その名は『七紋将』

個人的な人選とエムブレム↓

・『紅の百合』ゆな
・『橙の楓』秋葉
・『黄金の蝶』あげは
・『翠の鷹の羽』朱鷺
・『空の巴』空色
・『蒼の水浪』クルーザ
・『紫の月』ルナサ

2011/03/21 Mon 11:41 [No.198]

Re: 第3代ドリメ エピローグ設置所

氷河期の賢者

どなんエピローグポケモン世界編がとりあえず書き終わりましたので投下します。まだ推敲してませんのでご了承を。

気がついたのは全てが終わってからずいぶん後だったらしい。おそらく二日ほどの間、僕は死んだように寝ていたそうだ。ただ、そろそろ元の世界に戻らなきゃいけない時が来て、椎名さんが起こしてくれたそうだ。『めざましビンタ』で。それならもっと早く起こしてくれてもいいのにな、と思い少し憂鬱になったが、朱鷺さんに負けてから外の空気というものを吸っていないので、まだヒリヒリする頬にそっと手を添えながら、起き上がり歩き出した。
 外に出ると、数人の戦士がいた。フィッターさん、フリッカーさんの兄弟の姿を見つけた。僕はフィッターさんに『リーフストーム』を教えてもらっている。礼くらい言わなければ。
「フィッターさん、あの、ありがとうございました!その、技を教えていただいて」
「いやいや。結果役に立ったのならそれでいいと思うし、嬉しいよ。どなんさんはどうするのかい?ここに残るの?」
「いえ、僕は帰ります。帰って、なすべきことがあるんです。この世界は楽しいし、これからの復興も見たい。しかも、自分を強く持てる。でも、僕は帰らなきゃ。帰って、僕自身の人生をもう一度歩みなおすんです」
「そうか、頑張って!行き来は自由になるはずだから、またいつでも戻ってられる!」
「はい!ありがとうございます!」
 僕はフリッカー兄弟に別れを告げ、この世界での最後の目的地へと向かう。GTSだ。わが師、レッドバーンさんの死没地であり、最後に僕が弔うべき場所。行かなければ。行って報告しなければ。心を揺さぶるものを僕は到底理解できなかった。まだ僕の心は成長していない。その証なのかもしれない。

 大都市であるコガネシティ。しかし僕がこの世界に来る前、ここでもものすごく大きな戦いがあったらしい。その爪痕は未だに残っている。大きなビルは悲痛な倒れ方で崩れ、ごちゃごちゃになって眠るように崩壊していた。
「酷いなあ……確かここでPQRさんが死んだ、いや元の世界に戻ったんだっけか。僕は戦いを知らないんだよな」
 ついつい呟くが、恥ずかしさも何もない。人間は元の世界に帰っただけだが、ポケモンは違う。ここで幾匹が亡くなったか、僕は想像するだけで恐ろしかった。僕は持ってきていた花を少し出し、ジムの前に手向けた。今僕たちができること。それは故人を弔うことではないか。

 僕はGTSにたどり着いた。その殺風景な雰囲気は依然と変わらず、僕がアッシマーさんと練習した時の壁の損傷もそのまま残っていた。まだ修繕が追いついていないのか、そこにいて不安になってしまうような場所だった。僕はよくこんなところで寝ていたな、と思い過去の自分を称賛する。

 そしてレッドバーンさんの墓にたどり着く。墓石に刻まれた文字、『情熱の戦士ここに眠る』に染み込んだ汚れを僕は水できれいにして、呼吸を整え、手を合わせる。そして感謝の意を伝える。否、今までさんざん伝えてきたが。同じことを言うわけにもいかず、今日は感謝よりも決意を伝える。
「レッドバーンさん。僕は人間です。ポケモンではないんです。だから僕は戻らなければならない。そして、行き来自由でも僕は多分戻らない。現実から逃げたくないんです。
 僕は確かにひきこもりで、今まで逃げてきた。でも、この世界で出会った皆さんは逃げなかった。そして、僕もこの世界では逃げなかった。僕はこの世界では強い――
 けど、僕はジュプトルじゃない。何があっても結局人間なんです。また逃げたら、この世界で学んだことを全て捨てることになる。レッドバーンさんの命も。
 世界は違うかもしれない。けれどレッドバーンさんには応援してほしいんです。大丈夫。僕強いですから」

 僕はそれっきり、言葉を発せなかった。
 ――泣いてしまった。

 瞳から零れる雫をぬぐうこともなく、僕は泣きやむことはなかった。そして、泣きながらその場を去る。何か分からない、こみあげてくるこの気持ち。結局僕は割りきれていなかったのかもしれないけれど、いつかこのことを冷静に見ることができる日が来る、そんな気がしたんです。

2011/03/08 Tue 23:19 [No.169]

マルク君のエピローグ(?)

あきはばら博士

ガウリイルが死に、デパートコンクエスタはリーダーを失うことになった。

そのリーダー不在になったその場に、朱鷺さんがあるポケモンを連れて現れた。

「ふぉっふぉっふぉっ ワシじゃ、長老じゃ」

フスベの長老の、老カイリュー。

なるほど。DMとも関係が無くDC内部からの反発も無い、尚且つあのドラゴン四天王達も従わせることのできる、DCの建て直しに向けて仮のリーダーとしては彼が一番の適役だろう。

戦いの後片付けは長老の元で(正確にはカール・パライバ・ファビオラの指揮で、長老は後ろで笑っているだけだった)行われた。

僕がマリアと呼んでいたセレビイも解放されて、2匹の空間移動術により人間世界とポケモン世界が繋がった。

1匹だけでも繋げることが出来るが、あれは不安定で普通だとうまくいかないらしい、だからチョウジに閉じ込めて力を増幅させたり、死んで魂だけにならないと元の世界に戻せなかったそうだ。

2匹で負担を分ければ安定して繋ぐことができる、ガウリイルはもう片方のセレビイを捕まえようとしていた理由はそこにあった。

安定して繋げるという事は、好きなようにポケモン世界と人間世界を行き来できるようになるということである。秋葉さんの野望はこうして実現に至ったのだった。

そして……

僕は今、×××にいる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

まずマルクのエピローグを少し、×××にはポケモン世界の地名が入ります。どうぞ彼を連れまわして下さい。

2011/03/04 Fri 00:13 [No.156]

Re^2: 短編スレ

あきはばら博士

「起こしてしまうのは悪いので、ドアを閉めましょうか」
 ああ、とマルクは後ろのドアを閉めた。
「まず報告から。マルクさんの怪我は意外を深くなく完治したと言えます、有留さんはほぼ無傷です、ミナヅキさんとレイル氏はバラバラになって手の施しようがありませんでしたすみません、Makotoさんは左腕の組織面が綺麗に残っていたのでうまく繋ぎ合わせて病室に寝かせてあります、病室はご存知の通りにごった返していますのでバレることは無いでしょう。フィリットさんどなんさん椎名さんジャグラーさんも別室にて保護しております、ラプラスさんはクールさんとの戦いで亡くなりました。私が把握している人はこれだけです」
「……あ、 ……分かった、ありがとうなんだな」
 想定はしていたが、やはり全員生還の戦闘は難しかったようだ、できることならば誰も死なないで欲しかった。犠牲無くして結果は得られないとは言え、悔しい。
 見回すと、寝室として使われていただろう先程の部屋とは違い、こちらはごちゃごちゃと大きな机に物が置かれた生活臭が漂う広い部屋だった。
 秋葉はマルクに座るよう促し、ティーポットで温かいハーブティーをカップに注ぎ、それを出した。ポケモン世界のきのみをふんだんに使っているだろうか嗅いだ事の無いトロピカルな香りがするハーブティーだった。
 それを少し飲んで、秋葉は静かに語る。
「ここまで辿り着いてくれて私は一安心です」
 そして、もしも貴方が私の企みに全く気付いていなかったとしたら私がやってきたことはまるで意味が無かったことになるところでした、と付け加えて微笑む。
「そんなことは無いと思うんだな」
「ふふ、そうでしょうかね?  ではまず、話を早めるために。 朱鷺さん、出てきてください」
 呼びかけられて奥の部屋から現れたのは、1匹のトロピウスの仙桃朱鷺だった。有留はこの事実に気付いたら、なんと言うのだろうか? いや、既に気付いているけれど、認めたくなかっただけだったろうか?
「…………」
「…………」
「…………」
「……あ、朱鷺さん喋ってもいいのですよ、マルクさんは全部すでに知っているのですから」
「ええっ! いいのですか? こんにちは、マルクさん! 朱鷺です! 前は攻撃してすみませんでした」
「こんにちはなんだな」
 元気溌剌にはしゃいだような声、この前攻撃した時の怪我は無いかとか体は大丈夫かとかを細かに心配してくれる言動から、マルクは朱鷺は操られているわけではないことを暗に確認した。
「さて、では先程の質問に答えるとしましょう。ラプラスさんにあのような電話をした理由。それを語るためには私がポケモン世界と人間世界をどうしたいかを説明することから始めましょうか――」
 秋葉はマルクにした話、それは大体次のような内容の話だった。

 ポケモン世界は崩壊への道を進んでいた。
 そもそもポケモンとは150匹しかいなかったはずが、それが急激に膨らみ、どんどん数が増えて、あっというまに世界各国まで広がっていった。
 そうした目まぐるしい時代の流れで、このポケモン世界はパンクしそうになり、徐々に崩壊に向かっているらしい。
 ガウリイルはそうしたこの世界の危機を救うために、人間世界へ侵略することで自分達の世界を生かそうとしていた。
 そのための準備として、ポケモン世界と人間世界を接合させて、人間世界側の協力者として秋葉さんを呼んできたらしい。
 彼女は最初はその計画に大いに賛成だったのだが、囚われたセレビィの恋人と出会い、人間世界とポケモン世界を結ぶ原理を示したあの論文を詳しく調べていくうちに、一つの可能性を思いついた。
 『ポケモン世界と人間世界を繋ぎ、2つの系を平衡状態へと導いて行けば、ポケモン世界の膨張は安定してすべてが上手く行くかもしれない』 と。
 彼女はそれをすぐにガウリイルに提案したが、ガウリイル曰く「それはできない、2つの異世界は決して混ざり合えるようなものじゃない」と否定をした。
 しかし、彼女はそれまであの世界に生きていたからこそ、少しずつであっても必ず交流ができると確信を持っていた。人間達はこのポケモン世界を受け入れることができると思っていた。

 かくしてセレビィ♂と共に協力して、ガウリイルには秘密裏に自らの計画を推し進めていくことになる。
 したがって掲示板の人たちをこの世界に連れて来たのは、DMでもDCでも無く、彼女達の仕業だった。

「連れて来た人間達にDCと戦ってガウリイルを倒して欲しい、そのためには人間同士で団結して貰わなければならない、だから私はやってきた元人間の中で年齢が高くリーダーシップがありそうで、通信機器を持っていたラプラスさんにアプローチを掛けることにしました。
 ラプラスさんはよく働いてくれました。想定以上に働きすぎた感じもありましたけど、そのおかげか私の計画の良いミスリードとなってくれて良かったです」
 と、秋葉はあの質問に対して答える。マルクはその話に少し眉をひそめた、人の存在をただの駒として見ている、人の気持ちが考えられないそんな人間なのかと。
「私からも質問をしますが、 何故、私があの電話の主だということが分かったのですか?」
「ああ、それはなんだな……」
 その世界に来たばかりのラプラスさんの名前だけでなく性格を知っていたこと、まるで人間世界での彼を知っているかのようだった、つまり掲示板の誰かということ。
 あとは消去法だった、そして実際に出会ったときに確信に変わった。マルクはそう答えたあと、質問を返す。

「秋葉さんは、なんでDMにつかなかったのだな?」
 DCを倒したいならばDMに裏切って真っ向から対峙すれば良かっただろう。DCを内側から崩壊させて行くためにDCに残り続けていたとしても、疑問が残る。
 彼女が本当に内側から工作していたならばトップは死に本拠地も倒壊して、DMはあんな状態になるはずは無いのだ、彼女は語る。
「DMはポケモン世界が崩壊することを受け入れているからです、私はポケモン世界は無くなって欲しくないですから。DMに就くのはまっぴらです」
 滅び行くポケモン世界、それを自然の流れや運命と判断して、他者を傷つけてまで運命にあがなうDCに反対して、対立していたDM。
 滅び消えて無くなるものになるとしても、みんなの大切な“夢”として記憶に残り続ける、そんな『夢を作り出そう』とは言いますが、それは全く作ることじゃないと彼女は言う。
「夢とは実現させるものです。残り続けるようなものじゃないと思うのですよね」
「確かに明晰夢という単語もあるくらいだなぁ」
 DCと、DMの、2つの受け入れられない思想をぶつけ合わせて共倒れさせて、自分の思想だけを実現させる。狙ったことは漁夫の利のそれであり、結果的にそれをもう少しで実現させようとしている。
 あっぱれであるが、やっぱり卑怯で卑劣だ。ポケモン同士が悩み決めていくべきポケモン世界の問題だというのに、ポケモンで無い存在がしゃしゃりでて、無理を通してしまう、それは許されざることだろう。

「……何故、秋葉さんは何も言ってくれなかったんだな?」
 マルクは問う。
 最初から自分の計画を元人間達に説明してくれれば、無駄にDMとDCが争いたくさんの死者を出してたくさんの悲しみが生まれることも無かった。もっと平和的な終わりもあったはずなのだ。
 運良く自分は彼女の野望に気付くことは出来たが、誰も気付くことが無く秋葉も朱鷺も亡くなってしまえば、その野望は何も意味を成さず最悪な結果になる。これは簡単にそんな結果になってしまう。
「この計画は、ただ人を集めればいいというわけじゃない、この計画を十分に理解して何をすればいいのかちゃんと把握できる人を集めて伝えないといけない、慎重に事を進めないと失敗に終わってしまう、カールさんやガウリイルさんには既にばれていましたがちゃんとした証拠が無い限り彼らは私に手出しが出来ない、とはいえ同時にそれは私も自由に動けないということ。だから、その時が来るまで分かる人にしか話すつもりは無かったのです」
 彼女はそこでハーブティーをもう一度飲んで、しみじみに語る。
「ヒントは十分にあったはずです。このポケモン世界とは何かを真剣に考えてくれる賢い人は必ず私へ辿り着くはずですから、そんな人を私は選びたかったのです。 でも、残念ながらマルクくん一人だけという結果でしたけど」
「そんなことは…… 無いんだなぁ……」
 ヒントなんて全くヒントになってなかったし、自分じゃ絶対に真相にたどり着くことは不可能だった。
 マルクは一人の関西人風のツッコミ気質で元気一番な元人間の彼女を思い出す、自分ではなく彼女ならばあの歌姫との雑談をした時点で看破していただろうと思う、その証拠に真相への仮説は既に長老との謁見後の時点でほとんど彼女が完成させていた。
 本来ならこの場所で秋葉と話しているべき元人間は彼女であるはずだった、自分がこの場所にいるのはたまたま彼女から話を聞いていただけに過ぎない。
「そんなことありますよ」
 秋葉は言う。
「マルクくん、貴方はすごい」
「…………」
「マルクくん、私と一緒にガウリイルと戦ってくれませんか?」
「はい」
 その短い返事を聞いて秋葉は床に置かれた箱の中から取り出した『ふといほね』を投げ渡し、マルクは静かにキャッチした。
 リアーズやリディアとの激しい戦いで真っ二つ折れて使えなくなった『ふといホネ』は、いろいろな金属で綺麗に修復をされた上に金色に鍍金されていた、長く太く大きく、重みとがさらに増した『ふといホネ』はマルクの掌にしっかりと収まる。
「ありがとうございます」
 秋葉は朱鷺に指示をおくり、早速最終決戦への準備に取り掛かる。
 たくさんのひとを悲しませてたくさんのものをなくしたけれど、マルクは秋葉のことを恨んだり悪く思うことはしなかった。

2011/03/03 Thu 23:48 [No.155]

Re: 短編スレ

あきはばら博士

…………

「…………」

………………

「……にちは……」

……だれかが、何かを言っている。

「……こんにちは」

だれ、なんだな?

「こんにちは、これであなたに話すのは何回目でしょうか?」

え?

「申し遅れました、僕はあなたをこの世界に連れてきたセレビイです」

セレビイ?

「あなたに伝えたいことは山ほどありますが、まず先程の闘い、お疲れ様です」

あ、……、なんだな……。

「何故あなた達をこの世界に連れてきたか? その理由は、この世界がどのようなものであるか? から話す必要がありますが、多分あなたは大体勘付いているはずです。だからこの場ではそれは割愛いたします、詳しくは女史から話を聞いて下さい」

はい、なんだな。

「なので、ここではドラゴン四天王のリディアでは無い、あの彼について話すことにしましょう」

リディアさん……。

「一言で言えばあの時彼女はバトルで弱った隙に意識と体を乗っ取られて操られていた、ゴーストタイプも存在するポケモンの世界のことだから、その詳細は分からないですが方法はいくらでも思いつく」

確かに、そうだなあ。

「じゃあ誰が彼女にあのようなことを言わせたのか? それは申し訳ないですが、ボクにも分からない。ですが、あの堕天才の知り合いじゃないかと感じています。彼は問題提起をしたかったのだろうと、僕は考えてます」

問題提起?

「DCはポケモン世界を守るために人間世界を襲うと言う、DMはそれはやってはいけないと言う、ボク達はポケモン世界と人間世界は分かり合えると言う。そこにちょっと待って欲しいと言いたかった」

え?

「そもそもポケモン世界なんていらないだろう、なぜポケモン世界をそこまでして残そうと思うのか、こんな存在意義の揺らいだ世界は滅んでしまうべきじゃないのか? と言う考えがあることを伝えたかったのだと思います」

僕はそんなの嫌なんだな。

「なぜ?」

ポケモンが好きだから、無くなって欲しくない。

「……ありがとうございます、うれしい。 ところでタンバ島の謎の石碑がありましたね、あれもリディアではない彼の仕業のようです、何も意味を持たない石碑を用意することで無意味を表現したのでしょうね」

そうなんだ。

「そういういろいろな考え方を知った上で、自分の信じた道をひたすらに突き進む、あなたは夢は自分で創り出すものだって大切なことを分かっていますね」

……うん。

「今の僕には応援することしかできないですれど、あなたならばあのガウリイルに勝てる気がします」

そうかなぁ……?

「次は、実際に会ってお話しましょう、それでは」

…………

……

 気が付いたらベットにいたという話は大きな交通事故に遭って気を失った時なんかによくある話というがのだが、こうして異世界に来てからも体験するとは思わなかった。
「あ、あれ――……」
 ぐるぐると世界が回る、悪い寝起きのときのようにひどい気分で、頭の中に変な光景が終始浮かんでは消えて行き、混乱している。
「ああ ……ええと」
 マルクはベットに寝そべりながら、あやふやな記憶を手繰り寄せて、さきほど自分に起きた出来事を整理してみる。
「……確か、リアーズとリディアとの戦闘をして、辛勝して…… それから、すぐに。 気を失ってしまったんだなぁ」
 未だに気分は優れないのだが、声に出したからか少しだけ落ち着いた。すると、ここは一体どこなのだろうか? とマルクは考える。
 片付けられているもののそれまで誰かがそこで寝泊りをして暮らしていた生活臭のする質素な作りの部屋、そんな部屋のベットにこうして寝かせられたのだろう。部屋の造りからまだDC本部内であることはなんとなく予想が付く。
 横を見ると有留がすやすやと寝ていた、先程の死闘なんてまるで無かったかのように幸せそうな寝息を立てている。レイルとミナヅキとMakotoは、いなかった。僕達はDCに捕まってしまったのだろうか? いや、それならばこんな状況になるはずも無い。となれば、考えられる可能性はただ一つ。
 十分な休養が取れたのか体の痛みはそこまででもなく、マルクは上体を起こす。有留を起こさないようにそおっとベットから下りて、まずはこの部屋から出ることにした、カギが掛かっていなかったようだ、ドアノブを回し扉を開ける。
「……あ、おはようございます。マルクさん」
 ドアの開く音に反応して振り向いたライチュウは、それまでの緊張から拍子抜けするような、まるで久しぶりに気の合う知り合いを見つけた時のように、軽い調子で挨拶をした。自分が知っているライチュウは2人いるが見間違えることは無い、室内だというのに礼儀知らずにコートを羽織っている――
「……秋葉さん」
 マルクは、彼女の名を呼ぶ。人間世界から来た同じ立場でありながら、DCに賛同していた、有留の従姉妹である朱鷺と共に、自分達と敵対していた、あきはばら博士。
 僕は、彼女に聞きたいことがあった。
「何故、僕達を助けたのですか?」
「不正解です」
 秋葉は言う。
「今この場所で、その質問は相応しくないです」
 相応しくない、そういう問題なのだろうか?
 こう疑問を持つことに、正しさとか間違いとかあるのだろうか?とマルクは不可思議に思いつつ、素直に質問を代えてみる。
「何故、ラプラスさんに電話をしたのですか?」
「正解」
 秋葉は嬉しそうに笑った。

2011/03/03 Thu 23:46 [No.153]

Re: イラスト投下スレッド

仙桃 朱鷺

PNG 600x700 482.4kb

よめないや

2011/02/07 Mon 03:28 [No.121]

ウタ

仙桃 朱鷺

上と同じノリで生まれたもの・・・。しかしこれだとめっちゃアキチュウへの依存度が高いのが見て取れる・・・





翼を手に入れた私は
迷い込んだ世界で歓喜して
差し延べられた手を取って
その道を選んで進んだの

さみしがる迷子の私
見たことない場所 彷徨い
奇麗な瞳をもった
ひとりの女性と出会う

目が合ったその瞬間に
驚き笑ったその場所で
聞いた世界の行方を知り
私は仲間になった

求めたものは 楽しい未来滅ばぬ道
仲間への攻撃
私は行く 自分が選んだ選択 叶える為に
全ては私じゃ変えられない

ひるむ心捨てて
貴女の力になれるのなら
この自我さえ隠しこんで
暗示に身を委ねてしまおう

曖昧に見える景色
敵の巣窟この場所で
意志を秘めたままに
味方となる人を捜す

戦おうと向かい合った時
探していた人と巡り会い
言葉を交わさぬままで
その場を立ち去った

手に入れたのは この手の中
情報、思い、目的、目標
淡い意志 目覚めの言葉
敵にばれないで戻る正気
侵されない

私が選んだこの道は
最後まで揺るがさず行くんだ
後悔さえしないほど
私はここを選んだのだから

あぁ 仲間への攻撃は
憎しみ戸惑い恐れを生む
怒れる仲間の声は
私の心を貫く

(ごめんなさいごめんなさい)
(でも人間は死な無いから帰るだけだから)
(かえったら謝りますから)
(許してください・・・)
(私の目的のため)
(私は皆の邪魔をします)

目標と終に向う私は
暗示眠状態を解き放って
彼女と別行動をとり
言葉を全て秘めたまま
人間と戦い

連れ去ったの

目覚めた相手に独白と
返ってきた味方と仲間
従姉に再開抱き着き
残りの敵と立ち向かうため
手を組んだ彼等を見送って

最後の戦いが終わる時
私は全て託し願う

2011/02/07 Mon 00:05 [No.119]

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