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たろー
この演目のイメージです。
特にダンサーさんとジャグラーさんは読んでもらえると動きの所作のイメージを作りやすいかと思われます。
これはどれがどの役でどういう意味とか、そういう感じではなく(あるいはそうかもしれませんが)、空気感のイメージのようなものです。
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ふと気づくとあなたは淡黄色の霧がかった場所にいる。いつからそこにいるのか、もしかしてあなたはいないのか、またはずっと最初からそこにいたのか、あなたにはわからない。霧はさっきまでは黄色だったが今はえんじ色をしている。海老色の草原が広がる。一歩歩いてみると砂利の感触が足の裏をこそば立たせる。冷たい。どうやら足元の地面は水を湛えているようだ。あなたの足取りに反響するように水面は、あなたの足首をくすぐる。
遠くにあなたの身の丈ほどの滲んだもやが見えた。どうしてか、あなたはそれを人影だと知っている。人影はゆったりとした足取りで行き交っている。数は十数。あれは昨日、昼下がりに花屋の前で挨拶をした知人だ。あなたの肺が、風のない午後の蒸し暑い空気の湿度を思い出す。体の内から蒸せかえるほどに暑い。足元の刺すような水の冷たさと混ぜられて、眩暈のような錯覚を覚える。霧はすっかり深い紅色をしていた。
人影はどんどんせわしなく行き交う。あなたの足取りもあなたの意思とは裏腹に、いつのまにか速くなっている。汗をかく。息がしづらい。根拠のない焦りを感じる。
どこへ向かっているのか、先には何があるのか、または今いる場所がどこなのか、あなたにはわからない。けれども流れに身を委ねていると、あなたは不気味な心地よい充足感を得る。
鳥肌が立つような空寒い快感と焦燥感の中、目を覚ますとあなたはもとの霧がかった水際に居た。霧の色は、もとの薄い黄色をしていた。甘い、苦い、予感を感じる。
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イメージは抽象的かもしれませんが対象や動作や物事だけ伝わりやすいように具体的に描写ました、好きに解釈して下さって結構ですが、その読んで感じた感情とかイメージを共有したいです。
2012/09/29 Sat 11:28 [No.86]