kaku
ほむらはすぐにケツを杏子に向けた。
「まあまあ、落ち着けって。私は別に、お前のケツに槍をブッ刺したいわけじゃないんだ。だから、ここはまどかにやってもらうとするか!」
「え?私ですか?」
「そうだ。あとはこのスイッチを押せば、押している間だけ槍が巨大化するようになっている。魔法で槍の重さも無くしてあるから、まどかでも扱えるはずだ。さあ、あの雌豚の汚いケツに、神の雷を食らわせてやりな!!」
それは、杏子の気遣いであった。杏子は、ほむらの想い人がまどかであることを知っていたのだ。なぜそんなことを知っているかというと、巴マミ亡き後、まどかの尿を極秘に採取する役目を負っていたのが杏子だったためだ。巴マミが死に、尿を採取する者が居なくなり、尿を手に入れられなくなったストレスでハゲそうになっていたほむらは、敵である杏子に恥を偲んで土下座したのである。
何はともあれ、ほむらは、杏子の思いやりに感激していた。
(ああ、杏子は私をこんなに想ってくれている。土下座しながら舌を噛みちぎろうとしていた昔の私はなんと馬鹿なんだ……そう、土下座してよかったんだほむぅ!後悔なんてあるわけない!)
その頬を、キラリと一筋の涙が伝ったのを、杏子は見ていたが、気づかないふりをした。
涙など見ていなかったまどかは、槍を拾い、構えた。
「じゃあ……いくよ、ほむらちゃん!!」
「バッチこーーい!!」
ほむらが突き出した尻に向けて、まどかは伸縮自在の如意槍を突き出した……その瞬間!!
「待って!!みんな!!」
彼方から、声が響いた。
「だ……誰!?」
「何者!?」
「どこのどいつだ!!」
「邪魔をするなほむぅ!!」
アナル貫通プレイを中止した中止した四人は、辺りを見回したが、誰も見当たらない。そんな四人をよそに、謎の声は笑った。
「くっくっく……とう!」
掛け声と共に、声の主が、水しぶきをあげ、海中より躍り出た。
遂に現れた声の主を目の当たりにした三人は、同時に叫んだ。
「さやかちゃん!」「美樹さやか!!」「美樹さん!」「さ……さやかぁあああああ!!」
まどかの声は歓喜に震えていたが、ほむらの声はまるで地中深くから立ち上るような恨みに満ちたものであり、巴マミは特に関心がない様子で、杏子はすでに涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃになっていた。
そこにいたのは、青い魔法少女美樹さやかだった。
「お待たせしました!!」
その後、まどかが槍でさやかを突き刺したあとさやかが甦るくだりがあるのだが、省略する。
「そういうわけで、杏子が自爆したあとも実は生きていた私は、偶然拾った百合ものの薄い本を見て、♀×♀にハマったんだ!そしたらもうキョースケとかどうでもよくなって、ソウルジェムの穢れも無くなって元に戻ったというわけ。私って、ほんとバカ!!それはさておき、杏子!!セックスしよう!!」
「……ほんと、バカ」
そう言うと、杏子は、今まで誰にも見せたことがないほどのしおらしい表情を作り、頬を赤らめながら、服を脱ぎ始めた。そこから先は、語るのは野暮というものだ。
「まあまあ、真昼間からおっぱじめちゃって……ふふ、仲良きことは美しきかな、てね」
巴マミは、まどかとほむらに微笑みかけた。
「え?そ……そう、ですね……」
「……」
ほむらは、無言のままだった。一瞬まどかと目が合ったが、すぐに逸らしてしまった。さやかと杏子が今していることは、ほむらがずっと望んでいたことだ。
(ああ、私もまどかと、いつか……)
今はまだ、想いを告げることはできない。しかし、ワルプルギスの夜を乗り越えた時、きっと自分は成長できる。
2011/04/21 Thu 01:25 [No.259]