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Re^7: コンテスト用シナリオ (微調整予定 8)

Makoto

個々のパートは専らセリフだけになってますね…。; 少しずつ地の文を加えるつもりです。

――――――――――――――――――――――――

『ううっ…… ここから出してよぉ……』

「? 今何か聞こえた?」
「ううん、何もしゃべってないよ?」

『お願い……だから…… だれか…… 助けに来て……』

「やっぱり、気のせいじゃない! 確かに聞こえた!」
「今の、わたちにもはっきりと聞こえたよ! でも誰もいないのに何故?」
「何だろう……。今の声、頭の中に伝わってくる…… 不思議と優しい感じがするもん」
「もしかして、テレパシーかな?」

『キミたち…… ボクの“コエ”が聞こえるみたいだね……』

『今のはボクがこの洞窟にテレパシーを流してるの。悪者が寝てる間に、隙を突いて、ね』

「ねぇ、いったい何があったの? どこからボクたちに語りかけてるの?」

『ボクは…… 元は遠い山でぐっすり眠ってたんだけど、いつの間にか揺り動かされて起こされたの……。その後、ここに連れて来られたんだ』

『どうしても叶えたい夢があるから起きてくれだなんて。それも、混沌の争いの種をまき散らす世の中を無に帰せってね』

「確かにおたずねものとか悪いポケモンは住み着いてるけど、何でそこまでする必要が!?」
「それって、もしかしてこの世界をまとめて……?」

『わからない……。でも、ひどい話だよね。ボクはもちろん断ったよ。そんな禍々しい夢なんか叶える必要はないって。でも、そしたら実力行使に持ち出して……』

「無理やりに願いを叶えさせようとしたの……!?」
「うぅ、なんてひどいことを!」

『気をつけて、みんな……。その悪者、他に取り巻きがいるみたいなんだ。キミたちの後ろ……ひょっとして、誰かがついてきてなかったかい?』
「え? 誰とも会わなかったけど?」
『そうなんだ……。ボクの思い過ごしならいいんだけど……』

『今はキミたちの前の部屋に、ボクはそこにいるの。あのポケモンたち、どうにも願いを叶えるまで離れようとしないんだ……』

「行こうよ、みんな。誰だか分らないけど、あの子とても苦しがってる!」
「あ、ちょっと待ってよヒメ! 闇雲に走り回ると危ないよ!」
「どんな願いであろうとも、人を傷つけていい訳ないよ! 助けなくちゃ!」

『ボク、キミたちが来てくれるのを待ってたんだ。暗くて湿ってる所から救ってくれる、澄みきった心を持つポケモンたちが助けに来てくれることを……』

「シフォン、ボクたちも行こう! このまま困っているポケモンを放っておけるものか!」
「わかったよお兄ちゃん! シフォンも手伝うもん!」
『みんな、避けて!! 後ろから危険が……』

 少しずつ途切れていく“コエ”の切実な呼びかけに、リュカたちは意気投合して急いで広い空間の奥まで駆けだしていく。と、後ろから何者かの“どくばり”が飛んできた。
 ヒメは不意をつかれて、“どくばり”の強襲に耳を刺されて倒れてしまう。

「きゃっ、ああああっ!?」
「ヒ、ヒメ!?」
「大丈夫か! 今手当てを……!」

 慌てて駆け寄るリュカとシフォン。そこへ凄まじい強風がリュカたち目がけて襲い掛かってくる。“ふきとばし”だ!
 小柄な体格と軽い体重が災いして、3匹は強風に吹き飛ばされて壁に思いきり叩きつけられてしまう。その強い衝撃に、彼らはたちまち意識が遠のいてしまった。

「意外と呆気無かったな、こいつら。戦いにはまだ慣れてないとみて間違いない」
「そんなんでポケモンを助けようなんて……」
「10年早いなりよ?」

 ひそひそと後ろを付けていた卑怯な3匹組は、気絶した子どもたちを見てクックッと含み笑いを隠し切れずにいた……。

2011/07/18 Mon 22:11 [No.459]