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Re^6: KS『Knight Turtle's Story』テストアップ板

宮野

その日の夜。シャワーを浴びた後、ユウは自分の部屋のベッドで学園でナギと再会した事を振り返る。

「まさか、ナギ君が転校生だったなんて、本当に驚いたなぁ」
 髪を乾かしながら、パジャマ姿へと着替えるユウ。とその時、ゴトッという音が聞こえた。

 何事か、と思い襖(ふすま)を開けるユウ。そこには5、6人の少年達がいた。

「な、何なの、あんた達……人の家に勝手に入り込んで……」
「ハロー☆」

 少年達は何の忠告も無しに、ユウを連れ去ろうとする。突然の襲撃に、ユウは悲鳴をあげる。

「連れて行け!」
「いやああああっ!」

 一方、部活からの帰りの中、ユウの悲鳴を聞いたナギ。急いでエトミヤ家に行くナギ。
「あの声は、エトミヤさん!?」

「あんた達、何のつもりなの!? あたしをどうする気!?」
「…………」
 無言でユウを連れ去ろうとする少年達。と、竹刀で1人の少年を凄まじい威力で気絶させた。

「大丈夫ですか、エトミヤさん! 助けに来ました!」
「ナギ君!」
「貴方達は一体……」
(シン・カミナギ……何故此処にいる!?)
 竹刀を構えてユウを助けようとするナギ。

「どうしてナギ君があたしの家にいる訳!?」
「い、いや、エトミヤさんの悲鳴を聞いてて……それで……」
 助けに来たのは良いが、事情を知らないユウ。とそこへ……。

「食らえ、“エレコムナックル”!」
「くっ、何てパワーなんだ!」
 竹刀でガードするものの、凄まじい攻撃を誇る拳に苦戦するナギ。

「ナギ君、後ろっ!」
「ッ!」
「後ろに気付かないお前はドジだな!」
 後ろにいたもう1人の少年に背中に攻撃を受けたナギはそのまま気絶してしまった。

「ナギ君ッ!」
 同時にユウも攻撃を食らい気絶してしまった。

★同時刻 図書館

 目を覚ましたユウ。ナギも一緒だが彼は未だに気を失っている。

「此処は、図書館……何で……?」

「お前達は此処で消えなければならない。お偉いさんの命令でね」
「お偉いさんの命令……? あたしが何をしたって言うの!?」
「さぁ、消えて貰おうか!」
「待って下さい!」
 目を覚ましたナギがユウの目の前に現れる。

「貴様、動けるのか!?」
「ナギ君! ああっ!!」
 ユウが1人の少年に腕を掴まれる。

「その人を離して下さい!」
「駄目だね。こいつは消えるんだから」
「そういう訳だ。“ウォールランス“!」

 無数の草の葉の刃がナギに襲い掛かり、その振動で爆発する。

「ナギ君ッ!!」
「ははっ、いい様だ」
 悲鳴を上げるユウ。

「いい加減にしてください……エトミヤさんが何をしたって言うんですか?」
「き、貴様、まだ動けるのか!?」
 白煙の影からナギが無傷で現れる。彼の表情は怒りで満ちている。そしてユウは学園の廊下でナギの言葉を振り返る。

(あんたって、一言で言い返せば『おっとりしていて、天然で世間知らず』だよね。でも、健気な一面もある)
(……『健気』って、そんな事は皆さんからは聞いてないですよ)
(そういや、金曜日の夜にあんたと初めて会った時、どことなくナギ君に見えた筈……)
(……え? それって……?)
(……勘だよ、勘。だから、あたしがあんたを守る)

「エトミヤさんは僕を守るって言ってました。だから、今度は僕がエトミヤさんを守ってみせる!」
 右腕に付けていた包帯が外され、シルシが青白く光った。

「貴様、もしかして……!?」
「ナギ君……!?」

 ナギの発言した言葉「エンゲージ」の後に、氷の氷柱と結晶がナギの周り一帯に広がる。

「貴様ぁぁっ! シュルツ能力者か―――!?」
「……貴様に言われたくない」
 現れたのは、ナギに見えるが、性格と衣装・瞳の色が違う人物。

「あれは、神威……くん……?」
 そう、シン・カミナギはシュルツ能力者でコードネームは『神威』。ユウは驚きながら見ていた。
 これが戦いのゴングが鳴り響いた。

(シュルツ……能力者……)

2011/07/17 Sun 01:32 [No.453]