Makoto
今頃になって一応本編の続き物を作ってみましたけど、まだ本調子じゃないなぁ…… 唐突で申し訳ないですが、アドバイスや意見などがありましたら是非とも御願いします。;
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道端の野良猫とすれ違いながら、ゴミ箱に乗って高い塀と屋根を伝って渡り、そして飛び降りまた回り道。旧市街の細道を越え、ユウキは道なりにどんどん小さな道の中を突き進む。
しばらく走って、スタミナの限界を感じた彼は一旦立ち止まり、辺りを見回した。
「おかしいぞ。ここに来てカラスの鳴く声さえ聞こえてこない……」
いつもなら路地裏の電柱の上のカラスたちが、夕刻を告げるけたたましい鳴き声を上げているはずなのに。
普段通っている道とは違う、何か冷たく張り裂けるような空気。まるで自分の知らない世界に迷い込んだような感覚だ。
「考えもなしに、追いかけるのがマズかったかな」
知らない場所を奥深くまで一人で踏み込んだ経験の無いユウキにとっては、怖さを隠せずにはいられなかった。暗く狭い道から、突然変な無法者に出くわさないか。途方もない心配が彼の決意を揺らぎをかけていく。
しかし、ここで立ち止まる訳にはいかない。あの“コエ”は、かすれながらも「助けて」とハッキリと言っていた。姿が見えないとはいえ、誰かが危険な目に会っているのを放っておけるのだろうか。いや、放っておけない!
一回深呼吸をして落ち着かせて、また走り出す。見えない“コエ”を目指して道なる道を突き進んで。
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「ふぅ、こんな所に公園があるなんて、知らなかったな」
しばらく進んで、ユウキは小さな公園に行き着いていた。いや、公園跡地と言った方がいいかもしれない。
「それにしても…… 汚いなぁ、ここ掃除されてないんじゃないかぁ?」
誰も使われていない寂れた遊具の集まり…… ブランコと思われる遊び場は錆びていて、鉄のチェーンは切れかかっているようだ。すべり台やタイヤの置かれている空地も、今では雑草や蔦にまみれてしまっている。これではとても子供が楽しめる環境とは言えないだろう。
「おーい、誰かいるのかー?」
何度か呼びかけてみるが、返ってくるのは公園の周りに茂っている木々のさざめきばかり。鳥の声の聞こえない揺らぐ木々には、一層不気味なものがある。
見つけたのは小さな手入れのされてない公園だけか。やっぱりあの“コエ”は幻だったのか…… でも、後で日記にこの事を書き記そう。
そう思ったユウキは来た道を引き返そうとした。と、その時。
小さな砂場に、何か小っちゃくて丸いものが見えた気がした――
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2011/07/01 Fri 23:53 [No.413]