ジャグラー
あ、あのさロズウェル」
「なんだ、ロザリィ?」
ロザリィの声にロズウェルが反応し、ロザリィの方に顔を向ける。
ロザリィの少し赤く、下を向いている。
「あたしさ、この王国軍と一緒に行動して分かった事があるんだ。
アンクは、帝国軍が奪ってアンクカノンっていうあたし達のアンクを組み合わせた砲台になってたわ。
でも、あのキリエとかいうクリフライダーが特攻して粉々になっちゃって・・・今は、この破片しかないわ」
彼女は服のポケットに入れていた、アンクの破片をロズウェルに見せる。
「だから、さ。もうアンクも何もないし・・・これ以上戦うと犠牲が広がっていくし・・・また二人で、昔みたいに魔術の研究をしない?」
言い終わった後に、ロザリィはふと考える。
このアンクをめぐって、自分達は大勢の命を散らして来た・・・今自分がしている事は、アンクがなくなったから戦う理由がない。だから和平しようと言っているものではないのだろうか。
ロズウェルは、自分のことを図々しいと思っていないだろうか。
「・・・」
「な、何か言ってよ!」
「・・・奇遇だな。私もそれを考えていた。」
「え・・・?」
ロズウェルは、すっとロザリィの手からアンクの破片を取り、地面に置く。
そして、彼の持っていた杖でその破片を粉々にしてしまった。
「ロザリィ。私も同じ考えだ。もう、戦いをすることはない。アンクがあったから、私達はあんな戦いを起こしてしまった。だけどもうアンクはない。昔に戻ろう。・・・和平をしよう。ロザリィ。」
「ロズウェル・・・もちろんよ。二人で、ヴァーレンヒルズを治めていきましょ?」
「ああ、もちろんだ。」
「・・・それに、いずれはあんたと・・・」
「?」
「な、なんでもないわよ!ほら、王国軍も行こうとしてるし、早く来なさいよ!」
「え、おい!ロザリィ!?」
顔を赤くし、ロザリィはロズウェルを引っ張ってユグドラの元に向かった。
ロズウェルには何がなんなのか、全く理解できなかった。
一方のロザリィは、顔を赤くしてユグドラの元に向かうまでロズウェルの方を向かなかった。
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ユグドラ・ユニオンのEDがあまりにも犠牲が多すぎて切なかったので、全員生還させてみました。
ミラノとかロザリィとかエレナとか、あまりにも可哀想すぎますよ。
ミラノは大事な仲間を一人失い、ロザリィはかつての友を失って、エレナは兄を失って・・・。
他にも可哀想な方々はたくさん。せめて、捏造EDではネシアの思い通りにはさせたくない、ということでこんなものを書いてました。
もうちょっと続きがありますが、それはまた後日・・・。
2011/06/21 Tue 23:15 [No.398]