ゆとり
そしてそれをブリザの方に向かって持っていき、地面にすぐさま置いた。
「さてと、このまま開ければいいのだが・・・・・・」
シャインは金庫に着いている暗証番号を入力する装置を見てため息をついた。
「ある意味ここまでですか・・・・・・まあ、実はセレビィを捕らえている檻の鍵なんて最初から無かった、ということを知っていたらそんなことどうでもよかったと思えたんですけどね・・・・・・」
ブリザもシャインにつられてため息をつく。
「仕方ない、こうなったら金庫だけ壊して鍵を入手するしかないな」
「壊すって・・・・・・ええっ!?」
ブリザは一瞬ポカンとなった。
「鍵一個に対して妙に金庫が大きいから何とか鍵を気にせずに壊せそうだからな。それはそうと【ギガインパクト】を使えるか、ブリザ?」
「えっと、もちろん使えますけど、どうかしたんですか?」
ブリザは不思議そうにシャインの質問に答えた。
「ありがとう、答えてくれて。すまないが今からこの金庫を【冷凍ビーム】か何かで冷やしたあとに、【ギガインパクト】で金庫を殴ってくれないかな?」
「でっ、でも知らずの内に鍵ごと壊してしまったら・・・・・・」
「大丈夫だ、さっき言った通りこの金庫は鍵一個に対して妙に金庫が大きすぎる。だから鍵を左端の方に寄せたあと、ブリザはさっき俺が言った通りに冷やしたあと、右端の方を狙って殴れ」
「そ、そういうことなのですか! 分かりました、では喜んでお引き受け致します」
ブリザの顔が急に笑顔になった。
そしてすぐにシャインは、鍵を左端の方に寄せる為に金庫を立てた。
そしてそれを元の体制に戻し、金庫から離れたあとブリザにOKサインをだした。
そのOKサインを見たブリザは、すかさず【冷凍ビーム】で金庫をキンキンに冷やしたあと、【ギガインパクト】で金庫の右端をただ一直線に狙っていく。
そしてブリザは渾身の一撃で金庫の右端辺りを強く殴った。
鈍く大きな音が辺りに響き渡る------
「よくやった、ブリザ!」
そう叫んだあと、シャインはすぐさま右半分が粉々になった金庫の方に向かっていき、そこから一つの大きな鍵を手にとった。
その鍵には、【色違いセレビィのお部屋】と書かれたシールが貼られてあった。
ブリザは【ギガインパクト】を放ったせいか息を切らして疲れていたが、その鍵を見ただけで笑顔になり、体から疲れが抜けていくのを感じた。
2011/03/05 Sat 22:37 [No.163]