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覇王樹
ロンクー
…この辺りの敵は、片付いたか…
ジェローム
…お前は?
ロンクー
!!
…………
俺は、異界から来た援軍だ。
ジェローム
…そう、なのか。
先程から気になっていたのだが、
お前の戦い方は見事だな。
攻めにも守りにもまるで隙がない。
ロンクー
…そうか。
ジェローム
それに…お前を見ていると、
誰かを思い出すんだ。
そう…まるで、私の…
ロンクー
…戦場での雑談は無用だ!
失礼する…!
ジェローム
あ…おい!?
ロンクー
ミネルヴァ…?
…っ! しまった…!
ジェローム
お前、今…ミネルヴァと言ったな?
なぜ私の飛竜の名を知っている?
それに…ミネルヴァの今の鳴き声は…
父さんを呼ぶ時のものと同じだった。
もう何年も聞くことのなかった
鳴き声を…どうして今…
ロンクー
それは…
ジェローム
父さん…なんだな?
ロンクー
…………
ジェローム
…本当は、似ていると思っていた。
援軍が現れた時から、ずっと…!
その動きも、その構えも、
声も、話し方も…!
…父さんなんだな?
例え別人でも、私の…!
ロンクー
…すまない。
名乗るつもりは無かったのだが…
俺の若い姿を知る、ミネルヴァまでは
誤魔化せなかったな。
…こんな状況で、よく頑張った。
よく生きていてくれた…ジェローム。
ジェローム
…!! …っ!!
父さ……
ロンクー
泣くな、ジェローム。
その仮面は何のためだ?
相手に動揺や焦りを悟らせないための
仮面だろう?
なのに、こんなに簡単に…
相手に感情を悟らせてはいけない。
ジェローム
…無茶を言うな。
私は…父さんのように
常に冷静ではいられないんだ…
ロンクー
いや…俺だって、
常にそうあれる訳ではない。
女に近づかれたら…
とてもではないが平静を保てない。
お前の母…セルジュのおかげで
随分改善されたがな。
だがお前には明確な弱点は無い。
お前は…俺よりもずっと強い。
戦いの腕も…
そしてその心も。
ジェローム
父さん…!
ロンクー
俺は、お前を守るためにここまで来た。
名乗ったからには、
父としてお前を守らせてもらうぞ。
お前も、ミネルヴァも、
決して死なせはしない。
ジェローム
すまない…父さん。
だが、俺も共に戦う。
俺は、強き戦士であった父さんに
近づきたく、て日々鍛錬を積んできた。
それ成果を見てくれないか。
この世界の…父さんの代わりに。
ロンクー
ああ。もちろんだ。
…行くぞ、ジェローム!
ジェローム
ああ!
2012/10/18 Thu 17:14 [No.35]