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[ 編集 ][ 返信 ]司馬史観????

杉さんぼく

司馬遼さんの小説「竜馬がゆく」からこれが司馬史観、歴史だ、思わされた人は多いでしょうね。
反面、司馬嫌いの人の少なくないのも事実ですが。

最近出た「攘夷と皇国」(批評社)に、面白い話が記されていました。

自由民権や赤報隊や庶民史にも論ある歴史家の色川大吉氏が、司馬史観に異議ありとして書き、また問い詰めましたが、そこで司馬遼先生は言いました「色川さんの言うのは歴史でしょう。小説は歴史とは違う、愉しみの娯楽を与え、読んだら絶望するのではだめだ…」
と、逃げをうちました。

が、全く別のところで、あの有名な弁を残します、「竜馬がゆくは歴史として書いた」と。

さらには、竜馬がゆくの取材で、千葉さな子の墓がある清運寺には、司馬遼先生ではなく資料助手の様な女性だった、と。
つまりは、お金と人を使っての取材のなにものでもありません。
こうした手法で、新聞記者だった妻の福田みどりさんと共同作業で、小説にしたてた訳です。

これは何も司馬遼先生だけに限らず、作家にはつきもので、多かれ少なかれあり、否定はし得ません。

小説はあくまでも小説という文学であり、文の学問としての小さな説論入門なのですから、そこに愉しみの娯楽を与えられるために、事実と嘘と虚構に創造があってもいいのです。

しかし、その小説のどこに事実があるのか、どこに小説家の嘘、虚構があるのか、メッセージが込められているのか、そこらあたりに小説を読む面白さと闘いがあるのではないでしょうか。
いみじくも、海音寺潮五郎氏が言いました、うまい小説家は嘘が上手い、と。

やはり司馬遼先生は嘘の上手い小説家、と言っていいのではないでしょうか。

2015/07/28 Tue 10:32 [No.70]

  1. [70] 司馬遼さんの小説「竜馬がゆく」からこれが司馬史観、歴史だ、思わされた人は多いでしょうね。
    反面、司馬嫌いの人の少なくないのも事実ですが。

    最近出た「攘夷と皇国」(批評社)に、面白い話が記されていました。

    自由民権や赤報隊や庶民史にも論ある歴史家の色川大吉氏が、司馬史観に異議ありとして書き、また問い詰めましたが、そこで司馬遼先生は言いました「色川  ・・・・ >> 続き
    司馬史観????
    杉さんぼく 2015/07/28 10:32