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ヘンリー/シンシア

覇王樹

シンシア
 はぁ…はぁ… 何とかここまで耐えたけど…
 でも…武器なしじゃもう… 限界かもしれない…

ヘンリー
 あはははっ! あれ〜? なってないな〜?
 まるでうちの子じゃないみたいだ。

シンシア
 …と、父さん!? 父さんなの!? どういうこと…?
 まさか、死者蘇生の呪い…? でも、あれは禁呪だったはず…

ヘンリー
 さすが、詳しいね〜。 でも呪いじゃないんだ〜。
 僕は別の世界からやって来たヘンリー。 君達にとっては異界の人間になるね。
 短い間だけど、君達を助けにやってきたんだ。

シンシア
 異界の父さんが… あたし達を助けに?

ヘンリー
 そうだよ〜。 ナーガ様に力を借りたんだ〜。
 それにしても、 さっきの弱音は何かな〜?
 シンシアはどんな時でも笑顔を絶やさない、 僕似な子だと思ってたのに、
 そんな弱気な子だったなんて… 僕、残念だな〜。

シンシア
 ち、違うもん! 弱気になんかなってない!
 今はちょっと武器を取り上げられちゃって 戦えないけど…
 今までだって諦めなかった! ずっとみんなで戦ってきた!
 これからだって頑張って… 世界を絶望から救ってみせるんだもん!

ヘンリー
 あはは、その意気だよ! 覇気が戻ってきたかい?

シンシア
 !! …父さん。 もしかしてあたしに発破を…?

ヘンリー
 さぁ、どうだろうね〜?

シンシア
 …ごめんなさい、弱気なこと言って。 あたし、諦めないって決めたのに…
 …でも、もう大丈夫。
 父さんのおかげだよ。 ありがとう、父さん…!

ヘンリー
 うん。それでこそ僕の娘だ。
 それじゃあこの場だけは 僕に任せてくれるかな?
 世界を救うヒーローを、 こんな所で死なせるわけにいかないからね。

シンシア
 うん。 それじゃあ今だけ力を貸して。
 父さんの戦う姿… 目に焼き付けておくわ。

2012/10/05 Fri 03:01 [No.10]