Net4u レンタル掲示板を作る

記事検索

記事検索フォーム
  • 検索結果 11件
  • 所要時間 0.001秒
キーワード

  1. ソール/セレナ(-)
  2. リヒト/ジェローム(2)(-)
  3. リヒト/ジェローム(1)(-)
  4. カラム/ロラン(-)
  5. ヴェイク/アズール(-)
  6. ロンクー/ウード(-)
  7. ガイア/デジェル(-)
  8. フレデリク/ノワール(-)
  9. ドニ/ンン(-)
  10. クロム/ブレディ(-)
  11. クロム/アズール(-)

ソール/セレナ

すら

ソール
セレナかい!?
この世界のセレナなんだね!?
良かった、無事で…!

セレナ
と…父さん!?
父さん! 父さん!

ソール
わ、わわ…
いきなり抱きつかれると困っちゃうな。

セレナ
父さんが生きていてくれたなんて…!
ううっ…! ううっ…!

ソール
よしよし…
セレナ、大変だったね…
でもごめん、僕は…
この世界のソールは、
生き返ったわけじゃないんだ…

セレナ
えっ…?

ソール
僕は異界のソール。
君のお父さんとは…別人なんだ。
違う世界から一時的に
手助けに訪れたに過ぎない。

セレナ
そ、そんな…!

ソール
僕はこの戦いが終わったら、
すぐにここを去らなければならないんだ…

セレナ
…………
あーあ、
せっかく喜んだのに損しちゃった!

ソール
ごめん…セレナ。

セレナ
でも…確かに父さん、
すごく若いしカッコいいね。
もしかして別の世界って
今よりも過去の世界なの?

ソール
あ、うん…

セレナ
もう…父さん…
ぬか喜びさせるくらいなら、
現れないでよ…
うっ…ううっ…

ソール
ごめんね、セレナ…

セレナ
あたし…父さんのことが…
すごく好きだったの…
しっかり者過ぎる母さんと違って、
いつでも穏やかで優しかった父さんが…

ソール
ありがとう…
でもただ君とこうして話して、
そのまま帰るつもりはないからね。
この場は必ず父親として娘を守り切る…
そう誓うよ!

セレナ
ふん…父さんったら…
やっぱり…大好き。

2012/10/28 Sun 19:27 [No.48]

リヒト/ジェローム(2)

すら

(1の続きです。)

ジェローム
俺は、父さんの後は継がなかった。
だが…父さんは俺の憧れだった。
頼りがいのある背中、
優しく大きな手、
その手から放たれる協力な魔法。
全て、鮮明に思い出せる。
…見せてくれるか、父さん。
俺のもう一度…懐かしいその姿を。

リヒト
ジェローム…
で、でも、今の僕の姿は…

ジェローム
ああ、わかっている。
だが、今なら見える気がするんだ。
もう二度と見ることが叶わないはずの…
大好きだった、
あの頃の父さんの姿が。

リヒト
!!
…わかったよ、ジェローム。
そこまで言われちゃ仕方ないね。
父さんのかっこいい姿、
嫌ってほど見せてあげるよ!

ジェローム
ありがとう…父さん。

2012/10/28 Sun 19:14 [No.47]

リヒト/ジェローム(1)

すら

リヒト
ジェロームだね!

ジェローム
!? 子供…?
どうして子供がここに…!

リヒト
…やっぱりそうなるよね。
僕は君の父さんなんだけどなぁ…

ジェローム
…何を言っている!?
私の父は既に死んだ身だ!
どうやって紛れ込んだかは知らんが、
早くここから逃げた方が身のためだぞ!

リヒト
ううん、僕は逃げたりしないよ。
僕は君を助けるために、
別の世界から来たんだから。
その世界はここより昔の世界だから
こんな子供の姿だけど…
ここでは父親として、君を守ってみせる。
大切な息子の…君をね。

ジェローム
…なんだと?
そんな話、信用できるわけが…
ミネルヴァ?

リヒト
ありがとう、ミネルヴァ!
君には僕がわかるんだね!
そうだよね、君は幼い頃の僕にも
会ってるはずだもん。
どう?
この姿、懐かしいでしょ?

ジェローム
……どういうことだ?
本当にこの子供が…
私の父さんだというのか?
それなら、お前が父さんだと言うのなら…
証拠を見せてくれ。

リヒト
えっ? 証拠…?
でも何をすればいいの?

ジェローム
私は幼い頃、父さんから魔法を
教わっていたにもかかわらず、
母さんの後を継いで
ドラゴンナイトになることを決めた。
その時父さんが
私に言った言葉はわかるか…?

リヒト
そんなぁ…それって僕にとっては、
これからもっと先の話でしょ?
そんなの、今の僕にわかるわけ…

ジェローム
…………

リヒト
あ…ううん。
やっぱり、何となくならわかるよ。
きっと僕ならこう言うと思うんだ。
君がどんな道を進もうと、
僕はずっと見守っていきたいし…
男として頼りがいのある騎士に
なりたいなら、その選択は正しいと思う。
でも……少し…寂しい、かな?

ジェローム
…!

リヒト
ど、どうかな?

ジェローム
…………

リヒト
ジェローム…?
やっぱり、不正解だったかな?

ジェローム
…いや、正解だ。
あまりにも記憶の父さんの言葉と
同じだったので…少し、驚いていた。

リヒト
じゃあ僕がリヒトだって
認めてくれる?

ジェローム
ああ…
疑ったりして、悪かった。

リヒト
良かった!

(文字数オーバーなので2へ続きます)

2012/10/28 Sun 19:11 [No.46]

カラム/ロラン

すら

カラム
君は…この世界のロランだね?

ロラン
父様!? まさか…!
どうして父様が…?

カラム
僕は異界という
別世界から来たカラム…
だからこの世界で死んでしまった
君の父親とは別人なんだ…

ロラン
そ、そんなことが…!?

カラム
でも君が生きていてくれて良かった…
無事…とは言えないかもしれないけど。

ロラン
生きていても…僕達はきっともうすぐ…
死んでしまう運命なんです…

カラム
えっ…?

ロラン
最期に別世界とは言え、
父様と会えて良かったです…

カラム
な、何を言っているんだい、ロラン…?
ここまで来て諦めるのかい…?

ロラン
でも敵の勢力は依然強大で…
我々に残された力は
あまりにも心もとない…
僕達にはもうどうする事も…!

カラム
ロラン…
そうか。それは僕も父親を
名乗る資格があるということかもね…

ロラン
え…?

カラム
度重なる戦いの連続で心身共に
疲れ切ってしまったのかと思ったけど、
君はそうじゃない…さっきまで
仲間達と共に頑張っていたじゃないか。
なのに今になって
どうして弱音を吐いているんだい?
それはきっと…

ロラン
は、はい…すみません。
つい父様を前に、
泣きごとを言ってしまっただけです…

カラム
やっぱりそうだったんだね。でもいいさ。
今のは僕しか聞いていないし…

ロラン
父様…

カラム
よしよし…ロラン。よく頑張ったね。
でももう少しだよ?
この局面を乗り切れば
勝利はもうすぐだ…
わずかな間だけど僕も協力するから、
共にがんばろう?

ロラン
は…はい! わかりました!
ありがとうございます…父様。

2012/10/28 Sun 18:55 [No.45]

ヴェイク/アズール

すら

ヴェイク
おうおう、アズール!

アズール
えっ!? と、父さん!?

ヴェイク
おうよ! お前を助けるために
墓場からよみがえって来てやったぜ!

アズール
墓場から…
…つまり、屍兵ってことか。
よりによって
父さんの姿で現れるだなんて…

ヴェイク
おわっ!? ち、違う違う!
言い方が悪かった!
俺様は屍兵じゃねぇ!
だ、だから剣を下ろせって!

アズール
屍兵じゃない…?
…どういうこと?

ヴェイク
俺様は別の世界から来たヴェイクなんだよ!
だから死んだお前の父親とは別人!
よく見ろ、俺様は屍兵みたいに
顔色も悪くないし、目も光ってねぇだろ?

アズール
…確かに、そうみたいだね…

ヴェイク
へへっ、
わかってくれて良かったぜ!
助けに来たのに倒されるなんて
カッコ悪すぎだしな!
アズール。ダチを見捨てなかった
さっきのお前の行動は立派だったぜ!
さっすが俺様の息子ってとこだな!
その気概に免じて俺様も力を貸すぜ!
今からは一緒に戦ってやるから
感謝しろよ!?

アズール
…………

ヴェイク
…あれ?
おーい。アズール?

アズール
う、うぅっ…ぐすっ…

ヴェイク
!! お前、泣いてんのかよ!?
な、何でだ? どこか痛いのか?
それともアレか? オリヴィエみたいに
風の匂いにでも感動したか!?

アズール
違う、違うんだ…
父さんが、本当に屍兵になったんじゃなくて、
良かったって、思って…!
だって、僕…
倒せないよ…
父さんを、この手で倒すなんてこと、
できない…
だから、そうじゃなくて良かった…
良かったよ…

ヴェイク
アズール…
…悪かったよ。ただの冗談のつもりが、
お前を傷つけちまったな。
安心しろアズール。この世界の俺様は
屍兵なんかにゃならねぇよ。
もちろん、この俺様も
ここで死ぬなんてヘマはしねぇから…
力を貸しても、いいか?

アズール
うん、ありがとう…

ヴェイク
よーし、まぁ任せとけって!
ここの敵はみーんな俺様が倒してやる!
お前の出る幕が無いぐらい
活躍してやるから、覚悟しとけ!

アズール
…僕も、父さんには
負けないよ。
父さんよりたくさん敵を倒して、
自慢してやるんだから…覚悟してよね。

ヴェイク
おっ? そんな口が利けるなら
もう涙は乾いたみたいだな?
へへっ、その意気だ!
じゃあ行くぜ、アズール!

2012/10/28 Sun 17:30 [No.44]

ロンクー/ウード

すら

ロンクー
ウードだな…

ウード
父さん!? いや、そんなまさか…
父さんはずっと前に死んだはず…

ロンクー
俺は異界から来た別世界の者。
お前の父親とは別の人間だ。
だが、親子ということに変わりはない。

ウード
そ、そうなのか…

ロンクー
先ほどのお前の闘いに対する強い意思、
しかと見させてもらったぞ。
戦士として目的を遂行するために、
仲間を逃がそうとしたのは…立派だった。

ウード
父さんなら…父さんなら、
あの時ああするかもしれないと思ったんだ。
父さんは昔、賊から母さんを
守りきったと聞いてる。
そして…最期の時は…
その身を呈して、俺を守ってくれた。
だから、今度は俺も、
誰かを守れるような…
父さんのような剣士になりたいと思って…

ロンクー
…そうか。この世界の俺は…
息子に慕われる父親であったようだな。

ウード
あぁ、父さんは俺の誇りだ。

ロンクー
…ありがとう、ウード。
だが、この世界の俺や、
さっきのお前のように、
自分の命を
投げ出すような真似はするな。
仲間を守るにしても…
生きてそれを叶える方法はきっとある。
命を落とせば、
誰も守れなくなってしまうんだ。
この世界の俺が…どれだけ望んでも
お前を守ってやれないように。

ウード
父さん…

ロンクー
約束しろ。今ここで。
もう二度と…自分を犠牲にしないと。

ウード
わかった。
約束するよ…この剣に誓う。

ロンクー
…その言葉が聞けて安心した。
さぁ、下がっていろ、ウード。
この地に来たからには、
お前の命を脅かすものは
この俺が全員叩き伏せてやる。

ウード
ありがとう…父さん。
でも…俺も闘う。
俺に、父さんの背中を預けてくれ。
夢だったんだ…父さんと共に闘うことが。
父さんの背中を、俺が守ることが。

ロンクー
ウード…
ふっ…いいだろう、
俺の背中、お前に預けよう。

ウード
ああ!

2012/10/28 Sun 17:00 [No.43]

ガイア/デジェル

すら

ガイア
デジェルか?

デジェル
ど、どうして
父さんがここに…!?

ガイア
俺は異界から来たガイア。
この世界が危ないって聞いたからな、
はるばる助けに来てやったんだ。
だからこの世界で死んだお前の父親とは
別人ということになる。

デジェル
別人…

ガイア
あぁ。だがお前が俺の
娘であることに変わりは無い。
生きていてくれて嬉しいぜ、デジェル。

デジェル
…私は、全然嬉しくない。
よく私の前に顔が出せたわね、父さん。

ガイア
な、なんだいきなり…!?

デジェル
別人のあなたに聞いても
仕方ないってわかってるけど…
でもどうしても聞きたいの。
どうしてずっと家を空けていたの?
どうして母さんを守ってくれなかったの?
どうして勝手に…死んでしまったの。
私…わたし…
父さんなんて…大嫌いだったわ!

ガイア
デジェル…

デジェル
うぅ…ぐすっ…ごめんなさい…
大嫌いっていうのは嘘よ。
小さい頃、家をよく空ける父さんは
盗賊稼業を続けているんだと思っていた。
将来強くなったら父さんを
捕まえてやるって考えたこともあった…
でも、父さんが死んだ時に聞いたの。
あなたは…各地を回って
屍兵から人々を守っていたんだって。
親を亡くした子供たちの心を
手作りのお菓子で癒していたって…

ガイア
…………

デジェル
でも、そんな立派な
父さんじゃなくて良かった!
守るなら母さんを守って欲しかった!
癒すなら私の心を癒して欲しかったの!
大好きだから、
傍にいてほしかったのよ…!

ガイア
すまない、デジェル…
俺は…お前に辛い思いをさせたんだな…

デジェル
いえ…でもこれは
あなたに言っても仕方のないこと…
ただ、あなたに言えば
本当の父さんに伝わる気がして…
ごめんなさい…

ガイア
謝るな、娘を置いて死んだ父親なんて
許せないに決まってる。
お前のしてきた思いへの対価としては
とんでもなく軽いものになっちまうが…
せめてここでは父親として、
お前を守らせてくれ…!

デジェル
うん、ありがとう、父さん…

2012/10/28 Sun 15:29 [No.42]

フレデリク/ノワール

すら

フレデリク
あなたはこの世界のノワールさんですね。

ノワール
ひっ!?
と、父さん…どうして?

フレデリク
私は貴方をお守りするためにやってきた、
別世界のフレデリクです。
ナーガ様の力によって、一時的に
この世界へとやって来ました。

ノワール
い、異界…?

フレデリク
えぇ…信じがたい話かもしれませんが、
これはまぎれもない真実なのです。
ノワールさん…この世界の
私はどうして死んだのですか?

ノワール
そ、それは…
屍兵に襲われた時に、街の人や
子供たちの身代わりになって…
最後まで自分より他人のために
尽くして死んだと聞いているわ…

フレデリク
そう、なのですか…

ノワール
父さんが死んだ時の母さんは
見たことがないぐらいに取り乱して…
そして父さんを殺した屍兵を
何としてでも見つけると言っていたわ…
そんなの…見つかるはずが無いのに
ずっとずっと…探し続けて…
そして、父さんの後を追うように
母さんも死んでしまった…

フレデリク
あぁ…なんてことでしょう。
我がことながら情けない。
そうして家族を悲しませ、
愛する妻を復讐に駆り立て、
今では娘を
独りにしてしまっているのですね…

ノワール
いいえ、父さんは最期まで
必死に戦ってくれたの…
だ、だから父さんを悪く言わないで…

フレデリク
すみません…確かに正確には
あなたの父は私ではありませんでしたね。

ノワール
………

フレデリク
でも…そうですね。この世界の私は
きっと幸せだったのでしょう。
ここまで自分を大切に想ってくれる
素晴らしい娘に恵まれて…

ノワール
父さん…

フレデリク
彼は町の人を守って散ったことに
悔いはない事と思います…
ですが、最も守りたかったのは
愛する妻と、娘の貴方であったことでしょう。
だからせめて彼の代わりに、
今だけは父親として貴方を守らせて下さい。

ノワール
うっ…ぐすっ…父さんが
そう言ってくれるなんて…
うぅっ…嬉しい…
父さん…来てくれてありがとう…

2012/10/28 Sun 14:48 [No.41]

ドニ/ンン

すら

ンン
無い無い…無いのです。
あれまで屍兵に盗られたら、私は…
困ったのです…。

ドニ
この石だべか?

ンン
あ…はい、そうです。

ドニ
さっき落ちていたのを拾ったんだべ。
これはンンが大事にしている石だべな?

ンン
そ、そうなのです。
お父さんからもらった大事な石で…
竜石みたいな力を持っているわけではないのですが…
…って、あなたは誰なのですか!?
それに、どうして私の名前を?

ドニ
ありゃ、おらとしたことが
説明するのを忘れてただ…!
ンン、これを見るだよ。

ンン
それは…
私の石と同じもの…?

ドニ
おらが将来渡すんだべな…
おらは異界から来たンンの父親だべ。

ンン
…どういう事ですか?

ドニ
ナーガ様の力に導かれて、
一時的にあんたらを助けに来ただよ。

ンン
ナーガ様に…!?
で…でもお父さん若いのです!
おかげで誰だか分からなかったのです…

ドニ
元いた世界はもっと過去だからな。
でも…おらが父親であることに
変わりはないべ。

ンン
お父さん…本当…なのですね。
まさか…こんな奇跡が…
お父さん…会えて嬉しいのです…
ううっ…ううっ…!

ドニ
ンン…
これまでよく頑張ってきただよ。
…おらも少しの間だけでも、父親として
ンンを守ると、この石に誓うだべ。

ンン
ううっ…ぐすっ。
ありがとうなのです…
私も…もう決して諦めないと…
この石に誓うのです…

はじめまして。
微力ではありますが、協力させて下さい!

2012/10/28 Sun 12:53 [No.40]

クロム/ブレディ

覇王樹

クロム
 どうやら無事のようだな、
 良かった…!

ブレディ
 …と、父さん!?
 あんた父さんなのか?
 実は生きてた…わけないよな?
 まさか、幽霊か…?

クロム
 いや…俺はこの世界で死んだ
 お前の父ではない。
 俺は別の世界のクロム。
 一時的にお前を助けに来たんだ。

ブレディ
 別の世界から…俺を助けに?
 そ、それじゃ、頼みがあるんだ!!
 俺の仲間たちを助けてやってくれ!

クロム
 さっき敵地に残った奴らのことだな?
 だが、あいつらが残ったのは
 お前をただ逃がすためではないんだろう?

ブレディ
 あ、ああ…
 宝玉を俺に運ばせるために…

クロム
 なら俺はそれを
 完遂する手助けをしよう。

ブレディ
 な…なんでだよ?
 あいつらを助けてやってくれよ!?

クロム
 屍兵を倒す術の無いお前を
 置いてくことなどできない。
 お前が託された物の
 重さを考えると、尚更だ。
 それに、ブレディ。さっきお前は
 仲間たちが死なないと信じていると言ったな。
 あの言葉は…嘘だったのか?

ブレディ
 嘘なわけ…あるかよ。
 俺は、あいつらを信じてる。
 けど…けどよ、もしかしたらって思いが
 どうしても離れねぇんだよ!
 …俺は、いつも周りに守られて生きてきた。
 家族に、仲間たちに、民たちに。
 俺が、父さんの息子だから…
 イーリスの王子だから!
 でも、俺は非力なせいで
 いつも何一つその恩を返せねぇんだ!!
 もうそんなのは、嫌なんだよ!

クロム
 ブレディ…

ブレディ
 俺は父さんの息子なのに、
 聖王の血を引く王子なのに、
 仲間を守ることすらできねぇ!
 こうやって逃げることしかできねぇんだ!
 それが俺の役割だってわかってても、
 あいつらを守る力を望んでしまうんだよ!!

クロム
 …そうか。お前はそれほどまでに
 強い思いを持っているんだな。
 俺がここに来た理由が、
 今少しわかったような気がする。
 俺は、お前の望む力となるために、
 ここに呼ばれたのかもしれない。

ブレディ
 …………
 父さん…

クロム
 …わかった、ブレディ。
 俺が、お前の戦う力になる。
 お前の代わりに、
 お前の仲間たちを助けに向かおう。

ブレディ
 !! 本当か…!?

クロム
 あぁ。お前の仲間たちが
 生き残っていたなら、必ず守る。
 その代わり、お前も絶対に死ぬな。
 仲間の覚悟を無駄にしないためには、
 お前は前を見て走り続けるしかないんだ。
 それが俺の息子として…
 イーリス王子として、今すべきことだ。

ブレディ
 …ありがとう、父さん。
 ひと目父さんに会えて…良かった。
 あいつらのこと…頼んだぜ。

クロム
 涙はぬぐったか?

ブレディ
 ああ…もう平気だ。

クロム
 …いい顔になったな。
 無事にイーリスに帰るんだぞ、ブレディ!

ブレディ
 ああ…!

2012/10/12 Fri 01:47 [No.25]

クロム/アズール

覇王樹

クロム
 アズール。

アズール
 あ、あなたは…!
 でもそんな、まさか…!?

クロム
 俺は異界の者。ナーガの力を借り、
 一時的にこの世界までやってきたんだ。
 だからこの世界のクロム…お前の父親とは、
 正確には別人ということになる。

アズール
 そ、そうなんだ…
 これが、父さん…
 …………

クロム
 どうした?
 やはりすぐには信じられないか?

アズール
 ううん…父さんは僕が生まれて
 すぐに死んじゃったから、
 なんだか、本当に会えたっていう
 実感が無くて…

クロム
 …そうか。すまない…

アズール
 ううん、謝ることじゃないよ。
 父さんは、
 僕たちを守るために戦ってくれたんだもの。
 …でも、さすが父さんだね。
 近くにいるだけで戦う気力がわいてくるよ。
 強くて優しい瞳をしていて…
 王族としての威厳も感じられる。
 ルキナが言っていた通りの人だよ。
 父さんとルキナは…よく似てる。

クロム
 それを言うなら、お前だって
 俺にそっくりじゃないか?

アズール
 …見た目に関してはね。
 でも、僕は父さんの血を引いているのに…
 ファルシオンが使えない。
 人に希望を与える力も、
 みんなを守れるような力も無い…

クロム
 アズール?

アズール
 さっきだって、咄嗟の判断で
 あんな無謀な真似をしてしまった。
 もっと僕に力があれば、みんなを
 危険な目になんか遭わせないのに、
 もっといい方法で、
 みんなを救えたかもしれないのに!
 こんな僕が、立派だった父さんの息子を
 名乗る資格なんて無いよ…!

クロム
 …そんなことはない!
 お前の行動は、
 みんなを守ろうとしてのことじゃないか!
 最後まで、全員で生き残る希望を
 捨てずに行動したんだろう!?
 お前は…イーリス王子として
 立派な行動をとった!
 お前を非難するような奴がいたら
 俺が許さん!

アズール
 父さん…

クロム
 その瞳の聖痕が示す通り…
 お前は確かに、俺の血を継ぐ息子なんだ!
 だから…だから二度と
 そんなことを言うな!

アズール
 …ごめんなさい。

クロム
 この世界の俺は、お前と言葉を
 交わすことすらできないまま死んだが…
 きっとお前の父親も、
 今のお前に同じことを言っただろう。
 それに、俺がもしさっきのお前と同じ
 状況に陥ったとしても、
 お前のように行動できたかは分からん。
 俺も、お前が思うほど立派な人間ではない。
 だが、大切な息子のために、
 この力を使うことならできる。

アズール
 えっ…でも、父さん…

クロム
 俺は…お前を全力で守りたい。
 この世界の俺が、守れなかった分まで。
 そのために、世界を飛び越えて
 お前の元まで来たんだ。
 力を貸してもいいだろう?
 アズール。

アズール
 …………
 …わかった。
 ありがとう…父さん。

クロム
 いや、礼には及ばん。
 お前をこの手で守れるのならば本望だ。

アズール
 でも…約束して。
 絶対にここでは死なないって。

クロム
 あぁ、わかった。約束する…!

2012/10/11 Thu 17:20 [No.18]