サクラノキ

貴方はそのままでいい。

そのままでいなさい。

無理に変わろうとせず、下手に生きようとせず、
在るがままでそのまま、為すがままで其処から。

貴方はそのままでいい。

そのままでいて下さい。

出来る事なら一度として、そうであることに疑問を持たず、
ただゆく先だけを見つめて、たまに俺を振り返って。

変わらないで下さい。
そんなに悲しい事をしないで下さい。

壊れようとしないで下さい。
お願いだから綺麗なままで、

其処に居て下さい。
此処に居て下さい。

難しく考えることなどないから。

そのままでいなさい。

2010/10/17 Sun 22:18 [No.39]

サクラノキ

目を閉じた。そして、泣いてみた。

痛かった。

息をとめた。そして、笑ってみた。

苦しかった。

どうしてこうも上手く行かないのだろう。
優しい人は、幸せになるべきだというのに。
どうしてこんなに報われないのだろう。
貴女が頑張っていることを俺は知っているのに。

おかしいなあ、おかしいよなあ。

俺よりも貴女が幸せになるべきなのに。

どうしてこうなるのだろう。
少し位、欲張ってもいいと思うのだけど。
なんで泣かなくてはいけないんだろう。
代わりになる事すらも出来ないなんて。

おかしいなあ、おかしいよなあ。

この国の理念はどこへ？

目を閉じた。
泣いてみた。
痛かった。
辛かった。
貴方は泣く事すら出来なかった。

息をとめた。
笑ってみた。
苦しかった。
酷いものだ。

その背は、まだ遠い。

2010/09/18 Sat 20:25 [No.36]

サクラノキ

「i know my all alone」

伸ばしたこの手が貴方にとって、
煩わしいものでなければいいと思う。

かけた声が貴方にとって、
不快を思わせるものでなければいいと思う。

(せめて確かめる勇気があれば)

どちらにせよ、
計り知れる事ではないが。

俺は笑う。
俺は言う。
貴方と笑いたいから。
貴方と話したいから。

せめて伸ばしたこの手が
貴方を幸せに出来たなら。

かけたこの声で

貴方を振り向かせることが出来たなら。

ーーー俺を見てと

胸を張って言えるのに。

言う事が出来るのに。

2010/08/29 Sun 20:38 [No.35]

サクラノキ

「もしも覚えているのなら」

もう覚えていないけど、
もしかしたら、俺のせいだったのかな。

ちゃんとこっちを見て？
他人行儀なんて貴方には似合わない。
いつもみたいにそっけない返事をしてよ。

ねえ、

聞こえてる？
俺のことが分かる？

俺は分かるよ。
貴方のことが分かるよ。

ねえ、

あの時支えてくれたのは貴方で、
信じてくれたのは貴方で、
止めてくれたのは貴方で、

ねえ、

覚えてる？
俺のことが見える？

俺は知ってるよ。
貴方を忘れていないよ。

ねえ。

こっちを見て。

2010/08/04 Wed 16:23 [No.34]

サクラノキ

「空は今日も澄んでいた」

何をされてもいい。
貴方がそう思えた最初で最後の人。

貴方が望むのなら、俺に何をしたっていい。

辛くなったら首を絞める？
寂しくなったら抱きしめてみる？

それでもいい。
それでもいいんだ。

貴方が、
せめて今より、
幸せになれるというのなら、

それでもいい。
それでもいいんだ。

お願いだから必要として。
俺も貴方と同じだ。
独りにしないでほしいんだ。

そんな俺を貴方は笑うだろう？

それでもいい。

それでもいいんだ。

それでもいいから、

貴方が望むようにして。
首を絞めたいのなら絞めて。
その代わり、

今より幸せになって。

最高の笑顔を見せて。

2010/07/25 Sun 19:29 [No.33]

サクラノキ

「ずっと傍にいて。たとえ其れが友情で無くとも」

貴方が謝る必要なんて、何処にもないんだよ。
そんな理由なんて、此処には存在しないんだよ。

分かってる？

分かってないよね、

開けていく。解けていく。
貴方がそれを分かるようになったら
きっと貴方はもう大丈夫だ。

当たり前のように、
其処に居なくてはいけない様に、
もう己の一部と化した貴方が死に逝くことを許さない。

だから泣かないで。
何処かに行こうとしないで。
最低傍にいて。

我儘だと思う？
自分ではそうだと思う。

ずるいだろうこんなの。
分かってるよそんなの。

なら貴方が正して。
俺をまともにして。

貴方によって壊れた俺を貴方が正して。

2010/06/27 Sun 19:49 [No.32]

サクラノキ

「お願い」

お願い。目を開けて。
貴方がその目を開けなければ、
俺は確かめることができない。

貴方の生と、その貴方自身を。

柔らかに瞑られたその目は、
もう開くことはないのか。

答えて下さい。答えを下さい。
俺を置いて逝かないで下さい。

助けを求められたその瞬間から、
頭のどこかでは思っていた。
こんな日が来てしまうのではないかと思っていた。
思っていた。けど、

それに対して喜びを抱くほど俺は薄情な奴じゃない。

死、という無が、
自分に何かを与えてくれるとは思っていない。

生、という有が、
自分を殺していくとは思っていない。

俺なら、
助け出せると思った。
やらなければいけないと思った。

そう、思っていたんだ。

お願い。目を開けて。
貴方がその目を開けなければ、
俺は確かめることが出来ない。

貴方のその瞳に、
映ることが出来ない。
映った自分を、
見ることが出来ない。
確かめることが出来ない。

貴方の生も、貴方自身も、

お願い。

2010/06/13 Sun 20:10 [No.31]

サクラノキ

「精一杯」
負けんな。
(お前が負けないのなら俺も頑張れる)
いつもの様に自信満々で、
返事をした貴方。

泣くなよ。
(お前が泣かないのなら俺も踏ん張れる。)
貴方はただ、
小さな声でどうかなと言った。

止まるなよ。
(お前が進むのなら付いて行くから。)
静かにうなずいて、
ゆっくりと貴方は笑った。

死ぬな、とは言わないが、
せめてもう少し、生きていてくれないか。
ほんの少し、
生を信じてくれないか。

貴方が俺にしてくれた事、
到底かえしきれないが
頑張ってみるから、
やってみるから、
もう少しだけ生きていて、
俺が貴方にかえしきるまで、

負けんなよ、
泣くなよ、
止まるなよ、
死ぬなよと念を押し、

貴方が安全に一日を終えることだけを願って
ただそれだけを願って俺は今日を生きていく。

存在する理由を、
貴方の必要性を、
生きているその意味を、

俺は知っているから。
俺だけは知っているから。

だから生きろ。
死ぬなとは言わないが、

もう少しだけ生きろ。

踏ん張ってみろよ、

2010/05/15 Sat 19:45 [No.30]