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大河ドラマ『花燃ゆ』に維新は語れない

杉さんぼく

維新と言えば、明治維新を想定してしまいますが、慶応4年(1868)9月7日の夜、いくつかの候補に挙がった元号の中から、天皇が引いたくじから「明治」が選ばれたと伝わります。

まあ、そんな事はないにもせよ、その選ばれた明治。

「聖人南面して、天下を聴き、明に嚮いて治む」(易経)

これは「周雖旧邦其命維新」(詩経・大雅文王)という中国の天命思想に繋がります。

「維レ新タナリ」
「維ヨリ新タニス」

明治維新は皇統化した皇国維新概念です。
維新、「君之視民如赤子、民之視君如父母」(神祗志)、「義乃君臣、情兼父子」(雄略天皇遺詔)という、皇室と国民との関係樹立するための、公議朝廷政権題目に過ぎません。

皇室天皇に帰一する家族国家理念での維新とは、大教宣布の明治3年(1870)の詔で、「百度維新、宜しく冶教を明らかにし、以て惟神の道を宣揚すべし」と、[維新][冶教][明らか]と明治維新の語源を説明しました。

でもです、当時の民衆は(明治)維新とは何ぞや、「ご一新」じゃあないのかと、「維レ新タナリ」の意味が判らなかったようです。

まさに、島崎籐村の小説「夜明け前」に言う、青山半蔵の「ご一新とは何だったのか」の何ものでもありません。
下々では、朝廷を「天朝」、徳川将軍を「公方」や「旧幕時代」と言っていたのですから。

果たして、「君、民を視る赤子の如し」「民、君を視る父母の如し」を強いて、維新、維新の題目で、「天子南面す」のごとく、魑魅魍魎が世の中に怪しく南面しようとしているのでありましょうや?の現代の歴史。

そして面白くもなんともない視聴率が下がるばかりの維新ドラマ、それが維新のありようとは、笑止千万の何ものでもありますまいて。

2015/07/28 Tue 10:16 [No.68]