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龍馬惨殺 伊藤痴遊談

杉さんぼく

実録・維新十傑「坂本龍馬-中岡慎太郎」(昭和10年平凡社)を書いた、講談師として名を馳せた伊藤仁太郎痴遊が、昭和2年2月4日に東京放送局で放送した「龍馬の死」で、龍馬暗殺者として、十津川浪士・山田五郎右衛門の名前をあげています。(同書)

はて…。

伊藤痴遊ほど維新資料を集め、読み込んでいる人はいないだけに、この名前はどこから来たのでしょう。

土佐の詩人嶋岡晨氏は小説ながら、岡田以蔵の弟だったかの名前で西尾佐喜市を暗殺者として、列記しているのは分かるにもせよ、伊藤痴遊の山田五郎右衛門っていうのは気になって調べてもよく判りませんでした。

どなたかご存知ないか、というところで、この放送の後日談があって面白い。

龍馬崇拝者であるという杉山又男なる時事新報新聞記者が、放送後に憤慨した手紙を送って来た、とそれを紹介しています。

曰わく、

隆盛や龍馬を語るには、それ以上でなければ資格がない

単なる講談師が龍馬を中岡慎太郎以下に扱ったのは言語道断

薩長連合なども龍馬がいなければ、木戸は如何とも出来なかったではないか、西郷や木戸、高杉などは一小河童に過ぎない

龍馬についての講談するならもっと伝記を研究すべし、その誠意なくば、後龍馬について一言も述べるからず、と龍馬に代わって厳命しておく…

いやはや、いつの時代もいるもんです。

今でも、司馬遼太郎著の竜馬がゆくだけで竜馬は語るにしても、龍馬を語らないファンがいますからね。

2015/12/02 Wed 22:12 [No.207]