杉さんぼく
そう言えば、国定の長岡忠次の忘れ形見・大谷千乗(後に刑部国次を名乗る)も赤報隊に関わっていたとかどうとか…。(小説に、山田風太郎著「旅人国定龍次」「魔群の通過」がある)
話し変わって、岩倉卿絡みの尾張藩青松葉事件についてです。
当時、岩倉卿の動きとはかけはなれていた位置のが三条卿。
この方はあまりポリシーのないお公家さんで、その分早くから行動力ある岩倉卿がフィクサーとして、人の役割を(利用)上手く考える人物として役割を担わざるを得ませんでした。
だから岩倉、大久保ラインはやはり政治家そのものです。
本来は、成彬のもとで隠密方として動いた西郷が、その役割だったかも知れませんが、入水事件以来(替え玉説もある)西郷は隠密性がなりを潜め、利用したりされたりと、成彬時代にはない働きと行動になります。
そんな西郷を知る大久保に、岩倉が早くから運動をして、敬天愛人を旨とする西郷を利用しない手はありません。
青松葉事件と赤報隊事件はその結果そのものです。
青松葉事件を描いた小説なら、城山三郎氏の「冬の派閥」(1982新潮社)がお薦めで、
「…現代における組織と人間の在りようへの問いかけ」(同書あとがき)
をする事で、指導者者の在り方を問う歴史小説です。
ともあれ、敬天愛人を旨とした西郷が、自分の役割にどうだったかは全く判りませんし、掴めません。
大きく叩くと大きく響く、小さく叩くと小さく響く、と龍馬が評したように、そこが西郷の西郷たる由縁でしょう。
正直、ホントによく隠密型の分からない人物です。
2015/11/14 Sat 20:32 [No.198]