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鹿児島の友人の入っている句会「河鹿」(淵脇護氏主宰)の句誌に書かれている「俳句の理念」を読んでみたら、実に背筋の正すべきことが明確に書かれている。
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「河鹿」の理念
俳句はリズムである
そして映像の復元と
自己の投影がならねばならなぬ
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「何」を詠むか十か条
1.自分自身を赤裸々に詠むべし
2.配偶者と我が子を詠み、加えて父母は積極的に詠むべし
3.自分の生活(生業)を詠むべし
4.郷土の風景(風物)や地勢を詠むべし
5.郷土の産業や歴史(遺跡)を詠むべし
6.祖国全体への旅行を心掛け、その土地への挨拶や旅情を詠むべし
7.自分の生き方における考え(思想や哲学)を詠むべし
8.恋(相聞世界)、滑稽(諧謔世界)、風刺(社会批評)、宗教(信仰世界)、祈り(空想世界)、さらには政治や経済の世界を詠むにも厭わず
9.自己体験や見分を大切にすべし。ことに従軍体験、被爆体験、銃後体験などを、高経年者は特に詠み残すべし
10.文学として成立する一行詩は、「虚実皮膜」の創作世界である。何も現実(事実)を写生し描写することだけが全てではない。願望(想像)世界や非現実世界も一行詩の守備範囲と認識すべし
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いやぁ、実に明快に俳句とは何を詠むべきなのかを、教えている。格調高い文章であるし、薩摩隼人らしい風に触れる思いがしますね。
2016/01/25 Mon 14:16 [No.1574]